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博多駅前陥没事故から2年、掘削に向けた課題

2018-11-09 21:59:29 | 博多陥没

博多陥没事故から2年、市民の関心が薄れる中、昨日、あの衝撃映像が流れていた。それで思い出した方も多かったのではないだろうか。現在、陥没現場では地盤改良工事が行われているが、今のところ工事は順調に進んでいるようで、地盤に大きな変化は見られない。だが、問題はこれから。いろいろ難関が待ち受けている。(報道はされていないが)

福岡市交通局の資料によると、先月末、陥没箇所の地盤改良工事、⾼圧噴射撹拌⼯(地下水の流入を防止する工事)と薬液注⼊⼯(地盤の強度を上げる工事)が完了。現在、その部分のチェックボーリングが行われている。今後はトンネル坑内の地盤改良工事が行われる。 それが終わると、いよいよ水抜き作業がはじまる。報道によると、水抜き作業は年明けからおよそ2か月半かけて慎重に行われるらしい。

ここが難関のひとつ。地下鉄のトンネル内は事故で流れ込んだ地下水で満たされている。その水抜きを行うわけだが、安全に水を抜くためには、地盤改良がどれだけ確実にできるかがポイントになる。というのも、トンネル内の水位と一緒に周辺の地下水位も下がれば、上からの水の流れを止められず、ふたたび陥没する恐れがあるからだ。地盤改良部分の地下約11mのところには、直径約2.5mの雨水幹線が通っている。さらにトンネル崩落時に一緒に落ちた信号機や管路なども埋まっている。こうしたところは固化材の噴射や撹拌の度合いを適切に設定できず、改良不足になる恐れがあると言われている。(だからチェックボーリングを行っているのだろうが)果たして、上手くいくか。

無事に水抜き作業が終われば、トンネルの再掘削(ナトム)工事となる。再掘削は地盤改良が行われているところ(人工岩盤)を掘るわけだが、ここにもリスクはある。岩盤層と改良部の境界、いわゆる難透水性風化岩層がどうなっているかだ。高圧噴射撹拌工法は、難透水性風化岩層のような比較的固い地盤では効果を発揮しにくいと言われている。もしも難透水性風化岩に亀裂が生じればそこが水みちとなり、ふたたびトンネル内に水を引き込む恐れがある。しかも、掘削工法は前回と同じナトム。福岡市は工法に問題はないと自信たっぷりだが、地質が複雑なところだけに油断はできない。順調にいけば、再掘削は来年夏頃からはじまる。ロープウエーどころではない。

 

写真:NHK福岡ニュースより(11月8日放送)

事故当時の様子 

 

 

 

 

 

現在の様子

 

 

 

 

10月31日現在の工事状況(福岡市資料より)

 

 

 

 

再掘削前に説明会をすべきだと思うが (福岡市資料より)

 

 

 

《関連記事》

博多駅前大規模陥没事故から2年(NHK福岡 2018.11.8)

博多陥没2年、トンネル掘削へ準備進む 福岡市長選、当時の対応も争点(西日本新聞2018.11.8)

 

 《関連資料》

福岡市交通局。地下鉄七隈線延伸建設工事における地盤改良工事の状況について(2018.11.1更新)

大成JV。福岡市地下鉄七隈線建設工事 博多駅工区(ナトム・人工岩盤掘削区間)に関する情報



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