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同じ保育園で2例のHUS(沖縄)

2010-05-04 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
同じ保育園に通う3歳児2人がO157が原因でHUS(溶血性尿毒症症候群)となったと沖縄県が発表しました。ひとりは回復傾向、もうひとりは重症でICUに入院中。

詳細な疫学調査はまだ進行中だとおもいますが、ニュースによりますと、男児らが通う保育所では、その他の園児と職員には腹痛や下痢の症状は出ておらず、今のところ2人以外の症例はでていない、とのことです。
(琉球新報 5月2日)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-161567-storytopic-1.html

4月はじめに、米国シアトルのデイケアでO157:H7のアウトブレイクがおき、4歳児が1人死亡しています。デイケアは閉鎖され、対策と安全確認後に再開するための取り組みが行われています。
http://www.kgw.com/home/Vancpuver-day-care-kids-sickened-by--E-coli-90377479.html

日本でもときどき集団事例が報告されます。
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保育所で発生した腸管出血性大腸菌O157による集団感染事例-いわき市(IASR 2007年5月)

○おむつ交換を1歳児の部屋のカーペットを敷いた箇所で行っており、しかも使い捨て手袋を使用していなかった。
○交換した使用済みおむつの保管場所が、各乳幼児のカバンの中になっていた。
○トイレ後の手洗いがほとんどなされていなかった。
○室内の手ふきタオルが共用であった。
○乳幼児は登園時と保護者の迎えのときは1歳児の部屋に集まっていた。
○毎日の各乳幼児の健康状態のチェックが不十分で、下痢をしている乳幼児の数が増えてきた状態を把握できなかった。

保護者については、子供が下痢気味であることはわかっていたが、元気なので入浴させてしまい感染したようだと話す保護者が多くいて、感染症の認識がなかったことが明らかであった。
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菌はもともと牛などの腸管にいますので、生肉を扱った手や道具、生肉を食べる習慣なども介入ポイントのひとつ。

保育園で低年齢のこどもを、家庭用ビニールプールにいれるのもやめがほうがよいと個人的には思っています。

自分の子どもについては保育園に対して「入れないでください」と念をおしました。
保育園はあっさり了解してくれましたし、その理由については熱心にきいてくれました。
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