第10期叡王戦五番勝負(主催:日本将棋連盟、不二家)が3日、名古屋市で開幕した。対局者は伊藤匠叡王と斎藤慎太郎八段。
ただ今回、タイトル戦では見ない日がなかった藤井聡太竜王・名人がいない。これは2022年秋の第70期王座戦以来となる。まさに違和感が満載で、V9巨人対パ・リーグ覇者、明訓高校対ライバル校、料理の鉄人対挑戦者のごとく、つねに絶対王者を見慣れた者にとっては、藤井竜王・名人がいないことに物足りなさを覚えてしまう。これを言ってアレだが、主催の不二家も、藤井竜王・名人に出てきてもらいたかっただろう。
もっともそのあたりは斎藤八段も心得ていて、前夜祭では「藤井さんがいないから、盛り上がらないと言われないように指したい」と述べたものだ。
ただし将棋ファンは、すべてが藤井ファンではない。この組み合わせはフレッシュでいいし、B級1組同士の対戦も珍しい。それと斎藤八段も語っていたが、よい将棋を見せてくれれば、おのずとタイトル戦も盛り上がるだろう。
開幕局は伊藤叡王の先手で、飛車先の歩を突いてスタート。以下、相掛かりとなった。
こういう戦いはどこが急所かまったく分からないのだが、斎藤八段は1筋の端攻めに活路を見出した。相掛かりでは端攻めをよく見る気がするのだが、そこが急所なのかもしれない。
なお斎藤八段は、2020年にマイナビ将棋ブックスから「角換わり腰掛銀研究」を上梓している。これがボリュームたっぷりの名著で、斎藤八段の思考が手に取るように分かる。居飛車党は必携の書だと思う。
このあたりで、藤井竜王・名人が地元の大盤解説会に特別出演した。藤井竜王・名人は七番勝負のタイトル戦が5局で終わっても第6局、第7局の対局場に呼ばれ、タイトル戦に出なくても、解説者として呼ばれる。人気棋士は大変である。
ただ現実的には、藤井竜王・名人が名人戦一本に絞れたのは、皮肉な幸運だったのではあるまいか。
将棋に戻るが、この端攻めは成功したわけではなく、まだまだ難しい形勢。
そこで伊藤叡王に一失があったようで、斎藤八段がペースを掴んだ。攻めにリズムがつき、窮屈だった飛車が成れては、斎藤八段が面白くなったようだ。
以下、伊藤叡王の反撃も鋭かったがわずかに足らず、斎藤八段が逃げ切って制勝となった。
タイトル戦は挑戦者が先勝して、俄然面白くなる。その意味では、斎藤八段が目指す「盛り上がるタイトル戦」に近づいたと言ってよい。
第2局は19日。
ただ今回、タイトル戦では見ない日がなかった藤井聡太竜王・名人がいない。これは2022年秋の第70期王座戦以来となる。まさに違和感が満載で、V9巨人対パ・リーグ覇者、明訓高校対ライバル校、料理の鉄人対挑戦者のごとく、つねに絶対王者を見慣れた者にとっては、藤井竜王・名人がいないことに物足りなさを覚えてしまう。これを言ってアレだが、主催の不二家も、藤井竜王・名人に出てきてもらいたかっただろう。
もっともそのあたりは斎藤八段も心得ていて、前夜祭では「藤井さんがいないから、盛り上がらないと言われないように指したい」と述べたものだ。
ただし将棋ファンは、すべてが藤井ファンではない。この組み合わせはフレッシュでいいし、B級1組同士の対戦も珍しい。それと斎藤八段も語っていたが、よい将棋を見せてくれれば、おのずとタイトル戦も盛り上がるだろう。
開幕局は伊藤叡王の先手で、飛車先の歩を突いてスタート。以下、相掛かりとなった。
こういう戦いはどこが急所かまったく分からないのだが、斎藤八段は1筋の端攻めに活路を見出した。相掛かりでは端攻めをよく見る気がするのだが、そこが急所なのかもしれない。
なお斎藤八段は、2020年にマイナビ将棋ブックスから「角換わり腰掛銀研究」を上梓している。これがボリュームたっぷりの名著で、斎藤八段の思考が手に取るように分かる。居飛車党は必携の書だと思う。
このあたりで、藤井竜王・名人が地元の大盤解説会に特別出演した。藤井竜王・名人は七番勝負のタイトル戦が5局で終わっても第6局、第7局の対局場に呼ばれ、タイトル戦に出なくても、解説者として呼ばれる。人気棋士は大変である。
ただ現実的には、藤井竜王・名人が名人戦一本に絞れたのは、皮肉な幸運だったのではあるまいか。
将棋に戻るが、この端攻めは成功したわけではなく、まだまだ難しい形勢。
そこで伊藤叡王に一失があったようで、斎藤八段がペースを掴んだ。攻めにリズムがつき、窮屈だった飛車が成れては、斎藤八段が面白くなったようだ。
以下、伊藤叡王の反撃も鋭かったがわずかに足らず、斎藤八段が逃げ切って制勝となった。
タイトル戦は挑戦者が先勝して、俄然面白くなる。その意味では、斎藤八段が目指す「盛り上がるタイトル戦」に近づいたと言ってよい。
第2局は19日。