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台風10号の勢力を弱めたのは黒潮だった! <21日正午、台風12号発生>

2020-09-21 14:29:49 | 災害

昨夜(20日)のNHKニュースが目を引いた。今月5日から7日にかけて九州西海上を北上した台風10号の勢力が強くならなかった要因に、本来、暖かい海水を届ける黒潮が関与していたという。先行した台風9号がかき混ぜたことで低くなった海水を200キロ以上も広げる役割を果たしていたというもの。九州大学応用力学研究所の広瀬直毅教授の解析よって判明した。なんと、一時的に暖流が寒流になっていたというのだ。食料品や飲料水を買い漁っていた頃、自然界では信じられないようなことが起きていたのだ。

先日(16日)、気象庁は台風10号の検証結果を発表したが、勢力が弱まった要因については、東シナ海から乾燥した空気が流入したためだとして、多くの専門家が指摘していた台風9号による海面水温の低下については限定的だとしていた。この時、専門家の見解とずれがあったので怪訝に思っていたが、昨夜のニュースで腑に落ちた。

海面水温のデータは、気象庁の台風予報に使われているが、それは数週間分のデータを平均する形となっているため、今回のように短期間で起きる海面水温の極端な変動は組み込むことができないという。つまり、正確なデータが得られない状況なのだ。それゆえ「限定的」と判断していたのではないか。台風のメカニズムに詳しい琉球大学の伊藤耕介准教授は「気象庁はシミュレーションなど活用し、より現実に近い海面水温のデータを把握する仕組み作りに取り組むべきだ」と注文をつけている。確かに、気象庁の情報は不確かなことが多い。

と言っていたら、台風12号が発生した。今後、南の海上を北上し、台風の北側にのびる秋雨前線の活動も活発になるため、24日頃には西日本や東日本に大雨をもたらすおそれがあるという。台風シーズン、まだまだ油断はできない。

 

 

海面水温 -今月2日、台風9号が通過した日- (気象庁資料より)

この時、九州西海上の海水温は30℃だった 

 

 

 

海面水温 -今月5日、台風10号が通過した日-

海水温は27℃まで下がっていた

 

 

 

 

暖流黒潮が低い温度の海水を広めていた、、(20日、NHKニュースより)

 

 

 

《21日正午、台風12号発生》

台風の記事を書いている最中に台風発生、、

 

 

《関連記事》

台風10号 “最大級警戒”も発達しなかった「意外な要因」とは (NHKニュース 2020.9.20)

台風12号ドルフィン発生 連休明けに西日本・東日本で大雨のおそれ(tenki.jp 2020.9.21)

 

《関連資料》

気象庁。令和2年台風第10号における予報の検証(速報)(2020.9.16)

 

《参考資料》

気象庁・台風情報

 

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秋雨前線活発、九州北部 今夜から大雨に警戒を!

2020-09-17 18:37:00 | 災害

気象庁は昨日(16日)、台風10号(1日発生~8日温帯低気圧)の検証結果を発表した。それによると、当初の予報より勢力が弱まったのは、東シナ海から乾燥空気が流入したため発達が抑え込まれた(水蒸気量が少なくなった)、早い速度で九州西海上を北上したため強い雨の時間が続かなかったことなど挙げている。また、高潮については、潮位偏差のピークが満潮と重ならなかったことで被害が少なかったとしている。多くの専門家が指摘していた、台風9号による海面水温の低下に伴う影響については限定的だったとしている。

何はともあれ、被害が少なくてよかった。気象庁が最大級の警戒を呼びかけたことで、多くの人がいつもと違うことを認識し、スイッチが入ったのは事実だろう。防災システム研究所の山村武彦所長は、「結果として被害は少なかったが、全国で約48万戸の大停電が起きた。全く空振りというわけではない」として、気象庁が最大級の警戒を呼びかけたことを、正しい判断だったと評価している。その上で、今回被害が少なかったことから、次に避難を呼びかけられた人が、避難をしないで逃げ遅れることが心配だと警鐘を鳴らしている。

