米国で研修をされた先生方は診療経験があるかもしれません。
LGVはクラミジアの一種が原因でなる性感染症で、これまでにヨーロッパや北米でアウトブレイクがおきています。
日本でも治療をした(らしい)というドクターのことを聞くのですが、検査・報告システムが確立していないためよくわかっていません。
写真
Ulcerating STDs and HIV: A Cause for Concern
しかし、あるアウトブレイク時の調査では、LGV関連症状(鼠径部リンパ節腫脹、有痛性性器潰瘍)があったのは1例のみで(62例中)、他は消化器症状(膿性あるいは粘液性の肛門分泌物を伴った血性直腸炎、便秘)が主で、このため、潰瘍性大腸炎と誤診されている人達がかなりいたとのことです。
日本の学会でもほとんどみかけません。まだ輸入されていないのか、気づかず別の診断をされているのかわかりません。
米国でも検査アクセスがよくないためCDCが直接検体をあつめていたりします。
IDSAなどで、直接CDCのここに電話して検体をおくってね(無料)、日本からでも検査するわよ!といわれました。
クラミジアの一種ですが治療が異なります。薬は日本にもあります(ヨカッタ)。
Doxycycline 100 mg PO bid 21日間
Erythromycin base 500 mg PO qid 21日間
英国では今年度最初の四半期で、昨年度の倍レベルに報告が増加しています。特に、ロンドン、マンチェスター、ブライトン地域での増加が顕著です。
多くはバイセクシュアル、ゲイ男性で、4分の3はHIV陽性症例です。
LGVの症状のある男性と、症状はないけれどチェックアップにSTDクリニックに来た男性でのケースコントロールスタディを実施。LGVのリスクを多変量解析で検討。
無症候群と比較をすると、症状有り群では、HIV陽性(odds ratio2.7)、フィスティング あり (8.5)、コンドーム無し肛門性交・受け側 (3.0)、予防無しセックス・挿入側(1.7)、 backrooms使用 (1.6)、サウナ利用(3.3)、ネットでパートナー探し(1.8)、クリスタル・メス(薬物のひとつ)使用 (2.7)。
最終的に統計学的に関連が確認されたのは、フィスティングとサウナの利用でした。
症状あり群でのLGV診断群と非LGVの比較では、HIV陽性(1.5)、性交相手が10名以上 (1.6)、防御無しの肛門性交の受け側 (1.4)、防御無し性交の挿入側(4.8)、体液(精液や尿)に直接ふれあうコミュニケーション,(1.8)、白人(2.5)、性交専用の施設の使用 (2.0)、インターネットを通じた出会い (1.1)、セックス・パーティーへの参加(1.3)、クリスタルメスの使用(1.3)、バイアグラの使用 (1.2)が統計学的に有意でした。
複雑な因子が存在していることがわかりますが、著者自身が真のリスク、関連性の検討については課題があると指摘しています。
LGV症例はすべて肛門周囲にできていました。
HIV陽性であることはLGV発症の直接のリスクではないと考えられていますが、HIV陽性者どうしで性交相手をみつけるSero-sorting(セロステイタスをあわせる)が影響しているのではないかということも指摘されています。
Take home messageとしては、ルチンのSTD検査の中で確認しよう、ですが。これは流行レベルに依存しますね。MSMの多い地域ではそのような話に日本でもいずれなるのかもしれません。
以前聞いた話では、いくつかの大学の研究室が対応できるかもというおはなしでした。
通常ルートでまず地方衛生研究所、感染研にきくのもよいかも。
Powers C et al. Substantial increase in cases of lymphogranuloma venereum (LGV) in the UK. BHIVA/BASHH conference, Manchester, 2010 (no abstract submitted).
Ward H et al. Risk factors for acquisition of lymphogranuloma venereum: results of a multi-centre case control study in the UK. HIV Medicine 11 (supplement 1), O36, 2010.
