Inoueinterior Room Blog

報道されない福岡の危機を伝えます。気分転換は山の話題。

熊本地震から1年、九州道全車線開通

2017-05-09 19:03:03 | 熊本地震

熊本地震から1年。九州自動車道は4月28日正午すぎ、熊本地震による車両規制(益城熊本空港ICから松橋ICまでの約19キロ)が全面解除され、1年ぶりに全車線開通した。5月3日、そこを通り宮崎へ向かった。熊本地震で路面が大きく陥没していたり、波打ちしていたところは見事に整備されていた。昨年は益城熊本空港あたりで多くの家屋がブルーシートで覆われていたが、今年はそのような光景は見られなかった。車窓から見る限り、まちは復興に向けて少しずつ進み始めているように感じた。

復旧箇所を通り抜け快調に走行していたところ、肥後トンネル内でバスが故障したため、八代JCTの先で渋滞にはまってしまった。そこは九州道で一番長い肥後トンネル(6340m)を含め、人吉ICまで計23本の連続トンネルがあるところ。九州道の全トンネル数の3分の2以上を占める。そういうわけでいつもは見ることのないトンネル内を観察することになった。中でも21番の段トンネル(480m)の内壁は、熊本地震以降の度重なる余震によるものなのか、あちこちでクラックが生じていた。これから修復工事が行われるのか、それらにはマークが施されていた。もしもトンネル内で渋滞している時に地震が起きたら、と思うとぞっとするような大きなクラックもあった。

5月7日、宮崎からの帰路。緑川PA付近ではガードレールが歪んでいたり、路面が波打ちしたところがあった。一方、崩壊していた跨道橋は新しく架け替えられていた。報道によると、大型連休後、跨道橋の復旧や耐震補強工事などが本格化するため、再び交通規制が実施される可能性があるという。やはり完全復旧までにはもう少し時間がかかるようだ。緑川を過ぎると木山川が見えてくる。熊本地震後の6月豪雨で堤防が損壊し氾濫したところだが、土手には土嚢が積まれたままだった。もうすぐ梅雨の季節なのだが大丈夫だろうか。5月4日には、熊本地方を震源とするM4.1(熊本県美里町で震度4)の地震があった(震度4を観測したのは今年1月11日以来)。その後も小さな地震が続いているのが気になる。いい加減に終息してほしいものだが。

 

撮影日:2017.5.3(助手席にて撮影)

復旧箇所へ  昨年の様子はこちら

 

 

 

 

 

熊本グランメッセ駐車場 

 

 

 昨年の様子

 

 

 

九州道、復活!

 

 

 

 

 

対面通行だったところも

 

 

 

 

 

木山川と益城町 

 

 

 昨年の様子 

 

 

 

連続トンネルで停滞中

 

 

 

 

 

トンネル内のクラック 一応、処置はしてあるが、、

 

 

 

 

 

撮影日:2017.5.7(助手席にて撮影)

緑川PA付近 路面やガードレールが波打ったまま

 

 

 

 

 

新たに架け替えられた跨道橋

 

 

 

 

 

木山川 土嚢が積まれたまま

 

 

 

 

 

 川の左側は嘉島町、右側は熊本市

 

 

 

 

 

 5月4日14時22分頃、M4.1の地震 震源地は九州道に近い(産総研・活断層データベースより) 

 

 

 

《関連記事》

九州道、GW前に全線復旧 益城-松橋IC間(熊本日日新聞 2017.4.17)

GW前に「波打ち」解消、九州道4車線復旧(日経コンストラクション 2017.4.24)

《関連資料》

気象庁地震情報(各地の震度に関する情報) 

 

 

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熊本地震から4ヶ月~テント村をふりかえる

2016-08-19 17:45:36 | 熊本地震

熊本地震から4ヶ月が過ぎ、巷ではオリンピック報道が賑やかな一方で、地震関連の報道はめっきり少なくなった。そんな中、本日の熊日新聞朝刊によると、4月16日の本震後、熊本県内に855カ所あった避難所は今朝の時点で29カ所まで減り、4月17日に18万人を超えていた避難者数は約1200人まで減ったという。仮設住宅建設が進み、574人が避難所に身を寄せている益城町では18日、三つの小学校に設置していた避難所を閉鎖。仮設住宅への入居完了は10月上旬だという。

益城町といえばテント村のことが思い出されるが、5月末の閉鎖後まもなくして被災地では集中豪雨が続いた。6月中旬、テント村があった総合運動公園のそばを流れる木山川では堤防2ヵ所が損壊し、川が氾濫した。まさに西村町長が危惧されていたことが起きていた。野口健氏は6月末、産経新聞コラムの中で、「西村町長の判断は間違っていなかった」とコメントしているものの、仮設住宅が建つ前にテント村が閉鎖されたことがどうにも割り切れない様子。継続を求める住民の声に応えたいという思いは十分理解できるが、日々状況が変化している中、いつまでテント村を継続するかは自治体首長の判断に委ねるしかない。ましてや川が氾濫したのだから、5月末の閉鎖は英断だったというべきだろう。あのままテント村を継続していたら、新たな被害が出ていたかもしれないのだから。