そう、油断は禁物。台風10号は去ったが、今秋雨前線の活動が活発になっている。今夜には、本州付近に停滞する秋雨前線に向かって、大雨のもとになる暖かく湿った空気が流れ込む。このため、広い範囲で大気の状態が非常に不安定になり、雨雲や雷雲が発達するという。18日昼までの24時間予想雨量は、筑後地方で200ミリ、福岡地方で150ミリ、北九州地方と筑豊地方で120ミリとなっている。今一度、大雨に警戒を。

 

 

今夜から明日にかけて、大雨に警戒を! (tenki.jpより)

 

 

 

 

17日午後9時の天気図 秋雨前線が九州北部まで北上 (気象庁天気図より)

 

 

 

 

こちらは15日午前11時ごろの空(那珂川市内にて撮影)

いわし雲(もしかして、うろこ雲かな?) 昔からうろこ雲やいわし雲が出たら3日のうちに雨というのは本当だった、、

 

 

 

《関連記事》

台風10号「予測」と「実際」にずれ 乾燥空気の流入など影響(TBS NEWS 2020.9.16)

台風10号で気象庁長官「『特別警報級』は大げさでなかった」(TBS NEWS 2020.9.16)

台風10号の教訓は 防災専門家に聞く【熊本】(FNNプライムオンライン 2020.9.16)

 

 

《参考資料》

気象庁HP。令和2年台風第10号における予報の検証(速報)(2020.9.16)

 

 

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台風10号、最大級の警戒を! (最終更新9月17日)

2020-09-04 19:04:14 | 災害

最強の台風が迫っている。昨年10月の台風19号は非常に強い勢力で東日本を襲い、西日本豪雨以上の被害を出したが、台風10号は、それ以上の猛烈な勢力で九州を襲おうとしている。ちょうど2ヵ月前の今日、豪雨によって熊本県や大分県などでは甚大な被害が出たが、コロナで復旧作業もままならない中、さらなる被害が心配される。

台風10号は、今夜には特別警報級(中心気圧930hPa以下、または最大風速50メートル以上)の勢力へと発達し、5日夜には大東島地方、6日午前には沖縄地方や奄美地方に接近。6日午後から7日にかけては勢力を維持したまま九州へ接近、もしくは上陸するおそれがある。今回、気象庁がイメージしているのは死者・行方不明者5000人以上を出した1959年の「伊勢湾台風」(上陸時929hPa)である。51年以降、中心気圧930hpa以下の猛烈な勢力で日本列島に上陸したのは、伊勢湾台風と61年の「第2室戸台風」、93年の「台風13号」の3例だけだが、その中で最も被害が大きかった伊勢湾台風と同じクラスのとんでもない台風がやって来るというのだ。(えらいことになった)

一方、国交省は宮崎県や鹿児島県の大きな河川でも氾濫する恐れがある(ということは中小河川は壊滅的)として警戒を呼びかけている。また、現在、九州9つのダム(鹿児島県の川内川第二ダム、長崎県の小浦ダム、仁田ダム、目保呂ダム、高浜ダム、浦の川ダム、川原ダムなど)で、大雨に備えてダムの水位を下げ、容量を確保するための「事前放流」が行われている。今のところ、福岡県では行われていないが、那珂川上流の南畑ダム、五ケ山ダム、脊振ダムで実施される可能性は高い。というのも、今年は雨続きで、ダム水位は高い状態で推移しているからである。それで、福岡県は、先月末、県が管理する4つの水系(紫川、今川、那珂川、祓川)にあるダムの事前放流を行えるよう、関係する市や町と協定を締結している。

五ケ山ダムについては、7月末まで平常時最高水位を1m程超えた状態だったが、8月の少雨で水位は下がり、現在、満水位まであと6mとなっている。ちなみに、西日本豪雨時には、一度に6m水位が上昇した。もしかすると、今回はそれ以上になるかもしれない。

