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五ケ山ダム運用開始~事業開始から42年、水没地への思い

2021-01-29 16:57:27 | 五ケ山ダム

1月21日、福岡県は五ケ山ダムの安全性が確認できたとして、ダムの運用を開始した。試験湛水開始(2016年10月21日)から4年3ヵ月、当初の予定より2年遅れのスタートとなった。ダム本体工事着手(2012年6月)からおよそ9年、ついに五ケ山ダムが完成した。これにより、福岡市関連ダムの利水容量の合計はこれまでの約1.7倍となる。ふりかえれば、事業開始から42年。改めて水没地へ思いを馳せる。何より、旧東脊振村の方々の犠牲の上にダムがあることを、我々、利水者である福岡市民は忘れてはならないだろう。

そういえば、昨年末、五ケ山ダムの本格運用を前に、吉野ヶ里町と福岡市の間で交付金をめぐり齟齬が生じているという記事を目にした。利水者である福岡市と春日那珂川水業企業団は、ダムによって水没した吉野ヶ里町(旧東背振村)へ、固定資産税の代わりに毎年交付金を支払わなければならないが、その額が想定以下だったのだ。2002年、ダム水没に関する調印の際、旧東脊振村と福岡県が行った協議では、年間平均約7000万円~8000万円だった。ところが、昨年11月、吉野ヶ里町に通知された交付金は年間平均約4500万円(来年度2700万円)だったという。そのため、同町は福岡市に対し異議申し立てを行っている。利水者側は2カ月以内に回答する必要があり、福岡市水道局はこれに対応するとしている。

吉野ヶ里町と調印を行ったのは事業主である福岡県で、交付金を払うのは利水者である福岡市である。ここに問題がありそうだが、調印前に県と市で話し合いはなかったのだろうか?経緯は明らかにされていないので、詳しいことはわからないが、福岡市には、移転を余儀なくされた方々への思いを汲んで、誠意ある回答を出してほしい。令和時代、ふたたび佐賀と福岡で水争いとならぬよう。

 

 

五ケ山ダム完成まで(抜粋) ※年表は一番下に掲載しています

▶2014年   

ダム堤体コンクリート打設開始の前日  コンクリート製造設備やケーブルクレーンが見える(2014年2月16日、大野大橋より撮影)

 

 

 

▶2016年  

ダム堤体完成後、試験湛水開始3ヵ月前の様子  写真中央に385号線、その先に佐賀橋がある(2016年7月24日、同場所より撮影)

 

 こちらは、旧東脊振村小川内の入り口にあった佐賀橋(写真:吉野ヶ里町資料) あゝ懐かしい、、

 

 

▶2018年

西日本豪雨直後、常時満水位到達時の様子 これから試験湛水目標水位に到達するまでおよそ2年(2018年7月19日、同場所より撮影)

 

 

 

▶2020年

試験湛水目標水位に到達した直後の様子 (2020年4月22日、ダム湖展望台より撮影)

 

 

 

 

試験湛水完了直後の様子 貯水率1.5% (2020年12月23日、同場所より撮影)

 

さて、今年、水はどれほど溜まるだろう、、

 

 

▶五ケ山ダムの歴史◀ ( )はこちらの動き

・1979年      調査開始

・1988年      五ケ山ダム建設事業採択

・2002年      補償基準の調印      (2000年頃から旧東脊振村が好きで通いはじめる、ダム建設のことは知らず)

・2003年      用地取得開始

・2004年      付替道路工事着手

・2005年      小川内地区で離村式 

 <この間に動かなかったことが悔やまれる>                      

・2012年 6月27日  ダム本体工事着手     (2012年11月から五ケ山ダムの現地調査をはじめる)          

・2014年 2月17日  堤体コンクリート打設開始    

・2016年 1月13日  堤体コンクリート打設完了

・2016年10月21日    試験湛水開始 

・2016年11月 7日        付替道路全線開通

・2018年 3月11日        ダム竣工式

・2018年 3月31日        五ケ山ダム建設事業完了 

・2018年 7月 6日   常時満水位到達

・2020年 4月19日        試験湛水目標水位到達      

・2020年12月22日       試験湛水完了

・2021年 1月21日   併用開始 

 

