yamanba's blog

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試験湛水開始から3ヵ月~五ヶ山ダム

2017-01-30 17:03:07 | 五ケ山ダム

五ヶ山ダムの試験湛水がはじまってから3ヵ月が過ぎた。現地の状況が気になり、先週末、五ヶ山へ向かった。新倉谷七曲線入口に架かる桑河内大橋を上っていくと、五ヶ山水源地域公園事業のひとつ桑河内ふれあい公園予定地が見えてくる。ここは前回の視察時と変わっておらず、まだ工事は行われていなかった。次に、五ヶ山ダムトンネルを抜けると五ヶ山ダムが現れる。車を降りてダム湖を見ると、水は予想以上に溜まっていた。すでに小川内地区の一部は沈んでしまい、かつて「小川内の杉」(昨年4月移植)が鎮座していたところまで水は迫っていた。早晩こうなることはわかっていても、その光景を目の当たりにすると、やはり辛い。慣れ親しんだ道や木々、そして植物たちが沈んでいく姿は、筆舌に尽くし難いものがある。

五ヶ山ダムの併用開始(平成30年4月)まで1年3ヵ月。予定水位に達するには2年程度かかると言われているから、事業者にとってはこれからが正念場ということになるのだろう。今から40年前に発生した福岡市の水不足を第一理由に掲げ、数十年に一度起こるかどうかもわからない渇水対策のために進められた五ヶ山ダム事業。総貯水容量4,020万㎥(黒部ダムの約5分の1)といわれる馬鹿でかい水槽に、福岡県の思惑どおり水は溜まるのか。尤も、福岡市の水は足りているのだから、それも不要になるわけだが。

帰路、「小川内の杉」へ立ち寄った。ご神木に大きな変化は見られなかったが、根元の保護のためか、周囲には新たにフェンスが設置されていた。少し離れたところには、微妙な変化を察知するためか、センサーのようなものが設置されていた。移植から9ヵ月、まだまだ油断はできないということだろう。長い年月、「小川内」を見守ってきたご神木は、沈みゆく村の姿をどのような思いで見ているのだろうか。

 

撮影日:2017.1.28

「小川内」が消えてゆく

 

 

こちらは昨年11月 

 

 

 

堤体付近

 

 

こちらは昨年11月

 

 

 

徐々に規定水位へ  

 

 

こちらは昨年11月

 

 

 

3ヵ所つくられるビオトープのひとつ かなり規模は大きい

 

 

 

 

 

正面から

 

 

こちらは昨年11月

 

 

  

こちらもビオトープ (近くの谷から水を引くようになっているが、昨年、そこで土砂崩れが起きていた)

 

 

 

 

 

反対側からみる もうすぐ仮設事務所も撤収か

 

 

2月3日撮影

 

 

 

こちらは約3年前(2014.2.16撮影)上写真と同じ場所 仮設事務所の前には原砂ビンが並び コンクリートが製造されていた

サージパイル(写真右:原石が積み上げられたところ)の手前、重機2台が写っているところに「小川内小学校」があった  

 

 

 

 

 かつて「小川内の杉」が鎮座していたところ(写真左上に移植) 

 

 

 

 

 

 

 水迫る 

 

 

2月3日撮影 

 

 

 

 

移植場所から 見るも無残

 

 

 

 

 

水没を免れた「小川内の杉」 

 

 

 

 

 

 

かつての看板の横に新たな看板

 

 

 

 

 

 

懐かしい 

 

 

 

 

 

 

 

周囲にはフェンス 根元には莚が

 

 

 

 

 

 

センサー?

 

 

 

 

 

 

 どんな思いで見てる? 

 

 

 

 

 


難所ヶ滝・2017

2017-01-17 17:10:17 | 山・火山

先週末から強い寒波に見舞われた日本列島、気温はぐんぐん下がって冷凍庫状態に。こうなると気になるのが、「難所ヶ滝」の大つらら。毎年1月から2月の寒気が強まるこの時期だけに見られる氷の芸術。暫く足が遠のいていたが、久し振りに出かけてみることにした。

