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世界肝炎デーと日本の取り組み

2011-07-20 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
7月28日は世界肝炎デーです。

日本は肝炎流行国のひとつで、最近は訴訟などもあって、肝炎は大きなIssueです。

7月15日に厚生労働省が何をするかを発表しました


「(1)今後の取組の方針
  肝疾患の正しい知識について、国民に十分に浸透していないと考えられます。こうした中で、肝炎ウイルス検査の受検を勧奨し、新たな感染を予防するためには、全ての国民に対して、肝炎の予防、病気や治療に関する正しい理解が進むように普及啓発や情報提供を推進する必要があります。」

ねえ、ワクチンは?

「また、早期に適切な治療を促すため、肝炎患者等が肝炎の病態及び治療に関する正しい知識を持つことができるよう、普及啓発及び情報提供を積極的に行うとともに、肝炎患者等が、不当な差別を受けることなく、社会において安心して暮らせる環境づくりを目指し、肝炎患者等とその家族等、医療従事者、事業主等の関係者を始めとした全ての国民が、肝炎について正しい知識を持つための普及啓発を推進する必要があります。」

不当な差別を受けない、皆が守られるためにユニバーサルワクチンが重要。

「(2)今後国が取り組む事項
 ○ 平成22年5月の世界保健機関(WHO)総会において、世界肝炎デーの実施が決議されたことを踏まえ、日本肝炎デーを設定します。あわせて、公益財団法人ウイルス肝炎研究財団が従来から実施してきた「肝臓週間」と連携し、肝炎に関する集中的な普及啓発を行います。」

集中的啓発っていいですね。期待。

「 ○ あらゆる世代の国民が、肝炎に係る正しい知識を持つための普及啓発を行います。
 ○ 国民に対し、近年、我が国における感染事例の報告がある急性B型肝炎(ジェノタイプA)は、従来に比し、感染が慢性化することが多いとされていることに鑑み、母子感染や乳幼児期の水平感染に加えて、性行為等により感染する可能性があり、予防策を講じる必要があることについて普及啓発を行います。」

で、ワクチンは?

「 ○ 肝炎患者等への受診勧奨を行うため、医療保険者、医師その他の医療従事者の団体、職域において健康管理に携わる者の団体、事業主団体等の協力を得て、肝炎の病態、知識や肝炎医療に係る制度について普及啓発を行います。
 ○ 肝炎患者等、医師等の医療従事者、職域において健康管理に携わる者、事業主等の関係者が、それぞれにとって必要な情報を取りまとめ、普及啓発を行います。
 ○ 就労を維持しながら適切な肝炎医療を受けることができる環境の整備等について、各事業主団体に対し、協力を要請します。
 ○ 地域の医療機関において、肝炎に係る情報提供が適切になされるよう、肝炎情報センターに対し、情報提供の機能を充実させるよう要請します。
 ○ 拠点病院の肝疾患相談センターを周知するための普及啓発を行います。」


大事です、というか、今の時点で不足があることが問題か。

「 ○ 医療保険者や事業主が肝炎ウイルス検査を実施する場合の検査結果について、プライバシーに配慮した適正な通知と取扱いについて、医療保険者及び事業主に対して改めて周知します。」

プライバシーに配慮、ですが、
HIV検査は「どうして肝炎や梅毒みたいにやっちゃいけないの?」という意見が大きく、
今行われているような肝炎ウイルスの検査はいったいどのように評価されているのか?が問題です。
原告団はとにかくどんどん検査を拡大すべしという提案でした(治療タイミングを逃さないよう)。


「 ○ 肝炎患者等に対する偏見や差別の実態を把握し、その被害の防止のためのガイドラインを作成するための研究を行い、その成果物を活用し、地方公共団体と連携を図り、普及啓発を行います。」


学校関係のガイドラインも必要ですね。このキャンペーンを文部科学省と一緒にやらないと!。

厚労省のページからリンクしているWHOのサイトはワクチンのこともかいてあるし、A-Eまであると説明もある。

日本は「肝炎対策基本指針(平成23年5月16日策定)に基づき肝炎対策の総合的な推進を図る」そうですが、こちらへのリンクは残念ながらありません。
今後の啓発情報に期待しています~。
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