Inoueinterior Room Blog

報道されない福岡の危機を伝えます。気分転換は山の話題。

枯葉剤埋設地の今~美しい国のAgent Orangeより

2019-07-16 09:21:21 | 245T剤埋設問題

今月6日の「枯葉剤シンポジウム」で配布された資料、『美しい国のAgent Orange』。これはフリーライター宗像充氏によるレポートで、枯葉剤問題の根本から最新の現地情報まで詳しく書かれている。調べてみると、アウトドア雑誌『Fieder』最新号に掲載されていた。これには少し驚いたが、確かに”サバイバル”には違いない。さて、若いサバイバーは、このレポートをどのように捉えているのだろうか。

全国には54ヵ所の枯葉剤埋設地(うち8ヵ所は撤去済み)があるが、宗像氏はそのうち18ヵ所の埋設地を訪問されている。記事を読むと、埋設地の多くが水源地や景勝地、住宅地の上流(岩手県雫石町、熊本県宇土市、佐賀県吉野ヶ里町、屋久島町)、食品工場のすぐ脇(高知県土佐清水市)、子供が入れる公園の中(屋久島町)、防衛省に所管替りして林野庁が点検をしていない所(宮崎県えびの市)、新設された道路の下になって確認できない所(高知県大豊町)と書かれている。信じがたい状況だが、これが現実なのである。 

こうしたことから、埋設地の自治体の中には、市民や議員が動いているところもある。高知県土佐清水市では、かつての営林署跡地にできた食品工場のすぐ脇の竹林内で、住民がタケノコ堀の最中に発見したとある。ここでは、2015年に県議会で取り上げられ、専門委員会まで設置されているが、状況は変わっていない。鹿児島県湧水町では、旧吉松町の川添地区から栗野岳方面に延びる林道近くに看板が立っているとある。ご存じのように、湧水町は日本名水100選の丸池湧水がある。埋設地はその上流域にあり、町議会で度々取り上げられている。そして、脊振山埋設地(吉野ヶ里町)。福岡市民の水源地、五ヶ山ダムのすぐそばに埋設されていることから、昨年、共産党の田村衆議院議員や高瀬福岡県議が、国会や県議会でこの問題を取り上げ、245T剤の撤去や無害化処理を求めている。(福岡市議会は動きなし)

今回、宗像氏のレポートを読んで、改めて、問題解決のためには市民の力が必要だと感じた。土佐清水市では「大岐の自然を育てる会」、鹿児島県湧水町では「 吉松自然を考える会」、国内最大の埋設量(3940kg)となっている岩手県雫石町では「御所湖の源流を守る会」と、それぞれの埋設地で市民が声を上げている。しかし、福岡市では市民の声を聞かない。五ヶ山ダムの水を使用している市民の一人として、微力ながら声を上げているのだが、なかなか広がらない。やはり、会を立ち上げるしかないのか、、

 

 

 

「ベトナム戦争で巻かれた枯葉剤の行方を追う日本一危険な森林ツアー」強烈な見出しだが頷ける(写真は脊振山埋設地)

 

 




全国54ヵ所の埋設地総量は固形状約2万5千kg、液体状約1830ℓ。うち8ヵ所は埋設地が民有地などの理由で撤去済み、現在46ヵ所

 

 

 

 

 

枯葉剤埋設地の今    

 

 

 

 

『Filder.46 最新号』に掲載されていた

  

 

 

 

《参考資料》

宗像充ホームページ 

 

 

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【枯葉剤シンポジウム】全国埋設の枯葉剤はわずか2%、ほとんど散布されていた!

