中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

中山記念(GⅡ)回顧

2011-02-27 19:26:48 | 回顧
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12.8 - 11.5 - 12.0 - 12.2 - 11.6 - 11.4 - 11.7 - 11.1 - 11.7=1:46.0

国内壮行レースを圧勝したヴィクトワールピサ。始動戦ではあったが、ほぼ万全な仕上がり。下見どころから迫力十分の馬体で、他馬とは次元の違う雰囲気を醸し出していた。久々の1800㍍ということで発馬後は行き脚がつかず自然と後方からの競馬。緩い流れでも慌てることなくじっくりと我慢。有馬記念と同様に、向こう正面でポディションを上げる。3角手前では先頭から4馬身圏内に迫る。手綱は抑えたまま。3角で大外を通ってスパートを開始すると、グーンと加速。だが、4角では大きなフットワーク故に外へ膨れて右手綱を抑えることに。それでも、直線入口で凄まじい脚で一気に先団へ取り付く。坂上で他馬とは違う脚でキャプテントゥーレを振り切り、危なげない勝利を飾った。4角からの脚は本当に凄かった。成長している。決してスムーズな誘導とはいえなかったが、断然人気だけに内を突くこともできなかった。大きなフットワークだが、瞬時の加速ができるし、ダイナミック。堂々、ドバイへ。

久々のキャプテントゥーレは仕上がっていたし、12㌔減でも、馬体の張りはしっかりしていた。ポンと好発を決め、手綱を押してハナを主張する。外からミッキードリームにも迫られたが、すぐに迎える1角でコーワーワークを利してハナへ立つ。そこからは上手くペースを落としての逃げ。残り5ハロンからレッドシューターに早めに来られてペースを上げることになる。それでも、開幕週のパンパン馬場でテンに脚を温存できたことは大きく、直線で二の脚を使い、3着以下を寄せ付けなかった。勝ち馬は別次元。速い時計決着に対応できたのは収穫。脚質的に中山1,800㍍はベスト。マイペースで行ければ実に渋太い。

 発馬でノメる形となったリーチザクラウン。下見どころから落ち着き十分で、輪乗りでも我慢できていた。レースでは折り合いに専念する形で後方から。発馬直後に頭を上げて嫌がり、大トビのため1角では外に膨れる形に。向こう正面でも相変わらず頭を上げて折り合いを欠く。前のヴィクトワールを目標に、3角でスパート開始。ヴィクトワールとは4角からの加速力の差を見せ付けられ、一気に離されてしまう。それでも、直線は大外から良い脚で追い込んできた。開幕週でスローの先行断然有利の競馬。それを考えれば上々の内容だ。武豊Jとしてはテンに息を入れさせることを覚えさせ、終いを生かす競馬に徹する考えと分かったのは収穫だ。直線がもう少しあればもっと伸びていたし、長く良い脚を使えるようになっている。広くて直線の長い府中ならやれることを印象付けた。この馬に対する見方が変わった。陣営と鞍上の努力が実ることに期待。

マルカボルトは暖かくなり、馬体が絞れた。輪乗りでは若干テンションが高かった。横を向いた時に発馬を切られ、出負けしてしまう。最内枠で包まれるリスクを避けるため、すぐさま手綱をしごいて4番手のインをキープする。仕掛けたことで掛ることを心配したが、道中の折り合いはスムーズ。ペースの上がった3角で手綱が動き始め、手応えが怪しい。直線入口では狭いところに入ってしまう。それでも、そこをこじ開けてジリジリ伸びてきた。上位馬とは決め手の差が出た感じだ。ハナへ立って平均ペースの流れに持ち込みたかっただけに出負けは大きかった。勝負根性は光るものがあった。
 
 ブリンカー着用のレッドシューター。下見どころからカリカリしていたが、トモの踏み込みは実に力強かった。大外枠発走のため先行策を狙ったが、馬群が固まったために行けず。仕方なく1角で馬群の直後に控える。流れが落ち着いた向こう正面では抑え切れない感じで大外から進出開始。3角手前では2番手までポディションを上げる。皮肉にもそこからペースが上がってしまい、自身にとってはかなり厳しい流れ。直線では外から一気にヴィクトワールに来られて怯む。それでも、直線は一瞬の脚は示して抵抗した。向こう正面で一気に脚を使い、3角からレースのペースが上がって更に脚を使わされた。大崩れしなかったのは高く評価できる。

 リルダヴァルは好発を決めて馬任せで2番手へ。緩い流れに乗り、折り合いはスムーズ。終始、外からミッキーに被され、3角手前ではレッドシューターに早めに来られたものの、それほど厳しい競馬ではなかった。直線であっさり馬群に沈んだのは不満。連戦続きに加え、中間はびっしりと追われて14㌔減。レース前にスタミナ切れを起こしていた可能性が高い。

 ミッキードリームは輪乗りで騎手を振り落とし、かなりテンションが高かった。久々の影響だろう。テンの脚は示したが、ペースの上がった三分三厘で置かれてしまった。叩いての前進に期待。


阪急杯、中山記念予想

2011-02-26 22:23:01 | 最終結論
阪神11R 阪急杯
◎コスモセンサー
○ビービーガルダン
▲ガルボ
△サンカルロ
×スプリングソング
×ショウナンカザン

ビービーガルダン
前走の阪神C11着は、中間の動きが今ひとつで本調子ではなかった。レースでは好発を決めて手綱を押して先団へ。しかし、外からレッドスパーダに来られると手綱を抑えてしまい、馬もそれに嫌気がさしてしまい、ズルズルと後退してしまう。テンから流れが落ち着いていただけに、流れに逆らう騎乗。この馬にしてはテンもゆったりとした追走だったし、4角ではまだ中団。直線も狙っていた進路をアーバニティに閉められ、馬込みに包まれて戦意を喪失してしまった。揉まれ弱いだけに余計に応えた。前々走のスプリンターズS10着も、テンに手綱を押して一時は2番手をキープするも、外からドッと来られると手綱を引っ張ってズルズル後退してしまう。その結果、三分三里でびっしりと馬込みに包まれ、4角では馬が首を振って嫌がってしまった。はっきりと言って、鞍上と全く呼吸が合っていなかった。今春の高松宮記念2着では、大外枠から揉まれずにスッと3番手の外めに取り付き、直線も馬場の良い大外から末を伸ばした。ブリンカー着用馬で、道中で揉まれると極端に嫌気が差すタイプ。大外枠か、自身より外枠に先行馬がいないことが条件となる。テン乗りのリスポリJがどう乗るのか注目。ベストは1200㍍だが、積極化果敢なレースで揉まれなければ。

