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福岡市、245T剤に関する水質調査公開

2019-02-22 18:07:37 | 245T剤埋設問題

背振山中に埋設されている245T剤に関し、福岡市が行っている水質調査について、13日、全ての資料を公開するよう、市に情報公開請求をした。その結果、昨日(21日)、水道局から水質試験結果などの資料が公開され、担当者から説明を受けた。

当日は、実際に現場で水質調査を行っている2名の職員(水道局浄水部水道水質センター)の方から説明を受けた。それによると、福岡市は、五ケ山ダム事業が採択された(昭和63年)後、平成4年から毎年1回、定期的に245T剤に対応した水質調査を行っているという。また、臨時調査も何度か実施されているようで、最近では、平成29年7月九州北部豪雨後(29年8月)、昨年7月西日本豪雨後(30年9月)、さらに五ケ山ダム放流前の今月7日にも実施されている。

調査場所は、埋設地に近いところから順番に、五ケ山ダム入り口(五ヶ山流込)、南畑ダム入り口(南畑流込)、南畑取水口の計3ヵ所。これらの場所で採水され、水質センターで水質試験が行われている。当初は、佐賀橋(今ではダムの底)で行われていたが、五ケ山ダムの試験湛水開始に伴い、調査場所は移動。現在は、大野大橋で行っているという。聞くと、坂本峠下の385号線沿いを流れる大野川の支流、埋設地からおよそ1キロところ。唯一、昔の面影を残す場所である。(下地図参照)

調査結果は、これまでいずれの場所も245T剤は不検出となっている。昨日は、特別に最新の水質試験結果書が公開された。五ケ山ダム放流前の2月7日、減勢工(副ダム)で採水されたものだが、こちらも不検出だった。ちなみに、水質検査試験結果は、毎年「水質試験年報」としてまとめられ、福岡市水道局のホームページで公開されている。昨日、29年度分が公開されたが、30年度は作成の最中ということだったので、その公開を求めていた。

さて、ここで不検出だから問題はないのでは、と言われるかもしれないが、北九州大学の原田和明氏は、245T剤は水に溶けにくい性質がある上、大量の水で希釈されているので、ダムの水の水質分析で245T剤やダイオキシンが検出されることはまずないと仰っている。つまり、汚染されていてもわからないということになる。そこで、この話を水質センターの職員の方にしてみたところ、緻密な検査を実施しているとの説明はあったが、否定はされなかった。それどころか水源地近くに245T剤が埋設されていること自体がおかしいとまで。少なくとも、現場は245T剤の危険性を認識している。災害が起きれば、一溜りもないことを。

※福岡市は毎年、国(林野庁)に245T剤の撤去または無害化処理の要望書を提出している。

 

《情報公開請求によって公開された資料3部》

①2-4-5-T埋設地点及び採水地点地図

福岡市水道局が公開した資料「2-4-5-T埋設地点及び採水地点」は、グーグルマップを使用しており、著作権の問題があるため、そのまま掲載することができません。そこで、資料をもとに(五ケ山ダムが運用開始前のため地図にダムが掲載されていないので)、国土地理院地図に五ケ山ダムを描いた上で作成しました。

 

245T埋設地点と採水地点(3ヵ所)  埋設地と水源地の距離はおよそ1キロ 

 

 

 

 ②五ヶ山ダム放流前に行われた水質試験結果書

通常より緻密な検査が行われていると、少数点以下の桁数の多さを説明された

 

 

 

 ③西日本豪雨後に行われた水質試験結果書

この日、245T剤埋設地の調査も実施したとのことだった

 

 

 

 

245T剤調査に関するページ(福岡市水質試験年報より

 

 

 

 

《参考資料》

福岡市HP。水質検査結果

 

 

 


2019年最大のスーパームーン@福岡

2019-02-20 18:02:02 | 月・星

19日18時3分、月は地球に最も近くなる近地点を通過し、日付が変わった20日0時54分に今年最大の満月「スーパームーン」となった。就寝前(午後11時頃)、空は一面雲に覆われていたので、諦めて寝てしまったが、偶々、午前2時頃、目が覚めて外を見ると、なんと月は眩しいほど輝いていた。慌ててカメラを取り、今年最大の満月から1時間後のスーパームーンを撮影した。

国立天文台によると、最も大きな満月は最も小さな満月に比べて、14パーセント視直径が大きく、30パーセント明るく見えるのだと。確かに眩しいくらいに明るかった。ちなみに、2019年で最も小さな満月となるのは9月14日。さて、違いはわかるかな?

