感染症診療の原則

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ICAAC/ICC 2015 Keynote講演#5

2016-02-12 | 青木語録
腸球菌E.faeciumの続きです。
演者はテキサス大学のBarbara Murray先生

BacitracinなどでGut Decontamination

Tran TT
Oral Bacitracin: A Consideration for Suppression of Intestinal Vancomycin-Resistant Enterococci (VRE) and for VRE Bacteremia From an Apparent Gastrointestinal Tract Source.
Clin Infect Dis. 2015 Jun 1;60(11):1726-8.
PMID: 25697741

・移植症例でDaptomycinで腸管のVREをDecontaminateするとDaptomycin耐性株を呼ぶ
・VREをDecontaminateするのにBacitracinを使用すると再発が問題になった。(1995年当時)
しかし一過性に押さえられれば、そのうち好中球減少症の時期を越えられるのではないか・・というアイデア。
・上記のCIDの論文は免疫不全症例でVREの菌血症が消せない。Sourceを探すが不明。唯一怪しいのは腸管の炎症。
そこで腸管からのVREがTranslocationしているのでは・・の想定のもとにBacitracinを使用し血培を陰性化した。
・ちなみにBacitracinとDaptomycinの交差耐性の問題は出ていない。

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Fecal transplant

Jang MO
Refractory Clostridium difficile Infection Cured With Fecal Microbiota Transplantation in Vancomycin-Resistant Enterococcus Colonized Patient.
Intest Res. 2015 Jan;13(1):80-4.
PMID: 25691847

コメント:
・”糞移植”はCDIには効いたが、VREの腸管保菌状態には、あまり有用ではなかった。

Doron S
Effect of Lactobacillus rhamnosus GG Administration on Vancomycin-Resistant Enterococcus Colonization in Adults with Comorbidities.
Antimicrob Agents Chemother. 2015 Aug;59(8):4593-9.
PMID: 26014940

コメント:
・Lactobacillusの使用もVREの腸管保菌状態にはImpact無し。
・但し同時に使用した抗菌薬がLactobacillusを殺していたかも・・

―――――――――

NSAIDとPPIは共に腸球菌を増やす。

Freedberg DE
Proton Pump Inhibitors Alter Specific Taxa in the Human Gastrointestinal Microbiome: A Crossover Trial.
Gastroenterology. 2015 Oct;149(4):883-5.e9.
PMID: 26164495

コメント:
・NSAIDを使用する時に胃を守るためにPPIを使用する場合があるが、NSAIDSもPPIも腸管の腸球菌を増やす。
(恐ろしや・・?)
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