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台風14号 宮崎県で被害甚大~河川氾濫相次ぐ

2022-09-23 09:30:20 | 災害

9月14日、小笠原近海で発生した台風14号は、18日午後7時頃、観測史上4番目の勢力(中心気圧935hpa)で鹿児島市に上陸した。それより先、宮崎県では18日10時頃から猛烈な雨が降り始めていた。一ツ瀬川が気になり、介護の合間に川の防災情報を見てみると、18日正午頃、西米良村所橋では、すでに氾濫危険水位(5.3m)を1m以上超えていた。これはやばいなと思ったが、宮崎県に大雨特別警報が出たのは、(早いところで)3時間後のことだった。いつもながら遅い。

宮崎県の被害状況が徐々に明らかになってきた。21日時点で判明している浸水家屋は1000棟に上る。(さらに増える見込み)最も多いのは延岡市で、これは五ヶ瀬川の水位が上昇したことにより市内を流れる支流が内水氾濫したため。次いで、一ツ瀬川が氾濫した西都市。耳川が氾濫した日向市と続く。これらの川の上流地域では18日から19日へ日付が変わる頃、線状降水帯が発生していた。

西都市では、一ツ瀬川と三財川の合流付近で冠水により大きな被害が出ている。これには、二つのダムの放流が関係していると思われる。三財川上流にある立花ダムでは、洪水の恐れがあるとして、18日午後10時から緊急放流が始まった。その頃、一ツ瀬川上流の一ツ瀬ダムも満水位に到達し、毎秒3600トン(3600㎥/s)が放流されていた。二つのダムから大量の水が放流されたことにより、三財川と一ツ瀬川の合流付近で大規模な冠水が起きてしまったのだろう。義姉のところは少し高いので無事だったが、ピーマン農家の方々が被害に遭われた。それにしても、一ツ瀬ダムを管理する九電の対応(放流量)に問題はなかったのか、疑問が残る。

台風14号は、鹿児島市に上陸した後、18日午後11時頃、水俣市を通過し、一旦、有明海に出た後、19日午前3時頃、柳川市に再上陸した。想定より東寄りのコースだったため、熊本では大きな被害はなかったが、九州山地東側では大量の雨が降り、椎葉村や諸塚村、美郷町などで大きな被害が出ている。山体崩壊により道路が損壊し、今もなお孤立している地区がある。まだ災害は続いている。

ところで、山口の田舎では、19日午前2時頃から猛烈な風と雨に見舞われた。マンションだと心配する必要はないが、木造家屋(2階建て)となると状況は異なる。家は揺れ、恐ろしくて寝ている場合ではなかった。午前4時頃、ようやく風が落ち着いたので少し仮眠できたが、心身共に疲れた。19日午後、台風が去ったので片付けをはじめようとしたが、吹き返しの風が半端なかったので、諦めかけていたところ、隣の家の窓が割れ、上からガラスが降ってきた。台風が去った後こそ注意が必要だと実感。以後、気を付けなくては。

 

 

台風接近2日前の夕焼け(山口の実家にて、9月16日18:30撮影)

不気味に赤かった、、

 

 

 


18日正午すぎ 一ツ瀬川上流・西米良村所橋の様子

上流の椎葉村でかなりの雨が降ったのだろう

 

 

 

この時すでに氾濫危険水位を1.25m超えていた

 

 

 

18日午後8時頃、西都市右松(一ツ瀬川と三財川の合流地点手前付近)の様子

18日午後8時頃、気になって宮崎県の雨量・河川観測水位情報を見ると、一ツ瀬川・西都市では氾濫危険水位を超えていた

右松地区では、ちょうどこの頃から浸水がはじまっていた(この記事で判明)

 

 

 

19日午前11時頃、西都市冠水の様子(9月19日NHK動画ニュースより)

9月19日午前11時頃 一ツ瀬川と三財川の合流付近は海のように、、(赤い屋根の建物は一ツ瀬青果市場)

 

