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【現地報告】猛毒除草剤(245T剤)の埋設現場

2018-09-03 10:16:16 | 245T剤埋設問題

昨日(2日)、猛毒除草剤(2・4・5・T剤)が埋設されている現場へ行った。そこは、坂本峠(背振山南東)の登山口からわずか5分ほどのところだった。登山道(九州自然歩道)から水色のフェンスが見えたので近づいてみると、注意喚起の看板が立ててあった。それは予想以上に近かった。あたりをみると、すぐ裏に永山林道が走っていた。確かに1トン近い汚染物(コンクリート塊)を運ぶには、林道に近くないと無理だろう。それで林道脇にも同じように看板が立ててあった。フェンス内は竹が生い茂っていたため、中の様子はわからなかった。もしかして、林野庁の調査というのは、外から目視するだけではないだろうか。

今回は、事前に情報があったのですぐに見つけることができたが、おそらく普通の登山では気付かないだろう。蛤岳までの九州自然歩道は杉の植林帯が続いており、昼間でも薄暗い。間伐は行われているが、景色はほとんど望めない。そのため大抵の登山者はそそくさと歩く。まさか、こんな所に猛毒除草剤(245T剤)が1㌧近くも埋まっているなど、誰も思わないだろう。

245T剤が埋まっているのは、五ヶ山ダムから南西へおよそ1Kmのところ。水源地の上流域にあたる。先月の西日本豪雨で、ダムは満水になっている。背振山系では、あちこちで土砂崩れが起き、385号線は坂本峠から先(佐賀県側)で通行止が続いている。明日は、ふたたび台風がやってくる。北九州市立大国際環境工学部職員の原田和明氏が警告されているように、今後、豪雨など自然災害が起きればどうなるかわからない。一刻も早く、このような物騒なものは撤去してほしい。

 

《追記:2018.9.4》

この情報を提供された北九州市立大国際環境工学部職員の原田和明さんからコメントをいただきました。ぜひ、コメント欄をご覧下さい。

 

撮影日:2018.9.2 

立入禁止の看板(永山林道側)

※看板に書かれている「2・4・5・T剤」は、化学物質「2・4・D」と混合することで枯葉剤になる。不純物として含まれるダイオキシンには奇形を生じさせる強い毒性がある。そんな危険なものが、九州自然歩道のすぐそばにある。 

 

 

 

坂本峠、登山道入り口 ここから登る

 

 

 

 

 

登山道からフェンスが見えた(蛤岳方面へ)

 

 

 

 

 

埋設現場(登山道側)

 

 

 

 

 

裏に永山林道が走っていた

 

 

 

 

 

竹に覆われて何も見えない

 

 

 

 

 

敷地はおよそ10坪程度

 

 

 

 

 

下山時は、わかりやすい(坂本峠方面へ)

 

 

 

 

 

坂本峠から先は通行止め

 

 

 

 

 

五ヶ山ダムとの位置関係 ※五ヶ山ダムの水は今後、福岡市民の水道用水となる  

 

 

《関連記事》

・ 九州20ヵ所に猛毒埋設 ベトナム戦争の枯れ葉剤成分 専門家「漏出の恐れも」 地元に不安(西日本新聞 2018.8.23)

 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
現場検証ありがとうございます。 (原田和明)
2018-09-04 04:17:12
埋設枯れ葉剤問題に関心をお寄せいただいただけでなく、現場にも足を運んでくださいましてありがとうございます。フェンスの内外での植生の違い、樹木の生長の差が写真ではわかりづらいですが、現地に行かれるとよくおわかりになったと思います。林野庁の定期検査は「目視」のみです。その結果、今まで問題視されたことはありません。しかし、フェンスの内外での差は目視でもわかる、「すでに枯れ葉剤が染み出している証拠」ではないかと思うのですが…。
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原田和明様 (ブログ管理者(井上恭子))
2018-09-04 08:32:41
こちらこそ貴重な情報をありがとうございました。まさかご本人からコメントが頂けるとは思いませんで、感激しているところです。確かに現地で不思議に思いましたのは、周囲と植生が違っていたところです。竹がひ弱であることも。

五ヶ山ダム建設に疑問を感じて以来、素人ながら周辺の環境問題を追い続けています。そんな中、西日本新聞記事を目にしました。これは見逃せないと、現地へ向かった次第です。これ以上、状況が悪くならないうちに対処してほしいと思うのですが。
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