うべプラネタリウムに．．． (32)

投影要請があると、あらかじめ、星についての質問を集めてもらうことにしている。
質問が届くのが投影日に近いときは、回答書を用意するのに、徹夜まがいの夜更かしをしなければならない。
質問は、たった一行でも、回答はA4一枚にも及ぶこともある。
この作業には、私は、かなりの思いを込めているのである。
子どもたちは、大人が真摯に対応してくれたことを、意外と強く印象に残しているからだ。
「星の下では平等」と言い放つなら、どんな質問にも真剣な対応をしなくてはならないだろう。

あるとき、寄せられた質問(小学校４年生)の中に、「宇宙で一番めずらしい星はなんですか」とあった。
こんな質問の回答は、主観でいいわけだし、独断でかまわないのだけれど、最も 回答に意を込められる「おもしろさ」がある。
一瞬の濃密な思考の後、ワープロの指の方が先に動き出したような気がした。

　宇宙で一番珍しい星か．．．．、
　　　いの一番、ダントツにめずらしい星、奇跡の星 ．．．．
　　　それは「地球」だ。
　　 だって、この星には、君がいるじゃないか。
　　 友達がいるじゃないか。
　　 宇宙で たったひとつの生命があるじゃないか。