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To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

国宝 阿修羅展

2009-04-10 23:48:43 | 美術館・博物館
東京国立博物館で開催中の 興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展 に行って来ました。



公園内のソメイヨシノは葉桜になっていましたが、八重桜はちょうど見頃を迎えています。

桜に引っかかって写真を撮っていたら、東博に着く前に1時間が経過。
12時に入口に到着したら「待ち時間40分」の表示が・・・ それならば、先にお昼ご飯だね
法隆寺宝物館1階の「ホテルオークラ ガーデンテラス」でランチを済ませることに。

14時20分には、20分待ちになっていました。



陽射しが強いので、日傘の貸出しが大繁盛!!



展示会場は、4つの章に分かれていました。

■第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具
■第2章 国宝 阿修羅とその世界
■第3章 中金堂再建と仏像
■第4章 VRシアター「再建中金堂と阿修羅像」

まずは音声ガイドを借りて、、 黒木瞳さんのナレーションでした。

入口付近は混んでいるし、細々とした出土品は後回しでいいかと通り過ぎ、第2章からスタート。

最初の展示作品、阿弥陀三尊像(伝橘夫人念持仏)の素晴らしいこと!
初めて見るのですが、信仰心がなくても手を合わせたくなるほどです。
また、飾り細工がどこをとっても美しくて見飽きません。
今回の展示で一番好きだな

次の部屋には、八部衆像と十大弟子像が対面する形で展示されていました。
一体一体ほぼ360度、間近で見られます。

八部衆はインドの神々ということですが、それぞれに個性的な姿形・表情で面白い。
そうか、阿修羅像も八部衆のうちの1体だったのですね。

いよいよ阿修羅像にお目に掛かれます。
日光・月光菩薩の時と同じ展示の仕方でした。
まずは高い位置から、阿修羅像と同じ目線の位置で鑑賞。
暗闇にお姿が浮かび上がっています。
うわぁー!その周りは四重五重の人垣だ
係員の時計回りに移動して下さいと促す声がやかましいし、鑑賞するには劣悪な環境ですね。

今回の360度展示で、阿修羅像は後から見てはいけないと思ってしまいました。
清らかな印象が全く無くなり、不気味な異形が強く現れます。
正面の顔は邪気のない憂い顔の少年ですが、後ろに回ると3つの顔と6本の腕という化け物に見えてしまいました。

第2会場に入って、目に飛び込んでくるのは四天王像。
さっきまでのサイズに目が慣れていたから、この大きさとただならぬ迫力にビックリ!
後の壁に光背の炎が照明によって浮かび上がり、余計に恐ろしく見えました。
鎌倉時代に造られたものは全然違いますね。
運慶の父、康慶の作とのことです。

そして、四天王の奥にある薬王・薬上菩薩立像がもっと大きくて仰ぎ見る感じ。
360cmもあるんだ!

阿修羅像以外の仏像は、さほどの混雑もなく、じっくり見ることが出来ました。
一度見終わってまた戻ってみましたが、阿修羅像の周りは相変わらず大混雑。
静かな雰囲気の中で眺めたいけれど、会期中ずっとこんな状態ですかね。

平成館から本館に行ったら、黒田清輝の特集陳列がありました。
「智・感・情」3体の裸婦が、とても艶めかしく感じられました。


東京都庭園美術館

2009-02-17 00:02:21 | 美術館・博物館
昼食後は 庭園 をノンビリと散策しました。
西洋庭園、日本庭園、芝生広場とかなりの広さです。

クリスマスローズ

花に見える部分は「がく片」で、本来の花は退化して蜜菅となり、目立たなくなっているのだそうです。
背丈は30cmくらいで、花はうつむき加減に咲いています。
こんな低い位置にある花を撮る時には、可動式液晶が大活躍~
それでも、しゃがみ込んでの撮影は疲れます。でも、好きな花だから頑張れちゃいます。







午後のうららかな陽射しを浴びて・・・・・・ 都心とは思えない癒し空間です。
庭園美術館と名前が付いているのも頷けますね。一日中楽しめます。



梅の花はすでに満開 散り始めている木もありました。





園内に彫刻は6作品ありました。 これは ↓「座る豹」



おみやげには、ブックマーカー(ラジエーター・カバーの文様)とシール。



月曜日は休園日でしたが、隣接する国立科学博物館附属自然教育園にも行ってみたいですね。


ポワレとフォルチュニィ 展

2009-02-16 23:20:22 | 美術館・博物館
東京都庭園美術館で開催中の
「ポワレとフォルチュニィ」展  20世紀モードを変えた男たち に行って来ました。