 

《関連記事》

福岡県で最大容量 五ケ山ダム運用始まる~渇水対策に期待(RKB毎日放送 2021.1.21)

五ケ山ダム交付金「想定以下」 吉野ヶ里町、福岡側に異議「水没地に配慮を」 修正求める(佐賀新聞 2021.12.29)

<空さんぽ~さが今昔物語(14)>湖底に眠る歴史ある集落 五ケ山ダム(吉野ヶ里町)(佐賀新聞 2020.7.27) 

 

《参考資料》

福岡県。五ケ山ダムの運用開始について(2021.1.20)

福岡市水道局。五ケ山ダム建設事業について(2021.1.21)

 


医療従事者の方に感謝を込めて

2021-01-27 17:27:40 | 日記

昨日(26日)、クラスターが発生している宇部市の病院へ身内の薬を取りに行った。電話で打ち合わせしていたとおり、駐車場に着いてから、車の近くにポリバケツを置いて、看護師さんに電話をし、その中に薬を入れてもらった。バケツの底には感謝の言葉を添えておいた。少しすると車の外から「ありがとうございます」と声が聞こえてきた。緊迫した状況の中でも懸命に働いておられる姿を目の当たりにし、こちらこそ感謝の言葉しかない。

現在、扶老会病院では保健所指導の下、汚染されている区域(汚染区域)とそうでない区域(清潔区域)を区分けした上で、感染拡大防止に全力を尽くしているとのことだった。看護師さんの(電話での)話によると、感染者は多くが精神病床で発生しており、同病院内にあるクリニックでは、感染対策を徹底していたこともあり、一人も感染者は出ていないとのことだった。それだけに残念でならないとも。

27日現在、同病院の陽性者数は計152人(入院患者109人、医療従事者38人、職員2人、その他3人)となっている。入院患者もさることながら、医療従事者の陽性者も多い。そうしたこともあるのだろう、現地では臨時職員の受付が始まっていた。病院機能が回復するまでには、相応の時間を要するものと思われる。とにかく、それまでこちらも踏ん張らなくてはならない。

 

 

桜の季節には落ち着いていますように、、病院の桜は見事 (写真は同病院ホームページ・季節の便り写真館より)  

 

 

 

 

《参考資料》

山口県。新型コロナウイルス感染症の発生状況

 


宇部市の病院で大規模クラスター

2021-01-20 18:17:17 | 新型コロナ

18日午前、いつもお世話になっているところから一本の電話が入った。悪い知らせだった。病院でクラスターが発生したとのことだった。数時間後、そのことが全国に報道された。(今は通院中で)身内は無事だったが、病院は大変なことになっている。

宇部市舟木の扶老会病院によると、17日、2人の職員が陽性と確認されたため、当該病棟の職員と入院患者全員のPCR検査を実施した結果、18日、68人の陽性が確認されたという。19日には、入院患者16人、職員4人の計20人の陽性が判明。19日17時時点、感染者は90人となっている。内訳は、入院患者269人中、陽性者64人、陰性者205人。職員は、陽性者24人、陰性者179人、結果待ち5人。(20日15時時点で95人。居住地別では、宇部市79人、山陽小野田市11人、美祢市2人、下関市2人、山口市1人)

今回、クラスターが発生した病棟は精神病床で、マスクなどの着用が困難なために感染が拡大したとみられている。これをうけて、山口県村岡知事は18日、記者会見を開いて、看護や介護を提供する療養・精神病棟を対象とした緊急実地検査を行うと発表した。25日まで県内約100ヵ所の医療機関に保健所の職員を派遣。病院内の感染対策などを調べ、必要に応じてPCR検査を行うという。さすが初動が早い。

