yamanba's blog

報道されない情報を発信します
気分転換に山の話題など

関門橋 開通50年

2023-11-14 09:14:00 | 関門橋

関門橋が開通して今日(14日)で50年になる。12日は壇ノ浦PAで記念イベントが開催され、夜はライトアップも行われたようで、関門橋はお祭りモードになっている。こちらは、「いつもありがとう」の気持ちを伝えたくて(話せるわけではないけれど)、先週末、山口からの帰路、壇ノ浦PAに立ち寄った。土曜日だったこともあってか、多くの人で賑わっていた。

先週、開通50年を記念して、NHK山口で特別番組「Yスペ!関門橋50年探検!知られざる世界」を放送していた。普段は見ることができない主塔やアンカレイジ(ケーブルを固定するための構造物)の内部、橋の維持管理を行っている”橋守”の作業の様子など紹介していた。具体的には、橋の要となる2本のケーブル(直径66㎝、全長1164m/本)の上を1本4時間かけて歩いて点検していることやケーブルに空気を24時間送り続けて腐食を防いでいることなど、まさに知られざる世界だった。関門橋が50年経った今も変わらず安全に走行できるのも、こうした努力の積み重ねがあってこそ。関係者の方々には感謝しかない。(遠距離介護ができるのもこうした方々のお陰)

関門橋では、2011年からリフレッシュ工事が行われているが、昨年は、ケーブルや主塔の塗り替え工事、アンカレイジ壁の補修工事などが行われていた。工事による規制も度々あったが、このところ工事がないので、そろそろ終了したかと思いきや、あと3年続けられることが今回の番組でわかった。当初、10年と言われていたので、どんどん延びている。関門橋の寿命は未来永劫、そのための作業が続く。

 

撮影日:2023.11.11(壇ノ浦PAにて)

関門橋(1973年11月14日開通) いつも変わらずあることに感謝  

ちなみに、2022年度の1日平均車両通行台数は3万5400台、開通当時は9800台なので約3倍に。今年3月までの累計交通量は約4億7千万台。(このうち1000台分くらいは走っていると思う)

 

 こちらは昨年1月の様子(ケーブルや主塔の塗り替え工事中)

 

 

この上を歩いて点検、こわ~

 

 こちらは点検の様子(NHK番組より)

 

 

パーキングに展示されているケーブル模型(実物大)

六角形がストランドと呼ばれるもので、この中に91本のピアノ線が入っている。ストランドは154本あるので全部で14014本。

※NHK番組でケーブル工事の貴重な映像が見れます。(見逃し配信は11月24日まで)

 

 

アンカレイジ(ケーブルを固定するための構造物)外壁補修は終了かな

 

 ここに秘密兵器、というか送気設備。下関側と門司側に1台ずつ設置されている(NHK番組より)

 

Yスペ!関門橋50年探検!知られざる世界(見逃し配信は11月24日午後7時55分まで)

NHK『関門橋50年』関連番組

 

開通50年にあわせてリニューアルされたライトアップ(LED使用)写真は毎日新聞より

 

 

《余談》

今年は緊急事態なことが多くて、関門橋の走行も先週末で61回目。いや、ほんとに関門橋がなかったらどうなっていたかと思う事ばかり。年末まであと何回通ることになるか、、こちらは寿命が縮みそう。。

 

《関連記事》

「赤色」の常識変えた? 本州と九州結ぶ関門橋 開通から50年(毎日新聞 2023.11.14)※読み応えのある記事です。

夜空に映える関門橋、鮮やかに 開通50周年でライトアップ(毎日新聞 2023.11.12)

 

《参考資料》

NEXCO西日本北九州高速 関門橋リニューアルが補剛桁を完了し、終盤へ(道路後続物ジャーナル 2022.6.17)

 


関門橋 開通49年

2022-01-05 16:22:22 | 関門橋

<新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします>

(橋の話題ですが)

遠距離介護通勤に欠かせない関門橋が、今年11月で開通から49年を迎える。来年は50年。九州と本州を繋ぐ大動脈として、半世紀近く活躍している。いつも大変お世話になっているが、一方で老朽化は進んでいる。昨年は1月から4月まで大規模リニューアル工事が行われていたが、橋脚や橋桁には今も足場がかかっている。

調べてみると、関門橋(関門自動車道)は平成23年度から10年かけて予防保全を考慮したリフレッシュ工事が行われる計画となっていて、昨年はちょうど10年目の年だった。(それで大掛かりな工事が行われていたのかもしれない)具体的には、補剛桁の塗替えや腐食しているボルトの交換、床版の補修、舗装の打替え、ケーブルの防錆対策、ハンガーロープの塗替え、支承の取替え、検査路の取替など。中でも、吊り橋のメインケーブルの取替は不可能に近いため、錆の進行を抑制して長寿命化を図るしかない。そのためケーブル外面の錆を落として塗替えを行い、内部の湿度を抑制するシステムを導入しているという。

なお、既存塗膜には低濃度PCBや鉛化合物が含まれているらしく、既存塗膜層を剥がしたうえで重曹を用いてブラストし、亜鉛溶射下地を傷めずに塗膜を剥ぎ取り、その上で重防食塗装により塗り直しているという。関門海峡上(海面上143m)の高所でこうした作業を行わなければならないのだから、命がけであることは想像に難くない。安全に走行できるのもこうした作業をされる方々のお陰、感謝しかない。昨年は母の介護に加え、姉の緊急入院などで過去最多の62回も関門橋を通っていた。果たして、今年はどうなることやら。もしかすると、関門橋の有難味をますます感じる年になるかもしれない。

 

 

撮影日:2022.1.4

来年、開通から50年を迎える関門橋(橋長1068m、塔高140m)

 

 

 

 

橋脚にかかる足場 (橋脚寸法:横40m✖縦20m✖高さ下関側14m、門司側30m)

 

 

 

 

対岸に見える門司のまち(手前に門司港レトロ)

 

 

 

 

昨年6月にリニューアルした壇之浦PAに新設された展望デッキ

 

 

 

《参考記事》

NEXCO西日本北九州高速 関門橋を10年間かけてリフレッシュ(道路構造物ジャーナル 2015.12.16)

 

《参考資料》

関門吊橋の概要と近況