コスモセンサー
前走の小倉大賞典13着は、発馬直後に軽く手綱を押して先頭へ。だが、内からシゲルタックが競りかけてきたことで2番手に控える。道中はずっとハミを噛み、力みながらの追走。2角では先頭とは3,4馬身の差があったが、向こう正面でジワッと差を詰めて3角では馬体を併せに行く。早めに動く形になり、外からびっしりと張られる厳しい展開。4角で早くも手応えが怪しくなり、直線はアラアラ一杯。テンに軽く仕掛けたことと、その直後に競りかけられたことで掛ってしなったのが敗因。気分よく走るタイプだけに1800㍍も長かった。前々走のニューイヤーS1着は、久々の一戦。ポンと好発を決めるも、外からゴクホークケンがハナを主張したためにスッと2番手に控える。テンから緊迫した縦長の展開で、4ハロン目から10秒9-11秒2と中締まりの厳しい展開。それを早めに追い掛け、4角では手応えは今ひとつだったものの、直線で粘りに粘って押し切った。勝ちタイムも優秀だし、展開を考えれば価値の大きい勝利だった。一生懸命走るタイプで一貫した流れを得意とする。1400㍍向きのタイプだし、短距離馬としての資質を持っている。前走からの巻き返しに期待大。ここは逃げ不在でレースはしやすい。

サンカルロ
前走の阪神C6着は、落ち着いた流れを道中は後方のイン追走。4角まではたっぷり脚をタメ、直線は馬群になかに突っ込む。だが、前がびっしりと壁となり何度も手綱を引っ張るシーンが。スピードに乗り切れなかった。ようやく坂上で進路を見出して末脚を伸ばすも、時既に遅し。完全に脚を余してしまった。4走前のスプリンターズS3着は、発馬で行き脚がつかず手綱を押して後方2番手に取り付く。その分、インの経済コースをぴったりと追走してロスのない誘導。4角でも内一頭分が綺麗に空き、そこへ突っ込む。だが、直線の坂下で急にダッシャーゴーゴーに進路をカットされ、手綱を引っ張る大きな不利が。そこから立て直して良い脚を使っただけに、スムーズなら勝ち負けになっていたろう。1600㍍以上では結果が出せていないが、1400㍍なら確実に良い脚を使うことができる。ここは開幕週の外枠で、流れが落ち着く公算が高い。条件は厳しいが、決め手はNo.1。

ワンカラット
前走のスプリンターズS5着は、好発を決めてスッと馬任せでスッと好位へ。馬群のなかに入れ、前に壁を作るが抑え切れないくらいの行きっぷり。気を許せばガツンと行ってしまいそうな気配。タメるだけタメて4角でスパートするも、道中の手応えほど反応は良くない。直線でもジリジリとしか伸びなかった。勝ち時計が速過ぎた。前々走のキーンランドC1着は、好発を決めて馬任せで先団へ。道中は前に壁を作ることができず、少しずつポディションを上げて行く形。4角手前からは持って行かれて外めから先頭に立つ形。チグハグな競馬となり、かなり脚を使ってしまったが、直線でもうひと脚使い押し切った。昨年のこのレースは2着。発馬から手綱を押して好位へ。3角から前4頭が競り合い11秒2-11秒3と中締りの展開を離れた6番手追走。4角手前でスパートを開始し直線入口では先頭に馬体を併せる形。頭を上げて嫌がるシーンもあったが、直線で粘りに粘って2着に踏ん張った。追って頭の高い走法で、一瞬の脚を生かすタイプ。ここ3走はいずれも掛っている。1ハロンの距離延長は歓迎とはいえない。久々でここ2走はコースで長めからびっしり追われているが、急仕上げは否めない。逆に太めが残っていれば折り合いは付きやすいだろう。

ガルボ
前走のアーリントンC2着は、スッと馬なりで3番手のインを取りに行く。残り5ハロン地点で2番手にポディションを上げ、4角の下り坂で早めの競馬でシルポートに迫る。流れを考えれば鞍上の好判断。直線は2馬身圏内に捉えるも、そこから差が縮まらない。勝ち馬に二の脚を使われ、ゴール前でジワジワと差を詰めるのが精一杯だった。前々走の阪神C4着は、好発から気合いを付けて3番手のインを取りに行く。終始、経済コースを立ち回るも三分三厘では前がびっしり壁となり、包まれて動けない。直線もエイシンタイガーとレットスパーダが壁になる。ようやく坂上でエイシンを競り落とすも、今度はキンシャサが前に切れ込む。ゴール前も手綱を引っ張るシーンがあり消化不良だった。ペースを問わず、スッと先手を奪える脚はあるし、最後も安定した脚を使える。トモが甘いためにワンパンチ足りないが、ここでも上位争い。デキは絶好。

ショウナンカザン
前走のシルクロードS16着は、4番枠から道中は終始馬場の悪いインを通らされる。砂埃が舞い、かなりの荒れ馬場。4角ではアラアラ一杯で直線は急激に失速してしまった。前々走の淀短距離S1着は、道中は3番枠から馬任せで中団のインを追走。グンと重心を沈めた無駄のないフォームで直線入口では手応え十分。前が壁になっても慌てず。残り300㍍地点で狭いところを割って出る。そこから一瞬の脚で差し切った。以前ほど前に行けなくなり、終いの脚を生かすタイプになった。グリップが利かない荒れ馬場や道悪はさっぱり。開幕週のパンパン馬場は大歓迎だ。ただし、ハミにモタれて走るタイプだけに1ハロンの距離延長は歓迎とはいえない。馬込みを気しない勝負根性はあるので1番枠でも。

フラガラッハ
前走の東京新聞杯11着は、課題の発馬を決めるも、頭を上げて嫌がりその後はハミにモタれて力む。その分、道中で体力を消耗し、直線は馬群に沈んだ。前々走の紅葉S1着は、珍しく発馬を決める。しかし、馬群の中でハミをグッと噛み、持って行かれるようにハナへ。3ハロン目からはハミが抜けて11秒7-11秒8-12秒0とペースを落として脚を溜める。直線で後続を引きつけてからスパート開始。突き放せはしなかったが、何とか押し切った。前々走の1000万戦1着は、発馬で行き脚がつかず道中は腹を括って最後方からの競馬。この日は開幕週で、内の先行馬断然有利の条件。4角から直線も大外へ持ち出すロスの多い競馬。ただ一頭、かなりの距離を走らされながら直線は大きなフットワークでグングン加速。ゴール前で左手前に替えて差し切った。着差以上に強い競馬だった。どうやら馬群のなかに入るとハミを噛む癖があるようだ。現状ではハナを切るか、控えるかの極端な競馬が合う。ひと叩きされ、中間の動きはグンと良化。最終追い切りは四位を背に坂路で豪快に突き抜けた。ハミを抜いてリラックスして走れれば。

スプリングソング
前走のシルクロードS7着は、スッと3番枠から3番手のインを取る。その週はBコース替わりでインはかなり荒れた馬場。終始、そこを通らされ流れが落ち着いたことで馬込みに包まれた。直線では前が壁になったものの、追って案外だった。前々走のシルクロードS1着は、手綱を押して3番手の外を取りに行く。京都スプリント戦だけにテンから激しい争いにはならず、流れに乗れた。直線を向き、一旦は外からケイアイに交わされるなど追ってジリ脚だったが、ゴール前で粘り腰を発揮して叩き合いを制した。今回は1ハロンの距離延長になるが、長期休養明けの3走前がハイペースの1400㍍を2番手から押し切る強い競馬。少しフットワークが硬いとろはあるが、スピード性能と追ってそこそこの脚を使える。今週の追い切りは、坂路で半マイル52秒4-12秒1。馬場の内めを回ったとはいえ、馬なりでこの時計は凄い。動きもリズミカルだった。ひと叩きされてデキは間違いなく上向いている。パンパン馬場で見直し。

