一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1070  第206回  岩戸句会 10月

2013年10月30日 | 岩戸句会

老犬の目穏やか柿をむく    洋子 

夜長し羊が先に寝てしまう

                    

秋麗喪服きりりと若き嫁     豊春 

山育ち鰯の頭喰えと言う

 

早生蜜柑香りの飛沫顔に浴ぶ   薪

人形にビロードの服秋深む

 

ワイン抜く月おぼろなり指おぼろ 章子

鰯焼く住所不定の猫の来て

 

大樟の落ち着き払う秋祭     歩智

源氏名は櫻と申し柿落葉

 

約束が枯葉のごとく散りゆけり  遊石

鰯干す網代の女の白き指

 

落葉掃く明日は今日の倍返し   炎火

鰯雲午後から曇後小雨

  

息切れの螺旋階段柿日和     正太

義歯なれど蜜のしたたる熟柿かな

 

ひこ鰯指で捌いて酢醤油に    空白

秋となり栗も御芋も本もよし

 

風生るる風に任せて秋の蝶    稱子

葬式のはなし諤諤温め酒

 

団栗を拾う少年時代を拾う    雲水

死んだなら忘れておくれ女郎花


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