この美術館を訪れるのは2回目です。
いつ来たんだっけ?と、このブログ内を検索してみたけれど見当たりません。
手帳を引っ張り出して調べたら、2004年10月「エミール・ノルデ」を見に来ていました。
何よりも建物内部の素晴らしさが鮮明に記憶に残っていて、是非また!と思っていました。

今回の展覧会は 一村雨さんのブログ を読んで知りました。
ドレスも建物(旧朝香宮邸)も庭園も楽しめそぅ~ とカメラをお供に出掛けました。
残念ながら、館内の写真撮影は禁止ですがね。



アールデコ・スタイルの豪華な内装と、優美なドレスの展示はベストマッチ

20世紀初頭、女性のファッションはコルセットの着用をやめたことにより劇的に変化したとのこと。
ほっそりとしたシルエットのプリーツ・ドレスは優美で女性らしく、とっても美しい。

今プリーツというと、イッセイ ミヤケの「プリーツ プリーズ 」を思い浮かべますが、ずいぶん印象は違います。
素材がシルクということ、一様でない手作り感のあるヒダヒダで、優しく繊細な感じになるのかな。
どちらにしても、身長がありスレンダーな体型でないと、キレイに着こなすのは難しそう。

展示の仕方では、出来れば全部の洋服について、後ろ側からも見たかった。
当時の靴や帽子(2個は展示あり)バッグなども一緒にあったら、もっと楽しかったかな。

素敵なファッション・プレート(ファッション雑誌に収められた服飾版画のことで、写真のなかった時代には
ファッションを視覚的に伝える手段として重要だったとのこと)が飾られていたのに、ポストカードが無かったのは
残念でした。
ファッション・プレート は これこれ 1枚目は確か展示されていましたよね。

あれっ!? 2階のこの場所はベランダだったのでは・・・ 庭が見下ろせたはずなんだけど。
窓が全部、壁のようにふさがれています。
近くに居た係の方に尋ねてみました。
100年くらい前の服なので、紫外線で傷まないようカーテンウォールで覆って、いつもより暗くしているとのことでした。

前回来た時のことを段々に思い出してきたけれど、3階に上がってウィンターガーデンも見ました。
ということは、「建物公開」の期間中に来たのかもしれない。
まだブログも始めていなかったし、カメラも持っていなかった、記憶も曖昧、うーん分からない
今年は公開があるのかな? 明るいところで建物の内部装飾をじっくり見て、写真も撮りたいな。

昼食は、美術館正門脇の「cafe 茶洒 kanetanaka」で。
老舗料亭「金田中」が手がける新しいスタイルの和のカフェレストランだそうです。
茶酒は、サーシャと読むんだ。
ちょっと変わった和食メニュー こんなです。
ランチセットはお得感があります。また今度行ってみよう。

食後は、庭園へ。
今日はまあまあ暖かいし、もちろん庭園は OKですから。

疲れたので、続きはあとで。


アーツ&クラフツ展

2009-01-26 20:06:54 | 美術館・博物館
「生活と芸術-アーツ&クラフツ展」 に行って来ました。

月曜日は休館ですが、朝日新聞アスパラクラブの特別招待で入場できました。

上野公園内は人が少ない分、カラスと猫が目立ちます。



「アーツ&クラフツ」とは、
19世紀後半にイギリスで興り、今日の暮らしに大きな影響を与えたデザイン運動です。
手仕事の良さを見直し、自然や伝統に美を再発見し、シンプルなライフスタイルを提案をしています。

役に立たないもの、
美しいと思わないものを
家に置いてはならない。

・・・って、ことですが・・・ 目指したいけど、なかなかね。
その時には好き、キレイと思って買っていても、物が増えていくと統一感が無くなってしまうんですよね。

第1部はイギリス、第2部はオーストリア、ドイツ、スカンジナビア、ロシアでの展開、第3部は日本の民芸運動。

家具、壁紙、タペストリー、ステンドグラス、キャンドル、時計、ピアノ、食器、書籍、ポスター、屏風などなど・・・・・・280点あまり。

イギリスでは、ウィリアム・モリスの植物や動物をモチ-フにしたデザインの上品な可愛さが好きです。

そうそう、うちのリビングルームのカーテンはモリスの「デイジー」だったのだと、購入してきたポストカードを見ながら再確認しました。

第2部では、幾何学模様のシンプルモダンな美しさが目を引きます。
今見ても、とっても新鮮に感じられます。

第3部の日本ですが、“必見は、柳宗悦らが昭和初期に建てた「三国荘」の再現展示です”とあります。
この室内に集められた調度品が多岐に渡っているため、知識のない私にはかえって良く分からないものになっていました。

