一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第28回社団戦最終日(1)

2017-11-04 11:16:59 | 社団戦
10月29日(日)に、産業貿易センター台東館で第28回社団戦最終日が行われた。
大野教室は5部リーグ赤で出場し、ここまで3勝9敗の20チーム中18位。まさに降級の危機だが、ここで3連勝すれば残留の望みが出てくる。
私は第1日目の3回戦で3-3からの大一番で負け、チームに多大な迷惑を掛けた。それが心に引っ掛かり、その借りを返すべく、今日は出場することにした。
29日早朝、メールでHon監督、ブログに社団戦の参戦を表明し、雨の中を駅前に向かった。駅前からは産業貿易センター前までのバスが通じており、今日は台風22号で雨だが、私にはほとんど関係ない。
9時ちょっと過ぎに現地に着く。対局場の5階に上がると、まだ選手の姿は少なかった。私が早く来すぎたらしい。
E氏の姿があったので挨拶する。ほかに大野教室の選手はいないようだ。
やがてHon監督や出場選手などが集まってきた。みんな私を見て、意外そうな顔をする。
Shin氏「あれっ? 大沢さん、今日はどうして…。あっ、分かった、今日は愛ちゃん(渡部女流初段)が来るからでしょ」
もちろんそれもあった。
そろそろ対局だが、その前に放送があった。今日は台風なので、帰りの足を考慮して、早めの終了とする、とのことだった。
具体的には、持ち時間を30分から20分に減らす。さらに、入替戦を行わず、本日の3回戦を足した全15回戦の勝敗のみで、昇降級を決めるとのことだった。
これはキツイ変更で、持ち時間はともかく、昇降級決定戦にあたる入替戦がなくなったのは痛い。
ただまあ、気を取り直して、対局である。私は先発。メンバーは大将佐藤氏、以下Takai君、Shin氏、私、Kob君、Homma君、Kun氏。私は四将で、下位は初めてだが、佐藤氏以外はどんぐり背くらべの棋力だから、どこでも同じだ。
今回持参した扇子は、中倉彰子女流二段直筆の「夢」。
Shin氏「勝ちになったら扇いで知らせてくださいよ」
私「今回は勝ちにならなくても扇ぐつもりだけど」
相手は東海で、昇級圏内にいるらしい。「3連勝すれば昇級…」とか言っている。しかしこちらもベストメンバーで臨んでいるので、負ける気はしなかった。
奇数後手になったので、私が先手で対局開始となった。

第1図までの指し手(途中の手順前後あり)。▲7六歩△8四歩▲5六歩△6二銀▲5八飛△4二玉▲4八玉△1四歩▲3八玉△8五歩▲7七角△3二玉▲2八玉△7四歩▲6八銀△7三銀▲6六歩△6四銀▲6七銀△7三桂(第1図)

▲7六歩△8四歩。ここで早くも考える。▲6八銀なら矢倉だが、最近は後手急戦が流行りで先手の対応も難しい。▲5六歩とし、△6二銀に中飛車に振った。
東海氏は角道を開けず△1四歩。場合によっては△1三から角を使い、左美濃にしようの構想だろう。
私が▲5五歩と突けば相手の研究範囲になると見て、私は通常中飛車で行くハラを決めた。
東海氏は右銀を繰りだし、△7三桂。桂は跳んだら戻れないので、ちょっと早い気がした。

第1図以下の指し手(途中の手順前後あり)。▲7八金△5四歩▲1六歩△9四歩▲9六歩△8四飛▲3八銀△5二金右▲5九飛△4二銀▲4六歩△4四歩(第2図)

私は▲7八金と守り、一安心。中飛車はこれがあるので、居飛車の相当な攻めにも耐えられる。
▲3八銀と締めて▲5九飛と引き、先手はほとんど隙がない。その間後手の△8四飛がややありがたく、これで後手は△3四歩と突けなくなった(▲6五歩△同桂▲2二角成△同玉▲6六角の筋がある)。
しかし私も若干手詰まり模様だ。31手目▲4六歩と突いたが、その後仮に木村美濃にしても、固くはなっていない。よって▲2六歩から銀冠も視野に入れていた。
後手は△4四歩。私はこれを戦機と見た。

第2図以下の指し手。▲6五歩△同桂▲4四角△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛▲6六歩△5三銀引▲2六角△8八歩▲同金△3四歩▲7八金△2四歩(第3図)

三将のShin氏は対中飛車。五将のKob君は四間飛車。相手はイビアナだったが、うまく指している。Kob君はだいぶ強くなったと思う。大野教室では一時期ヤル気がなかったが、覚醒したようである。
私は思い切って▲6五歩と突いた。△6五同銀なら▲4四角で、角成りと▲6六歩を見る。
ところが東海氏に△6五同桂を角取りに跳ねられてビックリした。一瞬▲8八角と引こうと思ったが、▲4四角と出る予定だったのを思い出した。やっぱり私は緊張しているのだ。
東海氏は飛車先の歩を交換し、△8一飛と角成りを防ぐ。なるほどうまく指すものだ。
私は予定の▲6六歩だが、△5三銀引に▲2六角と、こちら側に引かねばならないのではおかしかった。ここはいったん▲8八角と引き、それから▲6六歩だったか。
東海氏は△8八歩を利かし、△3四歩~△2四歩。薄いところを逆から突いてくる大胆さで、私は困ってしまった。

第3図以下の指し手。▲5五歩△同歩▲3六歩△2五歩▲3七角△5六歩▲同飛△5四歩▲5九飛△7五歩▲5五歩△同角▲同飛△同歩▲6五歩△8八歩(第4図)

私は▲5五歩。もし△2五歩なら▲5三角成△同銀▲5四歩で何とかなると思った。
東海氏は大人しく△5五同歩と取ったが、▲3六歩に△2五歩▲3七角とやはり引かされ、この取引は先手が損をしたと思った。
△7五歩。これを▲同歩は△7七歩で後手の桂が生還してしまう。私はこの桂をタダで取り切りたいから、もう猶予はならない。
そこで私は再度▲5五歩。△同歩は▲6五歩なので△同角の一手だが、私は▲同飛とし、△同歩に▲6五歩。やっと桂を取ることができた。ただし形勢は微妙である。
東海氏はまたも△8八歩。さすがにイヤなところを衝いてくる。これに次の手がどうだったか…。

(つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする