(ばんりょくや したがまさぐる ばっしあと)
年齢の「齢」の字は、1字で「とし」とも読む。つまり、昔の人は、「歯の状態で人の年が分かる」ことを知っていた。歯医者のいない時代、皆さんどうしていたんだろう。結局、抜くしかなかったのかもしれない。
虫歯も軽ければセメントを詰めるだけで済むが、深くなると神経を抜かねばならぬ。それから何年かすると、抜歯に至る。
とにかく、若い皆さん、と言ってもこのブログを見ている中に若い人がどのくらいいるのか、全く分からないが、たぶんほとんどいないんじゃないかと思うが、それならば、見ているあなたのお子さんに、又はお孫さんに伝えて欲しい。「歯は大事だ」と。この句のように、弄るようになったら、それこそおしまいだよ、と。
草田男に有名な「万緑の中や吾子の歯生え初むる」という誕生版があるが、この句はその晩年版、なれの果てとして作ったのかもしれない。