
先日、南紀・みなべ海岸~鹿島(かしま)でのツアーを行いました。
みなべの千里海岸はアカウミガメの産卵地/サンクチュアリとして有名で、
その沖にある鹿島は、古えの時代に、
神が宿る島だとあがめられていました。
また南海地震の荒神を封じ込めているとされる
「要石」(かなめいし)という変わった岩もあったりする、
神々しくも美しい島です。
写真は鹿島からの眺めです。
この角度から見るとものすごく地球が丸く見えるってことを以前発見したのですが、この見え方、すごくぼくのお気に入りなんですよ。
周囲には小規模ですがサンゴの群落もあり、
これから夏になるとシュノーケルも面白いです。
また、ここらへんまでくると、黒潮の香りがすごくしてきます。
シーカヤックに乗って感じる「黒潮」の空気感って、
抽象に思われるかもしれませんが、
しかし感覚の世界では具象です。
紀伊半島では南に向かって岬一つ越えるごとにその感覚が分かるし、
ちょうど湯浅湾では名南風の鼻(ナバエのはな)という岬を越えると、
「ああ、この感じやな」というのが分かります。
で、本州最南端の串本・潮岬まで行くとそれが一番濃くなります。
ここ、みなべあたりはちょうど中間点って感じですね。
紀伊半島を漕いでいると
黒潮フィーリングがグラデーションで移っていくのが面白い。
今、5月後半から7月頭にかけてのスペシャルツアーの日程を立案中なのですが、このみなべ海岸~鹿島ツアーももちろん取り入れます。
ツアー内容詳細は下記の通りです。よろしく。
http://homepage3.nifty.com/creole/minabe.html

先日20日にテレビのロケで南伊勢に行きました。
吉本の芸人の「ミサイルマン」という若手お笑いコンビと一緒にシーカヤックを漕ぎ、南伊勢のリアス式海岸沿いにある、珍しい海跡湖を探検しました。(海跡湖とは、太古に入江だったところが、長い年月、潮流によって運ばれた土砂によって口を閉ざされ、切り離されてできた湖。砂浜のちょうど裏に湖が位置する。上の写真がそうで、ものすごく美しい)。
ここのこと ↓
http://homepage3.nifty.com/creole/kurosio.htm
この日雨と風が強く、なかなかタフなロケだったのですが、ミサイルマンに芸人根性ってやつを見せていただきました。外洋からのうねりの中、全く初めてのシーカヤック。途中で転覆したり、浜で風雨にさらされずぶぬれになって焚火の前で「死ぬ~」とか言いながらブルブル震えだしたり(特別寒くはなかったけど、彼らはすごく薄着だった)、時間が押してお昼御飯抜きだったりして大変だったのですが、いざカメラが回りだすと「シャキーン」と激変して何事もなかったかのように、芸人のしゃべりに戻ります。
すごいなと思いました。
またこの日は、三重県の紀北町から「小山ハウス」の森田さん(ぼくと同じく日本一周航海達成者)、愛知県三河湾から「レインボー」の中谷さんとさゆみちゃんという、3人の同業者が駆けつけ、手伝ってくれました。沖の伴走船から浜までカメラやクルーを運んだり、かなり大変な作業も、おかげさまで何とかなりました。また、出艇場所として最適な「ロッジさらくわ」のオーナー、瀧さんは漁船の手配等など様々なサポートをしてくださり、非常に助かりました。本当にありがとうございました。
なお、この模様は次の4月24日にテレビ朝日の「おはよう朝日土曜日です」の中で放映されます。
またアイランドストリームでもツアーしてる場所ですので、興味ある方はこちらをチェック。
http://homepage3.nifty.com/creole/minamiisetour.htm

ミサイルマン、岩部氏。

ミサイルマン 西代氏。


写真はすべて、先日11月23日に催行しました名張・青蓮寺湖カヤックツアー当日早朝出艇前の湖面のものです。水温と外気温の差異により水面に招かれた霧が幻想的で、太陽光線に照らされるとプリズム状に光が乱反射し、ひときわ別次元感がありました。そして山肌に映える紅葉の色彩・・・。よろしければクリックして拡大してごらください。
やはり、
場所ごとの特徴×四季の変化×時間の変化によって、
カヤックの魅力は無限大に広がっていくんだな、と
改めて実感しました。
紀伊半島、あるいは関西をひとつのホームグラウンドと捉えてみても、
まだまだ開拓する場所、
いろんな方にお見せするフィールド、
魅せ方などが無限に広がっています。
さらに日本、世界とスケールを広げてゆくと・・・、
ヤバイですね。
一生って短いですね。
なんと言っても、ただ絵葉書のように傍観するだけでなく、
カヤックを漕ぎいで、
その一連の脈動のただ中に参入すること、
そこに最大の意義があります。
普段陸上ではまるで意識しない風や波や生き物の息吹が、
水上では、
極めてリアルなものとして心の深いところに刻印されてゆく。
脈動する自然の本質、パルスに対する、
コンセントが刺さっている状態とでも言えましょうか。
そんな経験を貯金のように積み重ねてゆき、
そこから繋がってくる豊かな感性の世界。