ちょっと泥臭いかな、もう少し洗練されたものに囲まれていたい感じです。

不忍池は、枯れた蓮で一面が茶色。 春が待ち遠しいですね。



さてさて、お昼ご飯~

一昨日の「出没!アド街ック天国」でちょうど上野広小路が取り上げられていました。
以前から一度行ってみたかった、8位にランクされている鰻の老舗 伊豆栄 へ。



いやぁー 鰻はいつ食べても美味しいなぁ

伊豆榮弁当 松 (天麩羅・うな重・きも吸・香の物付) 2,835円
不忍御膳    (口取り・お造り・天婦羅・煮物・蒲焼・食事) 4,410円
ビール中瓶 2本

鰻はフワッとした適度な柔らかさ、焦げ目が丁度いい具合で香ばしい。
タレはベタベタとした甘さではなく、さっぱりと甘辛。
最初は物足りなく感じたけれど、この方が鰻の美味しさが引き立つね。
天麩羅もサクッとして、アブラっぽさが無い。

一眼レフで撮るのは憚られたので、写真はありません。
コンパクトカメラも持ってくるんだったな。

見晴らしの良い7階に案内されました。
不忍池の真ん前なので、桜の時期には、またお花見で一杯といきたいものです。


蜷川実花展

2008-11-23 22:24:14 | 美術館・博物館
蜷川実花 展 地上の花、天上の色  に行って来ました。



会期:2008年11月1日[土]~12月28日[日]
会場:東京オペラシティアートギャラリー (京王新線・初台駅東口直結)

お台場でのセミナーを終え、新宿まで足を伸ばしました。(11月21日)

東京臨海高速鉄道りんかい線とJR埼京線が相互乗り入れしているので、
新宿まで乗り換えなしで行けて30分も掛かりませんでした。

「京王新線へは、JR新宿駅南口からお乗り換え下さい」とあったのに、
間違えて新南口に出てしまったら、自分がどこに居るのか全然分からなくなってしまいアセりました。

初めて乗る京王新線、初台は新宿から一つ目の駅なんですね。
東京の電車はアチコチ繋がって、どんどん便利になるけれど、ますます複雑になって分からないよー

そして帰りは、京王新線と都営地下鉄新宿線が乗り入れているので、本八幡まで行って、
京成線に乗り換えることが出来ました。


写真展にはほとんど出向いたことがないのですが、特異な写真展なのでしょうね。

見ているのは、ほとんど20代の女性。
制服姿の女子高校も、ちらほら見受けられました。

監督をされた映画「さくらん」は観ましたが、写真を見るのは初めて。
映画同様、極彩色の世界が広がって刺激的です。
この世には有りそうにない色の数々、まさに 地上の花、天上の色 ですね。

現実にあったら、くどい、ケバい、下品と感じてしまうかもしれない。
そしてなんなんだろう…
たくさんのカラフルな色が使われているのに、明るい楽しい写真ではないんですよね。
むしろ、はかなげで、脆くて、哀しくて。
だから「さくらん」の花魁の世界に、しっくりきたのかもしれない。

ピントが何処にも合っていないように見える写真もありました。
ごく浅くどこか一点に合っているのだろうかと、目を凝らして見ても分かりませんでした。
芯がなくて気持ちが悪いのだけれど、不思議な美しさ、魅力があります。

新作のコーナーには、子供、動物、食べ物の写真が多い。
ちょっと現実の世界に下りてきた感じがします。
お母さんになって、撮るものが変わったりしたのでしょうか。

最後は、有名人のポートレイトがずらりと展示されています。
女の子ウケする写真ですね。
時間も遅くなってきたので、ざっと眺めるにとどめました。

街は、もうクリスマス

14:45に撮影





映り込んでしまった私も飾りの一部!?



18時16分に撮影  三脚を持ってきていないので・・・と言い訳です。






大琳派展

2008-11-14 23:14:22 | 美術館・博物館
大琳派展-継承と変奏- に行って来ました。



混んでたー
だから早めに行かなくちゃ!会期末はダメだよね。

それでも10時半頃には、まだスンナリと入れました。
午後1時、私が帰る頃には入場者の列が出来ていました。

後半の目玉は風神雷神図、4作品の饗宴
こんな機会は、そうそうあるものではないから、沢山の人が押しかけているのでしょうね。

尾形光琳の風神雷神図が好きです。
収まりの良い構図、華やかで、洗練された美しさがあります。
やはり 琳派 と言われる所以!

