Inoueinterior Room Blog

報道されない福岡の危機を伝えます。気分転換は山の話題。

「交付金のまち」アイランドシティ

2016-09-19 16:55:05 | 人工島

現在、開会中の福岡市議会で議員から「東の大濠公園」構想なるものが提案された。それは、アイランドシティ(人工島)の南東部に、大濠公園と同じような遊歩道をつくり公園を再整備しようというもの。この構想には市も前向きな発言をしている。そもそもこのあたりは、近くに和白干潟など貴重な自然を有し、野鳥の宝庫だった。ところが、人工島によって博多湾は塞がれてしまい、和白海域は大きな池のようになった。潮流は妨げられ、海底に汚泥が溜るなど影響が出ている。そのせいか、博多湾東部地区の水質は特に悪い。そこを憩いの場にしようという。

この提案を目にして、久しぶりにアイランドを視察することにした。2年半ぶりのアイランドは、まさに「交付金のまち」と化していた。みなとエリア(港湾関連用地)には、競うように巨大な倉庫が軒を連ねる。そのすぐそばには、今年2月に完成したばかりの青果市場が建っている。敷地面積は約15万㎡でヤフオクドームの2倍の広さというから、どれほど大きいかがわかる。売れない土地が売るほどあるのだから、いくらでも広げられたということだろう。建物の中に入ってみると、それは広い吹き抜けがある。美術館を彷彿させるエントランスホールには、”アイランドの立地優位性を生かしてアジアへの輸出拡大を目指す”という高島市長のメッセージが掲げられている。福岡市は、青果市場を「ベジフルスタジアム」と名付け、市民に利用するよう勧めている。しかし、この日、市場関係者以外、人はいなかった。

一方、まちづくりエリアには、移転問題で揺れた「こども病院」が何事もなかったかのように建っていた。それは、重篤な患者を受け入れる病院でありながら、海岸からわずか数百メートルところにある。しかも、すぐそばには警固断層が走っている。平成17年福岡県西方沖地震では、こども病院横の道路が隆起し、液状化が発生するなど被害が出ている。九大地震火山観測研究センターの震央分布図を見ると、アイランド付近の地震回数は圧倒的に多い。熊本地震以降、多くの火山・地質学者から警固断層を懸念する声が上がっている。にもかかわらず、人工島の安全性を強調する福岡市。危機意識の欠如は明らかである。

広大な空き地の一角に、温浴施設(照葉スパリゾート)が建っていた。その向かい側に、商業・宿泊複合施設「(仮称)ぐりーんモール」が計画されている。(平成31年開業予定)資料を見ると、ここに京都の町屋をイメージした空間(littel japan)ができるらしい。何故、京都なのか。博多にも歴史的な町屋はあるのだが。尤も、博多の歴史やまち並みなど考えてもいないだろうから、今後さらに多種多様な建物が乱立することになるのだろう。

アイランドの最終地点、第4工区では、重機や作業用のトラックが行き交う。福岡県西方沖地震では、第4工区の護岸の一部が崩壊した。博多湾の海底はシルト層の軟質な粘性土が分布しているという。そこにまた新たな企業が進出する。1企業最大30億円という巨額な交付金(血税)がそれを後押しする。何ともふざけた話だが、2016年度、アイランドに進出する企業への立地交付金(見込み)は、25社130億円にも上る。一体、どれだけ税金をばら撒けばよいのか。市民の関心が薄れてゆく中、福岡市の愚行は続く。

 

 

撮影日:2016年9月16日

道路の向こうがまちづくりエリア、手前がみなとづくりエリア 

 

 

 

 

 

みなとづくりエリアの巨大倉庫群

 

 

 

 

 

青果市場・べジフルスタジアム

 

 

 

 

 

 

エントランスホール 正面に高島市長のメッセージ

 

 

 

 

 

さながら体育館(中央部分は吹き抜け) 見学コースには誰もいない 

 

 

 

 

 

全体配置図(中央奥に第4工区、左に倉庫群、右に海の中道) 建設費約200億円(うち国交付金67億円) 費用も半端じゃない

 

 

 

 

 

卸売場東棟内部

 

 

 

 

 

 

 卸売場西棟外部

 

 

 

 

 

 卸売場東棟の屋上から第4工区を見る

 

 

 

 

 

第4工区工事現場

 

 

 

 

 

まちづくりエリアにある温浴施設 

 

 

 

 

 

ここに「ぐりーんモール」が建つ(右に立花山)

 

 

 

 

 

売れない土地から見る光景(中央にこども病院)

 

 

 

 

 

こども病院 災害時の避難はどうする?