中山11R 中山記念
◎ヴィクトワールピサ
○マルカボルト
△リルダヴァル
△リーチザクラウン
×ミッキードリーム

 昨年の皐月賞、有馬記念を制したヴィクトワールピサがここから始動する。久々の一戦となるが、中間は入念に乗り込まれ動ける仕上がりだ。実績は言うまでもない。上がりの掛る中山は最適舞台。相手探し。

 意外と人気がないマルカボルト。前走のAJCC6着は、好発を決めて前へ。無理にハナへ競りかけることなくすんなりと2番手へ落ち着く。ガッチリと手綱を抑えて少し離れた位置で折り合いに専念。3角で掛ったサンライズベガが競りかけてきたために進出を開始。4角では早めに先頭へ並びかけ、直線は一旦先頭へ立つ。坂上で脚色が鈍ってゴール前で失速したものの、見せ場十分だった。前走の内容から2ハロンの距離短縮は歓迎だし、開幕週の馬場に加え、ここは同型が少なく組みやすいメンバー構成だ。中間の動きも良く、前進あるのみ。

 リーチザクラウンの取捨が迷う。ここ2走は課題の折り合いをクリアし、スムーズな追走から末脚を伸ばしている。前走など、意図的に発馬を遅らせて差してきた。だが、リーチの持ち味はスピードの持続力。いくら控えて終いを生かしても、それほど脚を使えない。一貫した流れになりやすい中山1800㍍はベスト舞台と思うが、距離延長になる今回、またもや控える競馬になりそうだ。これでは持ち味が生きない。思い切ってハナを叩いてスピードの持続力を生かせれば、ヴィクトワールを負かす力を持っている。





売上減に歯止めをかけるには…

2011-02-23 00:57:16 | Weblog
 JRAの売上減に歯止めが掛らない。平成7年にあった約4兆円の売上は、平成21年には約2兆5千億円まで激減している。対比で表すと約62.5%。民間会社なら間違いなく責任問題に発展している。JRAは特殊法人のため、そのあたりへの意識が薄いのではと思う。年間数千億円の大金を国庫納付金として納めている超優良法人ではあるが、このままでは未来は暗い。

週刊競馬ブック正月号恒例の土川理事による年頭挨拶では、売上減の歯止め策として、今年の4月より導入される5重勝単勝式への期待が寄せられている。だが、果たしてそうなるだろうか。

今の馬券別シェアを見ると、全体の約4割が3連単で占められている。3連単は最も的中確率の低い馬券であり、少額で楽しむことができる。そうすれば客単価の下落と、回転資金の悪化を招く。買い始めは魅力的な高配当目当てに買い続けるだろうが、当たらなければ次第に離れていってしまう。これで5重勝単勝式が導入されればどうだろうか?始めは話題性と魅力的な高配当目当てに売上は上がるだろうが、当然的中率は極端に低く、次第に売上が落ちるだろう。更に客単価下落にも拍車がかかる。大事なのはリピーターを増やすことである。それを第一に考えるべきだ。

今週の週刊競馬ブックの一筆啓上というコラムの中で、石川ワタル氏が『単勝の魅力はもっと広く世間に宣伝されるべき』とあるが、全くの同感である。単勝と複勝は他の馬券に比べて控除率が5%低く、ファンにとってはお得な馬券である。それを知らないファンは多いと思う。石川氏のコラムにもあったが、これはコマーシャルで大々的に唄うべきである。著名人を起用するよりは、よっぽど効果があるだろう。単勝と複勝は地味な馬券であるものの、もっとも的中率が高い。的中する喜びは何にも代えがたいものがあり、これで儲けることができれば尚、競馬に対して熱中するファンが増えると思う。

私の周りには、『競馬は難しい』、『競馬場は汚い』というイメージを持つ人が圧倒的に多い。しかし、一歩競馬場へ来てみると、生の競走馬の迫力、綺麗で広大な競馬場に圧倒される者がほとんどである。東京競馬場へ足を運ばれたことがある方はご存知さろうが、本当に今の競馬場は綺麗である。

競馬総人口はピーク時に比べて103%(平成21年と7年で比較)とむしろ増えている。それに対して開催競馬場入場人員はピーク時に比べて52%(平成21年と平成7年で比較)と、約半数まで落ち込んでいる。総人口が増えたのは電話投票会員が大きく寄与している。確かに電話投票は、手軽に馬券を買えて便利なツールである。しかし、真の競馬の魅力は、競馬場でしか分からない。JRAは電話投票会員を増やすのではなく、開催競馬場への入場人員増策を考えるべきである。

①単勝、複勝の控除率をコマーシャルを通して大々的にアピールする
上記でも述べたが、他の馬券に比べて控除率が低く、ファンにとってはお得な馬券である。的中率が低く、客単価下落を招く3連単のシェアを少しでも下げ、的中率の高い単勝、複勝のシェアを上げることが重要である。また、過去のレースVTRを実況付きで放映してはどうか。ナリタブライアンVSマヤノトップガンの阪神大賞典、スペシャルウィークVSグラスワンダーの有馬記念などは、たまらないだろう。

②スターホースの海外競馬参戦防止を
ウオッカ、ディープインパクトなどが出走したレースの多くは、不況下のなかでも売上が昨対をクリアしていた。ファンはスターホースを望んでいる。近年はドバイ、香港などへ遠征して国内レースへの出走を回避する有力馬が相次いでいる。これでは、国内GIレースの盛り上がりが欠けてしまう。何としても国内レースへ出走できるよう、努力すべきである。

③開催競馬場入場人員増加への策を
競馬総人口がピーク時よりも増えているのに、開催競馬場人員はピーク時の約半数。真の魅力は競馬場でしか味わうことができない。最初は競馬がきっかけでなくてもいい。どんな理由でもいいので、競馬場へ足を運んでもらえる策をもっと考えるべきである。

④午前中からレースが盛り上がるような策を
どうしてもお昼前のレースは盛り上がりに欠ける傾向がある。競馬場へもお昼前から足を運ぶファンが多いように思う。思い切って1~3Rの控除率を下げて『午前中キャンペーン』を打ち出してはどうか。単勝、複勝の控除率は更に引き下げ、その資金を午後に活用すれば売上は上がるように思う。

⑤全レース、パドック、調教映像の公開を
これはかなりの労力を要するだろうが、レース前の調教公開、JRAホームページ内のレース結果のページで、そのレースのパドック映像を流してはどうか。パドックで大事なのは、横の比較よりも縦の比較。それを実現するためには、これしかない。調教も同様で、コアなファンはより馬券を買いたくなるはずだ。