気象庁は、これまで経験したことがない暴風、高潮、高波、大雨になるおそれがあると繰り返している。風や雨だけでなく、高潮にも警戒が必要のようだ。とにかく命を守ることだけを考えて行動するしかない。

 

※下のほうに更新しています。

※一番下に土砂災害が発生した椎葉村(当時)の状況を追加しました。(2020.9.17更新)

 

 

ひまわりリアルタイム画像(9月4日7時30分)

でかい、、目の大きさが半端ない

 

こちらは、昨年の台風15号(2019年10月11日)

 

 

 

気象庁、台風第10号の今後の見通し(4日9時時点)

当初の予想より東寄りに、、  

※最新の台風経路はこちらで。

 

 

 

 

九州北部 年間雨量の4分の1が1日で降ることに、、

 

 

 

 

《台風10号「大型」へ 暴風と高潮に警戒を 2020.9.5更新》

台風10号は、5日午前11時、強風域が拡大し、「大型」になった。気象庁によると、最新の進路予想では、九州から離れて進む可能性は低く(つまり九州に近いところを進み)、重大な災害が起きる確度が高くなったとしている。特に、暴風と高潮に警戒が必要のようだ。九州では、たびたび豪雨に見舞われているが、台風による暴風や高潮による被害は少ない。報道によれば、過去30年では、大規模な倒木が確認された1991年の台風19号と八代海で高潮浸水が発生して12人が犠牲になった1999年の台風18号のみという。

高潮については、日本に接近する時点で915hpaという気圧の低さがポイントになる。気圧の低下により海面が吸い上げられ、吸い上げられた海水は強風によりさらに高く海岸へ打ち寄せられる。しかも、今は中潮で潮位も高い。暴風については、台風10号は真北に進むため、台風が通過した後も長時間、南から風が吹き続けることになる。そのため大きな被害が想定される。暴風で送電鉄塔が倒壊すれば、昨年、台風15号に襲われた千葉県のように、大規模停電が長期化する恐れもある。幾分涼しくなったとはいえ、冷房や冷蔵庫が使えないとなると、高齢者のリスクは高まる。暑さ対策も必要になる。いやはや、大変なことになりそうだ。

 

 

高潮に要注意!(tenki.jpより)

 

 

 

 

台風の速度が上がっているので満潮時との差は6時間くらいに  (気象庁資料より)

 

 

 

 

《台風10号、やや勢力を弱めながら北上 2020.9.6更新》

気象庁によると、大型で非常に強い台風第10号は勢力をやや弱めながら北上しているという。鹿児島県(奄美地方を除く)では特別警報を発表する可能性は小さくなったと発表した。とはいえ、まだまだ勢力はあるので油断は禁物だ。

台風第10号に関する情報 第65号(9月6日7時42分発表) 

台風第10号の今後の見通しについて(9月6日9時30分発表)

 

 

9月6日午前9時40分現在(気象衛星ひまわりより)

台風の目が少し崩れてきたような 

 

 

 

9月6日午前8時の予報

昨日の予報より早くなった 福岡県に最接近するのは7日明け方になりそう

 

 

 

 

《台風10号、大きな被害なく 朝鮮半島へ 2020.9.7.10:00更新》 

7日午前9時現在、大型で非常に強い台風10号は、朝鮮半島付近を進んでいる。九州では暴風による建物被害や停電、けが人も出ているようだが、予想された(伊勢湾台風のような)大きな被害はなかった。このあと高潮時刻となるので、しばらく注意は必要だが、ひとまず安堵。といっていたら、宮崎県椎葉村で土砂災害が発生、4人不明という。昨夜は椎葉村や西米良村で大雨になってはいたが、、

 

7日10時頃、朝鮮半島 このあと8日午前3時に中国東北区で温帯低気圧に

 

 

 