 

2月20日午前2時頃撮影

南西の空に輝くスーパームーン、ゲット!  

 

 

 

 

こちらは手に持っていたスマホで撮ったもの まぶしい~

 

 

 

2月19日18時40分頃撮影

晴れた合間に撮っておいたもの

 

 

 

 

上写真と同時刻、色温度を上げて撮影したもの 

 

 

 

《参考資料》

国立天文台。ほしぞら情報(2019年2月) 

 

 


五ケ山ダム近くに猛毒245T剤埋設、広がる不安

2019-02-16 18:20:10 | 245T剤埋設問題

福岡市の水不足を解消するため、14日から五ヶ山ダムの放流がはじまった。現在、その水は福岡市民の水道用水として使用されている。安堵している市民も多いことと思うが、喜んでばかりもいられない。なぜなら、その水のもととなる場所に、枯葉剤の原料となる猛毒な245T剤が埋まっているからである。

これまで目立った動きはなかったが、先月、福岡市が水不足のために五ヶ山ダムの水を活用すると発表してから、メディアが動き始めた。先週、西日本テレビ(TNC)がこの問題を取り上げた。ツイッターで番組を周知したところ、大きな反響があった。テレビを見てはじめて問題を知り、驚いたという人もいた。市民の飲み水になる水源地近くに猛毒が埋まっているのだから、不安を持たない人はいないだろう。ところが、番組の中で、245T剤を管理している林野庁佐賀森林管理署の署長は、非常事態に備えて撤去の意思があるのかとの記者の質問に「考えられない」と答えていた。それはこちらのセリフ、そっくりそのままお返ししたい。(下画像)

一方、245T剤を20年近く調査されている北九州大学の原田和明氏は、取材の中で「大規模な土砂崩れで中身もろとも流出してしまったら、その時はどう対処するのか。土砂崩れが起きてからでは大問題、災害が起きる前にどうするのか議論してほしい」と述べ、違法に埋設されている245T剤への懸念を伝えていた。昨年の西日本豪雨のような災害が、背振山の埋設地で起きれば(近くで土砂崩れは起きている)、245T剤の流出は間違いなく起こるだろう。そうなる前に撤去しなければならないと思うのは、私だけではないはず。

ところで、14日、五ヶ山ダムの放流が開始される前、245T剤埋設地へ向かった。少し調べておきたいことがあったからだが、前回見つけた2つの陥没痕のうち、大きいほうは、より形が鮮明になっていた。小さいほうは、溜まっていた雨水がなくなっていた。この2つの穴とは別に、小さな穴も見つけた。もしかすると、陥没が進んでいるのではないだろうか。しばらく写真を撮っていると、一瞬、異臭がした。これまではなかったが、今回はじめて臭いを感じた。一体、何が起きているのか。不安な気持ちになりながらも、頭上のヘリコプターの音に促され、(腰が悪いのも忘れて)登山道を突っ走り、五ヶ山ダムへ。放流はすでにはじまっていた

 

撮影日:2019.2.14

245T剤埋設地、フェンスの劣化が進む

 

  

 

 

大きな陥没痕 フェンス上からはっきり見える

 

 

 

 

小さな陥没痕 見えにくいが落ち込んでいる

 

 

 

 

3つめの穴 

 

 

 

 

陥没痕位置図(寸法は実寸、敷地は約20坪)フェンスサイズは基本W2000×H1500、林道側は一部変形

 

 

 

 

埋設地全体(右が林道、左が登山道) ここだけ植生が違う

 

 

 

 

