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【枯葉剤】北九大・原田和明氏による夕張調査報告(1)~危険なタイムカプセル

2019-11-05 16:46:16 | 245T剤埋設問題

先月末、朝日新聞夕張山中に大量の「枯れ葉剤」国有林に埋まる猛毒の謎』という記事が掲載されました。しかし、有料記事のため肝心な部分を読むことができません。その話をこの情報の提供者であり、枯葉剤研究の第一人者でもある北九州市立大学の原田和明氏にお伝えしたところ、夕張の調査報告をして下さることになりました。早速、第1回目の報告書と資料が届きましたので、ご紹介します。


(以下、転載)


2019年9月27日の朝日新聞のデジタル版に「夕張山中に大量の「枯れ葉剤」 国有林に埋まる猛毒の謎」という記事が掲載されました。しかし、無料で読めるのは冒頭部分だけで、内容は全然わかりません。翌28日には朝日新聞の北海道版に掲載されました。こちらのタイトルは「大量の枯れ葉剤 山中に今も」でした。記事を転載するわけにはいきませんので、原田から報告したいと思います。

 

第1回 危険なタイムカプセル

 ベトナム戦争では二重胎児や奇形児など出産異常が多発しました。その原因は、米軍が大量に散布した枯れ葉剤にあると考えられています。その枯れ葉剤と同じ成分の薬剤(以下、「枯れ葉剤」)が全国の国有林に埋まっているのをご存知でしょうか?林野庁が認めているものだけでも全国46ヶ所に約27トン。そんなものをいつ、誰が、何のために埋めたのでしょうか?ところが、問題はそれだけではなかったのです。ベトナム戦争当時、全国の国有林に撒かれた「枯れ葉剤」(商品名ブラシキラー)は4600トンにものぼります。つまり、埋められた枯れ葉剤は全国に散布された量のわずか0.5%に過ぎないのです。さらには、この「枯れ葉剤」の製造時に発生する副産物にも当然ダイオキシンが含まれているわけですが、それも水田除草剤として同時期に全国で10万トンが使われています。こうなると、27トンを撤去すれば安心という単純な話しではないことがわかっていただけると思います。いわゆる「埋設枯れ葉剤」は、ベトナム戦争のとき、日本でも枯れ葉作戦が行われていたという驚きの歴史を今に伝える「危険なタイムカプセル」なのです。

 晴天に恵まれた9月末、夕張市の町はずれで、今回の参加者の方々と待ち合わせ、現地に向かいました。舗装された道から、未舗装の林道に入ると数分ほどで林を抜け、雑草が茂る平地に出ました。林道脇に「この区域に2・4・5T剤が埋めてありますので立入を禁止します。」と書かれた白い看板があり、有刺鉄線で囲まれていました。柵は林道に沿って凡そ40メートル、奥行き20メートルくらいでしょうか。

 事前の調査で炭鉱の坑道跡と聞いていたので、トンネルの入口みたいなイメージを抱いていました。が、現地は露天掘りだったそうで、多少窪地になっているかなという程度の平地でした。林野庁の発表では、ここには600kgのブラシキラー(枯れ葉剤)が埋められていることになっています。600kgの「埋設地」になぜこんな広いスペースが必要なのかというと、林道から見て、右側が1971年に埋められた場所で、それを1984年に掘り出して左側のスペースに埋め直したということだそうです。

 ここで、「埋設枯れ葉剤」の歴史を紹介しておきたいと思います。埋設枯れ葉剤の存在が初めて報じられたのは1984年5月。35年も前のことです。「1971年に灯油缶のまま愛媛県宇和島市の山中に埋められた枯葉剤が、缶の腐食ですっかり流出している。」という衝撃的なものでした。その後「埋設地」は全国に数十ヶ所あることが分かったのですが、どこに埋めたか記録がまったくない。記録がないのは「埋設して管理」ではなく、「廃棄」だったからです。その証拠に、当時の林野庁長官名で「廃棄方法」の通達が出ています。記録がないため、13年前の作業員の記憶だけを頼りに山の中の点を探り当てるのは至難の業で、なかなか「埋設地」は見つかりませんでした。北海道広尾町でも発見までに1ヶ月を要しています。

 四国では12ヶ所を掘り当てるまでに2ヶ月を要しました。ところが九州では民有地に埋めたものを除いて発掘されることはなく、20ヶ所の埋設位置が当時の作業員の証言だけで認定されています。だから、林野庁の認定場所が間違っていたという可能性はないのか?気になるところです。

 その認定場所が間違っていたことが証明されたという事例が1ヶ所だけですが実際にあります。それが夕張です。だから、夕張の現場は必ず見ておきたかったのです。(続く

 

国産245T総出荷量

 

 

 

宇和島245T剤

 

 

 


 

この報告書は2019年11月2日に届いたものです。                                 




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