一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

52人の女流棋士

2013-08-03 00:10:47 | 将棋雑考
4月27日(土)、TBS系で「ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」のスペシャル番組が放映された。
その出演者のひとりに、矢内理絵子女流四段がいた。もちろん「ぶっちゃけネタ」を披露するのだが、やうたんのそれは、
「棋士の対局には、3時のおやつが出る」
だった。
真剣勝負の場に3時のおやつ、はたしかに落差があっておもしろいが、私はそれほど可笑しいとは思わなかった。むしろ、出演者の笑いがわざとらしかった。TBSの演出はダサい。
しかし3時のおやつは、タイトル戦のときだけではなかったか。大野食事会でそれを言うと、大野八一雄七段は、昔は将棋会館での対局でもおやつが出た、とのことだった。もっとも有料だったらしいが。
しかし私が注目すべきは、3時のおやつではない。矢内女流四段はこの席で、
「現在の女流棋士は52人」
と言ったのだ(いや、ナレーションだったか)。
この「52人」は、どういう構成だろうか。
2013年4月現在、女流棋士会の女流棋士は、現役・退役合わせて48人である。必然的にLPSAの女流棋士も合算しているが、ふつうにそれをやると、「52人」を軽く越えてしまう。
一般の人は誤解しがちだが、(女流)棋士は引退しても「棋士」である。指導対局や将棋教室など、いままでどおり仕事はあるし、公式戦を指さなくなっただけである。ただ番組では、引退女流棋士はカウントしなかった可能性が高い。それならば、女流棋士会とLPSAの現役女流棋士の合算が52人になる可能性が高い。
ではここで、4月現在のLPSA女流棋士の構成をまとめてみよう。

現役女流棋士…11人
ツアー女子プロ…1人
退役女流棋士…5人

現役女流棋士には、渡部愛女流3級を含んでいる。また、ツアー女子プロは、山下カズ子女流五段である。このふたりを、日本将棋連盟と女流棋士会が現役として認めているかどうかが問題だ。
ここで女流棋士会の棋士構成を詳しく書くと、現役42人、退役6人である。すると、
「女流棋士会現役42人+LPSA現役11人+ツアー女子プロ1人≠52人」
という数式が成り立ってしまう。
ここから涙を飲んで2人減らさなければならないが、LPSAツアー女子プロの山下女流五段は、引退棋士とみなされても仕方ないと思う。あんな裏ワザを使って「現役です」といっても、世間が認めない。
事実、山下女流五段がツアー女子プロに転向してからも、しばらくは日本将棋連盟のサイトの成績表にも山下女流五段が現役扱いされていたが、いまは抹消されている。
そしていまひとりを除外するとすれば、消去法から、渡部女流3級を挙げざるを得ない。
やはり日本将棋連盟と女流棋士会は、渡部女流3級を現役プロ棋士として認知しなかったのだ。
この2人を除外して、
「女流棋士会現役42人+LPSA選抜現役10人=52人」
という数式が成立した。
この番組で矢内女流四段が発言した「52人」は、こういう内訳であった。

※お詫びと捕捉…うっかりして、加藤桃子女流王座を女流棋士にカウントしてしまった。ただ番組では、彼女はタイトルホルダーということもあり、女流棋士にカウントしていると思う。よって、渡部女流3級を除外している、という私の結論は変わらない。
コメント (6)
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