フェブラリーS(GI)回顧

2011-02-20 22:45:30 | 回顧



12.6 - 11.2 - 11.9 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 11.9 - 12.3=1:36.4

 確かな地力強化を示すトランセンドの勝利だった。久々の一戦となったが、中間は早い時期から時計を出し始め、完璧に仕上がっていた。下見どころでも落ち着き十分で、気配は抜群だった。発馬直後に手綱を押してハナを奪いに行くが、芝とダートの切れ目で馬が戸惑って飛び跳ねる。ダートに差しかかってからも、外から掛ったセイクリムズンとマチカネニホンバレが競りかけてきたために11秒2-11秒9と息を入れることができない。息を入れたい3角からは外からマチカネにびっしりと被されてプレッシャーをかけられる。直線を向くと一旦はマチカネに先着を許す苦しい展開。だが、坂を上がってから二の脚を使い、再び突き放す。最後までしっかりとした脚取りで逃げ切った。不慣れなマイルのスピード勝負で道中もびっしりマークされながら、直線で二の脚を使った芸当はGI馬にふさわしい内容だった。強い。

 地方の雄フリオーソが底力を発揮して2着を確保した。課題だったスタートの芝部分。戸惑いは隠せず、行き脚がつかず、後方からの競馬になってしまった。道中もマイルのスピードに対応できず手綱を動かしながらの追走。流れが若干落ち着いた3角で馬群に取り付くも、外々を回るロスの多いコース取り。直線に入っても、内へモタれて右手綱を引きながらの誘導でステッキが使えない。残り1ハロンを切ってもまだ中団あたり。残り100㍍手前で右ステッキが入ると、ようやく末脚にエンジンが掛り、グーンと物凄い脚。重心の低い推進力に富んだ走りで2着に追い込んできた。2000㍍ならスピード勝負にも対応できるが、マイルでは勝手が違った。能力で差してきた。強い内容だった。

 池江泰郎先生にとって最後のGI。バーディバーディは渾身の仕上げ。生涯最高のデキで大舞台に挑んだ。スタート地点が芝だったため、いつものようにスッと先手は奪えず、手綱を押して前へ。2ハロン目でようやく行き脚がつくも、ここ2走が積極的な競馬で末をなくしているだけに深追いせず6番手で控える。三分三厘で外めにポディションを移し、少しずつ加速。直線で理想的に外めへ持ち出し、坂を上ってからグンと加速。一気に差し切ろうかの勢い。だが、ゴール前で勝ち馬と脚色が一緒になり最後はフリオーソにも差されてしまった。現時点で上位2頭とは力差がある。明け4歳馬、ここからの地力強化に期待したい。

 ダノンカモンは前走時に比べてテンションが高かった。好発を決めてスーッと前目のポディションを取れたが、ダートに差しかかってから頭を上げて中団までポディションを落としてしまう。その後は同じ位置取りで脚を温存。直線で外めへ持ち出し、一完歩毎にジワジワと末脚を伸ばす。上位馬とは決め手の差が出てしまったが、相手なりの堅実走法を発揮した。

 マチカネニホンバレは大外枠発走からから手綱を押して先団へ。500㌔を越す大きなフットワークでジワッと逃げるトランセンドに迫る。積極果敢な競馬で3角に入って外からびっしりとマークする。一旦トップスピードに入るとその持続力は凄い。それを維持したまま直線入口でも手応え十分。一時は勝ち馬を交わす見せ場を作ったが、ラスト1ハロンで脚色が鈍ってしまった。大トビでいかに道中でスピードに乗るかがポイント。前走はそれができなかった。コーナー4回の競馬よりは2回が合っている。

 休み明けのクリールパッションは仕上がりひと息の印象で太めも残っていた。芝部分の発馬で行き脚がつかず、手綱を押して中団を取りに行く。ダート部分では頭を上げて追走にも苦労。それでも、直線は脚を見せた。叩いて前進あるのみ。

 シルクメビウスは前日輸送でも落ち着いた印象だった。発馬直後から馬任せで無理せず後方に控える。マイルのスピード勝負に戸惑うことはなかったが、道中はハミを噛んで力んでいた。その分、直線では重心が浮いて推進力に欠ける走りだった。左回りと長距離輸送では…

 久々のダート戦となったライブコンサート。発馬直後は手綱を押して前へ。ダートとの切れ目部分で飛び跳ねはしたが、ダートに入ってからは馬任せでスムーズな追走。戸惑うことはなかった。だが、内枠のため馬込みに包まれて三分三厘でも何もできない。直線に入るまで全く加速できず、インを突いて一瞬の脚で差してきた。ダートは全く問題なかったし、もう少し積極的な競馬をすべきだった。

 オーロマイスターは久々の一戦。中間は一頓挫あったし、コースで長めから追われても馬体を絞り切れなかった。課題だった折り合いはマイルのスピード競馬と最内枠発走でクリア。道中は本当にリラックスできていたが、ライブコンサート同様に包まれて動けず。直線は一瞬の脚を示したが、勿体ないレースだった。折り合いに不安があるだけに余計に下手な仕掛けができなかった。やはりマイルが合う。馬体が絞れれば逆に折り合いを欠く危険性はあるが、嵌ればGIでも通用する。

 セイクリムズンは好発を決めてしまい、モロに掛ってしまった。距離が1ハロン長いだけに前に壁を作って脚をタメたかったが、発馬の良さが仇になってしまった。外からマチカネに張られたのも余計に応えた。

 ダイシンオレンジは時計の掛る競馬が合っているクチ。マイルは1ハロン短いし、仕方ない。

フェブラリーS(GI) 最終結論

2011-02-19 22:45:01 | Weblog
東京11R フェブラリーS(GI)
◎バーディバーディ
○フリオーソ
▲オーロマイスター
△セイクリムズン
×トランセンド
×ダノンカモン

 本命は4歳馬バーディバーディ。前走の東京大賞典3着は、発馬直後に少し気合いを付けて先団へ。1角で3番手の外めをキープする。その後はフリオーソをマークしながら。3角でスマートが仕掛けてレースは一気にペースアップ。そのペースに対応できず4角で手綱が動いて置かれる。直線はジリジリとしか脚を使えずに3着だった。前々走のジャパンCダート4着は、南部杯5着時に減った馬体が戻ってデキもグンと上向いていた。発馬直後に気合いを付けて2番手を取りに行く。逃げるトランセンドを徹底マークする。4角で馬体を併せに行く正攻法の競馬で直線は先頭に躍り出るかの勢い。だが、坂上で脚が鈍って失速してしまった。積極果敢な競馬で見せ場十分だった。この内容ならマイルへの距離短縮は歓迎材料だし、この距離ならトランセンド、フリオーソよりも分がある。ここ2走は終いの脚が甘くなったが、今度は最後まで踏ん張れる。

