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フィリピン(国内で診断された2例目)のMERS症例

2015-07-09 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
7/4に検査でMERS-CoV感染がわかった、フィリピン国内2例目は7/6に公表されました。

国内での診断の輸入症例は2例目で、先にサウジアラビアの病院勤務の20代看護師が診断されてます。
フィリピンは英語力を武器に労働者を国外にたくさん出して外貨を稼いでいる国の一つですが、得に医療者は中東にたくさんでかけています(お給料もよいので!)

このため、現地で感染、治療して回復してるフィリピン人医療職は他にも複数います。

2例目はドバイからマニラに来た外国人男性36 歳と報道されていましたが、さらに細かい情報が公開されました。
個人特定されちゃうんじゃないか、とおもうほど細かいですが。。。接触者対応の範囲と判断されたのでしょう。伏せるとそれだけで、別の混乱につながるマターでもあります。

この男性は6/10から18までサウジアラビア滞在。
6/18 ドバイでオーバーナイト、その後マニラに入国。

マニラに入国して3日後にマレーシアとシンガポールに渡航、6/25にマニラに戻りました。

この間は無症状です。

7/2に発熱や咳症状があり受診、病院は自宅にいるようアドバイス。この病院で検体をとってます。
検査結果を聞きにいったら病院がしまっていたので、この男性は別の病院にいったのですが、そこでキャッチされ、救急車で感染症専門機関に搬送されました。


あちこち受診というのはどこでもおこりえますね。
それは防ぎようがありませんので、感染対策の基本に立ち返るしかありません。

日本でも今回のMERS騒動では、クリニックのほうが現実対応をし、自治体から予算をもらってる第二種感染症指定席医療機関のほうが???な対応をしてました。

MERS疑いは受け入れないとか、血液検査は危ないからしないとか(なぜに)、人工呼吸器は使わないとか、陰圧がもにょもにょとか。

報道を見た看護師が、床の消毒はどうすればいいのか混乱したり。

年度内には勉強会も各地であると思いますので、院内や地域で何が足りないのか、2009年のインフルエンザ騒動、2014年のエボラ騒ぎで何を学び何が残ったのか整理が進むとよいですね。

CIDRAP
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