 

 

 

 

 

海岸はすぐそこ(右はこども病院、西方沖地震ではこの道路が隆起した) 

 

 

 

 

 

海の中道はすぐそこ ここに新たな企業が進出する

 

 

 

 

 《関連記事》

福岡市に「東の大濠公園」構想 アイランドシティ南東(西日本新聞 2016.9.15)

 

《関連資料》

福岡市アイランドシティHP 

 

 

コメント

剱岳・仙人池2010

2016-09-16 11:37:17 | 

山に行けないと思うと、ますます山に行きたくなるのが心情。ふりかえるとこの6年間、父の看護や母の介護が続き、遠征はしていない。今年こそはと思っていたが、残念ながら叶いそうにない。報道によれば、穂高連峰・涸沢では例年より早くナナカマドが色付きはじめたという。これから紅葉狩りで賑わうのだろう。一方、九州では、度重なる地震や大雨による被害によって、山へ向かう道路は各地で寸断されている。熊本地震で大きな被害が出た阿蘇では、本震から5カ月となる本日、阿蘇山上道路が片側通行ながら開通した。大分県では、九重観光の要である県道40号線(飯田高原中村線)が大規模な土砂崩れで通行止めになっており、現在、紅葉シーズンに間に合わせるため、急ピッチで復旧作業が行われている。

自然災害はいつどこで起きるかわからない。だからこそ美しい自然が変わらずそこにあることに感謝する。6年前の剱岳や仙人池の写真を見ながら、またいつか行ける日まで変わらずにと願う。

 

撮影:2010年7月 

 大汝山より剱岳

 

 

 

 

 

 

 奥大日岳より剱岳

 

 

 

  

 

 

相方と劔沢雪渓を行く (山仲間の撮影による) 

 

 

 

  

 

 

 国内氷河の一つ、三ノ窓雪渓

 

 

 

 

  

 

 仙人池と八ツ峰 

 

  

 

《2010年遠征記録》 

立山・剱・仙人池

 

立山の花

 

 

 《関連記事》

阿蘇登山道、5カ月ぶり開通(熊本日日新聞 2016.9.16) 

秋早々と…尾根近くで草紅葉 涸沢カールはナナカマド黄色く  (信濃毎日新聞 2016.9.10) 

《関連資料》

阿蘇市HP。9月16日から阿蘇山上への通行が一部可能になりました(9月16日更新)

大分県HP。玖珠土木事務所・飯田高原中村線の通行止めについて(9月13日更新) 

 

 

コメント

若杉山散策

2016-09-13 22:11:07 | 

異例の暑さが続いた今年の夏もようやく一段落したようで、朝晩はずいぶん涼しくなった。こうなると山が恋しくなるが、一昨年は父の看護(その父も亡くなり)、昨年末からは母の介護、福岡と山口の往来は走行5万キロを超え、ついに腰がダウン。登山もままらない。と、そこで思いついたのが若杉山散策。

若杉山(標高681m)はその名のとおり、杉が際立って見られる。標高600mあたりにある「大和の森」は篠栗町の観光スポットにもなっており、幹周り16.15mの「大和の大杉」や若杉山の名の由来にもなった「綾杉」など、様々な巨木杉を見ることができる。若杉山の名の由来については、朝鮮半島から帰還した神功皇后が香椎宮に参詣した際、同宮の綾杉を山に分けて植えたことから「分杉山(わけすぎやま)」になったという伝説があり、それが後に「若杉山(わかすぎやま)」へと変わったと言われている。

そもそもこれらの杉は自生であったのか、それとも植林されたものなのか。「大和の森」の看板には、あたかも自生であるかのように書かれているが、元九州大学井上晋准教授(森林生態学・篠栗町文化財専門委員)によると、九州では屋久島をのぞき明確に杉の自生地はないらしく、若杉山の杉も植えられたものだろうと言われている。それでは一体誰が植えたのか。若杉山は古くから信仰の聖地として賑わったところ、太祖宮の氏子や修験道らが少しずつ植えたものなのか。あるいは仏教伝来とともに信者が参詣して植えたものなのか。詳しいことは歴史を紐解いて見ないとわからないが、いずれゆっくり調べてみたいと思う。

それで今回散策したのは(体調を考慮して)、山頂下から太祖宮までの遊歩道。そこでも巨木は点在していた。名前こそついてはいないが、それらは威風堂々として、あたりは神秘的な空気が漂っていた。身近な自然がどんどん失われていく中、これほどの巨木が福岡近郊に残っているのは嬉しい。お陰で久々、至福の時を過ごすことができた。まずは先人、そして巨木たちに感謝。これからもずっと変わらずにいてほしい。

 

 

 撮影日:2016年9月11日

忽然と

 

 

 

 

 

 

ヤマホトトギス(ユリ科) ひと際鮮やかに

 

 

 

 

 

 

 

縦横無尽

 

 

 

 

 

 

まっすぐと

 

 

 

 

 

 

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

 

 

 

 

 

  

仲良く

 

 

 

 

 

 

見事!

 

 

 

 

 

 

踏ん張る

 

 

 

 

 

 

ヤブミョウガ(ツユクサ科) ミョウガの葉と似ていることから付いた名前 すでに花は散ってこれから実になる

 

 

 

 

 

 

同じ形のようなムシが、、

 

 

 

 

 

 

森林浴コース

 

 

 

 

 

 

 クサアジサイ(アジサイ科) 名前に似合わず可愛らしい

 

 

 

 

 

 

 

愛らしい色合い 

 

 

 

 

 《関係資料》

篠栗町観光スポット

篠栗町歴史民俗資料室

  

 

コメント