このところ雨少が続いていたので、あまり期待もせずに登ってみると、幸運なことに氷は予想以上に成長していた。いつものことながら出発が遅いので、難所ヶ滝に到着したのは15日午後1時前、気温はマイナス2度。氷はポツポツ解け始めていたが、十分見応えはあった。実は、「難所ヶ滝」というのは通称で、正式には「河原谷の大つらら」という。ここは三郡山(936m)の8合目付近(724m)、宇美川源流域に位置し、河原谷と呼ばれるところで名称はそこからきている。難所ヶ滝といっても、いつも水が流れているわけではない。厳冬期、雨や雪解け水が岩肌を伝い、凍ることでつららができる。寒気が続くとそれらが成長して氷壁となる。難所ヶ滝のある宇美町は福岡市から程近く、手軽に氷壁が見れるとあって近年は多くの人が訪れるようになった。この日は、大分九重からの団体さんも見かけた。

しかし、昔と比べると氷壁もずいぶん小さくなったように感じる。氷はすぐに解けて観賞できる期間も短い。タイミングを逃すとシーズン中に見れないこともある。地球温暖化の影響も考えられるが、昨年12月に発表された福岡市環境局の報告書によると、福岡市の人口増加に伴い、都市部のヒートアイランド現象が進んでいるという。その要因(都市化の影響)は、意外にも夏場より冬場のほうが大きいといわれている。理由は、夜間のヒートアイランド現象の程度(強さ)の違いのためだとか。やはり、福岡市の環境悪化が氷の成長を妨げているのだろうか。冬本番、これから氷はどれだけ大きくなるだろう。

 

※一番下に最新情報を掲載しました。(2017年2月10日更新)

 

撮影日:2017.1.15 

今冬初!河原谷の大つらら(通称、難所ヶ滝) 

 

 

 

 

 

登山道入口 雪はほんのり

 

 

 

 

 

看板もきれいに

 

 

 

 

 

徐々に白く

 

 

 

 

 

40分くらいかな 

 

 

 

 

 

宇美川源流(大つららまで500mのところ)

 

 

 

 

 

寒椿

 

 

 

 

 

サルノコシカケ発見

 

 

 

 

 

あと少し

 

 

 

 

 

その前に小つらら

 

 

 

 

 

見事な写真 

 

 

 

 

 

仏頂山分岐 難所ヶ谷?

 

 

 

 

 

到着!(スマホで)

 

 

 

 

 

氷のオブジェ

 

 

 

 

 

ポツポツと

 

 

 

 

 

 要注意

 

 

 

 

日を浴びて

 

 

 

 

 

これから 

 

 

 

 

 

上部から 登山者も続々 

 

 

 


【最新情報】 宇美町「河原谷の大つらら(難所ヶ滝)」情報より 

 

1月23日午前10時30分ごろ  (以下、写真は宇美町HPより)

22日からの寒波再到来で大きくなっている。今週末は気温が上がるので見頃は27日あたりまでか。(1.24記)

 

 

 

1月25日午前10時ごろ

徐々に解けはじめている。(1.26記)

 

 

 

1月29日午前11時ごろ  

ほぼ消滅、やはり解けてしまった。(1.30記)

 

 

 

2月9日14時20分ごろ 

今年、最強の寒波でふたたび氷壁が現れるか。(2.10記)

 

 

 

2月10日午前9時ごろ 

どこまで成長するか。(2.10記)  

 

  

 

《関連資料》

宇美町HP。河原谷の大つらら(難所ヶ滝)の状況

福岡市環境局HP。平成28年版 ふくおかの環境(環境に関する年次報告書)

気象庁HP。ヒートアイランド現象について

  

 


高島市長、成人式は二の次?

2017-01-12 18:24:34 | 福岡市政

1月9日、福岡市の成人式がマリンメッセで開かれ、新成人約9000人が新たな人生の門出を祝った。総務省によると、新成人人口は、総務省が推計を開始した昭和43年以降、第1次ベビーブーム世代の昭和24年生まれの人が成人した昭和45年が246万人で最も多く、その後は減少。昭和50年代後半から再び増加し、第2次ベビーブーム世代の人が成人した平成6年には207万人に達したものの、平成7年からは減少傾向が続いている。ちなみに平成29年の新成人人口は123万人で2年ぶりに微増、今後は減少傾向で推移し、平成37年には110万人を下回ると見込まれている。