2019-07-14 08:35:35 | 245T剤埋設問題

今月6日、志免町で開催された「かすや未来」主催『北九州大学原田和明氏・枯葉剤(245T剤)シンポジウム』で、全国54ヵ所の国有林(うち8ヵ所は撤去済み)に埋設されている245T剤はわずか2%であり、そのほとんどが散布されていたことがわかった。しかも、場所は明らかになっていない。(確認できているのは下北半島のみだと原田氏)まさに、多くの国民の知らないところで『日本版 枯葉剤作戦』が行われていたのである。

この日、シンポジウムには粕屋町や志免町などから多くの市民や議員が参加し、枯葉剤問題に対する関心の高さが窺えた。まず、シンポジウム前半は245T剤埋設問題について。大規模災害によって流出するリスクがあること、現地の植生や陥没状況などからすでに漏れ出している可能性があること、さらに245T剤は移動し、そこに埋まっていない可能性があることなど。最新の報告として、岩手県雫石町では4トンの245T剤が紙袋のまま13ヵ所にわけて埋められ、フェンス内の窪みがはっきりわかるほどで、脊振山中の埋設地どころではなかったと。さらなる問題のところで、245T剤の埋設量は散布量のわずか2%といわれて、言葉を失う。

シンポジウム後半は、どうして245T剤が全国の山に埋められることになったのか。そもそも、ベトナム戦争で使用された枯葉剤は、1967年から福岡県大牟田市の三井東圧化学(現・三井化学)でつくられていた。日本から枯葉剤の中間製品(245TCP)が輸出され、第三国(オーストラリアやニュージーランドなど)で加工された後、最終的にベトナムへ渡ることになる。一方、国内では枯葉剤を製造する過程で発生する副産物(塩素酸ソーダやPCP)を処分するため、塩素酸ソーダは枯刹剤として全国の国有林に撒かれ、PCPは水田の除草剤として使用された。これにより各地で異変が発生。有明海などでは魚の大量死事件が起きている。その後、アメリカが枯葉剤の使用を中止したことで、在庫として残ったものが、全国の国有林(営林署が力を持っているところ)に埋設されてしまった。そして、 半世紀経った今もなお、人々を脅かし続けている。福岡も例外ではない。

講演終了後、会場からいくつか質問が出た。その中の一つ「最近はテロが多い、もし埋設地から245T剤を持ち出されたらどうするのか」。昨年12月、衆議院農水委員会でも田村議員(共産党)が同様の質問を林野庁にしているが、国は適切な管理をしている(コンクリートで固めている)から問題ないと答えている。 しかし、その証拠はない。つまり、いつ何が起きるかわからないのである。

今回のシンポジウムには、糟屋町や周辺自治体から市民や町議が多く参加されていた。しかし、福岡市民の水道用水として使われている、五ヶ山ダムの近くに猛毒な245T剤が埋設されているにもかかわらず、(私以外、たぶん)福岡市からの参加はなかった。そのため、次回は福岡市内でシンポジウムを開催する必要があると思っている。多くの人が関心を持たない限り、この問題を動かすことはできないから。 

 

撮影日:2019.7.6 

シンポジウムの様子(左は原田和明氏、スライドは脊振山中の埋設地が2ヵ所大きく陥没していることを証言する元社民党・入江県議)

 

こちらは満員となった会場の様子

※写真は「かすや未来」さんのフェイスブックより、前の席に座っていたため全体が写せなかったため。

 

 

245T剤埋設地 九州が圧倒的に多い(営林署の力が強かったということに)

 

 

 

 

林野庁長官の通達前に各営林署で下請け業者に処分指示が出ていた、そのため通達どおりに処分されていない

 

こちらは林野庁長官通達内容「245T系除草剤の廃棄処分について」 ほとんど守られていない    

 

 

これ以上、手遅れにならないように、、

 

 

 

 

 

アウトドア雑誌『Filder 』最新号に枯葉剤最新情報が!




『美しい国のAgent orange/宗像充氏』(赤枠部分)

シンポジウムの資料として配布されました(詳しくは次項で) 

 

 

《参考記事》

ベトナム戦争後、行き場を失った枯葉剤が日本に埋められている――全国54か所の国有林リスト(日刊SPA 2017.11.27)

九州20ヵ所に猛毒埋設 ベトナム戦争の枯れ葉剤成分 専門家「漏出の恐れも」 地元に不安(西日本新聞 2018.8.23)

テレビ西日本・福岡NEWSファイルCUBE2019年2月9日放送) 

 

 

 

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脊振山中埋設枯葉剤(245T剤)問題を考えるシンポジウム、本日(6日)開催