 

 

219号線から見たところか

 

 

 

ピーマンハウスが、、

 

 

 

一ツ瀬ダムと立花ダムの位置関係

西都市、扇状地か、、

 

 

 

一ツ瀬川と三財川の合流地点(写真の場所を記入)

冠水部分(予想)を薄く塗りつぶしてみた(右松周辺も浸水している)

 

 

 

一ツ瀬ダムの放流状況を見てみると、、(一ツ瀬ダム観測値

立花ダムの緊急放流がはじまった18日午後10時、一ツ瀬ダムはほぼ満水位(200m)に、放流量は約3600㌧/s 

午後8時頃から放流量は3000㌧/sを超えている、その頃、西都市内で浸水がはじまった

 

 

 

九電・一ツ瀬川濁水対策情報より

短時間で水位を下げている

 

 

《余談》

義姉の話によると、西都市の実家と山は大きな被害がなかったとのこと。来月には、相方が宮崎へ行って確認することに。

 

 

《関連記事》

宮崎県内台風14号特集(宮崎日日新聞)※随時更新中

宮崎、浸水14市町村1000棟…台風14号(読売新聞 2022.9.22) 

台風14号被害 山沿いを上空からリポート 美郷町 諸塚村 椎葉村 宮崎県(UMKテレビ宮崎)

「九州山地が障害物に」〝最悪コース〟台風14号 想定より東、勢力弱まったか(熊本日日新聞 2022.9.20) 

宮崎県と熊本県で「線状降水帯」最大級の警戒を(tepki.jp 2022.9.19) 

【大雨特別警報】宮崎県・諸塚村に発表 ただちに命を守るため最善の行動を<警戒レベル5相当>(TBSニュース 2022.9.18)

 

《参考資料》

気象庁。宮崎県に大雨特別警報を発表(2022.9.18)

 

<大雨特別警報>

▽午後7時50分発表

諸塚村

▽午後6時35分発表

日向市、西都市、木城町、椎葉村、美郷町

▽午後4時5分発表

日南市

▽午後3時10分発表

宮崎市、都城市、三股町

 

<被害状況空撮>

株式会社パスコ災害緊急撮影・2022年9月 台風14号災害(9月22日更新)

 


若杉山~宝満山往復縦走

2022-09-13 21:20:30 | 山・火山

体調不良で福岡へ戻ってみると、相方がいない。仕事と思いきや(仕事がドタキャンしたとかで)、若杉山~宝満山を往復縦走していた。(こっちは膀胱炎でダウン)

聞くと、この日、縦走路で出会ったのは数人程度。暑いせいか、縦走する登山者も少なかったよう。ただ、宝満山は人気の山だけあって、登山者が次々と登ってきていたとのこと。縦走路はトレイルランニング大会のコースになっているのか、整備されていたと。

往復縦走コースは、若杉山観音堂下駐車場から宝満山までの往復約27㌔。所要時間は(撮影時間を含め)約9時間。10年前に挑戦した時は約6時間だったので3時間遅れ。やっぱり、年には勝てないとぼやく相方。宝満山から若杉山は下りが多めで、膝の負担が大きいので無理はしなかったとのこと。それでも若杉山頂から宝満山頂まで片道約5.5時間コースなので、往復約9時間は早いほうかもしれない。

縦走路はほとんど自然林に覆われているため、見晴らしは良くないかわりに涼しい。登山道では、秋の山野草など見ることができたとか。(私も山に行きたいよぉ)

 

相方の山行ですが、せっかくなので、写真を紹介しておきます。

 

撮影日:2022.910(相方撮影) ※携帯なので画像はよくありません。( )は時間。

宝満山頂(標高827m)から縦走路を見たところ(このあとふたたび若杉山へ)

 

 

 

<ここからスタート>

若杉山観音堂下駐車場(8:04)

 

 

 

若杉山山頂(681m)(8:16)

 

 

 

若杉ヶ鼻(8:20) 正面に砥石山が見える

 

 

 

縦走路に案内標識 トレラン用?