 地方の雄フリオーソは中央のスピード競馬でも十分やれるし、何よりここでは実績が断然だ。前走の川崎記念1着は、かなり恵まれたメンバー構成。発馬直後に気合いを付け、スンナリとハナへ立つ。その後はマイペースの逃げを打ち、3角で他馬が競りかけてきて一気にペースが上がる。しかし、余力十分で馬なりのままグングンと突き放す。直線は軽く気合いを付けただけ。あっさりと逃げ切り、ここでは力が違った。暮れの東京大賞典2着は、例によって前へ。外からスマートファルコンがハナを主張してきたために無理せず2番手に控える。道中は2馬身圏内のところでマーク。3角手前では1馬身後方まで迫るも、3角でスマートがスピードアップした時に置かれてしまう。馬なりのスマートに対し、同馬はステッキが入って筒一杯。直線で懸命に脚を伸ばし、ゴール前で少しずつ詰め寄るも、届かなかった。走破時計2分00秒7はダートでは驚異の時計。自身も強い競馬だった。テンに行けるスピードがあって、そこから正攻法で押し切る脚を兼ね備えている。問題は中央のマイル戦になること。昨春のかしわ記念では、スピードに乗り切るまでには時間を要したが、正攻法の競馬でエスポワールシチーと僅差の勝負をしている。問題ない。芝のスタート部分さえ戸惑わなければ十分にやれる。

 オーロマイスターの巻き返しも怖い。前走のジャパンCダート11着は、鬼門の16番枠発走。スーッと馬任せで先行するも、馬群が固まってインに潜り込めず。コーナーでモタれ気味だったし、終始外めを通らされる苦しい展開。4角では早くも手応えが怪しくなり、直線は馬群に沈んでしまった。前々走のJCBマイル10着は外枠から先行するも、前に馬を置けずに道中はなし崩しに脚を使わされる展開。当日は砂厚を調整した特殊な馬場で余計にスタミナを消耗。アラアラ一杯で惨敗した。3走前の南部杯1着は外枠からスッと2番手に取り付くと、折り合いもスムーズ。終始、エスポワールシチーをインに閉じ込める。4角でも完全に封じる。ギリギリまで閉じ込め、直線でゴーサインを出すとグングン加速し、抜群の切れ味で押し切った。ハミを噛む癖があり、道中でいかにリラックスできるかがポイント。だが、府中のマイルで末脚が持続するかには疑問がある。中間はWで長めから意欲的にやられているが、いつもと違う攻め過程は、テンションを高くする危険性を伴う。最終追い切りは、坂路で首を上手く使い、豪快なフットワークを見せてくれたが、一歩間違えば掛ってしまう雰囲気も見せていた。最内枠は、前に壁を作れるという点ではいいが、何かと制約がある枠でもある。スムーズに道中をクリアできれば。

東京10R 初音ステークス
◎レディアルバローザ

 前走の京都牝馬S4着は、勿体ないレースとなってしまった。3番枠発走から道中は無理することなく中団の内めを追走。サングレ同様に馬場の悪い内1頭分は開ける。明暗を分けたのは4角から直線入口にかけての進路だ。本来なら馬場の良い外めへ持ち出したかったが、ベスト、コスモなどに外からびっしりと張られて行き場がない。仕方なく直線を向いてインを突きジュエルとアグネスの間を狙うも、左ステッキでヨレたアグネスに進路を塞がれてしまう。そこから左手綱を引いて立て直して伸びてはいるものの、あまりにも痛い不利だった。スムーズに外めへ持ち出せていたら3着はあっただろう。準オープンの牝馬限定戦では力上位は明白だ。

東京9R セントポーリア賞
◎サクラフローレス

 デビュー2戦目の大器を本命に推す。デビュー戦はスローの緩い流れをスッと3番手の外めを取る。道中は揉まれることなくスムーズな競馬。直線で軽く仕掛けられると、グーンと凄い脚力で一気に後続を突き放した。まだまだ余力十分だったし、決め手はかなりのもの。広い府中で更に前進が期待できる。単勝。





フェブラリーS(GI)展望

2011-02-16 22:58:38 | 見解
トランセンド
前走のジャパンCダート1着は、3番枠からコーナーワークを利してハナへ。ペースを緩めることなく、一貫した流れでの逃げ。3角からバーディバーディ、ダイシンオレンジに早めに競りかけられたが、こちらも手応え十分。予想以上にバーディバーティが渋太かったが、坂上で競り合いを制して逃げ切った。テンのハナ争いは激しかったし、道中のプレッシャーもかなりあり、楽な逃げではなかった。前々走のみやこS1着も2番枠から手綱を押してハナを奪いに行く。3角まで馬群を引き付け、4角でスパート開始。直線で二の脚を使い、再び突き放す。最後まで危なげない勝利だった。3走前の日本テレビ盃2着は、発馬直後に手綱を押して前へ行くも、出脚の差でフリオーソにハナを奪われる。だが、手綱を抑えてペースを押したところでインからハナを奪い返す。そこからは終始、フリオーソにプレッシャーをかけられる苦しい競馬。4角で馬体を併せられ、直線はあっさりと競り負けてしまった。何が何でもハナへこだわる。ここもハナへ行けるメンバー構成。あとはフリオーソのマーク次第か。コーナー2回のマイルのスピード勝負を逃げ切るのは至難の業。

フリオーソ
地方の雄が中央GIに挑んできた。前走の川崎記念1着は、かなり恵まれたメンバー構成。発馬直後に気合いを付け、スンナリとハナへ立つ。その後はマイペースの逃げを打ち、3角で他馬が競りかけてきて一気にペースが上がる。しかし、余力十分で馬なりのままグングンと突き放す。直線は軽く気合いを付けただけ。あっさりと逃げ切り、ここでは力が違った。暮れの東京大賞典2着は、例によって前へ。外からスマートファルコンがハナを主張してきたために無理せず2番手に控える。道中は2馬身圏内のところでマーク。3角手前では1馬身後方まで迫るも、3角でスマートがスピードアップした時に置かれてしまう。馬なりのスマートに対し、同馬はステッキが入って筒一杯。直線で懸命に脚を伸ばし、ゴール前で少しずつ詰め寄るも、届かなかった。走破時計2分00秒7はダートでは驚異の時計。自身も強い競馬だった。テンに行けるスピードがあって、そこから正攻法で押し切る脚を兼ね備えている。問題は中央のマイル戦になること。昨春のかしわ記念では、スピードに乗り切るまでには時間を要したが、正攻法の競馬でエスポワールシチーと僅差の勝負をしている。問題ない。芝のスタート部分さえ戸惑わなければ十分にやれる。