SNS上では、心無い発言を目にする。患者の方々に罪はなく、もちろん看護師の方々は日々大変なご苦労をされている。しかし、そうしたことが想像できない人の多さに驚く。いつからこういう国になってしまったのだろう、、とにかく、今は一日も早く病院が落ち着くことを願っている。とても大変な状況だと思うが、どうにか踏ん張ってほしい。(明日、山口へ)

 

 

18日午後、緊急実地検査の実施について説明する村岡知事 (写真:宇部日報より)

 

 

 

《関連記事》

県が療養・精神病床の緊急実地検査へ、宇部でのクラスター受け 新型コロナ(宇部日報 2020.1.19)

 

《参考資料》

山口県・新型コロナウイルス感染症の発生状況

扶老会病院ホームページ

 

 


【脊振風力発電計画】大和エネルギー、糸島市除外の計画公表

2021-01-19 17:19:00 | 脊振風力・ILC

脊振山系で風力発電計画を進めている大和エネルギー(大阪市)は14日、事業実施区域を絞り込んだ「方法書」を公表した。それによると、発電機設置場所を含む区域から糸島市側の全エリアを除外(事業区域522haから353haに変更)して、2024年度に着工、26年度の発電・売電開始を目指すとしている。22日からは、唐津市、佐賀市、糸島市の3ヵ所で住民説明会の開催を予定している。

いや、どういう「方法書」を出してくるのかと思っていたら、糸島市を除外した計画に切り替えてきた。昨年7月に公表した「配慮書」には、発電機設置場所として糸島市も含んでいた。ところが、糸島市民から景観を破壊するなど反対の声が多く上がったものだから、そこを除外したというわけだ。どれどれと設置図を見ると、県境ぎりぎりのところに発電機が見事に並んでいる。除外したというのは、つまり、厄介な自治体の行政手続きを不要にしたということに他ならない。計画遂行のための策である。(悪い言い方をすれば、口封じ)

事業実施区域は脊振北山県立自然公園である。大胆不敵にも、そこに10機も発電機を設置しようというのだから、信じられない。しかも、7機は脊振山自然歩道沿いに予定されており、「第3種特別地域」に入る。そのため、設置には佐賀県知事の許可が必要になる。このような事業が簡単に許可されてはならないと思うが、地元住民(唐津市)から反対意見が出ないとなると、話はトントン拍子で進む恐れもある。そうなる前に何とかしなくてはならない。できるものなら、住民説明会に参加して意見したいところだがそれもできない。こうなったら、もう一度、意見書を出すしかない。

 

 

風力発電機の設置計画図(以下、資料は大和エネルギー方法書より)※リンクは縦覧期間中のみ(1月14日~2月15日)

県境すれすれのところに並ぶ発電機 美しい山容の女岳が悲惨なことに 茶色のラインは県境、これに沿って登山道がある

 

 

 

重要な自然環境その1

すべて脊振北山県立自然公園の中 うち7機は第3種特別地域 緑色内のメッシュ部分は「浮嶽」の美しい自然林があるところ 

 

 

 

重要な自然環境その2

すべて土砂流出防備保安林の中 ここに約159mの発電機を設置するとどういうことになるか それでなくとも、ここ数年、脊振山地では豪雨による土砂崩壊が多発しているというのに、、

 

※土砂流出防備保安林とは、下流に重要な保全対象がある地域で土砂流出の著しい地域や崩壊、流出のおそれがある区域に、林木及び地表植生などの作用によって、林地の表面侵食や崩壊による土砂の流出を防止するもの。

 

 

地質図

地質は脆弱な花崗閃緑岩 おまけに断層も    自然を甘く見ているとトンでもないことに、、

 

 

 

人と自然のふれあいの場 

糸島市側には自然とふれあう場所も多く、人への影響も大きい  

 

 

 

~ 脊振の山を自然を愛する皆さん、意見をドシドシ送りましょう! ~

(仮称)DREAM Wind 佐賀唐津風力発電事業環境影響評価方法書の縦覧並びに住民説明会の実施について(2021.1.14)

