※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事
アンダマン・ニコバル諸島からチェンナイに再度戻り、チェンナイからムンバイ、ムンバイからUAEのドバイ、そこまでは飛行機を乗継ぎ、そしてドバイから早朝発のオマーン・マスカット行きのバスに乗って砂漠の道をひた走り、ようやく首都マスカットは海岸線の街・マトラ地区にたどり着きました。翌日マトラ地区の海岸プロムナードから出艇、小一時間漕ぐと上の写真のような入江が出てきました。オマーンは海の美しさでも知る人ぞ知る国ですが、首都圏にしてこの透明度。
↑ アラビアンナイトのシンドバットが船出した地であるオマーンは大昔は海洋国家として大いに栄えましたが、近代化に遅れ、1970年頃までの前国王時代、舗装道路が10キロで、学校が3校たらずという貧窮極まるありさまにまでなり下がりました。それが現在のカブース国王が即位してから一転、近代化に成功し、めざましい発展を遂げました。というわけで発展してそれほど時が経っていないこと、産油国なので工場が少なく、工業廃液などが流れ込まないこと、また国の戦略として環境に非常に気を遣っているなどの理由から、近代国家の首都の海とは考えられないほどきれいでした。
↑ 植物のはえないごつごつとした岩山が、日本とは正反対で新鮮でした。
↑ マスカット近くの海沿いの漁師の村。
↑ さんごも多い。マスカット周辺はダイビングでも人気。
↑ ごつごつした岩山のそばのモスク。海から見ると一層異国感がありました。
↑ どこまで行ってもワイルドな岩山。
↑ 漕ぎ疲れたら美しい入江で休憩。
↑ 気ままに行けるところまで漕ぎ、テキトーな場所に上陸し、カヤックを折りたたんだあと、ヒッチハイクして再びマトラ地区へと戻りました。オマーンは治安が抜群によく(たぶん日本よりいい)、何の心配もなくヒッチハイクできるのがいいです。オマーン人は温和、フレンドリーで、そして何より異文化に対する寛容性と同時にオマーン人であることの誇り、その両方を持って生きている感じが空気感として伝わってきます。ぼくは初日からすぐにオマーンが気に入りました。そして、これまで訪れた中でも最も好きな国のひとつとなりました。
↑ これはUFOではなくお香を炊く香炉を模したモニュメントです。オマーンは、かのクレオパトラをも魅了し、またキリスト生誕の時、東方の三博士が贈り物として捧げたものの一つでもある「乳香(frank insence)」の名産地でもあり、町を歩くとあちこちから何とも言えないエキゾチックなかぐわしい香りが漂ってきます。あんまり日本でかいだことのない、魅惑の香りです(ちなみに大昔には乳香は金銀より価値のあるものだったようです)。オマーン人は乳香その他いろんなお香をミックスして室内で炊き、それを民族衣装に染み込ませている人も多く、すれ違うゴツイオッサンなんかでも、えもいわれぬ魅惑の香りを発していたりします。
↑ 夜にライトアップするとこうなります。UFOそっくり。
↑ もともと砂漠の殺風景な景観なので、街路には色とりどりの花が植えられ、きちんと手入れ、管理されています。
↑ モスク型モニュメントの上に出た星。
↑ モスクの上のこの三日月が、いい。
↑ ライトアップされたオールド・マスカットからマトラ地区への通り。
↑ マスカット・マトラ地区の夜景。
↑ 海沿いのプロムナードでは夜まで市民がくつろいでいます。あくせく、ギスギスしたところが感じられない、温和な感じのする街です。