 

 

 

ショウケ越え(下に県道60号線が走る)(8:46)

 

 

 

ふたたび案内標識

 

 

 

鬼岩谷山頂(標高774m)(9:20)

 

 

 

砥石山山頂(標高828m)(9:34)

 

 

 

前砥石(標高805m)(9:46)

 

 

 

昭和の森への分岐点(欅谷コースは難路)(10:31)

 

 

 

航空監視レーダー

 

 

 

もう、秋ですね

 

 

 

三郡山山頂(標高935.9m)(10:41)

 

 

 

昭和の森への分岐点(頭巾山へ)(11:05)

 

 

 

仏頂山山頂(標高868.7m)(11:24)

 

 

 

宝満山下(11:33)

 

 

<宝満山山頂到着>(11:38)

宝満山山頂から筑紫野市方面を見ているところ

 

 

 

どこ撮ってる?

 

 

<宝満山山頂出発>(12:09)

 

陰り始め(14:35)

 

 

 

若杉ヶ鼻の手前にモミジガサの群生(16:02) 

※葉がモミジのようなところからこの名が付いた

 

 

 

若杉山到着(16:32)

 

 

<若杉山観音堂下駐車場到着>(17:04)

 

 

<登山道で(相方が)出会った花たち>

オミナエシ=女郎花(オミナエシ科) ちなみに、オトコエシ=男郎花は白い

 

 

 

ヤマホトトギス(ユリ科) ホトトギスは1つの株にたくさん花をつけるけれど、ヤマホトトギスは2~3個

 

 こちらは、上から見たところ(変な足も見えますが、、)

 

 

ギンリョウソウ(シャクジョウソウ科)

 

 

 

コウジダケ?

 

 

 

見るからに怪しい、、毒キノコ?

 

 


【朗報】脊振山系の風力発電撤退

2022-09-12 17:30:40 | 脊振風力・ILC

今月2日、脊振山系で計画されていた風力発電事業について、事業者の大和エネルギー(本社・大阪府)が事業から撤退する方針を固めたと佐賀新聞が伝えていた。先日、山口でこの報道を目にして、思わず、やった~と叫んだ。これで脊振の自然が守られた。

撤退の要因は、保安林の指定解除に見通しが立たないからで、事業者は5~6月、撤退の方針を唐津市側に伝え、6月下旬に七山3地区の関係者に説明をしたという。大和エネルギーは、今年1月、七山3地区の区長から環境影響評価(アセスメント)の実施に関する同意書を得ていたので、一時はどうなるかと心配していたが、それから間もなく断念していたことになる。

建設予定地は唐津市所有の保安林が含まれており、開発には保安林の指定解除が必要になる。しかし、佐賀県と唐津市は開発要件に満たしておらず、指定解除は困難との見解を示していた。事業者としては諦めざるを得なかったのだろう。が、そもそも保安林に指定されているところに風力発電を計画すること自体、どうかしている。撤退報道から10日程経つが、未だに事業者から正式に撤退表明はされていない。当然のことながら、きちんと説明する責任はあると思うが、こういうところからして、この企業の体質が見て取れる。

何より、唐津市民や糸島市民をはじめ、多くの人が計画に反対したことは大きい。「自然と人々の生活を守りたい」との思いが(撤退を)後押ししたと言ってよいだろう。(私も必死に意見書を書いた甲斐があった)今回の風力発電計画は白紙になって良かったが、これからもずっと脊振の自然が変わらないよう願いたい。

 

 

脊振山頂より脊振山系を望む (2021年11月13日撮影)

 

 

 

《関連記事》

唐津市七山の風力発電撤退へ 大阪の事業者 保安林の指定解除困難で(佐賀新聞 2022.9.3)

佐賀唐津風力発電事業から撤退 住民の反対運動で(NetIB-News 2022.9.8)

 

《参考》

唐津∧糸島の山の未来を考える会(公開グループ) | ついにダイワエネルギー社が本事業からの撤退を表明しました | Facebook

 


アイランドシティ完売、黒字150億円はホント?