Source: AIDS MAP
LGVはクラミジアの一種が原因でなる性感染症で、これまでにヨーロッパや北米でアウトブレイクがおきています。
日本でも治療をした(らしい)というドクターのことを聞くのですが、検査・報告システムが確立していないためよくわかっていません。
写真
Ulcerating STDs and HIV: A Cause for Concern
しかし、あるアウトブレイク時の調査では、LGV関連症状(鼠径部リンパ節腫脹、有痛性性器潰瘍)があったのは1例のみで(62例中)、他は消化器症状(膿性あるいは粘液性の肛門分泌物を伴った血性直腸炎、便秘)が主で、このため、潰瘍性大腸炎と誤診されている人達がかなりいたとのことです。
日本の学会でもほとんどみかけません。まだ輸入されていないのか、気づかず別の診断をされているのかわかりません。
米国でも検査アクセスがよくないためCDCが直接検体をあつめていたりします。
IDSAなどで、直接CDCのここに電話して検体をおくってね(無料)、日本からでも検査するわよ!といわれました。
クラミジアの一種ですが治療が異なります。薬は日本にもあります(ヨカッタ)。
Doxycycline 100 mg PO bid 21日間
Erythromycin base 500 mg PO qid 21日間
英国では今年度最初の四半期で、昨年度の倍レベルに報告が増加しています。特に、ロンドン、マンチェスター、ブライトン地域での増加が顕著です。
多くはバイセクシュアル、ゲイ男性で、4分の3はHIV陽性症例です。
LGVの症状のある男性と、症状はないけれどチェックアップにSTDクリニックに来た男性でのケースコントロールスタディを実施。LGVのリスクを多変量解析で検討。
無症候群と比較をすると、症状有り群では、HIV陽性(odds ratio2.7)、フィスティング あり (8.5)、コンドーム無し肛門性交・受け側 (3.0)、予防無しセックス・挿入側(1.7)、 backrooms使用 (1.6)、サウナ利用(3.3)、ネットでパートナー探し(1.8)、クリスタル・メス(薬物のひとつ)使用 (2.7)。
最終的に統計学的に関連が確認されたのは、フィスティングとサウナの利用でした。
症状あり群でのLGV診断群と非LGVの比較では、HIV陽性(1.5)、性交相手が10名以上 (1.6)、防御無しの肛門性交の受け側 (1.4)、防御無し性交の挿入側(4.8)、体液(精液や尿)に直接ふれあうコミュニケーション,(1.8)、白人(2.5)、性交専用の施設の使用 (2.0)、インターネットを通じた出会い (1.1)、セックス・パーティーへの参加(1.3)、クリスタルメスの使用(1.3)、バイアグラの使用 (1.2)が統計学的に有意でした。
複雑な因子が存在していることがわかりますが、著者自身が真のリスク、関連性の検討については課題があると指摘しています。
LGV症例はすべて肛門周囲にできていました。
HIV陽性であることはLGV発症の直接のリスクではないと考えられていますが、HIV陽性者どうしで性交相手をみつけるSero-sorting(セロステイタスをあわせる)が影響しているのではないかということも指摘されています。
Take home messageとしては、ルチンのSTD検査の中で確認しよう、ですが。これは流行レベルに依存しますね。MSMの多い地域ではそのような話に日本でもいずれなるのかもしれません。
以前聞いた話では、いくつかの大学の研究室が対応できるかもというおはなしでした。
通常ルートでまず地方衛生研究所、感染研にきくのもよいかも。
Powers C et al. Substantial increase in cases of lymphogranuloma venereum (LGV) in the UK. BHIVA/BASHH conference, Manchester, 2010 (no abstract submitted).
Ward H et al. Risk factors for acquisition of lymphogranuloma venereum: results of a multi-centre case control study in the UK. HIV Medicine 11 (supplement 1), O36, 2010.
Source: AIDS MAP