感染症診療の原則

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麻疹(都内、被災地)、結核(佐賀)

2011-04-17 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
4月15日に、感染症関係者に衝撃的な話題が2つリリースされていました。
麻疹と結核です。

桜の咲く頃は麻疹が流行するシーズンでもあります(年間いつでも発症しますが)。
Indexケースの発症時期をみると、ここ1週間くらいの間に2次感染した人が受診する可能性がありますので、index caseが行動をしたエリアでは医師会等を通じてアラートを出して注意喚起をすべき案件です。
(・・しているのかどうかわかりませんが。それが麻疹排除を目指して取り組む、排除宣言レベルの国の取り組みです)

4月15日の国立感染症研究所感染症情報センターHPのトップページに、麻疹についての注意喚起文書が掲載されています。
【緊急情報】被災地における麻しんについて

外国人ジャーナリストが被災地取材のために来日し、成田→都内→近郊被災地(近い、となると茨城、千葉、福島か?)と移動をしたということです。

ここに受診をした医療機関の所在地が書いてないのは謎です。
このほか、諸外国では利用した交通機関(地下鉄、バスなど)や滞在したエリアも広報されます。これは曝露をしたかもしれないお子さんのいる保護者への情報提供となります。

情報開示について、何を最優先しているのか、疑問が残ります。
(こんなときだから原発情報問題とねっこはいっしょかと感じます)


もうひとつは結核。こちらは佐賀県のニュースです。
結核じたいは毎週日本で三桁の報告がある感染症なのですが、治療薬の効かない耐性結核が問題になっています。

複数の薬が効かない多剤耐性結核、そしてそれがさらに深刻になると「超」多剤耐性結核といわれます。

「結核の集団感染がありました」 佐賀県HP 4月15日 報道発表資料

とありますが、公衆衛生上のインパクトは「治療が難しい結核」が、ということにあります。

報道資料には症例の情報等が掲載されています。

ProMedには掲載されていません。
日本語ページのリンクが右下にあるのですが、リンク先のFORTHは工事中。

今後、疫学調査の詳細も報告されるのではないかとおもいます。
地域に他に広がっていないのか。確認は菌の情報をもとに検討されます。

「結核集団感染事例における分子疫学的解析法としての Variable Numbers of Tandem Repeats 法の検討」
東京都衛生研究所 2007年
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