《椎葉村500ミリを超える大雨に  2020.9.17更新》

掲載が遅くなりましたが、以下は、今月6日夜の大雨の様子です。

 

宮崎県西米良村の村所橋の様子(6日午後8時頃)。一ツ瀬川の水位は上昇し、氾濫危険水位を60センチ超えていた。ちょうどこの頃、椎葉村で土砂崩れが発生していた。(この橋を渡り左折すると椎葉村へ) 

 

 

 

土砂災害が発生した「椎葉村下福良」の雨量は、日付が変わる頃には500ミリを超えていた。土砂崩れが発生した時間帯(6日午後8時から午後9時)には、1時間30ミリ以上の大雨になっていた。この時、データを見て心配になっていたのだが、、

 

 

《関連記事》

経験にない記録的「高潮」 台風10号が引き起こす災害に厳重警戒を(tenki.jp 2020.9.5)

台風10号 気象庁「重大災害の確度高くなってきている」(NHKニュース 2020.9.5)

鉄塔や樹木危険確認を 通過後も続く高潮注意 近年九州暴風被害少なく(西日本新聞 2020.9.5)

強さ「伊勢湾並み」 海水温の高さ原因 大災害強く懸念 台風10号(西日本新聞 2020.9.4)

台風10号が「特別警報級」に発達した理由 「右側」地域は一層の警戒を(毎日新聞 2020.9.4)

 

NHK。台風10号情報 ※随時更新中 

tenki.jp。台風10号 関連情報と今後の注意点 ※随時更新中

 

 

《参考資料》

気象庁。台風第10号の今後の見通し(進路・暴風・河川の増水・氾濫など)について(2020.9.4)

福岡県HP。ダムの事前放流に関する「治水協定」を締結しました(2020.9.1)

 

 

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【令和2年7月豪雨】久留米、大牟田浸水被害~九州北部、13日夜からふたたび大雨警戒(7月14日更新)

2020-07-13 17:30:30 | 災害

福岡県も大変なことになっていた。7日午前5時半頃、県の河川カメラを見ると、久留米市を流れるいくつもの川で氾濫が発生していた。この時、山口に居たので状況がわからなかったが、国交省のデータを見ると、久留米市では、6日正午すぎから1時間の雨量が30ミリを超える大雨に見舞われていた。筑後川支流の下弓削川(久留米市東合川)や山ノ井川(久留米市城島町)では、6日午後2時頃、氾濫危険水位を超え、水位は徐々に上昇。夕方にはすでに氾濫していた。これは雨水が筑後川の本流にはけずに溢れる「内水氾濫」によるもので、このところ毎年のように起きている。特に、今回は筑後川上流の雨量が多く、本流(片ノ瀬観測所)でも氾濫危険水位を超えたため、支流でのポンプによる排水が進まなかったようだ。

大牟田市でも冠水が相次いだ。国交省のデータを見ると、大牟田総合庁舎観測所では、6日午後4時台1時間雨量は95ミリと猛烈な雨に見舞われていた。その直後、午後4時半、気象庁は、大牟田市と八女市、みやま市、広川町に大雨特別警報を発表した。ところが、報道では、福岡・佐賀・長崎県に大雨特別警報と伝えるだけだった。ここは正確に伝えなくてはならないところだろう。一つの情報で救える命もある。大牟田市では、6日午前7時からの24時間雨量が久留米市よりも多い500ミリ超だった。結果、大規模な冠水により2人の方が亡くなっている。

と、ふりかえっている場合ではない。今夜から明日にかけて、ふたたび活発な梅雨前線が対馬海峡から九州北部地方へ南下する見込みで、九州北部や中国地方では非常に激しい雨が降るおそれがあるという。こうなると気になるのが、五ケ山ダムだ。県のデータを見ると、4日に約404mだった水位は、一時(11日)、常時満水位を3m超えて約410mまで上昇していた。現在は408.5mまで下がっているが、洪水時満水位までおよそ4m。今夜からの雨の降り方次第では緊急放流もありうるのでは。「想定外」という想定は、もはや通用しない。今のうちに避難の準備をしておく必要がありそうだ。

