千葉県佐倉市の川村記念美術館で開かれている 開館15周年記念特別展
「ゲルハルト・リヒター -絵画の彼方へ-」 に行って来ました。
チケットを買って薄暗い木立の中を下りて行くと、目の前に白鳥が優雅に泳ぐ池が広がります。
暖かい陽光が燦燦と降り注ぐ中、明るく伸びやかな光景です。
この開放感が気持ち良く、特別な企画展が無くても、時々訪れたくなる美術館です。
リヒター?? 名前も作品も知らないし、
現代美術は苦手なのですが、
写真とも絵画とも付かないモノは何なのだろうと・・・
ピントの合っていない写真を見せられているようで、
気持ち悪いんですけどね。
これはチケットにも印刷されている 『バラ』 1994年 油彩
「フォト・ペインティング」と呼ばれているそうです。
午後2時からのガイドツアーに参加しました。
リヒターは、1932年 ドレスデン(旧東ドイツ)生まれ。
1961年 ベルリンの壁が立てられる半年前に西側のデュッセルドルフへ移住。
ほどなく「フォト・ペインティング」と呼ばれるスタイルを確立。
新聞や雑誌の写真をもとに描いた絵画で、絵の具が乾かないうちにハケでぼかしています。
最初からボンヤリした絵を描いているのではなかったのですね。
ぼかした絵を、また写真に撮っている作品もあります。
絵だか写真だか判別が付かないわけです。
はっきりとしたイメージを押し付けるのではなく、観る者に委ねている・・・というような説明がありました。
その他、色見本のような「カラーチャート」、グレイ一色の「グレイペインティング」、いくつもの色彩が複雑に織り込まれた「アブストラクト・ペインティング(抽象画)」、「ガラスや鏡を用いた立体作品」など様々な表現があります。
「写真と絵画」「色彩と無色彩」「具象と抽象」そして「現実とイメージ」、
全てがリヒターにとっては等価であるという説明も受けました。
しかし、大きな鏡を一つ置いて、絵画 と言われても、ねぇ・・・
ガラスを何枚も並べた作品にしても、そこに映りこむもの全てが絵画?
作家が提示しているモノを観て感じ取れればと思っていたのですが、ちょっと違うようです。
その時々、場所によって映し出されるものは別の物だから。
まずは自分が映っている鏡を、じっと見つめることが出来ませんでした。
そんな度量が無いです。楽しむ余裕もありません。
だんだん何を観に来たのか分からなくなってきました。。
モヤモヤと消化不良のままで帰宅です。
しばらく時間が経ってから、もう一度鑑賞したいですね。
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