2019-07-06 10:30:55 | 245T剤埋設問題
福岡県と佐賀県の県境、背振山中に枯葉剤の原料となる245T剤が埋設されている問題について、本日(6日)午後2時から、粕屋町の政治団体「かすや未来」は、枯葉剤を研究されている北九州大学の原田和明氏を迎え、志免町でシンポジウムを開催します。

今回、九州南部では記録的な大雨によって、各地で被害が発生していますが、1年前の今日、西日本豪雨では、埋設地の近くで土砂崩れが発生しました。埋設地のそばには、福岡市民の水道用水として使用されている五ヶ山ダムがあり、大雨などによる災害で245T剤がダム湖へ流出する危険性が指摘されています。

当事者である福岡市民の関心は今一ですが、今回、福岡市の隣町である粕屋町の方々が問題意識を持って、シンポジウムを開催されます。これを機会に福岡市民の関心が高まればと思っています。お知らせが当日になってしまいましたが、お時間のある方は、ご参加下さい。

開催場所など、詳しくはこちらをご覧ください。



枯葉剤(245T剤)埋設現場(今年2月撮影
九州自然歩道坂本峠入口から10分程のところ




五ヶ山ダム流入口/大野橋付近(先月6月1日撮影)
埋設地は(写真中央)沢の上部






少雨の影響でダム湖の水が減っているため流込部分がよく見える(福岡市はこの沢の上流部で水質検査を行っています)

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245T剤撤去へ向けて 福岡市とやりとり 撤去要請は市長ではなかった!

2019-03-01 17:14:44 | 245T剤埋設問題

先月(27日)、福岡市水道局浄水調整課の岩下課長から電話が入った。245T剤埋設に伴い、福岡市が実施している水質調査の情報が公開された際、いくつか質問を用意していたが、部署が違うということで回答が保留になっていたからだ。福岡市民の水道用水となる水源地の近くに猛毒な245T剤が埋設されていることについて、福岡市の認識を問うものだったが、今回の岩下課長とのやりとりで、福岡市が毎年、国に提出している245T剤撤去及び無害化処理の要望書の名義が市長名でなかったことが明らかになった。

岩下課長との主なやりとりは次のようなもの。 

まず、水道局に提出した埋設地の陥没痕を映した写真について説明した。現在、埋設地では数ヵ所の陥没痕が見られることや、22年前、すでに陥没は起きており、福岡県議会本議会で入江議員がその大きさを指摘していたことなど。その上で、福岡市は陥没を問題視していないのか問いただしたところ、「林野庁が異常なしと言っている」からと問題にしていなかった。

次に、佐賀森林管理署が毎月2回行っている現地調査に水道局は同行しているのかとの問いには、「年に1度、同行している」との返答だった。また、佐賀森林管理署と協議したことはあるかとの問いには、なかなか返答がなかったので、要望書を提出する際に色々話をされているのかと聞き直してみたが、協議というほどのものは行われていないようだった。電話でのやりとりということもあり、引き出せないところもあったが、撤去に関しては国の管轄であり、福岡市としては、やることはやっているという印象を受けた。

ところで、福岡市など周辺自治体は、毎年、国に245T剤撤去及び無害化処理の要望書を提出している。そこで、名義はどうなっているのか尋ねてみたところ、那珂川市武末市長、福岡地区水道企業団水道長、春日・那珂川水道企業団水道長、福岡市水道事業管理者(清森氏)だった。那珂川市は市長名義であるのに対し、福岡市は市長ではなく水道事業者名義だった。市民の安全に関わる問題でありながら、福岡市はトップが要請していない。理由を聞くのを失念してしまった(山口から帰ったばかりで頭が回転していなかった)が、これはおかしいだろう。まずは市長名義で要請するよう、市議会へ働きかけていく必要があるが、これまで誰も問題にしなかったのだろうか。

 

 

岩下課長「水源汚染に対する住民の不安を払拭するため、国に要望書を提出している」(写真は先月9日に放送されたTNC・cubeより) 

 

(できればお会いして話を聞きたかった) 