オーロマイスター
前走のジャパンCダート11着は、鬼門の16番枠発走。スーッと馬任せで先行するも、馬群が固まってインに潜り込めず。コーナーでモタれ気味だったし、終始外めを通らされる苦しい展開。4角では早くも手応えが怪しくなり、直線は馬群に沈んでしまった。前々走のJCBマイル10着は外枠から先行するも、前に馬を置けずに道中はなし崩しに脚を使わされる展開。当日は砂厚を調整した特殊な馬場で余計にスタミナを消耗。アラアラ一杯で惨敗した。3走前の南部杯1着は外枠からスッと2番手に取り付くと、折り合いもスムーズ。終始、エスポワールシチーをインに閉じ込める。4角でも完全に封じる。ギリギリまで閉じ込め、直線でゴーサインを出すとグングン加速し、抜群の切れ味で押し切った。ハミを噛む癖があり、道中でいかにリラックスできるかがポイント。だが、府中のマイルで末脚が持続するかには疑問がある。中間はWで長めから意欲的にやられているが、まだ絞り切れていないし、いつもと違う攻め過程は、テンションを高くする危険性がある

バーディバーディ
前走の東京大賞典3着は、発馬直後に少し気合いを付けて先団へ。1角で3番手の外めをキープする。その後はフリオーソをマークしながら。3角でスマートが仕掛けてレースは一気にペースアップ。そのペースに対応できず4角で手綱が動いて置かれる。直線はジリジリとしか脚を使えずに3着だった。前々走のジャパンCダート4着は、南部杯5着時に減った馬体が戻ってデキもグンと上向いていた。発馬直後に気合いを付けて2番手を取りに行く。逃げるトランセンドを徹底マークする。4角で馬体を併せに行く正攻法の競馬で直線は先頭に躍り出るかの勢い。だが、坂上で脚が鈍って失速してしまった。積極果敢な競馬で見せ場十分だった。この内容ならマイルへの距離短縮は歓迎材料だし、この距離ならトランセンド、フリオーソよりも分がある。ここ2走は終いの脚が甘くなったが、今度は最後まで踏ん張れる。注目度大。

シルクメビウス
前走の東京大賞典5着は、苦手の前日輸送でイレ込む。レースでは、発馬直後に気合いを付けて有力どころの直線に取り付く。ペースの上がった3角で手応えが早くも怪しくなり、アラアラ一杯。馬群に沈んだ。前々走のジャパンCダート5着は、発馬直後から無理することなくスッと後方に控える。向こう正面まではインでジッと我慢する。3角手前で鞍上は外に持ち出すタイミングを狙う。しかし、外からアリゼオに被されて出せない。仕方なく、一旦ポディションを下げてから出すことに。ブレーキをかける形になったし、マクリ気味に進出したかと思えば、今度は再び手綱を抑えてブレーキをかける。直線では外に膨れるアクシデントもあった。最後はそれなりに伸びているだけに勿体ないレースだった。カネヒキリに引導を渡した昨夏のブリーダーズGCの末脚は本物だし、決め手ならここでも上位だ。問題は関東圏での競馬ということ。どうしてもイレ込んでしまい、力を発揮できない。決して左回りとマイルが不得手というわけではない。

セイクリムズン
前走の根岸S1着は、1番枠から馬任せで中団のインへ。外からドッと来られても慌てることなく我慢。前のダノンカモンを目標に4角でジワッと外めに。直線で少し右手綱を引いたが、加速したまま外めに持ち出すことに成功。そこからダノンカモンと馬体を併せての追い比べ。最後までしっかりとした脚取りで差し切った。今回は久々のマイル戦になるが、前走は折り合いに全く不安を見せなかったし、これなら我慢できそうだ。

ダイシンオレンジ
前走の平安S1着は2度叩いて攻めで絶好の動きを見せ、デキは万全だった。レースでは、前2頭が飛ばす速い流れを離れた3番手を追走。自身もそれなりのペースで追走していたし、3角で早めに動いて勝ちに行く競馬。逃げ馬がバテた4角で一気に先頭へ並びかける。直線は早めに先頭へ立つ形となる。さすがに最後はバテたために詰め寄られたが、何とか押し切った。着差以上に強い競馬だった。前々走のジャパンCダート8着も同様に正攻法の競馬。この馬に1分48秒台の決着は速過ぎた印象。切れる脚がないだけに、時計の掛る馬場で押し切るスタイルが合っている。初のマイル戦でスピード重視の府中替わりも歓迎できない。ここは厳しい戦いが予想される。

ダノンカモン
前走の根岸S2着は、スーッと好発から先行策。揉まれることなく、終始スムーズな立ち回り。直線もソツなく外めへ持ち出すと、前のエイシンクールディを目標にジワジワと脚を伸ばす。エイシンを残り1ハロン地点で振り切ると、今度は外からセイクリムズンが迫ってくる。馬体を併せて懸命に抵抗したが、ゴール前で力尽きた。マイルも十分に守備範囲だし、スッと前へ行ける脚と終いもそれなりの脚を使える。相手なりの崩れないタイプで安定感あり。ここで。

ライブコンサート
久々のダートがGIという厳しい条件。前走の京都金杯3着は、逃げ先行馬断然の有利の馬場。しかも、テンから流れが落ち着き、勝ち馬がすんなりと先手を奪ってしまった。自身も3番手から正攻法の競馬で伸びてはいるものの、差し切れなかった。多少なりともハンデの影響もあった。マイルがベストなのは戦績が示す通り。問題はダート適性だが、前脚をピンと張り出すフットワーク。深い砂はどうかも、脚抜きの良い馬場なら楽しみはある。

コスモファントム
前走のAJCC4角は、発馬直後からグンと重心を沈めて楽に前へ。無理に競りかけることなく道中は4番手のインで脚をタメる。終始、インの経済コースを通って3角手前では痺れるような手応え。急激にペースアップした三分三厘でも手応え十分。しかし、直線を向くと内へモタれてジリジリとしか伸びない。右ステッキと左手綱を引いて懸命に追いかけるも、流れ込んだだけとなってしまった。ダートは白山大賞典3着の実績はあるが、久々だったとはいえ3角で手綱が動き、推進力に欠ける走りだった。トビが大きく、ゆったり走りたいクチ。マイルへの距離短縮も歓迎できないし、ここは厳しい戦いになりそうだ。左回りに替わるのはプラス。

テスタマッタ
昨年のフェブラリーSは2着。芝部分での行き脚は今ひとつで後方からの競馬。ダート部分になってからジワッと加速し、インがぽっかり空いていたこともあってジンワリとポディションを上げて行く。3角ではコーナーワークを利して中団まで押し上げ、抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。4角では若干コーナーワークにぎこちなさが残り、手綱を引っ張ったまま。直線に入り、インに潜り込んでいるために進路がない。ようやく坂上で進路を見出すと、そこからグングン加速。力強く迫力満点のフットワークで猛追するも、僅かに届かなかった。ハイペースの差し馬で、1600㍍向きである。だが、ここ2走が案外な内容だし、今回は一頓挫明け。中間の攻め時計も不足しているし、動きもピリッとしない。手薄なメンバーだけに主役級の能力はあるのだか。