「国宝 燕子花図屏風」は入れ替えのため見られず、残念でした。
展示期間をしっかり確認しないとね。

「秋草図屏風」は、白い菊の花が浮かび上がって見えます。
実際に近くで見ると盛り上がって描かれていました。
繊細な秋の草花、日本人なら誰でも美しいと感じるでしょうね。

酒井抱一の「月に秋草図屏風」も好きです。
月にほんの少し草がかかっていることで、遠近感が出されているとのこと。
ホントホント!月を見上げているかのよう。

「波図屏風」は他とは違う異彩を放っていました。
モノトーンなのかと。
銀地に白い波が浮き立って、こちらに向かって押し寄せてくるよう。

どれもこれも、華やかだったり、雄壮だったり、斬新だったり。
見事なまでの美意識で、江戸時代、恐るべしです。

今回は勿体ないとは思いつつも、人が多い場所は苦手なので、人垣が幾重にも出来ている箇所は
パスしてしまいました。
改めてホームページなどをチェックしてみると、見逃しているものが多いです。
反省反省~

屏風も道具類も、実際に部屋に置かれていたり、使われている様子を見てみたいもの。
で、ホンモノではなくて、レプリカの登場です。
綴プロジェクトによって作成された「松林図屏風」が展示されていました。

キヤノンのカメラで撮影し、PCで画像調整。
大きなプリンターで、特別に開発された和紙にプリント。
金箔・金泥が施された絵画本紙を京都で表装したとのこと。

レプリカのレプリカが発売されたら、リビングルームにでも飾りたいくらいです。
でも、大きさに問題があるか・・・・・・

このあと、本館北側の「秋の庭園開放」へ。
紅葉には程遠かったけれど、散策には気持ち良い日和でした


ピカソ展

2008-10-07 22:23:13 | 美術館・博物館
国立新美術館で開催中の 「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」 展 に出掛けた。

火曜日は休館日だが、朝日新聞の特別招待に当選したので入場できた。

すぐ近くのサントリー美術館でも 「巨匠ピカソ 魂のポートレート が同時開催されている。
こちらは、自画像を中心とした作品が展示されているらしい。



国立新美術館では初期から晩年まで、時代順に作品が展示されている。
エネルギッシュな作品の数々は、広々と明るい美術館に似つかわしい。

亡くなったのが91歳と、ずいぶんと長生きしたんだ!
そして、華やかな女性遍歴
若い恋人が次から次へと・・・ 老いても衰えることがないね。
付き合う女性によって、絵が変わっていくのが面白い。

同じ時期に付き合っていた「ドラ・マール」と「マリー=テレーズ」の肖像画が隣同士に並べられている。
ピカソの部屋でかち合ってしまった二人が、どちらが出て行くかで大喧嘩になったと、音声ガイドで説明があった。
全然違うタイプの女性だったらしい。
絵からもハッキリと、それが分かる。
でも同じように二人とも美しく、ピカソに愛されていたんだろうね。

発散されるエネルギーの量がハンパじゃなくて、圧倒された。
表現の振れ幅が大きく、生涯に渡って変貌していく様子に興味を持った。
好き好きはあるにしろ、やっぱり偉大だな。

せっかく六本木まで来たのだから、写真もね・・・ もう帰る頃には疲労困憊・・・・・・

 国立新美術館







 東京ミッドタウン






フェルメール展

2008-08-25 22:09:13 | 美術館・博物館
朝日新聞アスパラクラブの特別招待に当選したので フェルメール展 を見て来ました。



午後から降り出した雨の中、上野公園内に都美術館を目指す人の流れが出来ています。

入口付近は、どの展覧会でもそうですが、混雑が激しい。
まずはフェルメールの作品と、上の階へ直行しました。

現存する作品は30数点と言われる中、今回は7作品が来日しています。
とはいえ、展示スペースの割には少ない数なので、ゆったりと鑑賞できました。
一点一点、解説も付いています。
知識に乏しく、どこをどう鑑賞したら良いのか分からない私には、とても助かりました。
光が・・・構図が・・・遠近法が・・・寓意が・・・ フムフム・・・
ラピスラズリがふんだんに使われているのか・・・勿体ない。。

正直フェルメールが、どうしてこんなにも騒がれるか分かりません
去年公開された「牛乳を注ぐ女」は見ていません。
小さい作品で、見にくそうだったし。
今日も単眼鏡で鑑賞している人を何人か見掛けましたが、そこまでして観るのは私の性に合わない。