九州自然歩道のすぐ横に猛毒な除草剤が埋設されている どこが自然なのか

 

 

 

 

フェンスと地面との隙間を丸太で塞ぐ予防柵

 

 

 

 


TNC・CUBE(2月9日放送)

ベトナム戦争で問題となった「枯れ葉剤」。ベトナムの散布された地域ではがんや子どもの先天性障害が多発し、今も大勢の人が被害に苦しんでいる。その枯れ葉剤の主要成分となる除草剤が福岡近くの山林に大量に埋められている。近くにはまもなく供用が始まるダムもあり、住民の間では「流出するのでは?」という不安がくすぶっている。なぜこんな事になっているのか?安全性に問題は?追跡した。(cubeより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ベトナム戦争で米軍が枯れ葉剤の使用を中止したことで、国策で製造していた245Tの在庫がだぶつき国有林に埋められたと

 

 

 

※林野庁の通達では1ヵ所に300Kgとなっていたが、ここには1トンの245T剤が埋設されている

 

 

 

 ※245T剤やダイオキシンは水に溶けない性質だと原田氏、ということは汚染されていてもわからない、、 

 

 

 

来週、福岡市と打ち合わせ 頑張るぞ~というか、議員はどうした?

 

 

 

 考えられない!!

 

 

 

想定外では済まされない

 

 

 


【現地報告】五ケ山ダム放流、福岡市取水開始

2019-02-15 17:34:54 | 五ケ山ダム

昨日(14日)午前11時、福岡市の水道用水を確保するため、五ヶ山ダムの放流がはじまった。現地上空ではヘリコプターが飛び交い、現地ではメディア(NHKとKBC)が取材に訪れ、福岡県土木整備部の担当者が対応していた。福岡市水道局の車も目にした。

脊振山の245T剤埋設地で調査をした後、午前11時半頃、急いで五ヶ山ダム堤体下へ駆け下りた。メディア取材も終わったところで、タイミングよく県担当者から話を聞くことができた。まず放流量について尋ねてみると、福岡市が発表している1日12万㎥という数量は目安で、きっちりその数字にはならないと話していた。当然、今後の雨の降り方で数量は変わってくるだろう。そこで、なかなか試験湛水が終わらない中での放流について尋ねてみると、すぐに取り戻せるだろうと楽観的だった。昨年の西日本豪雨時の様子について、貯水量は常時満水位を2m超え、サーチャージ水位の手前4mのところまで水は達していたという。そのため洪水調整が行われた。だが、その後、少雨が続いたため試験湛水は終わっていない。県担当者は楽観的な話をしていたが、昨年の京大防災研究所の研究報告によると、日本では今後も少雨と豪雨を繰り返すことが予測されている。巨大ダムゆえ、そう簡単に水は貯まらないのではないか。

一方、貯水率が16%(2月14日現在)まで落ち込んでいる南畑ダムについて質問をしてみた。貯水率低下は五ヶ山ダムの影響があるのではないかと言うと、「それはない」と断言していた。あれは南畑ダムの問題だと意味不明な回答だった。そもそも雨水は山で蓄えられ、谷や川からダムへと流れ込む。ところが、南畑ダムのすぐ上(およそ1kmのところ)に巨大な五ヶ山ダムをつくったことで(ここで貯めているので)、それらの水の流入がストップした。貯水率低下の原因は、少雨によるものだけではないだろう。子供でもわかることだと思うが、そこは五ヶ山ダム事業を推進した福岡県。口が裂けても言えないのだろう。

福岡市は五ヶ山ダムがあるから水は心配ないといっているが、果たしてそうだろうか。巨大なダムをつくることによって、森林は減少し、温暖化は進む。その結果、災害が増える。さらに災害によって自然環境が悪化する。この悪循環を断ち切ることが、水を守るために何より必要なことではないだろうか。それができない人間の儚さを、自然は教えてくれているのだと思うが。  

 

さて、五ヶ山ダムの放流がはじまって、いよいよ解決しなければならなくなった”問題”がある。それについては、次稿で。

 

