デッカードが屋台で注文すると、右のおじさんがいう。
「ふたつで十分ですよ」
デッカードは、4つとかいうのだが、
おじさんはくり返す。
「ふたつで十分ですよ」
「ふたつで十分ですよ」
こんな大きい声じゃないが、高い声で2度3度とくり返す。
昔、当時というべきか、その時は麺類だろうと思っていたが、
“スシバー”らしい。
いろいろな編集版があって、その注文の品が出てくるものも
あるらしい。
つぎに好きなのが、この右の電光看板だ。
『強力わかもと』と書いてあったと思う。
芸者さんがなにかしゃべるんです。
それも、かなり高いキーだったと思う。
この看板のある空間設定がたまらない。
この街が好きだ。
2019年と設定されている。
この老婆もいい。
デッカードが、ウロコのようなものを渡すと、
大掛かりな顕微鏡のような器具で、
そのウロコを読み取る。
「これはヘビのウロコだよ」「製造月日も書いてあるよ」
つまり、この設定の時はいろいろな生き物を製造していたという
ことが判明するわけですね。
タイレル社が開発した最新レプリカント“ネクサス6型"の男2人と
女2人を“ブレード・ランナー”・デッカードが狩ってゆく。
そういう映画なんです。
レプリカントは4年で寿命がくる。その怖れ、不安。
彼らの幼いころの記憶は彼らのものではない。写真もそうだ。
デッカードもその役割に疑問をもってくるのだが。
映画は、見る人たちとさまざまに育て上げられてきた。
デッカードは、レプリカント“ネクサス7型”だった、というもの
が既に歩き出している。
きょう・8日、7チャンネル(テレビ東京)での放映。
映画は82年に公開。
アリコと通販のCMばかりが入ってきてやりきれなかった。