成人人口の減少は、150万人都市においても例外ではない。それゆえ、未来の福岡のまちを担う若者には大いに期待を寄せたいところ、高島市長はどんなエールを送ったのか。市長公式ブログ「今日は福岡市の成人式」を覗いてみた。するとそこには、安倍首相と明恵夫人、安倍首相の母君と一緒に写る高島市長が。(下写真)安倍首相は7日から墓参りのため山口へ帰郷、長門と下関で新春の集いに参加した後、9日午前、赤間神宮で参拝と報じられている。そこへ高島市長が駆け付けていた。福岡市の成人式は9日午後2時からだからこの後、急いで式典会場へ向かったのだろう。成人式は公式行事、遅れることがあればそれこそ問題だ。市長は勤務時間に縛りのない特別職とはいえ、成人式の日に首相と会い 、しかも成人式に全く関係のない写真をそこに掲載するのは如何なものか。それほど安倍首相との親密ぶりをアピールしたいのだろうか。市民の生活は置き去りに、安倍政権に追随する高島市政。いやはや、今年も頭の痛い一年になりそうだ。 

 

 

写真は高島市長公式ブログ、「今日は福岡市の成人式」 より。

 

 

 《関連資料》

総務省。「酉(とり)年生まれ」と「新成人」の人口-平成29年 新年にちなんで(「人口推計」から)

 

 

 


「第6回福岡市地下鉄七隈線建設技術委員会」議事録

2017-01-07 11:31:51 | 博多駅前陥没

昨年、福岡市政の10大ニュースで1位に輝いたのは、やはり「博多駅前陥没事故」だった。新年早々、「落ちる」話題で恐縮してしまうが、結果は高島市政そのもの。福岡市は住みやすい都市だと評価されているが、裏で行われていることは決して評価されるものではない。陥没事故の2カ月前、多くの専門家から陥没の危険性を指摘されていたにもかかわらず、福岡市はそれを無視して工事を進めた。もちろん指揮しているのは高島市長に他ならない。設計変更がなされた「第6回福岡市地下鉄七隈線建設技術専門委員会」議事録について、福岡市は当初、開示請求から公開まで3カ月かかると言っていた。ところが昨年末、一転、公開に応じた。昨年12月議会において、情報公開に応じない市に対し議員から批判が続出、紛糾した様子が報道された。そのため態度を変えざるを得なくなったのではないだろうか。

その議事録が手元にある。開示請求をした方から頂いたものだが、A4サイズで20ページ程。見ると、委員名のところがすべて黒塗りになっている。議事録の後半部分は「博多駅におけるアンダーピニングの施工計画について」記されており、陥没事故とは直接関係はない。問題は前半部分、「都市ナトム(本坑)の施工状況について」のところ。これまで報道されているとおり、委員から「岩盤がボロボロで、なんらかの外圧を加えるとどんな亀裂が入るかわからない、地表面の沈下に繋がる」と陥没を示唆するような意見が出ている。(下赤字部分)また、議事録から福岡市交通局が主導権を握っていたことが読み取れる。その結果、委員や委員長が交通局の意見に押される形でリスクを伴うナトム工法を了承していたことがわかった。中山議員が指摘されているように、開削工法よりも安いナトム工法ありきで進められたに違いない。委員長の樗木九大名誉教授は、以前、財団法人福岡アジア都市研究所の理事をされていた。その時、同研究所の市民研究員だったので、何度かお話をしたことがあるのだが、とても温厚な方という印象が残っている。委員長をされていたとは…正直、驚いた。

ところで、議事録を開示請求した方の話によると、福岡市はこれまで開催された委員会の議事録を市のホームページに掲載することを検討しているという。陥没事故の原因究明に不可欠な資料を公開するのは当然で検討する余地などないはずだが、そこは計算高い福岡市。おそらく公表時期を思案しているのだろう。報道によると、国が設置した専門家委員会は今年3月までに事故調査に関する中間報告をまとめ、その結果を受けて福岡市が事故現場の工事を再開するかどうか判断するという。何とも嫌な予感がしてきた。 

 

《追記 2017.1.19》

福岡市は、1月16日、地下鉄七隈線延伸工事における道路陥没事故と設計・施工の経緯について」を発表し、この中で陥没直前の写真や議事録を掲載している。しかし、議事録は各回の要点をまとめたもので、全てを公開していない。

 

  

以下、入手した議事録より抜粋。 

 

 

 

 

 

 

 

《関連記事》

スクープ!博多陥没の内部資料入手 福岡市は事故リスクを黙殺していた! (dot.ドット 朝日新聞出版 2016.12.28)