感染症(だけじゃないけど)の勉強をするときに、検査の「感度」と「特異度」、「尤度比」等を勉強しますね。
100%カンペキっ!なものはないわけですが、どのあたりまで許容できて、他の臨床情報と併せてどう判断するかという話になります。どこまでお金をかけるんだ?も重要な視点。
世界がとりくむ三大感染症のひとつである結核について、WHOが検査キットについての中止を勧告。
このタイトルはいまいちであるけれど国内ニュースより:
「結核、年100万件が誤診 中印などの血液検査」
47ニュース 7月21日
活動性の結核100+ 件感染の有無を調べるためにインドや中国などで行われる血液検査で、年間100万件以上が誤診だったとの調査結果を発表し、血液検査の中止を勧告。
血液検査は少なくとも18種類あり、検査キットの大半は欧米の製薬会社が製造。1回当たり最大約30ドル(約2400円)と患者の負担にもなる。製薬会社が規制の緩い発展途上国で利益を上げているとの指摘もあり、WHOは「誤診が多く、患者の生命を危険な状態に置く」としている。
結核100+ 件感染の有無を調べるためには、DNAの抽出やたんの培養検査など信頼できる方法を勧めている。
血液で結核の迅速検査?ですが、
たとえばこのようなキット【動画あり】
途上国のようにresource limited settingではラボや人材の不足から、先進国とは異なる簡易な検査システムが求められています。Global Healthことに結核、マラリア、HIVには巨額の予算がついていますので、開発や販売のモチベーションも高い領域になっています。
英語のメディア
「WHO Calls Commercially Available TB Tests Inaccurate」Medscape
Mario Raviglione, MD(Director of WHO Stop TB Department)
"In the best interests of patients and caregivers in the private and public health sectors, WHO is calling for an end to the use of these serological tests to diagnose tuberculosis,"
"A blood test for diagnosing active TB disease is bad practice. Test results are inconsistent, imprecise, and put patients' lives in danger."
WHOと各国の結核専門家からなるチームが肺結核に関する67の調査研究、27の肺外結核に関する調査研究の94をレビューしたところ、民間ベースで行われている結核関連の血液検査の感度と特異度が低いこと、"overwhelming evidence"になっているという結論になりました。
“high rates of both false-positive and false-negative results”
結核じゃないのに結核だよといわれる偽陽性と、結核なのに結核じゃなかったよといわれる偽陰性どちらも問題ということです。
7月22日付の専門家チームの報告書はこちら(PDFで66ページ) ←まだ読んでませんが・・
COMMERCIAL SERODIAGNOSTIC TESTS
FOR DIAGNOSIS OF TUBERCULOSIS
で、この先どうするんだよ?の整理が(特に現場で)重要なわけです。
100%カンペキっ!なものはないわけですが、どのあたりまで許容できて、他の臨床情報と併せてどう判断するかという話になります。どこまでお金をかけるんだ?も重要な視点。
世界がとりくむ三大感染症のひとつである結核について、WHOが検査キットについての中止を勧告。
このタイトルはいまいちであるけれど国内ニュースより:
「結核、年100万件が誤診 中印などの血液検査」
47ニュース 7月21日
活動性の結核100+ 件感染の有無を調べるためにインドや中国などで行われる血液検査で、年間100万件以上が誤診だったとの調査結果を発表し、血液検査の中止を勧告。
血液検査は少なくとも18種類あり、検査キットの大半は欧米の製薬会社が製造。1回当たり最大約30ドル(約2400円)と患者の負担にもなる。製薬会社が規制の緩い発展途上国で利益を上げているとの指摘もあり、WHOは「誤診が多く、患者の生命を危険な状態に置く」としている。
結核100+ 件感染の有無を調べるためには、DNAの抽出やたんの培養検査など信頼できる方法を勧めている。
血液で結核の迅速検査?ですが、
たとえばこのようなキット【動画あり】
途上国のようにresource limited settingではラボや人材の不足から、先進国とは異なる簡易な検査システムが求められています。Global Healthことに結核、マラリア、HIVには巨額の予算がついていますので、開発や販売のモチベーションも高い領域になっています。
英語のメディア
「WHO Calls Commercially Available TB Tests Inaccurate」Medscape
Mario Raviglione, MD(Director of WHO Stop TB Department)
"In the best interests of patients and caregivers in the private and public health sectors, WHO is calling for an end to the use of these serological tests to diagnose tuberculosis,"
"A blood test for diagnosing active TB disease is bad practice. Test results are inconsistent, imprecise, and put patients' lives in danger."
WHOと各国の結核専門家からなるチームが肺結核に関する67の調査研究、27の肺外結核に関する調査研究の94をレビューしたところ、民間ベースで行われている結核関連の血液検査の感度と特異度が低いこと、"overwhelming evidence"になっているという結論になりました。
“high rates of both false-positive and false-negative results”
結核じゃないのに結核だよといわれる偽陽性と、結核なのに結核じゃなかったよといわれる偽陰性どちらも問題ということです。
7月22日付の専門家チームの報告書はこちら(PDFで66ページ) ←まだ読んでませんが・・
COMMERCIAL SERODIAGNOSTIC TESTS
FOR DIAGNOSIS OF TUBERCULOSIS
で、この先どうするんだよ?の整理が(特に現場で)重要なわけです。
こないだ査読した中国からの論文で、まさに"antituberculous IgG was negative"という下りがありましたが、このことだったのですね。
日本にも「抗抗酸菌抗体」というのがありましたが(今もあるのかな)、同じくくりの検査なのでしょうか。