宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

堂平の宇宙(そら)から9

2018-01-31 17:26:00 | 堂平の宇宙(そら)から
堂平天文台91cm反射望遠鏡改イギリス式



技師長の笠原です。
イヤ、この”改”ってところが大変で難儀するんですよコレハ。

スペックと経緯です。





現在、月2回の定期保守を実施しているのですが、
1日で出来ることはごく僅かです。
少しずつ、チョットずつ悪い所を直して行きます。

2017年12月25日 主鏡カバー開閉電源用スライダック交換


55年前の東芝製スライダックですが、もうボロボロでした。
右が交換した新しいものです。

主鏡の蓋は花弁式開閉機構となっています。


ちなみに、これが副鏡部


プライム焦点には2インチカメラが付くように改造されています。


副鏡を取り外してコレクターレンズなどを入れますが、
上のホイストを使って行います。最近はやっていないようです。


赤緯軸粗動機構はバランスウェイトの中に組み込まれています。
まずは、バランス崩れ対策。ロープも張ります。


ウェイトの蓋をクレーンで吊って外します。


キャットウォークへ退避


これが赤緯軸の粗動モータです。


分かりますかね?右下奥のギザギザクラッチ。
直動ソレノイドで粗動モータの動力を繋げたり、切り離したり
しています。




赤緯軸ロータリーエンコーダがこんな所にあります。


赤緯軸のスリップリング機構




エンコーダケーブルは流石に直出しです。


赤緯軸微動はタンジェントスクリュー式で、±2度しか動きません。




何枚ものフロッピーメディアがディスク面クラッシュしていました。
今時はフロッピーメディアの取り扱いを忘れていても・・・
いや、もしかして知らなくても? 全く不思議ではありません。




フォフォフォ、 露骨に書いてしまった。(V)o¥o(V)

動態保存が出来れば良いと言うけれど、
それってか~なり大変なことですよ。55年前の機械ですから。
今日のドーム内は、-1.5℃と大した冷えではありませんでした。
それよりも、雪が凍結して道が怖いですよ。
本当にツルッツル!!

コメント (13)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 30cmクラスの下方通過 | トップ | ☆男(hoshiotoko)宇宙(そら... »
最新の画像もっと見る

13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (taki0652371)
2018-02-04 17:00:59
☆男さんこんにちは
興味深い情報ありがとうございます。
動力の伝達など各部の動きを想像しながら拝見させていただきました。
もちろんこんなデカいのに手を出す気はないですし、まぁそんなことも
あり得ないでしょうが。(でも触ってはみたい気もしたりします)
こういうのをそのままで保存・保守していくのも大変ですね。
最新の自動導入などの制御系で動かすこともそれほど難しくないでしょうし、
そのほうがコストがかからないかもしれませんが、やはり現役当時のままが
技術的価値がありますね。
でも、機器や部品は確実に摩耗・老朽化していくし、部品も手に入らなく
なっていきますからね。
現在でもフロッピーベースで動いているなんて驚きですね。
今の人はフロッピーの中に何が入っているかご存じないでしょうね。
媒体もそうですが、現役でまだ生きているドライブがあるのも貴重です。
私も昔のプログラムを動かすためにPC-9801を何台か持っていますが
大抵フロッピードライブは2台のうち1台が動かなかったりします。
先日SASIのHDDもお亡くなりになりました。
返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2018-02-04 19:01:28
taki0652371さん

SASIのHDDですかあ!
私はTK-85のアセンブラで育って、PC-8001とFM-8を
抱いて眠り、中野主一さんのマイコン天文講座をボロボロに
なるまで使い倒しました。PC-9801Vmが出たときはスパコンに
見えたもんです。軼纏劼
返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2018-02-04 19:11:04
taki0652371さん

あれ?もっと沢山書いたのに文字化けして終わっとる。
Little A80を買ったときには、もうHDDの容量には困らない
だろうと思ったものです。
Nikonが制御系の大改修を行った1990~1992年は、
丁度Dos/V機が台頭してきた頃で、私も測定器に98を使うか
PC-ATの黒船に乗るか大いに悩みました。
特に640×400ドットの壁を破った事と、16bit越えの色を扱える
グラフィックボードにはグラグラきましたねえ~。

そんな時、NikonはPC-9801の5inch FDDで作ったんですね。
この辺りの話は面白くて尽きませんね!
返信する
Unknown (taki0652371)
2018-02-04 22:10:25
☆男さんこんばんわ
私は、TK-80から入ってFM-8、PC-9801といきました。
そして気が付くと、某IT機器のフォームウエア屋さんになってました。
さすがにもう自分では書いてませんが。
アセンブラがあたりまえの時代に育ったのですが、最近の人たちは
ファームウエアでもC言語なので、もちろんアセンブラも知りません。
デバッカーで1ステップずつ解析してた、なんて言っても「何言ってんの?」
の世界です。
ちなみに、まだ個人的には8インチのフロッピードライブ持ってます。
さすがにいつ壊れるかわからないので、媒体は3.5インチに全部コピーしましたが。
返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2018-02-04 22:45:56
taki0652371さん