ぼくはいわゆる「海岸線ソムリエ、水辺ソムリエ」として
もっともっと素晴らしいフィールドやその魅せ方を
開拓していこうと決意する一日でした。



紅葉の時期にも入ってきましたが、カヤックの上から紅葉を眺めるってのもなかなかいいものです。徐々に深まりゆく晩秋の山々のただずまい、木々の息吹、鼓動は、楽器のように敏感な乗り物「カヤック」に乗ってこそ、より心深く沁みわたってくるものがあります。
今度の11月23日(祝日)に三重県・名張にある青蓮寺湖にて、紅葉カヤックツアーを行います。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/creole/shourennji.htm

土日に多く設定していますが、平日のリクエスト、ご相談にもお乗りいたします。
詳細などはアイランドストリームsunnyrain@nifty.comまで。
8月24日(月)
日高川ツアー
中紀の名川・日高川で夏の終わりの川の風情を味わいます。
アイランドストリームのベースから車で20分で行けます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
9月12日(土)
スキルアップスクール
水温の高い時期にレスキューを中心としたスキルアップを!
通常の料金で内田正洋氏著「シーカヤック教書」も付いててお得。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらをご覧ください。
9月13日(日)
日高川ツアー
中紀の名川・日高川でゆったりのんびり川下りツアー。
アイランドストリームのベースから車で20分で行けます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
9月14日(月)
南紀・田辺湾シーカヤック&シュノーケルツアー
南紀の多島海・田辺湾の素晴らしさをたっぷり満喫します。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
9月19日(土)
黒島・白崎海岸ツアー(シーカヤック&ミュージックツアー)
湯浅湾の南側の秘境エリア、日本人離れしたダイナミックな景観を楽しみます。
ツアー後、夕陽を見ながら極上の音楽を聴き、おいしいコーヒーをいただきます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
9月22日(火・祝日)
スキルアップスクール
水温の高い時期にレスキューを中心としたスキルアップを!
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
9月23日(水・祝日)
産湯海岸シーカヤック&シュノーケルツアー
中紀の隠れた名フィールド、産湯沿岸でのツーリング。
シュノーケルのとっておき穴場にもお連れいたします。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
9月26日(土)~27日(日)
南紀・串本シーカヤック&シュノーケルツアー
本州最南端・串本でのキャンプツアー。
雄大な景観をツーリングし、シーカヤックでしか行けないサンゴ礁の穴場で
シュノーケリング。夜は星を見ながら飲みます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーは不催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
10月3日(土)~10月4日(日)
福井・高浜シーカヤック&グルメツアー
ひなびた日本海の沿岸をのんびりツーリングし、
夜は海辺のハウスでおいしい手料理をいただきます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
10月10日(土)
黒島・白崎海岸ツアー(シーカヤック&ミュージックツアー)
湯浅湾の南側の秘境エリア、日本人離れしたダイナミックな景観を楽しみます。
ツアー後、夕陽を見ながら極上の音楽を聴き、おいしいコーヒーをいただきます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
10月11日(日)
スキルアップスクール
長い距離を漕いでも疲れない漕ぎ方ほか、
細かい必須スキルを身につけよう。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
10月12日(月・祝)
熊野川ツアー
山深い紀伊半島の秘境、、素晴らしい秋の熊野川ツーリング。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーは不催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご参照ください。
10月17日(土)~18日(日)
やびつ海岸~宮崎の鼻キャンプツアー
湯浅湾北側のワイルドな海岸線ツーリング&