2022-09-05 08:56:36 | 人工島

先月26日、高島市長の記者会見。開口一番、嬉しい報告があるというから何かと思えば、28年の時を経て、アイランドシティ(人工島)の分譲地が完売したというものだった。最終的に150億円の黒字になる見込みで、このうちの約100億円を活用して子供政策の基金を設置するという。何も知らない方なら「高島市長、さすが~」となるのだろうが、そうは問屋が卸さない。なぜなら、売れない土地を売るために、これまで注がれた市民の税金(立地交付金)は260億円に上るからである。ところが、地元メディアはこれをスルー、”黒字”の一点張り。立地交付金については、毎日と日経などが多少報じているが、問題提起はしていない。

平成6年(1994年)に始まった人工島事業。そもそも博多湾の機能強化のために国が行った航路浚渫で大量の土が発生し、それを処分するために始まった。約4,000億円をかけて博多湾を埋め立て、約400㌶の土地を造成した。当初、土地を売って事業にかかった借金を返済する計画だった。ところが、土地は予想以上に売れなかった。そこで、売れない土地を売るために立地交付金を付けた。土地を購入した企業にもれなく現金が付いてくる(10億円で土地を購入すれば3億円の現金が返ってくる)というもの。上限10億円だった立地交付金は、高島氏が市長になって30億円まで引き上げられた。すべて市民の税金だが、ご本人にその自覚はないようだ。

会見では、記者から立地交付金の質問が出ていた。それに対し、高島市長は260億規模になるとさらり。今後、立地企業から税収が入るので心配ないと言わんばかりに、令和3年度は約40億の税収が見込まれると答えていた。とはいえ、全額が充当できるわけではないだろう。ここは重要なところだが、高島市長は「難しいところ」とはぐらかしていた。いつものことだが、高島市長は、さすが元アナウンサーだけあってアピールが上手い。自分にとって都合の良いところだけ話す。メディアは検証もせずに、そのまま垂れ流すから真実が伝わらない。振り返れば、高島市政の12年間はそうしたことの繰り返しだった。

ところで、ちょっと気になる記事を見つけた。今から10年前のものだが、福岡市が平成24年に発表した人工島事業終了時の試算結果について、市が公表した160億円とする赤字額のほかに421億円という数字があることが判明したというもの。試算は公表分を含めて16パターン。半数以上が赤字200億円を越える結果となっていたにもかかわらず、公表されたのは160億円だった。高島市長は記者会見で、平成24年に160億円の赤字試算が最終的に150億円の黒字になったと胸を張っていたが、試算金額が違えば話は変わってくるのでは?

本日(5日)10時、9月議会が開会する。人工島問題についての質疑も予定されている。トップバッターは堀内議員。あと長年、人工島問題を追及してこられた荒木議員の質疑も注目したい。(モヤモヤ感を吹き飛ばしてほしい)

 

 

8月26日の記者会見の様子(福岡市公式Youtubeチャンネルより)

自信満々のご様子(毎度のことながら、市民へ負担を強いたことへの謝罪はなし) 

 

 

 

アイランドシティの概要

事業費は実質どれだけ回収できているのか?(ほとんど補助金で賄われているので一般市民にはわかりにくい)

 

 

 

売れない土地の穴埋めに市の重要施設(こども病院や体育館、青果市場など黒文字部分)が移転、原資は税金

 

 

 

《関連記事》

アイランドシティ完売 黒字100億円を子供政策活用 福岡市(毎日新聞 2022.8.27)

博多湾の人工島、土地が完売 事業収支152億円の黒字に(日本経済新聞 2022.8.26)

「アイランドシティ」完売し、黒字152億円/福岡市(財界九州 2022.8.30)

 

《参考資料》

福岡市HP。港湾・アイランドシティ

福岡市議会HP