撮影日:2019.2.14

放流はじまる  クレストゲート(上部)からではなく、副ダム(下部)から

 

 

 

 

減勢工(ため池のようなところ)の右側壁から水がでているのがわかる  流木は洪水調整の際に流れたもの

 

 

 

 

放流された水は那珂川へ (橋の上に取材クルーと県担当者、右の建物は操作室)

 

 

 

 

上空には取材ヘリ

 

 

 

 

ダムから流れた水がやってくる (南畑ダム手前の橋から)

 

 

 

 

水は南畑ダムへ

 

 

 

 

水が勢いよく流れ込んでいる(正午前)

 

 

こちらは放流前の様子(午前10時頃)

 

 

 

南畑ダム堤体付近(14日午前10時ごろ)福岡市取水のため放流されるので、当面、水位は上昇しないだろう

 

 

 

 取水・受水系統図(福岡市・31年度水質検査計画案より)※参考まで

 

 

 

 

 《関連記事》

・ 雨不足で五ケ山ダムの水活用(NHK福岡 2019.2.14)

《関連資料》

福岡県HP。県管理「五ケ山ダム」において試験湛水中の貯留水の放流を実施します(2019.2.12)

福岡市HP。『五ケ山ダムの水の放流開始』について(2019.2.12) 

 


くじゅう中岳~御池解氷(2019.2.10)

2019-02-12 08:44:00 | 山・火山

3連休の中日(10日)、くじゅう中岳へ。今年は雪も少ないということで、どうかと思ってはいたが、これが予想以上の少なさで登山道の雪はほぼ消滅していた。例によって遅めのスタートとなり、下山時(午後2時頃)には登山道もどろどろにぬかるみ、歩くのも一苦労。朝方の気温はマイナスだったものの、午後は気温も高めで汗ばむほど。とても厳冬期とは思えない陽気となった。

今回はお手軽コース。牧ノ戸から久住避難小屋経由で中岳に登ることにした。御池の氷結具合を確認するためだったが、こちらも予想以上に解氷が進んでいた。すでに池の半分近くが解け、水面は波打っていた。こうなると当然のことながら、中岳山頂も同じような状態にあるわけで、雪も少なく、名物のエビの尻尾も小さめ。山頂に吹く風も心地よい冷たさで、いつになく登山者もくつろいでいた。

今年の冬は暖冬と言われていたが、予報どおりに暖かい。先週、気象庁が発表した九州北部の1ヵ月予報によると、平均気温は高い確率が60%、3月上旬まで気温の高い状態が続くとある。もしかすると、このまま春へ向かうのだろうか。異常に雪が少ないが、これがのちにどう影響することになるのか。不安な気持ちに駆られながらも、くじゅうの美しい風景に癒されつつ、山を後にした。 

 

撮影日:2019.2.10 

解氷が進む御池(みいけ)

 

 

 

 

牧ノ戸 午前11時頃の気温はマイナス2度(ちなみに午後4時前頃はプラス3度) 

 

 

 

 

霧氷に覆われた三俣山(第一展望台より)

 

 

 

 

冬の風物詩

 

 

 

 

八丁原地熱発電所  火山なみの噴気 

 

 

 

 

登山道沿いの霧氷

 

 

 

 

三俣山と霧氷

 

 

 

 

ミヤマ冬眠中

 

 

 

 

御池、解氷中  

 

 

 

 

分岐点 左に天狗ヶ城、右に硫黄山の噴気

 

 

 

 

中岳へ

 

 

 

 

中岳山頂直下

 

 

 

 

中岳山頂から見た御池  左に久住山、右に天狗ヶ城

 

 

 

 

御池アップ 

 

 

 

 

大船山、現る

 

 

 

 

北アルプスのごとく

 

 

 

 

陽を受ける久住山(午後2時半頃)

 

 

 

 

阿蘇根子岳を見ながら下山 

 

 

 

皆、足元に注意しながら (このあたりは良いほうで、沓掛山手前あたりは泥地獄、写真を撮る余裕もなく)

 

 

 

 

《参考資料》

気象庁。季節予報・九州北部地方