Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

USCシーグラントカレッジ主催 Teacher’s workshopを視察。

2009-01-27 | シーグラントカレッジプログラム
 サンジエゴから北へ2時間,ハイウェイを走るとロサンゼルスにつく。ここにはUSCシーグラントの本部がある。こちらのシーグラントは,市民教育と学校教育に力を入れているシーグラントである。実際に,週末に開催されたTeachers' workshop を見学した。

 本日のテーマは,移入種の海藻について である。場所は,海洋ほ乳類ケアセンター。この施設はサンペドロ市にありロスアンジェルスの学校区が運営している学校教育用の実験施設。小さな施設であるが,学校の先生たちが利用しやすいようにできており,専門のスタッフもスーパーバイザーとして配置されている。後ほど,サンペドロ高校の科学の先生にも伺ったが,小学校から高校生まで有効に活用しているという。

 まず,実験室で海藻の観察。海藻が本日の大きなテーマである。まず,海藻の分類について実物の海藻を使いながら学ぶ。参加しているのは地元の高校の科学のTeacherが中心である。マリンバイオロジーを専門に教えている先生もいる。

 次に,講義室に移りシーグラントカレッジエクステンションのアドバイザーから「潮間帯における外来種の問題」について講義があった。例えば,金魚は全米各地に分布しを拡大している。ミノカサゴは東海岸全域。そして,カルフォルニア沿岸で問題になっているウミブドウ(Caulerpa)の仲間などが紹介された。

 さらにこの講義後に,シーグラントの教育専門担当者(Educator)からこの問題について,どのように各学年にあわせて教えればいいのか,解説があった。例えば,ライオンフィッシュ(ミノカサゴ),東海岸一帯に分布し問題になっている。小学1年生の例では,1週間にわたり,教室内に隠されたライオンフィッシュを探す。そして,それがどこにあるのか,そして大きさはどの程度なのか,休み時間に観察させる。そして,最終日にどのような場所に隠れていると見つけやすいか,どのような場所が探しにくいのか等を議論させる。

 午後は,タイドプールに出向き,実際に観察を行った。高校の教師たちは大変満足した様子であった。こうした教員向けのワークショップは海洋教育以外にも,スペース教育,エンジニア教育等様々なものが用意されているようだが,シーグラントは先駆けのようである。

 教師向けのこうしたプログラムを大学に所属するシーグラントカレッジ教育担当者(Educator)が実施することで,最新の研究成果をダイレクトに伝えることができる。また,大学の研究者にとってもアドバイザーや教育担当者の解説が入ることで理解を促進させることができ効果的である。日本には,まだこうした施設や研究機関と教育現場をつなぐ人材は整っていない。進歩の著しい科学教育を推進する上でこうした体制を整えていくことは,喫緊の課題であろう。

Teachers' workshop held by USC Sea Grant
This workshop was conducted by USC Sea grant and COSEE West collaboration.
This workshop was programed using Learning cycle. This theme was invasive species. The scientific knowledge was informed by sea grant extension staff, after that COSEE West educator lectured how to teach about this problem in your class.