漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「山サン」と「仙セン」 

2021年06月22日 | 漢字の音符
 山が部首になる常用漢字を追加しました。
 サン・セン・やま  山部

山が三つ地表に付き出た形の象形。山は部首となるが、山の意で音符ともなる。
意味 (1)やま(山)。山の形をしたもの。「火山カザン」「氷山ヒョウザン」「山脈サンミャク」(2)寺院。「山門サンモン」(3)やま。物事の頂点。「山場やまば
山は部首「山やま」になる。漢字の偏や冠などに付き、山・高い意味を表す。「新漢語林」で225字収録されている。
常用漢字 16字
 サン・やま(部首)
 ガイ・がけ(山+音符「厓ガイ」)
 ガク・たけ(山+丘の会意)
 ガン・いわ(山+石の会意)
 ガン・きし(山+音符「厈カン」)
 (山+音符「支シ」)
 キ・さき(山+音符「奇キ」)
 キョウ・はざま(山+音符「夾キョウ」)
 コウ・おか(山を含む会意)
 コウ・みさき(山+音符「甲コウ」)
 スウ・シュウ・たかい( 山+音符「宗シュウ」)
 島[嶋]トウ・しま(山+音符「鳥チョウ⇒トウ」)
 ホウ・みね(山+音符「夆ホウ」)
 ホウ・くずれる(山+音符「朋ホウ」)
 ラン・あらし(山+風の会意)
 とうげ(山+上+下の国字)
  なお、このうち山サン・岡コウ・島トウは音符にもなる。

イメージ   
 「やま」
(山・仙・辿・疝・杣)
音の変化  サン・セン:山   セン:仙 ・疝  テン:辿   そま:杣

や ま
 セン  人部
解字 「イ(ひと)+山(やま)」の会意形声。山にすむ人の意。
意味 (1)せんにん。山に入って不老不死の術を修めた人。「仙人センニン」 (2)俗界を離れた人。また、そのところ。「仙郷センキョウ」 (3)すぐれた。非凡な。極めた人。「詩仙シセン」(①詩の大家。②李白の敬称)
辿 テン・たどる  辶部
解字 「辶(行く)+山(やま)」の会意。山道をゆっくり歩く意。日本では、いろんな所を尋ねあるく意味に用いられる。
意味 (1)ゆっくり歩く。 (2)[国]たどる(辿る)。さがしながら行く。すじ道を追い求めて考える。
 セン  疒部
解字 「疒(やまい)+山(やま)」の会意形声。下腹部にふくらみ(山)が出る病気。ヘルニア(脱腸)に当てる。ヘルニアとは、筋膜が薄くなっている部分から、腸などの内臓が腹腔外に飛び出す病気。また、広く臓器が通常の位置から、皮膜の弱い部分を通り移動することによる腹部や腰の痛みをいう。後漢の[説文解字]は「腹痛なり」としている。
意味 (1)はらいたみ。あたはら(あたばら)。「疝気センキ」(下腹部や腰がひきつって痛む病気)「疝痛センツウ」(疝気による痛み)「疝癪センシャク」(胸・腹部のさしこんで痛む病気。癪は急に痛くなること) (2)ヘルニアに当てる(おもに中国)。「疝気センキ」(ヘルニア)「股疝コセン」(大腿ヘルニア。脱腸)「腰疝ヨウセン」(椎間板ヘルニア)
<国字> そま  木部
解字 「木(き)+山(やま)」の会意。木をとる山の意の国字。
意味 (1)そま(杣)。そまやま(杣山)。木材とする木を植えている山。 (2)そまき(杣木)。山林から切り出した材木。 (3)そまびと(杣人)。きこり。
<紫色は常用漢字>

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