 

《関連記事》

区域から糸島市除外 脊振山系西側風力発電所計画 住民説明会予定(西日本新聞 2021.1.15)

 

《参考資料》

林野庁

 


福岡県緊急事態宣言発令、感染拡大に歯止めがかかるか(1月17日更新)

2021-01-16 18:32:32 | 新型コロナ

13日、福岡県にようやく緊急事態宣言が発令された。国からダメ出しをされ、小川知事が渋々と応じた形だ。報道によれば、小川知事は、最後まで宣言の必要はないと西村経済相に食い下がっていたようだが、西村氏はこれを突っぱねた。お陰で緊急事態宣言は発令されたが、その気配はない。昨夕(15日)、山口での介護を終えて帰路。中国道下り線は車も少なく、自粛モードと思いきや、九州道に入ると一転。北九州~福岡はいつもと変わらぬ多さで、都市高では渋滞するほどの平常モード。昨年の緊急事態宣言時とはずいぶん様子が違っていた。

福岡県の感染状況を見ると、1月15日までの感染者数は計3741人で1日平均約250人。1月に入ってから100人を下回る日はなく、逆に300人を超えた日は6日もある。これまでの最高は1月7日の388人で、宣言後も300人超えが続いている。宣言から間もないので効果の程はわからないが、昨日の動きを見る限り、あまり期待はできないかもしれない。尤も、小川知事は最後までステージ3も微妙だと言っていたのだから、危機感が県民に伝わっていないのも無理はない。

西日本新聞によれば、今回、小川知事と高島市長、それに北橋市長は連携し、県内の経済活動を優先させる対応を取っていたという。馬が合わない小川知事と高島市長が、珍しく意見が一致していたのだ。しかし、そうしたトップの判断の甘さが、そのまま数字に表れていると言ってもよいだろう。もしもこれから爆発的感染へ移行するようなことになれば、それこそ経済どころではなくなるだろうに。とにかく、今は一人一人の意識を変えないと自粛制限は長引くばかり。よいことはひとつもない。

 

 

福岡県ホームページトップ画面(福岡県ホームページより)

ようやく、、

 

 

 

緊急事態宣言対象地域11都府県(NHK特設サイトより)

全国に宣言を出さずに収まるのか、、

 

 

 

 

街の人出状況・博多駅付近(1月15日現在)

宣言後も大して変わっていない

 

 

今、速報が入った。16日、福岡県は過去最多の411人が感染。400人を超えたのは初めて。いやはや恐ろしいことになってきた、、

【速報】福岡県で411人が新型コロナ感染 過去最多、初の400人超え(西日本新聞 2021.1.16)

 

 

《福岡県、直近1週間人口10万人あたりの感染者数は大阪府に次ぐ多さ 2021.1.17更新》

16日、福岡県は過去最多の411人の感染が確認された。そのうち福岡市は188人で過去3番目の多さとなった。また、筑豊地方で過去最多の43人の感染が確認されるなど、県内全域で感染が拡大してきた。直近1週間の人口10万人あたりの感染者数を見ると、大阪府に迫る多さ。もはや危険領域に突入したとみてよいのではないだろうか。

 

 

直近1週間の人口10万人あたりの感染者数(1月16日現在)

7日、過去最多の105人を記録、ワースト3に入っていた宮崎県が落ち着いた。河野知事の初動の早さが効を奏したのだろう。一方の福岡県、対応が後手後手でワースト5に急上昇。

 

 

 

《関連記事》

新型コロナ、筑豊地区で過去最多43人感染 半数は直方の施設関係(西日本新聞 2021.1.17)

新型コロナ、福岡県で過去最多411人感染 重症者も最多28人(西日本新聞 2021.1.17)

緊急事態追加「やむを得ない」福岡県知事に突きつけられた「最後通告」(西日本新聞 2021.1.14)

福岡県に緊急事態宣言 政府が再発出 県内飲食店に時短営業要請(西日本新聞 2021.1.13)