共同通信杯(GⅢ)回顧

2011-02-13 19:27:56 | 回顧
【馬場】Dコース。良発表も前日の雨が残り、少し時計の掛る馬場

13.1 - 11.5 - 12.2 - 12.4 - 12.4 - 12.5 - 11.3 - 11.1 - 12.0=1:48.5

 コース利を生かしたナカヤマナイトが差し切った。発馬直後から無理することなく、馬任せで後方に控える。終始、馬群にインをロスなく立ち回る。流れが緩いだけに道中は痺れる手応え。3~4角でも馬群はギュッとひとひと塊。鞍上の柴田善Jは大外ではなく、最内に進路を求める。しばらく進路がなかったが、坂上で逃げたディープサウンドが外へ膨れてできた最内を見逃さなかった。一気にスパートしてインに突っ込む。スローで各馬も脚をタメているためになかなか渋太い。それでも、一完歩毎に力強く伸びてゴール前でギリギリ差し切った。流れを考えれば経済コースを通った恩恵と坂上での一瞬の好判断が功を奏した。自身も首を柔らかく使えて瞬発力が磨かれている。

 ユニバーサルバンクは好発からスッと2番手で流れに乗れた。流れを考えればこれ以上ないポディションだったし、直線も脚を使ってディープサウンドを突き放している。決め手が勝ち馬のほうが1枚上だった。もうワンパンチ必要だ。

 ディープサウンドは逃げ馬不在のなか、思い切ってハナへ。そこからはうまくペースを落として折り合えたが、直線の叩き合いで脱落。気難しいところがあるようだが、今日は気分よく行けた分粘れた。もう少し成長待ち。

 ベルシャザールは発馬でトモを落として出脚がつかず。そこからジワーッと馬群の外を通ってポディションを上げて行く。ここで脚を使わされたのは否めない。3角手前からは4番手の外めで我慢。だが、スローの流れで終始、馬群の外めを通らされてロスの多い競馬。直線でハミを掛け直されるも、反応は案外だった。前半のロスも合わせて勿体ないレースだった。だが、大型馬で速い脚はそれほどないタイプ。中山の締まったペースのほうが合っている。

 サトノオーは勿体ないレースになってしまった。発馬後は無理することなくスッと後方に控える。だが、逃げ馬不在でレースは超スロー。当然、3,4角では馬群が固まって内めに進路がない。仕方なく直線は大外へ。そこから良い脚を使って追い上げているものの、上位陣とは位置取りの差が大きかった。距離へのメドは立った。次走は巻き返す。最近の横山典Jは流れに乗れない騎乗が多く見受けられる。

 ダノンバラードは、テンに少し行きたがっていたし、スローの流れを考えると外々を通らされたロスも大きかったが、それにしても追ってからの反応がさっぱり。重心が沈むところがなかった。位置取り云々の問題ではなかった。残念。

京都記念(GⅡ)回顧

2011-02-13 18:41:07 | 回顧
【馬場】Bコース。全体的にボコボコしていて時計が掛る。

12.6 - 11.3 - 13.2 - 12.5 - 12.2 - 12.9 - 12.4 - 12.0 - 12.0 - 11.2 - 11.6=2:13.9

 飛躍を目指すトゥザグローリーが幸先の良いスタートを切った。8㌔増もそれほど太く見せず、厳寒期にしては毛ヅヤも良かった。レースでは好発からスーッと馬任せで3番手のインを取りに行く。逃げ馬不在でテンからゆったりした流れにも折り合いを欠くことなくスムーズな追走。終始、インの経済コースを通る。3角で外からシャドウが動いても慌てず。坂の頂上で少しづつ馬場の良い外めに進路を求めるも、スローで馬群がギュツと凝縮しているため出せない。4角から直線にかけても前5頭がびっしりと壁になってしまう。仕方なく直線は大外へ持ち出す。かなり仕掛けが遅れたが、そこからグングン加速。前のヒルノダムールをお交わすと、右手前に替えてもうひと伸び。追えばどこまでも伸びる感じで差し切った。まだ追って頭は高いが、脚力はかなり磨かれている。4角でスムーズに外へ持ち出せていればもっと楽に勝てていた。飛躍の年へ。

 2着には京都外回りでメイショウベルーガが入った。厳寒期というで元々が絞りにくい体質。6㌔増は若干の余裕があった。発馬で両隣と接触するアクシデントはあったが、気合いを付けて馬群に取り付き、1角で中団のインを確保。そこからはジッと脚をタメる。3角の上り坂でも我慢。下り坂で鞍上がゴーサインを出す。だが、前のトゥザの動きが挙動で一旦手綱を止める。そこから外めに進路を見つけて再スパート。直線は馬場の良い大外から良い脚を使っているものの、勝ち馬の決め手が一枚上だった。やはり、京都の外回りがぴったり。強行軍でもよく頑張った。

 ヒルノダムールは渾身の仕上げで賞金を加算しにきた。大外枠発走から発馬を決めて前を狙う。しかし、1角までに行ききることができずに中団の外めへ控える。その後は前のビッグウィークを見ながらの競馬。4角の下り坂からジッと進出。4角で気合い付けてポディションを上げる。その時にビッグウイークと接触するアクシデントはあったが、ライバルより先に抜け出すことに成功。一旦は馬場の良い大外から単独先頭に立つも、あっさりと捕まってしまった。どうしても、一線級相手だとワンパンチ足りない。もう少し追ってグンと重心が沈めばいいのだが。

 本命視したダノンシャンティは不発に終わってしまった。下見どころからテンションが高く、落ち着きを欠いたのは痛かった。レースへ行っても流れが落ち着いた1角でハミをグッと噛んでしまい、折り合いを欠く。その後は鞍上が懸命になだめようとするも制御できず。4角から直線にかけて大外へ持ち出すも、ガツンと来ることなくジワジワと伸びただけだった。今日のレース内容と精神状態だと、コーナー4回の道中で流れが緩む中距離は合わない。マイルの一貫した流れで末脚を生かすのが合っている。今後はマイル戦線へ矛先を向けるか。

 京都得意のロードオブザリングは健闘した。道中は緩い流れを後方3番手で折り合う。タメるだけタメて直線は馬場の真ん中に突っ込む。そこそこの脚を使ってダノンシャンティと競り合った。準オープンの身でよく頑張っている。

 ビッグウィークは久々の一戦で18㌔増が示すように仕上がりひと息だった。道中で行きたがる場面があったし、ペースアップした4角でズブさを見せてポディションを上げることができなかった。本来ならあそこで動いて持久力を生かしたいタイプ。叩いての変わり身に期待したい。

 

京都記念(GⅡ)最終結論

2011-02-12 17:55:09 | 最終結論
京都11R 京都記念(GⅡ 芝2200㍍)
◎ダノンシャンティ
○シャドウゲイト
▲トゥザグローリー
△ヒルノダムール
×メイショウベルーガ
×ビッグウィーク