静謐と表現されることが多いけれど、人物の表情が面白いですね。
特に「ワイングラスを持つ娘」の酔いの回った振り向き様の表情には、クスリとさせられました。

帰りには、かなり雨足が強くなっていました。
このまま秋の長雨に突入なんてことは、、ないよね


薬師寺展

2008-05-16 21:19:27 | 美術館・博物館
東京国立博物館で開催中の 国宝 薬師寺展 に行ってきました。

午前中は混んでいるということなので、ゆっくり出掛け、14時10分に到着。
それでも30分待ちです。





「東博」と書かれた日傘がレンタルされていました。



この展覧会の見所は何といっても、日光・月光両菩薩立像(国宝)、聖観音菩薩立像(国宝)の3体。

そして、その見せ方が面白いのです。
光背が外されたお姿での展示、360度どの角度からも見ることが出来ます。
日光・月光菩薩立像は、高い位置からも鑑賞できるように、壇が設けられていました。

菩薩様もさることながら、この展覧会を是非にも見なくてはと思わせたきっかけは、3月30日のテレビ番組「情熱大陸」です。
東京国立博物館の展示デザイナー・木下史青(42歳)氏の仕事ぶりが紹介されていました。
日本初の博物館展示デザイナーで、ブライスコレクション「若冲と江戸絵画」展で一躍脚光を浴びたとのこと。

屏風に直接照明を当てていて、こちらの方が心配になった覚えのある、あの展示です。
照明の当て方で、一日の光の変化を再現するという斬新なものでした。

今回も、モノがモノだけに、大変な苦労があったよう。
でも、とても楽しそうにお仕事されています。

そのおかげで、会場でもあらぬ方向をキョロキョロと!
「この照明はどこから来ているのかな?」とか、「あの時に話されていたのは、これのことね」とか
別の意味でも楽しめる展覧会となりました。

聖観音菩薩立像

若い!! 凛と張り詰めた様子です。
プロポーションが良くて、スクッとした立ち姿が美しい。
こちらもグルッと回って見ることが出来ますが、一番眺めが良いのは真正面からかな。
まっすぐ上に伸びる直線に対して、肩に掛かる髪の毛や衣のヒダの流れるような曲線が柔らかさを添えています。
純真無垢で清らかなお姿に接すると、我が身が恥ずかしくなり、ただただひれ伏すのみです・・・?!

眉間の少し上の位置にあるものは、白毫(びゃくごう)というのですね。
目ではないんだ、白く長い毛が丸まっているのだそう。
光を放っているように見えるのは、照明の効果?
それとも宝石か何かが、はめ込まれているのでしょうか。

日光・月光菩薩立像

まずは、お顔とほぼ正対できる高さからの鑑賞。
顔が大きい!!
先ほどの聖観音菩薩さまと比べると、バランスが悪いなぁー
まさか、後世この高さから見られるとは想定していなかっただろうけど

でも、こちらには大人の余裕、寛容さがあります。
しばし佇んで見入ってしまいました。

下に降りて一周すると、その逞しさと曲線の美しさが良く分かります。
身の丈は、3mを超えている・・・? これが一度の鋳造で作られたなんて凄い。

ちょっと傾いたお姿に、親しみやすさと安心感を覚えます。
壁にもたれて、音声ガイドから流れる「声明」を聞きながら眺めていると、自分が無くなっていくようです。
見飽きることなく、ずいぶん長い間佇んでいました。

音声ガイドのナレーションは市原悦子さん。
例のまったりした声で、分かりやすく説明してくれます。

鑑賞する対象物が二つありますし、上から下からグルッと回ったりと動線も確保されているので、人の流れが停滞しません。
上手い作り方だと感心します。

今後薬師寺を訪れても、この展示方法で見ることは叶わないのですから、貴重な展覧会だと思いました。




川村記念美術館でお花見

2008-04-04 23:50:43 | 美術館・博物館
3月にリニューアル・オープンされた 川村記念美術館 に行ってきました。

目当ては「お花見」&「マティスとボナール展」の両方です。
そろそろ散り始めた所も多いですが、ここは丁度満開

ピンクと黄色の世界は、まさに春色





この菜の花は、いつ植えられたんだろう。
一昨年に来た時には、確か無かった。
去年は4月末のツツジの時期に来たから、すでに花が終わっていて気が付かなかったのかな?



シダレザクラは3分咲きくらい。



スミレ、カタクリ、ユキワリソウが散策路の土手に自生しています。
自然散策路を歩くだけならば無料です。
もう少し近くならば、それぞれの花の時期に合わせて行けるのに・・・