ネット上で、ばかに評判が良いので観に行ってきました。
一緒に行った友達がいわき市の出身で。
恥ずかしながら、友達になって初めて“いわき市"が福島県のどこに位置するのか分かった次第です。
観終わって「自分にも理解できない方言があった」と言っていました。
今から40年も前の話ですと、そんなモノなのでしょうか。
久々に、観て良かったなぁ~と思う映画でした。
ものすごく面白くて、しかも物語が進む中で自然に心が揺さぶられて泣けます。
後半は10分に一度ぐらいね・・・タオルハンカチ必須!
監督 李相日
キャスト 松雪泰子 / 豊川悦司 / 蒼井優 / 山崎静代 / 岸部一徳 / 富司純子
音楽 ジェイク・シマブクロ
オフィシャルサイト
舞台は昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。
エネルギーの主役は石炭から石油へと移り、炭鉱は次々に閉山へと追い込まれていく。
そんな中、炭鉱会社は地元の温泉を活かしたレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」の計画を進めていた。
目玉はフラダンスショー!
早速、松竹歌劇団で踊っていたという講師を東京から招き、炭鉱娘たちをフラガールへ仕立てようと・・・
果たして、山と共に生きて来た人々の大反対の中、東北の“ハワイ"は実現するのだろうか?
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1966年1月15日に常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)は誕生しました。
ちなみに、10月1日がいわき市の誕生日だそうです。
1966年(昭和41年)に14市町村が対等合併し「いわき市」が誕生。
ちょうど40才か、、映画公開、イイ記念ですね。
いまどき珍しいスタンダードな作りかたで、過不足のない脚本。
もう少し見たいと思うシーンも、潔く切ってしまっているような気がしました。
そして、単なる炭鉱少女たちの成長物語で終わらせないところが素晴らしい。
かつては黒いダイヤと呼ばれた石炭も、斜陽産業へ。
その時代をキッチリ描いているので、物語に厚みがあります。
高度成長に向かっていく過程で切り捨てられて行く産業と、そこで働く人々の悲哀が伝わります。
先はないと感づいてはいても、今にしがみつく人もいれば、新しい方向へ切り替えていく人もいます。
こういう時代を経て、今の豊かな社会があるのだと実感させられました。
セリフ、表情、動きのどれも的確でメリハリが利いていて、俳優さんも文句の付けようがありません。
兄妹の設定の豊川悦司と蒼井優の年齢差が、ちょっと不自然かとは思ったけれど。
フラのイメージも違っていました。
あれは、タヒチアンダンスというものなのでしょうか。
打楽器の激しいリズムに乗って踊る、松雪泰子と蒼井優はカッコ良かった!
確かな強さと凛とした美しさがありました。
最初はダンサーとストリッパーの区別も付かない少女たちの輝くばかりの笑顔は、炭鉱で働く男たちのススけた黒い顔と対照的で印象に残りました。
ひとつの時代に終わりが来ても、新しい未来を夢見ていられたこの当時は、今と比べて幸せだったのかもしれません。