 

《参考資料》

福岡地区水道企業団HP

春日・那珂川水道企業団HP 

 

 

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福岡市、245T剤に関する水質調査公開

2019-02-22 18:07:37 | 245T剤埋設問題

背振山中に埋設されている245T剤に伴い、福岡市が行っている水質調査について、先週13日、すべての資料を公開するよう情報公開請求をした。その結果、昨日(21日)、水道局から水質試験結果などの資料が公開され、担当者から説明を受けた。

対応したのは、水道局浄水部水道水質センターで、実際に水質調査を行っている2名の職員の方から説明を受けた。説明によると、福岡市は、五ヶ山ダム建設事業が採択された(昭和63年)後の平成4年から毎年1回、定期的に245T剤に対応した水質調査を行っているという。臨時調査も何度か実施されているようで、最近では、平成29年7月九州北部豪雨後(29年8月)、昨年7月西日本豪雨後(30年9月)に、今回の五ヶ山ダム放流開始前の今月7日にも実施されている。

調査場所は、245T剤埋設地に近いところから順番に、五ヶ山ダム入り口(五ヶ山流込)、南畑ダム入り口(南畑流込)、南畑取水口の計3ヵ所。これらの場所で採水され、水質センターで水質試験が行われている。当初は、佐賀橋(今は水の底)で行われていたようだが、五ヶ山ダムの試験湛水開始に伴い、調査場所は移動し、現在は大野大橋で行っているという。聞くと、坂本峠の下、385号線沿いを流れる大野川の支流で、埋設地からおよそ1キロところ。唯一、昔の面影を残す場所である。(下地図参照)

調査結果は、これまでいずれの場所も245T剤は不検出となっている。昨日は、特別に最新の水質試験結果書が公開された。五ヶ山ダム放流前の2月7日に、減勢工(副ダム)で採水されたもので、こちらも不検出だった。ちなみに、水質検査試験結果は、毎年「水質試験年報」としてまとめられ、福岡市水道局のホームページで公開されている。昨日、ちょうど29年度分が公開されたが、30年度は作成の最中ということで、それらの公開を求めていた。

ここで不検出だから問題はないという声が聞こえてきそうだが、北九州大学の原田和明氏は、245T剤は水に溶けない性質があり、その上、大量の水で希釈されているから、ダムの水の水質分析で245T剤やダイオキシンが検出されることはまずないと仰っている。つまり、汚染されていてもわからないということになる。そこで、この話を水質センターの職員の方にしてみたところ、緻密な検査をしているとの説明はあったが、否定はなかった。それどころか水源地近くに245T剤が埋設されていること自体がおかしいと、こちらが思っていたことを言われた。少なくとも現場は245T剤の危険性を認識している。災害が起きれば、一溜りもないことを。

福岡市は、毎年、国(林野庁)に245T剤の撤去または無害化処理の要望書を提出している。今後は、それらを管轄している浄水調整課とのやりとりになる。245T剤の撤去へ向けて、市議会への働きかけもしていかなくてはならない。もちろん市民へも。これからはじまり。

 

請求によって公開された資料(以下3枚) 

 

①「2-4-5-T埋設地点及び採水地点」地図(原本は掲載することができません)

福岡市水道局が公開した「2-4-5-T埋設地点及び採水地点」地図は、グーグルマップを使用しており、著作権の問題があるため掲載することができません。そこで、(運用開始前のため五ヶ山ダムが地図上にない)国土地理院地図に五ケ山ダムを描いた上で、水道局資料をもとに作成しました。

245T埋設地点及び採水地点地図  水源地がいかに近いかがわかる 

 

 

 

 ②五ヶ山ダム放流前に行われた水質試験結果書

通常より緻密な検査が行われていると、少数点以下の桁数の多さを説明

 

 

 

 ③西日本豪雨後に行われた水質試験結果書

245T剤埋設地の調査も行われていた

 

 

 

245T剤調査に関するページ(29年度水質試験年報より)

 

 

 

 

《参考資料》

福岡市水道局HP。水質検査結果(2019.2.21公開) 

 

 

 

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