うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

北のロケット....(12117)

2012年04月13日 21時37分29秒 | うべプラネタリアン
ミサイルだろうが人工衛星だろうが、お粗末な技術は、ただそれだけのことである。
ちいっとも進歩していないし、ふんとせせら笑うしかない。

数日前、北の国から打ち上がるロケットは山口県から見えないかという話があったが、
山口から種子島のH2Aは見えても、東倉里は無理だろうと応えておいた。
見えるとすれば角島か川尻岬だろうが本州西はずれとはいえ、意外と東側なのだ。
深々と朝鮮半島が視界を切るし、何日の何時かがわからぬでは待機のしようがない。
さらに、ロケットは小型だ。
また、昼間の打ち上げだというし、北側はいつも霞が深い。
一番肝心なことは、興味がない。

それにしても衛星なるものをTVで流していたが、本気であれをあげる気だったんだろうか。
見るからにお粗末だったが、あれで何を観測したかったんだろう。
人工衛星は、打ち上げてどんな仕事をするかの道具だ。いわば観測手段。
北の国は打ちあげることを目的化している。手段と目的のはき違えだ。
それに、説明の技術者らしき人物がハンドマイクをぶら下げて語っているのは噴飯ものだった。

それにしても宇宙技術の名を借りて、お粗末な演出に踊らされる国の民が気の毒ではある....

マゼラン雲....(12116)

2012年04月13日 17時58分24秒 | うべプラネタリアン
昨夜、NHKの Cosmic Front を見ていたら、マゼラン雲の話をしていた。
おもしろかった。
南半球で見える天の川の切れっ端のような銀河は天の川銀河の伴銀河として、
地球と月のような関係と見られていたが、最近の研究ではとんでもないことになっているようだ。
ハッブル宇宙望遠鏡で、マゼラン雲の動きをはるか遠方のクェーサーをバックにして、
4年に渡る観測をした結果、猛烈なスピードで動いていることがわかった。
このスピードは、伴銀河的に天の川の周囲を回るのではなく、遠くから来てたまたま
天の川の側を通りかすめて、遠くへ過ぎ去ってゆく、通りがかりを示しているという。
しかもマゼラン雲のごとき小型の不規則銀河は、ビッグバン直後の宇宙創生期に見られる形で、
マゼラン雲の中に含まれる超巨大星雲や恒星も、宇宙創生期に多く見られたものだというから、
どうやらとてつもない過去の銀河の生き残りが、全く偶然に天の川銀河の畔にやってきて、
それが間近に見えているということらしいのである。

こんな話は、明日の生活のためになぁんにも役に立たないようだが、ワクワクするような
知的なときめきをアラセブに与えてくれるんだもの、生きててよかったぁって気がするよ。