うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

太陽南中時刻の研究 1....(10183)

2010年08月18日 20時18分52秒 | うべプラネタリアン
夏休み自由研究に、5年生のユイさんとタイチくんに、太陽南中時間を計測したらどうかと提案した。
日本は、明石(東経135度)における太陽の南中時刻を正午(12:00)として、統一の時報を出している。
決め事としては国内時差は設けてないが、実際の太陽の南中時刻は土地によって異なる。
微妙な時差はあるのだ。
宇部(小野田)は東経131度、明石と4度差がある。1度の時差は(24hX60m÷360°)で4分と出る。
だから16分ずれる。
見かけ上、太陽は東→西に動くから、明石で12:00に南中した太陽は、宇部では12:16に南中する。
それを一定の棒の影の長さで測ろうというものだ。影が最短になった時が、太陽が最高度に
なった時で、すなわち南中時刻を示す。
11:30から12:30まで1分ごとに、棒の先が作る影のポイントをプロットしてゆく。
そんな実測なんて、真夏に行う観察としては地獄である。
熱中症をものともせず、めまいと根性で観測した結果....
ユイさん母子は「ど~しても、12:16にならないんです。12:20くらいになっちゃう。なぜ?」と言う。
タイチくんは「やっと12:16をゲットしましたよ」と誇らしげに言う。
これは、私の指導が悪かった。理論値を先行してしまったのが拙い。
実際は、ユイさんに軍配は上がる。良く観た。すばらしい観察だ。
タイチくんは、理論値にこだわって、実測を見誤ったのかもしれない。
この地では太陽南中時刻は、8/1 12:22、8/15 12:20、8/24 12:18、8/31 12:16 と変化する。
理論値になるのは8/31なのだ。
さあ、それはなぜか。暑さで明石-宇部間の土地が伸びたせいだ(←まさか!)。