一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

二十世名人は誰か・修正版

2017-11-03 00:36:00 | 将棋雑考
私は2014年5月25日に、「二十世名人は誰か」という記事を書いた。
まず、以下に再掲する。


先日の名人戦第4局は、羽生善治三冠の勝ち。4-0のストレートで、8期目の名人に返り咲いた。
その羽生新名人は十九世名人の有資格者である。では、実力制名人制定以後(ここでは関根金次郎十三世名人も含む)の永世名人を記してみよう。

十三世名人 関根金次郎
十四世名人 木村義雄
十五世名人 大山康晴
十六世名人 中原誠
十七世名人 谷川浩司
十八世名人 森内俊之
十九世名人 羽生善治

むかし大山十五世名人~中原十六世名人ときたとき、次の(永世)名人は小川だ、という声があった。「大→中→小」「山→原→川」だから、という理屈である。実際は谷川九段が十七世名人の有資格者となり、当たらずとも遠からじという結果になった。
そして「十八世」は、大方の予想に反し、森内竜王が就いた。
羽生名人はタイトル獲得数87期と圧倒的な勲章を誇るが、ふたつ心残りがあるとすれば、森内竜王に十八世名人を、渡辺二冠に初代永世竜王を先取りされてしまったことだろう。何しろ名人位は羽生4期・森内1期、竜王位は羽生6期・渡辺0期からの逆転だったのだから。

先日当ブログで、某永世名人を、頭文字で記したことがあった。そこで上記の永世名人の頭文字を記してみると、おもしろいことが分かった。

S…関根金次郎十三世名人
K…木村義雄十四世名人
O…大山康晴十五世名人
N…中原誠十六世名人
T…谷川浩司十七世名人
M…森内俊之十八世名人
H…羽生善治十九世名人

何と、全部違うのである。実は慶応以降の元号も全部頭文字が違うのだが(例えば「平成」などはあえて「は行」から選んでいる)、実力永世名人は細工が利かないので、これはけっこう珍しい現象といえる。
とすると、二十世名人はそれまでにない頭文字になるのか。大山十五世名人は「O」だが、ここは「あ行」とし、それぞれを「行」に変換してみよう。

さ行…関根金次郎十三世名人
か行…木村義雄十四世名人
あ行…大山康晴十五世名人
な行…中原誠十六世名人
た行…谷川浩司十七世名人
ま行…森内俊之十八世名人
は行…羽生善治十九世名人

「あ行」から「ま行」まで、綺麗に1回ずつ使われている。ということは、二十世名人は「や行」と「わ行」から推戴されると考えられる。では該当の棋士を列挙してみよう。

渡辺明二冠 屋敷伸之九段 山崎隆之八段 脇謙二八段 矢倉規広六段 横山泰明六段 吉田正和五段 矢代弥(わたる)四段 山本真也五段 渡辺大夢(ひろむ)四段

50歳すぎの棋士から10代の棋士まで、全部で10人。この中から名人候補を考えると、現在唯一のA級であり、竜王9期の実績もある、渡辺二冠が最有力であろう。
ただし渡辺二冠は、いままで名人挑戦の実績がない。ただ次期順位戦は「A級の鬼」羽生名人がA級不在になったため、名人挑戦のチャンスである。とりあえず来年のいまごろはどういう結果になっているか、大いに楽しみにしている。


以上である。記事では実力制名人以降の永世名人を挙げ、十三世名人から十九世名人まで「あ行」から「ま行」まで一人ずつ輩出しているから、二十世名人は「や行」か「わ行」から出るのではないか、と結論した。
だが関根十三世名人は家元制で、ここに入れるのは適当ではなかった。話の展開上、無理やり入れてしまったのだが、よくなかった。
そこで関根十三世名人を外し、二十世名人候補に「さ行」も加えてみると、格好の棋士がいた。
それが佐藤天彦名人である。永世名人が各行から1人、との主張は変えないが、佐藤名人は名人2期の現役名人であり、渡辺竜王に名人の香りがまったくしないことから、現在は「さ行」が最有力候補と考える。
コメント
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