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23価肺炎球菌ワクチンの2回接種

2009-08-06 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
現在の肺炎球菌ワクチンの免疫記憶効果は5-6年といわれ、日本だけ、再接種が『禁忌』の国(ナンデダロウ)。

健康管理意欲満々で早めに接種をすると、もっと高齢になってリスクが高くなったときには接種できないという矛盾した状況がうまれます。

2回目の接種もできるようにという希望はかねてよりありましたが、これがOKになりそうだという話がロハスメディカルで紹介されていました。

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厚生労働省のインフルエンザワクチン需要検討会委員長も務める神谷齊・国立病院機構三重病院名誉院長が5日、都内で開かれた小児用ワクチンに関するプレスセミナーで見通しを明らかにした。
http://lohasmedical.jp/news/2009/08/05173752.php
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(2008年1月病薬アワー「肺炎球菌ワクチン」)
・・・本ワクチンは少なくとも5年間有効とされていますが、本邦では再接種が認可されていません。これは本ワクチンの開発初期の試験において、14価肺炎球菌ワクチンを2年未満の間隔で再接種した成人に注射局所の副反応の増強がみられたことに起因して、その副反応を懸念し本邦では再接種を禁じているためです。一方、その後の試験で4年以上の間隔をおけば、局所反応の増強を回避できることが確認され、米国では65歳時に前回の接種後5年を経過していると再接種が認められており、さらに脾機能不全や免疫不全例では、5年ごとの接種が勧奨されています。本邦でも再接種認可が強く求められ、関連学会等より国に要望書が提出されているところです。・・・・
http://medical.radionikkei.jp/Jshp/final/pdf/080128.pdf

あとはお金の問題でしょうか。自己負担が高いと接種率は上がらないですね。

別の研究班で、高齢者が肺炎球菌の肺炎で入院すると1週間で100万円近いコストがかかるとききましたので、ワクチンのほうが安いなー・・です。
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2 コメント

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Unknown (オサム)
2009-08-26 21:15:06
始めまして(^^)
私は数年前に、肺炎のワクチンを受けているのですが数年前には、1回限りと言うような話はありませんでしたけど。
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それは・・ (編集部)
2009-08-29 19:05:03
情報ありがとうございます。とても貴重な体験です。

1)医師は海外のスタンダードで仕事をしている
2)日本の添付文書を知らない
3)忘れた

のどれかですね・・。
再接種できないとなるともっと高齢になってからのほうがいいんじゃないか?と考える人もいるでしょうし、そうこういっているうちにまさに「ありがち」な時期に肺炎になってしまいそうです。
100歳近くまで生きないといけないかもしれない国では悩ましい話題としてとらえられてきました(年齢と抗体を作る力とか別の問題もありますが)。
返信する

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