人の入ってこれない浜でキャンプツアー
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
10月21日(水)
徳島・日和佐、洞窟めぐりシーカヤックツアー
断崖絶壁と洞窟が見事な海岸線をワンデイツーリング。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーは不催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご参照ください。
10月24日(土)
スキルアップスクール
長い距離を漕いでも疲れない漕ぎ方ほか、
細かい必須スキルを身につけよう。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
10月25日(日)
田辺湾・神島、ゴミ調査&クリーンアップツアー
恒例の海ゴミ掃除ツアーは今回、日本で最初にエコロジーという
言葉を使った南方熊楠が天然記念物に指定した神島(かしま)で
行います。通常立ち入り禁止の神々しい島ですが今回のイベントのために
田辺市教育委員会の特別許可が下りました。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーは不催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
10月31日(土)~11月1日(日)
三重県南伊勢・古和浦、幻の海跡湖探検ツアー
陸からは入ってこれない世界的にも珍しい海跡湖を海から訪ねるキャンプツアー。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーは不催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
11月3日(火・祝日)
熊野川ツアー
山深い紀伊半島の秘境、、素晴らしい秋の熊野川ツーリング。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーは不催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご参照ください。
11月5日(木)
南紀・田辺湾シーカヤックツアー
南紀の多島海・田辺湾の素晴らしさをたっぷり満喫します。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご参照ください。
11月7日(土)
日高川ツアー
中紀の名川・日高川でゆったりのんびり川下りツアー。
アイランドストリームのベースから車で20分で行けます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
11月8日(日)
黒島・白崎海岸ツアー(シーカヤック&ミュージックツアー)
湯浅湾の南側の秘境エリア、日本人離れしたダイナミックな景観を楽しみます。
ツアー後、夕陽を見ながら極上の音楽を聴き、おいしいコーヒーをいただきます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーも催行。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
11月23日(月・祝日)
青蓮寺湖紅葉カヤックツアー
三重県・名張にある、風情たっぷりの山上湖でカヤック紅葉見物。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーは不催行。
12月5日(土)
琵琶湖畔水郷ツアー
立ち枯れたアシが水面に渋く寄りかかる迷路のような水郷地帯を
のんびりツーリングし、初冬独特の風情を味わいます。
※通常の湯浅湾ワンデイツアーは不催行。
詳細などはアイランドストリームsunnyrain@nifty.comまで。
昨日のツアーはオーストラリア人の御一行様でした。アイランドストリームでは年間何回か海外からのお客様ばかりのツアーも催行させてもらっています。で、今回の人たちは意外にもすごくおとなしい人たちばかりでしたが、でもすごく楽しんでいただいたようで何よりでした。
灯台下暗しで案外気付かれていないけれど、日本のシーカヤックフィールドは世界屈指のクオリティがあります。そして何より、治安がいいのが、いい。泥棒とか強盗とか、あるいは毒へびとかマラリア蚊とか気にせず自然の中で遊べるというのは日本にいると当り前のことように思っていますが、海外ではそれが一番頭を悩ませるところなのです。治安を気にしなくていいということは、自然に没入できるということです。それは何よりも大事なことです。
また最近のツアーではお昼休みにシュノーケリングしたり泳いだりすることが、楽しいです。下の写真は、無人島であるかるも島(ヨコカルモ)の周囲約500mくらいを、シュノーケルつけて泳いで一周しているところです。別に強制ではないですが、こういうのもすごく楽しいです。
