トウキョウソナタ を観てきました。
2008年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞
津田沼テアトルシネパークで、時々こんなイベントがあります。
【シネマスペシャルVol.4 冬'08 ~見逃しの1作~】<1週間限定上映>
株主招待券で無料で観られるということもあり、とっても有り難いです。
まさか最後に、こんなに泣かされるとは・・・・・・ ドビュッシーの「月の光」
この曲のピアノ演奏を聞いた途端、突然涙が溢れてきました。
なんて心地よい響きなのでしょう。
優しく美しい旋律と情感豊かな演奏
心の中に淀んでいたものが一気に浄化されるようでした。
曲名をネットで調べ、ついでに誰がピアノを弾いているのかなぁ?と調べてみました。
演奏者は、
高尾奏之介さん なんと1995年7月12日生まれ!
劇中の男の子と同じ年なんですね
物語 (パンフレットの記載から)
舞台はトウキョウ。
線路沿いの小さなマイホームで暮らす四人家族のものがたり。
リストラされたことを家族に言えないお父さん。
ドーナツを作っても食べてもらえないお母さん。
アメリカ軍に入隊するお兄ちゃん。
こっそりピアノを習ってる小学六年生の僕。
ある日、家に帰ってみると中はごちゃごちゃで、誰もいなくなっていた。
いったい、僕の家で何が起こっているのだろう?
家族の皆が、それぞれに行き場のない思いを抱えています。
家族4人に起こる問題が妙にちぐはぐだと思ったら、この映画の原案は日本に住んでいたことのある
オーストラリア人が書いたものだそうです。
父とピアノを習う息子の関係に焦点が当てられていたものに、黒沢監督が手を入れたとのこと。
泥棒にさらわれたり、長男がアメリカ軍に入隊するエピソードは監督のアイディアだと聞いて納得しました。
特に主婦と泥棒の逃避行めいた話は、あまりにも現実離れしているから。
そのくらい途方もない力が働かないと、主婦は家庭や家族から離れられないということなのかな。
黒沢清監督は「ある種の希望にたどり着きたかった」と語ったそうです。
問題が解決したわけではないけれど、エンディングで希望の兆しは見出せました。
多かれ少なかれ問題を抱えていない人間なんていないでしょうから、死を選ばない限りは何とか
やっていくしかないんですよね。
現実社会も、希望に溢れた未来には程遠く・・・・・・
まあ映画を観て、ブログを書けているうちは大丈夫ですかね。