



ポリネシア•ランギロア環礁往復縦断。
世界で2番目にデカい環礁と言われるが、最果て感が強くて予想以上に味わい深かった。
なんせ200以上のモツ(小島)がある中で、主に人が住むのは2つの島だけ。理由はあまりにもノノ(サンドフライ)が多いからだという。ぼくもこっぴどくやられた。ノノは最恐の生物だと身をもって知る。
半径25キロ圏内に夫婦2人以外誰も住まないゾーンがあって、たまたまそこを通ったときに彼らがいて、泊めさせてもらった。で、サヨナラする際に、ぼくに妙になついてきた犬が沿岸沿いについてきた。最初、ぼくも面白がって犬の散歩気分で進んでたけど、3キロも5キロもついてくる。小島と小島の間もガンガン泳いで渡る。そのうちもう一匹の犬も合流。さすがに腹が減るだろうと思い、サッと釣りして釣った魚をおろしてあげたりする(魚はいくらでも釣れる)。するとますますなついたのか、気がつくと10キロを超えてきた。
さすがにヤバいと思い、振り切るべく見えなくなるくらい沖まで離れたんだけど、15キロ地点くらいでやっと悟ったのか、哀しみと、バーカという侮蔑と、達者でなという惜別が入り混じった不思議な遠吠えを数分繰り返してトボトボ戻っていった。
こいつら、人恋しいのだろう。
こっちもだいぶセンチメンタルになる。