感染症診療の原則

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沖縄県立中部病院 Day#5(最後の症例 拳闘 会)

2013-12-21 | 青木語録
沖縄県立中部病院、最後の症例検討会、それはまさに検討というよりも拳闘(反則あり)というべき症例でした。

後期高齢者にならない高齢男性

主訴:
ふくらはぎの痛み(最初は下肢というふれこみ)

現病歴:
・1ヶ月ほど前から歩行時の両下腿痛。
・2週間ほど前からは食欲も落ちてきてやせた。次第に両ふくらはぎの痛みが強くなり安静時にも痛む。
・3日ほど前には寒気を感じて布団を被った。ここ数日は痛くてまともに歩けず四つん這い。我慢できず当院救急受診。

既往歴:
・高血圧と糖尿病あり。喫煙歴あり

ROS:
両下肢痛、食欲低下、体重減少、悪寒、便秘、便秘気味、便の狭小化、左第 3・4 指のしびれ感

編集長の思考(1):
・一ヶ月は感染症にしては長い。結核とかIEとか免疫的メカニズムが主な感染症を考える。
・「ふくらはぎ」という解剖は感染症ではあまり特殊な微生物無い。蜂窩織炎か、かえってmimics of cellulitis的なものを考える。旋毛虫などのリスクない。Leptospiraはもっと急性。

身体所見:
161 cm, 75 kg; BP 148/96 mmHg, PR 88 bpm, RR 24/min, SpO2 95% (RA), BT 37.1℃
HEENT:wnl(we never lookでない)
Heart: S1→S2→S3⊖, S4⊖, regular, SEM⊕II°
Abd: soft/flat, bowel sound→, tenderness ⊖, bruit ⊖, hepatosplenomegaly ⊖,
Back: CVA tenderness ⊖, Spine knock pain ⊖
陰嚢:アフタx2ケ
左の34指先が紫色で痺れると。
膝蓋腱とアキレス腱反射消失
下腿には二期梅毒のようなあわい皮疹
足底には、「もろ」二期梅毒疹的皮疹


編集長の思考(2):
・Palm Soleと陰嚢潰瘍ではHIVやSyphilis
・そうかPalm Sole syndromeで攻められるか・・?(HIV,meaning,IE,Pneumo,HFM,syphilis,atypical measles,rat bite fever,kawasaki, drug, EM)
・DMだから臨床的に認知されてない解剖に病変あるかも。しかし微生物名は?1ヶ月の経過

検査:
・色々培養:(-)
・HIV(-), RPR(-) あちゃ・・
・検尿:RBC<1/HPF あちゃ・・
・画像:胸部、下肢、大脳の単純写、CT正常
・心エコー:陰性
・更に睾丸痛出現。Drop foot(+)

<font color="maroon">編集長の思考(3):
・長期のFUO的、振る舞い+皮疹、末梢神経障害、まるで血管炎
・でも、これは感染症カンファ・・


検査(2):
腸管を栄養する血管に微小動脈瘤


正解:血管炎

編集長の思考(4):
東京に帰ろう

PresenterS先生:ご苦労様でした。

(写真:某レストランのメニュー。文字でなくて絵。)
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