余談になるが、野口健氏の社会貢献に対しては、これまで敬意をもって微力ながら応援してきた。しかしながら、このところの政治的な発言にはいささか疑問に思うところが多い。特にツイッターでの一方的な批判はいかがなものか。野口氏の「一歩ずつ前へ前へ」の姿勢は素晴らしいと思うが、時にはふりかえってみる必要があるのではないか。社会に与える影響が大きい人ゆえ、もう少し謙虚というか大人になってほしいと思うのは私だけだろうか。

それはさておき、本日19日午前11時頃、熊本で震度4の地震が発生した。震度4以上の地震は今月2回起きている。活動は治まったかのように見えるが、まだまだ油断は禁物。今後も九州の地震活動から目が離せない。

 

 

 6月豪雨による木山川の被害状況 (熊本県HPより)

  

 

 

 

 

 

  

  

 

 

  

損壊場所とテント村の位置関係(GoogleMapで作成)  

 テント村のすぐそばで損壊していたことがわかる  

 

 

 

《関連資料》

熊本県HP。 

6月19日からの豪雨に関する対応について(PDF)

6月19日からの豪雨に関する対応について②(PDF)

 

《関連記事》

避難所29カ所に 県内各地、集約進む(熊本日日新聞 2016.8.19) 

 

 

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益城町テント村報告会見(提言)

2016-06-01 19:30:20 | 熊本地震

5月30日の益城町テント村報告会見は、テント村の設置に協力した岡山県総社市片岡市長、避難者の健康管理にあたったAMDA菅­波代表が同席。野口健さんの尽力もさることながら、総社市の存在がいかに大きかったかがわかる会見だった。しかしながら、肝心なところが殆ど報道されていないので、今後のために少し紹介したい。

まず、テント村を作るためには、行政間同士の契約が成立しないと建てられない。テント村の設営は片岡市長の采配で益城町と決まった。そこで、総社市片岡市長と益城町西村町長の話し合いが行われた。すぐさま合意がなされたが、決め手となったのは車中泊の多さだった。場所は総合運動公園。片岡市長は会見で、「人口3万人の益城町で、武道館にも匹敵するような総合運動公園を貸してくれると言われた。これは西村町長のご英断だった」と述べておられる。さらに、合意の背景には、総社市独自の取り組みがあった。それは、総社市が東日本大震災後につくった「災害支援条例」、いわゆる地方版ODAだった。税金を使ってよそのまちを助けるには、市民に対してそれなりの理由がいる。姉妹縁組をしていないと職員は使えない。まさに今回、この条例が活躍したというわけだ。言い換えれば、この条例があったから、テント村ができたと言っていいだろう。(ちなみに、この条例が定める公金は年間一千万円。今回、テント村にかかった経費はおよそ800万円。これを運営に賛同した丸亀市や備前市など加盟団体で折半するという)

災害が発生した場合、従来(というか現在)の行政支援は「やどかり支援」といわれるもので、自治体は、被災した市や町が作っている避難所に入り込んで物資を搬入したり、医療チームを派遣したりする。ところが、今回は被災地と契約を結び、外部の人間が外部の物資を被災地に持ち込んで、建設、運営を行い避難所(テント村)をつくるという、日本初の支援手法が実現した。今後、南海トラフも懸念される中、テント村が、仮設住宅ができるまでの避難所のひとつとして活用できることが証明された。避難所のあり方は大きく前進したと思う。そして、「交渉さえ成立すれば、そして責任を持って建設、維持管理をするのであれば、この国の新しいルール(支援方法)として成り立つのではないか」という片岡市長の発言は、全国の自治体に向けて貴重な提言となった。ただ課題もある。今回は町の要請で閉村となってしまったが、これが長期間の運営となると経費は嵩む。片岡市長も予想以上にお金が掛かったと述べておられる。単独の自治体で運営するには負担が大きい。やはり、国全体で考えていかなければならないということだろう。災害はいつどこで起きるかわからない。これを機に、各自治体あるいは議会で議論が高まっていけばと思う。

 

 

(写真:片岡市長ブログより) 

 

《動画》 

野口健さん 熊本県益城町テント村報告会見(日本記者クラブ 2016.5.30)

《参考》

・テント村記者会見(岡山県総社市 片岡市長ブログ 2016.5.30)

 《関連記事》

「テント村」避難の選択肢に 登山家野口健さん(熊本日日新聞 2016.5.30) 

益城町「テント村」が閉村 利用者、感謝と不安(熊本日日新聞 2016.5.31) 

《追記》

唯一、条例のことについて触れている記事。

・ 社説:熊本テント村 経験を今後に生かそう(毎日新聞 2016.6.8)

 