海水にたっぷり身を浸したあと、カヤックの上で感じる潮風はほんとに心地よいです。ハートに来ます。なんかこう、心の一番やわらかな部分を愛撫されるような感じとでも言いましょうか。真夏ならではの爽やかなる快感です。
南紀白浜よりも少し南下した南白浜あたりの海岸の雰囲気が非常にいい。富田川という川の河口には塩湿地性のヨシ原が昔ながらに広がっていてカモやその他水鳥が大量に群れを成し隔絶した隠れ家のように楽園を形成している。川から海へと注ぐリバーマウス付近の砂嘴には焚き火に非常に適したおびただしい流木が打ち上げられていてキャンプするのに最適だ。砂嘴の向こう側には秘境的な感じの断崖絶壁がそびえていて美事だがそいつは特に早朝すばらしく、水面からいっせいに立ち上がる霧のベールに包まれ荘厳な無言の音楽を奏でる。同じくヨシ原にも幻想的な霧が招かれピーンと張り詰めた冷気を裂くようにカモがガアガアおしゃべりする。川から海に出る開放感、荒海から静水の河口に入っていく安堵感、どちらも味わい深くカヤックで何度も何度も往復したくなってくる。川から海に出たすぐの岩礁地帯ではでかいヒラスズキが釣れることで有名で朝もはよから釣り人が竿を振っている。うねりが入ると砂嘴のあたりでサーフがたつのでカヤックサーフィンもできる。
今度こっそりカモをとっ捕まえて浜でカモ鍋キャンプでもしてみるのも一興。
ついでにヒラスズキのカルパッチョとムニエルなんかもいただき、ワインをボトルごとラッパ飲みして満点の星を眺めまくりながら潮騒の音を聞いて眠りたい。
冬の海って普通の人にはなかなかなじみがないだろうけれど、海水中のプランクトンが減り、ものすごくきれいになることが多い、シーカヤッキング的にも外せない季節だ。
たとえばこの写真は和歌山・田辺湾の海景。ほん数日前にシーカヤッキングした時のやつだ。上二枚は南方熊楠の尽力で天然記念物に指定されたことで有名な、神島周辺海域(亜熱帯性植物の多様性豊かな原始の香りのする無人島)の写真。そして下の写真はすべて畠島という無人島周辺の浅瀬のものだ。
どこか熱帯系の南の島って感じがするでしょう? 答えはただ単なる和歌山の冬の海だ。大阪からは車で二時間、出艇場所近くのコンビニで買った豚マンをくわえながら漕ぐなどというノリの、ごくごく日常の中で触れることのできるフィールドだ。いいでしょ。
気づかないまま通り過ぎる身近なすばらしい自然もまだまだあるんだな、ってことに気づいていきたい。
海からの水蒸気が雲をつくり雨に生まれ変わって木々を潤しながら川を流れ再び海へ帰ってゆき数千年かけて世界を一巡りし、その旅の途上でぼくらがゴクリと飲んだりすることもあるように、水のあるところは世界中どこでも繋がりつつ、ひとつところに沈滞することなく流動している。
日本列島は四方八方海に囲まれているが、その海は「黒潮」の影響が強い。「日本列島とは黒潮という大河の通り道の中洲みたいなものだ」と言う人もいるけれど、日本の自然風土はかなりの部分、この「黒潮」ってやつに育まれたものでもある。
この「旅をする群青色の水」は、アマゾン川の流量500倍を誇り、太平洋をぐるーりと一周循環して、流域沿岸に特徴的な気候状況もたらす。
下の写真は、本州最南端・和歌山串本大島の海金剛・樫野崎周辺のシーカヤックフィールド。黒潮がバーンとぶち当たるこんなところを漕ぎ進んでいると、いろんなことに思いをはせる。たとえば黒潮は、ここ南紀・熊野地方の木々を育み、世界遺産にもなった熊野特有のスピリットを支えながら流れゆく。やがて日本列島を離れ、はるか北米大陸まで流れてゆく。そして、蒸発する大量の湿気がアラスカの海岸山脈にぶつかって大量の雨を降らせ、南東アラスカに広がるたくさんの氷河や海岸線を埋め尽くす森林地帯を形成し、グリズリーベアやハクトウワシやアザラシを養い、大量発生したオキアミを求めてハワイ沖からザトウクジラがやってくる・・・・、
黒潮は呼び名をかえて南下しさらに流れに流れて赤道をたどってフィリピン沖を目指す。
この写真のブルーはいわゆる黒潮ブルー。
友人が、串本大島から太地付近を漕ぎに行くらしいので、「いいねえうらやましいねえ」ということで、太地あたりの海の写真を。
舵取崎という、その昔、古式網取捕鯨の物見台があった岬から撮ったもので、遥か向こうに見えるのは那智勝浦あたり。その沖(かなり沖)を漕ぐと海から那智の滝も見ることができる。手前の岩礁地帯は、漕ぎぬけるのがとてもスリリングで面白いゾーンだ。
ここらあたり一帯は縄文色濃い熊野信仰の中心地であり、海は太平洋からダイレクトにおしよせるうねりがひときわパワフルだ。
日本の原郷、八百万の神々の宝庫といわれる熊野。その天然自然の味わい豊かなダイナミズムは、書物を何万冊読んでも実感できない。その場にむき出しの身を置き、風にさらされ波に打たれ、トゲに刺されて感じ入ることによって初めて、ハっと直感する類のものだ。
逆に、心をオープンに開け放ち、現地の風にさらされたフィーリング、自然情感をベースとして、関連するいろんな本を読むと、新鮮な発見がたくさんあって面白い。「なるほど、確かに世界遺産と呼ぶにふさわしいな」という発見だ。