一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第28回社団戦最終日(3)

2017-11-06 11:15:44 | 社団戦
今回の社団戦は昼食休憩もなしとのこと。私は時間ができたので、昼食を摂りに出る。
表はもちろん雨である。私には御用達の中華料理屋が浅草寺の向こう側にあるから、ある意味ラクだ。だが今回は道に迷ってしまった。ここでの昼食がルーティーンなので、見つからないと困る。
ようやく見つけて、入店。ワンタンメンを注文した。ワンタンがちょっと少なかったように思うが、こんなものか。スープがさっぱりしていて、安定の美味さだった。
会場に戻ると、大野八一雄七段、渡部愛女流初段の姿があった。私は渡部女流初段に会釈するのみ。会話をするまでの度胸はなかった。
Hon監督がいたので勝敗を聞くと、「4勝3敗」だった。つまり2勝3敗+不戦勝2で、薄氷の勝利。勝利は佐藤氏とHomma君で、これは想定内だが、もう1勝ぐらい欲しかった。
佐藤氏の感想戦を覗くと氏がボヤいていて、終盤は負けがあるみたいだった。
私は再びゾッとする。展開次第では、3―4で負けの目もあったのだ。私とShin氏が抜けたのがマズかったのだが、でも私たちばかり出場するわけにもいくまい。この辺の選択は難しいところである。
意を決して渡部女流初段に話しかける。
「渡部先生すみません、先日の麹町サロン、空きがあったんで行こうとも思ったんですけど、その気分にならなくて…。埋まりました?」
「はー、あの後おかげさまで満席になりまして」
「それはよかった。渡部先生、この前負けちゃったんじゃない?」
「先週の水曜日だったんですけど、女流名人リーグで上田さんに…」
「あ、そうだった。最終戦は誰だっけ?」
「岩根さんです」
「岩根先生か…。勝つかもしれないし、負けるかもしれない。女流王位戦もあるよね。相手誰?」
「小高さんです。小高佐季子ちゃん」
「おお、小高さんも強いところに勝ってるもんねえ。頑張ってください」
私も渡部女流初段をファンランキングの1位に推すのなら、直近の対局結果ぐらいは頭に入れておかなければならない。

階上では1部~4部の対局とLPSAなどのブースがあるが、顔を出す余裕がない。
しばし休んで、最終3回戦である。
七将の席にKun氏が座っていた。Kun氏に「9番・土井って感じですか」。
「ハハハ」
この会話の面白さが分かる人は、50代以上である。
相手はNTT。出場選手は佐藤氏、Takai君、Ok氏、Shin氏、私、Kob君、Kun氏。私は五将だ。
私は中倉彰子女流二段の直筆扇子「夢」を前に置く。奇数後手、つまり私の後手で対局開始となった。

初手からの指し手(途中、手順の前後あり)。▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2六飛△9四歩▲9六歩△7二銀▲3八銀△1四歩▲1六歩△3四歩▲3六飛△3三金
▲6八玉(第1図)

NTT氏は初手▲2六歩。私は△8四歩と応じ、ひねり飛車になると思った。対ひねり飛車は私も好きなので、ぞんぶんに力を出せると思った。
が、21手目にNTT氏は▲6八玉。これで若干調子が狂った。

第1図以下の指し手。△6四歩▲2六飛△6三銀▲3六歩△3二金▲3七桂△4一玉▲4六歩△5四銀▲7六歩△8六歩▲同歩△同飛▲1五歩△同歩(第2図)

相掛かり系の将棋になって、これはあまり好きな形ではない。私はとりあえず腰掛け銀にしたが、策がなかったか。
▲7六歩に私は飛車先の歩を交換したが、危険だった。NTT氏の目が光った。

第2図以下の指し手。▲3五歩△同歩▲3三歩△同金▲4五桂△同銀▲同歩

▲3五歩から▲3三歩が鋭かった。△同角は▲同角成で、△同桂は▲8七歩△8二飛▲3四歩、△同金は▲4五桂△3二金▲5三桂不成で先手有利。よって△3三同金しかないが、やはり▲4五桂跳ねが好調だ。対して△3二金は▲5三桂不成でも▲3三歩でも先手有利。後手は△4一玉型が祟っていて、この形では△4二玉型が常型と思い知った。
本譜、私はしぶしぶ△4五同銀と取ったが、この駒損は痛かった。
数手進んで第3図(一部指し手の不明な箇所があり、飛ばします)、私が△3一玉と寄ったところだが、これも悪かった。次の手にシビれた。

第3図以下の指し手。▲6一角△6二飛▲8三角成△8二歩▲7一銀△8三歩▲6二銀成△同金(第4図)

NTT氏は▲6一角。次に▲8三銀で飛車を手にされてはさすがにマズイから対処せねばならないが、△4二金右は▲2五角成が大きい。私はしぶしぶ△6二飛と回ったが、▲8三角成と馬を作られた。次は▲7一銀があるから私は泣きの涙で△8二歩。でも飛車が8筋に戻れなくなり、大きく形勢を損ねてしまった。
対して▲5六馬ぐらいでも自信はなかったが、NTT氏は▲7一銀。以下△8三歩▲6二銀成△同金と進む。私が銀得にはなったが、もともと銀桂交換で駒損していたし、それも次の▲7一飛~▲8一飛成で取り返されてしまう。こうなれば竜の威力が大きく、後手敗勢だ。
NTT氏はあまり強そうに見えなかったが、氏が強いのか私が弱いのか、どうにもつまらない将棋にしてしまった。五将の相手に負けるのか、と情けなくなった。
ところが…。

(つづく)
コメント
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