一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

式年遷宮の旅・6

2013-08-15 00:10:41 | 旅行記・その他の地域
長くはまたせず、三たび銀閣寺行きのバスが来た。さすがにもう、乗った。
週末とあってか、バスは満員だった。しかし自分もそのバスの乗客だから、文句は言えない。
バスは、市内220円均一だった。もし「1日乗車券」を買ったなら、3回乗らねばモトが取れない。
しばらくバスに揺られていると、朱色一色の神社が見えてきた。平安神宮だ。銀閣寺もいいが、天下の平安神宮にも挨拶しておきたいところで、急遽下車することにする。
ほかの乗客と一緒に下車する際、運転手さんから1日乗車券を購入した。案ずるより産むが易し。ふつうにバスに乗って、ふつうに車内で買えば、何でもなかったのだ。
平安神宮は正門から境内まで障害物が何もなく、周りにも高い建物がないので、すこぶる見晴らしがよかった。何か、中国の映画に出てきそうな感じだ。
まったく、京都はいろいろな顔がある。これをたった1日で観て回ろうというのが、そもそも無理筋だったのだ。
例によって5円のお賽銭をほうり、300円で御朱印をいただいた。
平安神宮を出る。すぐに次のバスに乗ってもいいのだが、近くに京都市美術館があったので、そちらにお邪魔することにする。とにかく日差しが強くて、一休みしたくなったのだ。
美術館は「市展・京展物語」という企画展をやっていて、入場料が500円だった。もちろん、常設展のときはもう少し安い。ただ私の経験則からいうと、美術館はいつも何がしかの企画をやっていて、余計に出費するケースが多い。
美術館で涼んで、バス停に戻る。次はいよいよ銀閣寺だが、冷房の利いている部屋にいたら、照りつける太陽の下、また観光をするのが億劫になってしまった。きょうは名所旧跡の観光ばかりで、いささか疲れた。銀閣寺を観ても金閣寺まで観る時間はもうないし、できればこのふたつはセットで観たいから、今回はパスすることにした。
15時57分、100系統の京都駅方面行きバスが来たので、これに乗る。河原町三条で下車。ここらあたりは市内の繁華街で、ぶらぶらするには格好の場所だ。私は観光地めぐりも好きだが、商店街を歩くのも好きなのである。
辺りはものすごい人出である。東京へ来た旅行者が、新宿や渋谷の人出を見て、「きょうは何のお祭りがあるんだ?」と驚いたという笑い話があるが、京都もその例にもれない。
牛丼の「吉野家」やマクドナルドがあるが、今朝のコンビニ同様、オレンジより白地が目立ち、全体的に地味だ。
ブックオフが入っているデパートがあったので、入ってみる。私はブックオフの株主だから、時折視察することも重要なのだ。ここの場所は8階で、店内の品揃えは豊富だった。
びっくりしたのがそこからの眺めで、京都の山々が一望できる。私も全国のブックオフを見てきたが、こんなに素晴らしいロケーションは初めてだった。
アーケード街に入ると、立命館大学写真同好会の展示会があったので、覗いてみる。私は無料の展示会が大好きだ。帰り際、「立命館が京都の大学だとは知りませんでした」と言ったら、学生さんに怪訝な顔をされた。そのくらい、私は無知なのである。
しばらく歩くと、また別のサークルの写真展があった。このアーケード街では、こういう催し物が盛んらしい。
大通りへ出てベンチに座り、スマホできょうの宿を探す。きのう探したときは、市内の廉価のビジネスホテルは、満室だった。しかしいまは、何件かヒットした。相部屋の宿も魅力を感じたが、他人と話すことになりそうなので、却下。私は極度の人見知りなのである。旅館があったので、そこに予約を入れる。何だかんだいって、スマホはやはり便利だ。
さて、そろそろ夕食である。これが京都での最後の晩餐だから迷うが、入ったのは「丸亀製麺」。またも全国チェーンの店である。何度も書くが、自由気ままなひとり旅だから、誰に非難されることもない。頼んだのは「釜あげうどん(大)」380円。ここのうどんを食すのは初めてだったが、コシがあって美味かった。ただ、うどんが少し長すぎないか? どこで切っていいか分からず、ちょっと食べづらかった。
そのまま鴨川の川べりに出る。朝と同じく穏やかな流れで、気分が落ち着く。あの「納涼床」は、客でいっぱいだった。川べりにはカップルが多い。よく見ると、それが等間隔になっているのがおもしろい。無意識にパーソナルスペースを作っているのだろう。
上に上がり、堀川のようなところを、ぶらぶら歩く。雰囲気は、東京銀座のみゆき通りだ。河原町の駅に着いた。ここから京都駅方面に向かう。
とある花屋の前にかわいらしい店員さんがいたので、京都駅のありかを聞くと、ここからは相当距離があるとのことで、私は四条河原町バス停から、三たび京都のバスに乗った。
京都駅前に着いたときは、午後7時を回っていた。京都駅も威風堂々としており、鉄道マニアとしては、一度は鑑賞しておきたいところ。しかしきょうは、時間的余裕がなくなってしまった。きょうの宿は、最終チェックインが午後8時なのである。
そこはJR丹波口駅の近くにあるらしく、当然バス路線が通じている。だが、バスターミナルにある路線図を見ても、丹波口駅がどこにも記されていない。これでは最寄のバス停が分からない。せっかく1日バス乗車券があるのだから、ここは「無料」で行きたいところ。しかし場所が不案内で、探している時間がない。といって、宿に電話も入れたくないところである。
私は泣く泣くJRを利用する。券売機で140円を払うが、この出費は出さずもがなで、痛い。
構内に入るが、福知山線(愛称・嵯峨野線)は、(たしか)33番ホームから出ていた。凄まじい数字である。このホームの多さは、全国でも三指に入るのではなかろうか。
京都発19時32分、丹波口着19時36分。ここから少し迷ったが、何とか旅館「さんき」に着いた。
宿のおかみさんが現れ、2階の部屋を案内してくれた。おかみさんがあらためて宿帳を持ってくる。このおかみさんが、おもしろい人だった。
(つづく)
コメント (2)
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