yamanba's blog

報道されない情報を発信します
気分転換に山の話題など

【枯葉剤シンポジウム】全国埋設の枯葉剤はわずか2%、ほとんど散布されていた!

2019-07-14 08:35:35 | 245T剤埋設問題

今月6日、志免町で開催された「かすや未来」主催『北九州大学原田和明氏・枯葉剤(245T剤)シンポジウム』で、全国54ヵ所の国有林(うち8ヵ所は撤去済み)に埋設されている245T剤はわずか2%であり、そのほとんどが散布されていたことがわかった。しかも、場所は明らかになっていない。(確認できているのは下北半島のみだと原田氏)まさに、多くの国民の知らないところで『日本版 枯葉剤作戦』が行われていたのである。

この日、シンポジウムには粕屋町や志免町などから多くの市民や議員が参加し、枯葉剤問題に対する関心の高さが窺えた。まず、シンポジウム前半は245T剤埋設問題について。大規模災害によって流出するリスクがあること、現地の植生や陥没状況などからすでに漏れ出している可能性があること、さらに245T剤は移動し、そこに埋まっていない可能性があることなど。最新の報告として、岩手県雫石町では4トンの245T剤が紙袋のまま13ヵ所にわけて埋められ、フェンス内の窪みがはっきりわかるほどで、脊振山中の埋設地どころではなかったと。さらなる問題のところで、245T剤の埋設量は散布量のわずか2%といわれて、言葉を失う。

シンポジウム後半は、どうして245T剤が全国の山に埋められることになったのか。そもそも、ベトナム戦争で使用された枯葉剤は、1967年から福岡県大牟田市の三井東圧化学(現・三井化学)でつくられていた。日本から枯葉剤の中間製品(245TCP)が輸出され、第三国(オーストラリアやニュージーランドなど)で加工された後、最終的にベトナムへ渡ることになる。一方、国内では枯葉剤を製造する過程で発生する副産物(塩素酸ソーダやPCP)を処分するため、塩素酸ソーダは枯刹剤として全国の国有林に撒かれ、PCPは水田の除草剤として使用された。これにより各地で異変が発生。有明海などでは魚の大量死事件が起きている。その後、アメリカが枯葉剤の使用を中止したことで、在庫として残ったものが、全国の国有林(営林署が力を持っているところ)に埋設されてしまった。そして、 半世紀経った今もなお、人々を脅かし続けている。福岡も例外ではない。

講演終了後、会場からいくつか質問が出た。その中の一つ「最近はテロが多い、もし埋設地から245T剤を持ち出されたらどうするのか」。昨年12月、衆議院農水委員会でも田村議員(共産党)が同様の質問を林野庁にしているが、国は適切な管理をしている(コンクリートで固めている)から問題ないと答えている。 しかし、その証拠はない。つまり、いつ何が起きるかわからないのである。

今回のシンポジウムには、糟屋町や周辺自治体から市民や町議が多く参加されていた。しかし、福岡市民の水道用水として使われている、五ヶ山ダムの近くに猛毒な245T剤が埋設されているにもかかわらず、(私以外、たぶん)福岡市からの参加はなかった。そのため、次回は福岡市内でシンポジウムを開催する必要があると思っている。多くの人が関心を持たない限り、この問題を動かすことはできないから。 

 

撮影日:2019.7.6 

シンポジウムの様子(左は原田和明氏、スライドは脊振山中の埋設地が2ヵ所大きく陥没していることを証言する元社民党・入江県議)

 

こちらは満員となった会場の様子

※写真は「かすや未来」さんのフェイスブックより、前の席に座っていたため全体が写せなかったため。

 

 

245T剤埋設地 九州が圧倒的に多い(営林署の力が強かったということに)

 

 

 

 

林野庁長官の通達前に各営林署で下請け業者に処分指示が出ていた、そのため通達どおりに処分されていない

 

こちらは林野庁長官通達内容「245T系除草剤の廃棄処分について」 ほとんど守られていない    

 

 

これ以上、手遅れにならないように、、

 

 

 

 

 

アウトドア雑誌『Filder 』最新号に枯葉剤最新情報が!




『美しい国のAgent orange/宗像充氏』(赤枠部分)

シンポジウムの資料として配布されました(詳しくは次項で) 

 

 

《参考記事》

ベトナム戦争後、行き場を失った枯葉剤が日本に埋められている――全国54か所の国有林リスト(日刊SPA 2017.11.27)

九州20ヵ所に猛毒埋設 ベトナム戦争の枯れ葉剤成分 専門家「漏出の恐れも」 地元に不安(西日本新聞 2018.8.23)

テレビ西日本・福岡NEWSファイルCUBE2019年2月9日放送) 

 

 

 



最新の画像もっと見る