 

《2020.7.14更新》

心配していた五ケ山ダムだが、水位に変化はない。ダム周辺の雨量を見ると、午前1時から2時までの2時間で約40ミリ程降っているが、その後は大して降っていない。一先ず、救われた。これで梅雨も終わるだろうと思いきや、そうはいかないようだ。いったん南へ下がった梅雨前線がふたたび金曜から週末にかけて北上するという。今週末までは気が抜けそうもない。

週間 梅雨前線 いったん南へ離れるが 金曜日から再び北上(tenki.jp 2020.7.14)

 

 

福岡県河川防災情報 河川ライブ画像より ( )はキャプチャー時間

 

【久留米市】

下弓削川 6日午後5時頃から氾濫がはじまっていた(7日午前5時半頃) 

 

 

 

 

山ノ井川城島大橋 (7日午前6時頃) 

山ノ井川の水門は6日午後11時15分に閉じて以降、8日午後0時半まで開けられず、冠水が長引いた

 

 

 

 

雨雲の塊が北からやってくる 福岡、北九州地方、山陰地方は要警戒 (tenki.jpより)

 

 

 

 

五ケ山ダム 7月11日、洪水時最高水位まで約3.8mのところまで上昇していた 

 

 

 

《関連記事》

九州 今夜からあす梅雨前線活発 再び大雨のおそれ(tenki.jp 2020.7.13)

三川ポンプ場、能力超える雨量 大牟田市「想定甘かった」と陳謝(西日本新聞 2020.7.10)

「生殺しのよう」「なぜ水引かぬ」ぼうぜん…対策追いつかず 久留米(西日本新聞 2020.7.9)

 

《関連資料》

福岡県 河川防災情報

 

 

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【令和2年7月豪雨】熊本、大分被害甚大〜今もなお大雨警戒(7月12日更新) 

2020-07-10 22:12:12 | 災害

祈りは届かなかった。4日未明からの大雨は、九州全域で甚大な被害をもたらした。一体、どこから書き始めてよいのかわからないほど、被害は大規模かつ広範囲にわたっている。中でも、熊本県球磨村や人吉市、芦北町では球磨川の氾濫により多くの犠牲者が出た。さらに、大分県では、玖珠川や杖立川の氾濫により、観光で有名な天ヶ瀬温泉や杖立温泉で大きな被害が出ている。福岡県では大牟田市や久留米市で内水氾濫による浸水被害が出ている。10日現在、死者は66人。うち九州は63人(熊本県60人、福岡県2人、大分県1人)、九州以外は3人(愛媛県2人、静岡県1人)、行方不明者は16人にのぼる。(12日現在、九州の死者は66人/熊本県62人、福岡県2人、大分県1人、長崎県1人)

4日5時すぎ、嫌な予感がして目が覚めた。国交省の河川防災情報を見ると、熊本県球磨村や芦北あたりで1時間に70ミリ近い大雨になっていた。そして、河川カメラを見た瞬間、「あっ」と声が出た。球磨川が氾濫し、海のようになっていた。5時半ごろ、ツイッターに画像を発信したが、メディア第一報は、それから1時間程後のことだった。国交省のデータを見ると、雨は4日午前2時頃から強くなり、午前4時頃から川の水位が急上昇していた。その要因は、球磨川の流域の地形にあった。

河川工学が専門の九州大学島谷教授は、「球磨川は上流部の人吉盆地では比較的川幅が広いが、球磨村の『渡』の周辺で山と山に挟まれた谷底平野という地形に変わり、川幅も急に狭くなる。このため球磨村などがある中流部は、雨が降ると急に水位が上がりやすい場所だ」と。まさに、その場所が氾濫しはじめたところを見た。

