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インフルワクチンのシーズンです

2011-09-15 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
インフルワクチンのシーズンに向けて準備中の医療機関&感染管理チームの方も多いと思います。

いくつかの会社がワクチンをつくっていますが、第一三共分の出荷が遅れるというプレスリリースが2日前にありました。在庫の問題などでまた混乱しないことを祈ります。

このワクチンは自分だけでなく家族や周囲の人を守るためという意義が重視されています。
医療者は院内の健康に問題のある患者を保護するためにも接種が強く推奨されている対象です。

が、国や地域、医療機関によってその接種率は幅があります。

新型インフル騒動のときには、「職員の接種は義務」として病院もあり、一部例外(アレルギーの既往や信仰・思想上の理由など)をのぞき、接種しないなら解雇というような強硬路線もありました。医師や看護師以外、職員全員というのは手間も予算もすごい規模になります。


今年のニュースとして、ボストンの2つの教育病院が職員の接種を義務化する話がありました。

Two Boston hospitals mandating flu shots for workers
Boston.com 9月13日

Beth Israel Deaconess Medical CenterとChildren’s Hospital Bostonです。

目的は職員の健康と患者への感染拡大阻止。
インフルエンザのピーク時の職員確保のため。

マサチューセッツ州の2009-2010年シーズンでのワクチン接種率は68%と低く、関係者をいらだたせていました。

Beth Israel Deaconess Medical Centerは60%、Children’s Hospital Bostonは53%でした。

(義務化した病院では98%近い接種率となったことが専門誌や学会などで報告されています)

これを「患者の安全の問題」と考える責任者らが積極的な接種に動き始めています。

接種した人の特徴として、その89%がインフルエンザワクチンがなにがしかの防御効果を信じているのに対し、接種しなかった人ではそれが45%程度だったと記事で紹介されています(あたりまえといえばあたりまえですが)。

日本の病院は職種ごとに差があるときいています。
皆さんの病院はいかがですか?

米国小児科団体のmandate flu vaxについての説明。
米国はインフルワクチンの種類もたくさんあって、接種するにしても選択とかたいへんそうです。

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