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第7回プライマリケア診断塾 「内分泌疾患 診断と治療のポイント」Q&A

2019-10-14 | Aoki Office
お待たせしました。
第7回プライマリケア診断塾 「内分泌疾患 診断と治療のポイント」Q&A

①チラーヂンの非経口投与法について教えてください。
【回答】
静注製剤は残念ですが日本では発売されていませんので、重症例では粉砕して注腸か経鼻胃管で使用します。


②甲状腺腫大の定義がよくわかりません。見た目でわかるくらいであれば大きいとして良いのでしょうか。
【回答】
 はい、見た目だけで分かれば、かなり腫大しています。必ず、甲状腺の触診を習慣づけてください、正常ではほとんど触れません。


③甲状腺全摘後の甲状腺機能低下症でもTSH正常範囲を目安にチラージンSを補充、維持量投与すればよろしいでしょうか。
【回答】
 はい、その通りです。バセドウ病や甲状腺癌の術後では、TSHを正常範囲を保つように補充療法が必要です。


④半年以上続く無痛性甲状腺炎はありますでしょうか?
【回答】
 はい、通常は3〜4ヶ月間で正常化します。半年間以上も甲状腺機能亢進が続く場合は、バセドウ病を疑い、甲状腺自己抗体(TRAbとTSAb)を再検査してみましょう。無痛性甲状腺炎は、バセドウ病の寛解期に発病する場合もあります。また、約2%ですが自己抗体が陰性のバセドウ病もあります。


⑤高血圧症、糖尿病や脂質代謝異常というのは、それぞれが症候群であると感じました。その背後に隠れたものを考えないといけないと。
【回答】
 はい、おっしゃる通りですね。高血圧症と糖尿病がある場合は、必ず原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫は否定してください。また、高コレステロール血症では、必ず甲状腺機能低下症の除外が重要です。


⑥降圧薬内服中患者でPAスクリーニングを行う際はACEI/ARBと利尿薬を6週間中断してその間はCCBに切り替えるのが現実的でしょうか。
【回答】
以下が、日本内分泌学会のガイドラインでの推奨です。ACEI / ARBは、継続しても大丈夫です。
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利尿薬、抗アルドステロン薬、β遮断薬を服用している場合は、原則的には血圧に注意しながら、利尿薬と抗アルドステロン薬は6週間以上、β遮断薬は2週間以上前に、ほかの降圧薬に変更し、ARRを測定する。ほかの降圧薬としては、血管拡張薬のブドララジン(商品名:ブテラジン)、一部のα遮断薬やカルシウム拮抗薬が挙げられる。

 
⑦MMIはFT4値に応じて初期投与量を設定するようになっていますが、先生はどのような所見を指標に投与量を判断されていますか?
【回答】
以下が、日本甲状腺学会の「バセドウ病治療ガイドライン 2019」での推奨です。
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未治療バセドウ病患者への初期投与量として、軽症から中等症(FT4値 5ng /dL未満)のバセドウ病ではメルカゾール15mgで十分であり、安全性の面からも30mgは控えるべきである。

重症と考えられる症例(FT4値 5ng /dL以上)では、メルカゾール30mg単独投与と比較してメルカゾール15mg +KI 50mg(無機ヨウ素として38.2mg)の併用が効果および安全性の面で優れている
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