(ときほろびゆく ほたるびの ともるたび)
時間は、確かに今現在しかない。生まれてから死ぬまで、私達には今現在しか存在しない。過去は確かにあったのだが、現在の私達の脳味噌に記憶としてあるに過ぎない。いくら映像で保存しても、映っているのはフィルムの中にであり、映像は映像であって実体ではない。だからこの句を
刻生まれゆく螢火の点るたび
としても、全く同じ意味なのだ。何故なら「刻」には実体がなく、生まれも滅びもしないから。
しかし、読者の印象はまるで違う。前者は否定的、退廃的、悲観的だし、後者は積極的、希望的、楽観的に感じるからだ。
ハギ(ダルマ萩) マメ科ハギ属
早、萩が咲き出しました