天文屋で8インチと言えばC-8な訳ですが、
FDDとなると、例のズモー、ズモー、ズモー、ガッション、
ガッション、ガッション!って奴でつね。
しかし、
昔掘った蟻塚を、こんな所で再発掘するとは・・・思わなんだあ~
Zー80とマクロアセンブラには、だいぶ喰わせてもらいました。
さじアストロパークの特製大型デジタルカウンターは、
ROM Disk化したPC-9821からの8bitパラレル信号を4つの
カウンターにカスケード接続してアドレッシングしました。
CPUはZ-80系の高速バージョンだったと記憶しております。
最終的にGUI用PCをPICMGの産業用19inchラックPCに変更し、
WindowsNT4.0にアップグレードしました。
ここまでが私の仕事で、1999年完結です。
今はどうなっているのだろうか?

未だに思うことは、PC-9801系とhpベクトラ系は本当に
良く出来たパソコンだったと言うことです。
PC-AT系の電源や鈑金、アース処理など、どれひとつとして
良いと思ったことは有りません。
でもソフトウェア資産が凄かった。
だから私は1992年以降、Cバスを使わなくなりました。
返信する
Unknown (miner)
2018-02-05 22:07:38
91cm凄いですね~。
DSOを撮影してみたいものです!

そして昔話...
じぶんはもう少しだけこっちの世代ですかねえ。
PC-8001mk2でN80-BASICがとっつきでした。
かえってアセンブラを本格的に使ったのは最近でPICマイコンだったりして...。
最近は横着してArduinoですが、なかなか楽しめます!


返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2018-02-06 08:47:52
minerさん おはようございます。

堂平天文台のドーム内ロッカーにあった5インチFDをチェック
していたら、N88 BasicコンパイラやQuick Cが出て来ました。
一太郎なども有り、時代を感じました。
PICは私も出現当初からいじっていて、16F84Aで何処まで出来る
のかイロイロ試しました。90s用モータドライバ2軸を1個の
16F84Aで実現するにはアセンブラじゃないと無理でした。
PIC Basic Proも使いやすいですが、追尾周波数生成などの
クリティカル制御が出来ませんでした。

Dos/V黎明期からWindows3.1が出るまでが最高潮に楽しかった。
FIBM_PROの話とか、誰か知らないかなあ~。
返信する
Unknown (星爺)
2018-02-07 05:32:34
星男様 すっかりリストアされたスカイマックスのイギリス式赤道儀を拝見しました。楽しみですね! 拙ブログでもご紹介したので、ぜひ見てください。内容に間違いがあったらご指摘ください。シェイクダウンの日には見学に行きたいです。
堂平の91cmの整備もがんばってください。
下に拙ブログ「星爺から若人へ」のURLを掲げます。
返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2018-02-07 21:24:35
星爺さん

今日もドーム内はマイナス3℃一定でした。
天体写真を撮っているときと違い、大きな金属を触る仕事は
かなり寒いですね。
ブログリンクを張らせて頂き・・・って、あれ?
まだ張っていませんでした! すっかり張った気になって
いました。昨日は平時の3倍もアクセスがあったのは、
星爺さんのブログでご紹介頂いたからだったのですね。
凄いなあ~。
おかげさまで正月早々楽しませて頂きました。
昨日正確に重量を測定したところ、C-14コミで205Kgでした。
北ピラーはなんと61Kg! イイ感してました。

堂平天文台91cmは、今日の調査で大変に面白いことが判明
しました。60年前の設計時、大径ベアリングは一般的で
無かったようです。他にもアレコレ・・・
書いて良いのか悪いのか、え~い書いちゃえ!
乞うご期待。
返信する
Unknown (miner)
2018-02-08 00:45:55
仕事とはいえ大物の整備は大変そうです~。
イギリス式つながりとはいえ、例の奴はそういう経緯でレストアされてるんですね。
早ければ今週末登場でしょうか。

PICのアセンブラは16F84A,16A873辺りを使ってましたが、なかなか独特な命令でした。
あとDOS/Vといえば漢字フォントをオフスクリーンエリアに置いてがんばってましたが、当時はそのつくりが好きになれませんでした。(汗)
そんなこともあってPC-98のあとはUNIX系(SONYのNEWSや、NECのEWS等)に行ってしまったので、DOS/VはPentiumPro+WindowsNTくらいまで縁なしでした、私の場合。
返信する

コメントを投稿

堂平の宇宙(そら)から」カテゴリの最新記事