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熊本地震~益城町テント村

2016-05-27 17:36:31 | 熊本地震

熊本地震から1カ月が過ぎた。梅雨入りを前に熊本県では土砂災害危険箇所の緊急点検を行っていたが、25日、土砂災害危険箇所に市町村指定の避難所や避難場所が少なくとも165カ所あることが分かった。そのため県では、別の地域への予防的避難を図るよう各市町村に呼び掛けている。そんな中、益城町総合運動公園につくられたテント村の閉村が決まった。この件について、ブログに掲載するか迷ったが、テント村へはシュラフなどの支援をしていることもあり、少し意見(感想)を述べることにした。

地震直後、野口健さんが立ち上げた「熊本地震テントプロジェクト」にすぐさま岡山県総社市片岡市長が連携、たちまち益城町にテント村が完成した。その抜群の行動力はツイッターなどを通じ、多くの人々に伝わっていった。野口健さんの真っすぐな思いは被災者の方々の救いとなっていた。一方で、私のように(親の介護があり)被災地で支援ができない者にとって、このプロジェクトの立ち上げは有難いもので、心から感謝していた。(東日本大震災では寝袋プロジェクトでお世話になった)しかし、テント村の閉村が決まった直後の野口さんのツイッター発言には、違和感を覚えた。既にツイートは削除されているが、元石原都知事を引き合いに、益城町長に対する意見(不満)や非難めいた(そのように取られ兼ねない)発言が続いた。これには正直うんざりとした気分になった。強い使命感からか、いきなり閉鎖という展開に気持ちの整理がつかなかったことは理解できる。が、言ってはならないこともある。登山の世界でも言えることだと思うが、非常事態だからこそ支援する側には大きな「器」が必要とされる。フォロアー数12万人となれば、その発言が社会に及ぼす影響も大きい。支援する側が被災地の足元をすくってしまっては、それこそ本末転倒ではないか。

報道によれば、そもそもテント村は1カ月の予定で、延長する場合は町と野口さんが話し合う約束をしていたとある。今月12日、総社市片岡市長は益城町西村町長とテント村について協議されているが、なぜかそこに野口さんの姿はなかった。ツイッターでは、片岡市長に一任されたような発言が見受けられるが、仮にそうであったとするならチームとして協議の結果(閉村)をもっと真摯に受け入れるべきだろう。そうでなければ、なぜ早い段階で町長と直接協議をしなかったのか、疑問が残る。町長の趣味は山登りだ。意見交換をされていればまた違った結果になったかもしれない。

東日本大震災に熊本地震、わずか5年間に2度も巨大地震が発生するような国に住んでいるのだから、もはや対岸の火事では済まされない。全国の活断層地図(産総研)を見るとその多さにぞっとするが、どこで大地震が発生しても不思議ではないということだろう。もはや地震の備えは必須。これまでも災害時にテントは活用されていたが、今後、さらにその必要性は高まっていくことだろう。色々と問題はあったが、今回のテント村が避難所のモデルとなっていけばよいと思う。今は何より一日も早い復興を願いつつ、微力ながら熊本への支援を続けていきたい。

 

 《関連記事》

県内避難所、165カ所が「土砂災害危険」(熊本日日新聞 2016.5.26)

 《関連資料》

熊本県HP。熊本地震に係る土砂災害危険箇所の緊急点検結果について(2016.5.25)

 

 

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熊本地震~九州道(4月29日) 

2016-05-04 10:53:13 | 熊本地震

先月29日、宮崎への帰路、熊本地震で大きな被害を受けた九州道の痛々しい姿を見た。被害は広範囲にわたっていて、地震の凄さを物語っていた。この日、開通はされたものの本格的な復旧作業は始まったばかりのようで、益城熊本空港ICから対面通行、嘉島JCTあたりから車両制限しながらの片側通行、さらに緑川パーキングまでの路面は波打つなど、まさに満身創痍な状態だった。今もなお余震が続く中、九州道の完全復旧にはかなりの時間がかかるのではないだろうか。  

 

 

 撮影日:2016.4.29(助手席から撮影) 

熊本IC付近 高速道路にかかる橋すべてに点検跡が見られた

 

 

 

 

  

 

熊本IC付近 跨道橋崩壊

 

 

 

 

 

 

益城熊本空港IC付近 埼玉県警が警備

 

 

 

 

 

 

熊本グランメッセ駐車場 

 

 

 

 

 

 

Sカーブ ここから上り車線へ

 

 

 

 

 

 

対面通行のはじまり  上空には自衛隊ヘリ

 

 

 

 

 

 

下り車線の復旧工事 大成建設が受注している

 

 

 

 

 

 

下り車線に大量の土嚢

 

 

 

 

 

 

陥没場所か

 

 

 

 

 

 

折れ曲がる

 

 

 

 

 

 

応急処置

 

 

 

 

 

 

 嘉島JCT付近 一旦停止で車両(重量)制限 路面は波打つ

 

 

 

 

 

 

木山川と益城町 ブルーシートが目立つ

 

 

 

 

 

 

 緑川パーキング近く 無残に崩壊した跨道橋

 

 

 

 

《関連記事》

 ・川の埋め立てが原因か、九州道の盛り土崩壊(日経コンストラクション 2016.4.18)

《追加記事》

九州道またぐ橋 6か所で被害確認(NHKニュース 2016.5.15)

 

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