一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

624  刻ほろびゆく螢火の点るたび   国夫

2012年06月25日 | 

(ときほろびゆく ほたるびの ともるたび)

 時間は、確かに今現在しかない。生まれてから死ぬまで、私達には今現在しか存在しない。過去は確かにあったのだが、現在の私達の脳味噌に記憶としてあるに過ぎない。いくら映像で保存しても、映っているのはフィルムの中にであり、映像は映像であって実体ではない。だからこの句を

刻生まれゆく螢火の点るたび

としても、全く同じ意味なのだ。何故なら「刻」には実体がなく、生まれも滅びもしないから。

 しかし、読者の印象はまるで違う。前者は否定的、退廃的、悲観的だし、後者は積極的、希望的、楽観的に感じるからだ。

ハギ(ダルマ萩) マメ科ハギ属

早、萩が咲き出しました

 

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