4日未明からの大雨について、気象庁は、暖かく湿った空気が梅雨前線に向かって流れ込むことで発生した積乱雲が、前線上の低気圧によってさらに発達し、線状降水帯となったことが主な要因だとしている。九州北部豪雨以降、毎年のように線状降水帯は発生しているが、これを予測する技術は今のところないと言われている。そうした中で、気象庁が大雨特別警報を出したのは、4日午前4時50分だった。

どうしてこんなにいつも発表が遅いのか。気象庁によると、警報を出す目安は、48時間または3時間の予想雨量と土壌にたまる水分が「50年に一度の値」を超えた場合という。だが、それを待っている間に災害は発生している。むしろ、特別警報は避難行動の足かせになっているのではないか。

翌5日、雨は小康状態となっていたが、6日からふたたび雨は九州を襲った。この時、山口に居たが、7日明け方5時半頃、目が覚めて、河川防災情報を見ると、今度は大分県九重町で大雨になっていた。玖珠川が心配になり、河川カメラを見ると午前6時すぎ、玖珠町付近で氾濫寸前になっていた。午前7時頃には、中流部の天ヶ瀬で濁流が橋に押し寄せていた。報道によると、「新天瀬橋」が午前8時頃に流されていた。わずか1時間後のことだった。コロナ禍の中、温泉街を襲った豪雨に言葉もないが、人的被害はなかったのは何よりだった。

昨夕(9日)、山口からの帰路、高速道で被災地へ向かう救急車両(徳島県日赤病院や島根県DMAT)を見かけた。こういう光景を見たのは熊本地震以来だが、何ともやるせない気持ちになった。こうして多くの人が人命救助にあたっている中、ふたたび九州に大雨警報が出た。今夜から12日かけて大雨になるという。被災地では二次災害の恐れもある。今はただ、大雨にならないことを祈るしかない。

 

福岡県内の状況については、次項で。

 

下の写真は、国交省川防災情報の河川カメラ画像を保存しておいたものです。( )はキャプチャー時間です。

 

【球磨川】7月4日

漆口川(奥)と球磨川(手前)の合流地点 まるで海のように、、(7月4日午前5時半頃) 

 

 

こちらは平常時 大瀬橋から見たところ(Google mapより)

 

 

 

渡地区 すでに氾濫がはじまっていたが、まだ電気は付いていた (4日午前5時半頃)

 

 

 

 

球磨川で浸水が最も深かったのは渡地区(紫丸)で、深さは8~9メートルほどに達している(国土地理院より)

 

 

 

 

人吉ICを降りて右に見える人吉橋 氾濫寸前だった(4日午前6時頃)

 

 

 

 

この時間、多くの場所で氾濫が発生していた(4日午前6時半頃)

 

こちらは平常時 同位置から見たところ(Google mapより)

 

 

【玖珠川】7月7日

玖珠IC近く すでに氾濫危険水位を超えていた(7日6時20分)

 

 

 

 

天ヶ瀬温泉郷 この約1時間後、上流にある「新天瀬橋」が流された(7日6時40分)

 

 

 

今回の豪雨について、気象庁は9日、九州や岐阜、長野など広い範囲で大きな被害が出ているとして、「令和2年7月豪雨」と名付けた。まだ大雨が続いて被害の全容が見えない中での決定は異例だ。豪雨に名称が付いたのは「平成30年7月豪雨」(俗称:西日本豪雨)以来となるが、(俗称は)やはり九州豪雨だろう。

 

 

《関連記事》

「数十年に一度」の大雨、7年で16回 温暖化で特別警報多発(西日本新聞 2020.7.12)

球磨川 専門家「川幅狭まる場所で水位上昇」( NHKニュース 2020.7.4)

熊本 球磨川氾濫 浸水は8~9mの深さに達したか 国土地理院 (NHKニュース 2020.7.4)

 

《参考記事》

西日本新聞 九州の豪雨 ※随時更新中

NHK大雨情報 ※随時更新中 

 

《参考資料》

国交省 川の河川防災情報

 

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