 叩き2戦目のダノンシャンティを狙う。前走の有馬記念9着は、骨折明けでぶっつけのGI。そのためレース当日はかなりイレ込み、レース前にかなりの体力を消耗していた。レースへ行っても、発馬直後の下り坂からモロに掛り、最初の4角では鞍上が立ち上がるほど。その後もハミにモタれて力みながらの追走。それでも、直線は一瞬の脚を見せてくれた。距離のメドは立った。休養前のNHKマイルC1着は、前半の800㍍が44秒台の超ハイペース。それを道中は離れた後方2番手から追走。4角から直線にかけては迷わずに大外へ。そこからグーンと凄い脚を使い、一瞬にして中団へ。坂上でもうひと脚使って最後は手綱を抑える余裕の勝利。日本レコードのおまけ付きだった。当時は超高速馬場で内を通った馬断然有利だった。そのなかで大外から差し切ったのだから恐れ入る。底力と末脚の爆発力はここでは断然の存在だ。この中間は、坂路とコースで入念に乗り込まれ上積みが相当見込めるし、イレ込み対策で地下馬道を通る訓練をしているのにも好感が持てる。復活へ。

 穴でシャドウゲイトを推す。決して切れる脚はないが、先行しての粘り強さが持ち味。今の京都は連続開催でかなり馬場が痛んでいる。前日の雨で更に悪化することも予想される。展開面を考えると、軸になるのはトゥザグローリーだ。当然、後ろのヒルノダムールはトゥザをマークするし、その後ろのダノンシャンティ、オウケンブルースリはヒルノの動きを見る。トゥザの鞍上リスポリが前のビッグウィークを目標に早めに動くか、後ろを意識しすぎて仕掛けが遅れるか、この判断が鍵を握る。私は後者と見てシャドウの粘り込みに期待したい。久々の一戦となるが、元々が金杯を目標にしていた馬。4週続けてWで長めから追われて乗り込みと動きは万全だ。気性的に鉄砲も利く。

 トゥザグローリーは有馬記念3着が示すように能力は相当。ただ、それと同時に若さを秘めるのも事実だ。自らハミを取りに行こうとしないし、追って頭が高くなる点も、勝負所でのズブさに繋がっている。内枠に入り、後ろを意識しすぎて仕掛けが遅れ4角で馬込みに包まれれば取りこぼす危険性はある。

単 勝 ④
3連単 ④⇒⑨②⑫⑤⇒⑨②⑫⑤③
馬連  ④-⑨②⑫⑤③

京都記念(GⅡ)展望

2011-02-11 18:23:00 | 見解
トゥザグローリー
前走の有馬記念3着は発馬直後の下り坂こそ少し行きたがったが、その後は緩いペースに戸惑うことなく3番手でガッチリと折り合う。向こう正面中盤でヴィクトワールピサが動いてレースの流れが一気に速くなる(12秒3-11秒5)も、鞍上のベリーは慌てることなくジックリと我慢。アクションを起こしたのは3角に入ってから。外めからジワッと動き、ヴィクトワールの1馬身半差まで迫る。4角では馬体を併せに掛るも、ズブさを見せる。その分、直線の坂下で突き放されてしまう。だが、そこから粘り強い脚で応戦し、際どい勝負に持ち込んだ。4角で機敏に動けていたら勝っていただろう。担当の市川厩務員によると「レース後すぐに息が入った」のだから恐れ入る。前々走の中日新聞杯1着は、1番枠発走から道中は馬任せで後方のイン。向こう正面ではインを通り、他馬とはエンジンの搭載の違いを見せ付けるかのように一気に先団へ。3角では先頭から2馬身圏内へ。直線で追われるとハミを何度も掛け直され、頭が高くなる。それを凄い脚力でカバーし、ラストは流してフィニッシュ。レースのラスト1ハロンが11秒1。向こう正面で動いて最後は手綱を抑えてこの数字。まだまだ走り足りない感じだった。有馬記念の14番人気は適切ではなかった。まだ追われてから頭が高くなるし、ハミを取るのに時間が掛る。課題はあるが、脚力は凄まじいものがある。GI級の素質は間違いない。

ダノンシャンティ
前走の有馬記念9着は、間に合ったとはいえぶっつけでのGI。下見どころから、かなりイレ込んでいた。レースでは発馬直後の下り坂からモロに掛り、1周目のスタンド前でも首を左右に振ってかなり行きたがっていた。向こう正面でもハミにモタれる感じでリラックスできていない。こうなれば途中で動くこともできずジッと後方で我慢。そんな状況の中でも直線で一瞬の脚を使えたのは今後への収穫か。小回りの中山も走りづらそうだった。休養前のNHKマイルC1着は、レースの800㍍通過が驚異の44秒8(後半は46秒6)。馬場を考えても異常な速さ。それを道中は離れた後方3番手から追走。当時は異様なほどの高速馬場で内を通った馬断然有利の馬場。だが、直線はびっしりと馬群が詰まり、人気を背負っていたこともあり迷わず大外へ。直線入口ではまだ16番手。そこからグーンと凄い脚で伸びる。坂上で中団まで取り付き、その後もグングン加速。最後は手綱を抑えて余裕の差し切りV。驚愕の日本レコードを叩き出した。前走後は坂路で入念に乗り込まれ、コースも含めて3週連続で速い時計を出した。最終追い切りでは強めの脚色で力強い動きを披露。デキは上向いている。マイル一辺倒のタイプではないし、2200㍍なら守備範囲である。強烈な瞬発力を発揮するためには、当日の落ち着きが鍵となる。

メイショウベルーガ
前走の有馬記念12着は、馬任せで例によって後方からの競馬。向こう正面から手綱を押して少しづつ仕掛けて行く。3角では目一杯に手綱をしごくも、4角手前のところでコーナーリングが上手くできずブレーキを踏む形に。器用なタイプではないだけに、小回りコーナー6回の中山2500㍍は不向きな条件だった。前々走のジャパンC6着は超スローのなか、馬任せで道中は中団の外へ。1角では頭を上げて行きたがったが、2角からは折り合うことに成功。だが、終始馬群の外めを通らされ、早めに動く形に。スローで他馬が余力を残して直線勝負に徹する流れだっただけに、余計に距離ロスが応えた。それでも、直線は長く良い脚を使って上位に食い込んできた。3走前、4走前は、京都外回りの下り坂を利して末脚をフルに発揮したようにコース相性は抜群。大トビでズブい分、勝負どころで上手く加速できるかがポイントとなる。距離はもう1ハロンあってもいいが。以前より前々で競馬ができる点は心強い。


オウケンブルースリ
前走の有馬記念11着は、スッと2番手に取り付いて積極的な競馬をするも、ペースの上がった3角でズルズルと後退。コーナーでモタれて加速できない感じだった。大トビで器用なタイプではないだけに、中山コースも向かなかった。前々走のジャパンC7着は、例によって後方2番手からの競馬。超スローのため馬群がギュッと固まり、道中も動くに動けない。4角から直線にかけても内側に切れ込む隙間がなく、大外へ持ち出す。直線はジリジリと脚を使っているものの、瞬発力勝負では分が悪かった。首の使い方が硬く、追ってズブいが、淀みない流れからの底力勝負ならウオッカとハナと激闘を演じたジャパンCのように力を発揮できる。京都外回りも申し分ない舞台だ。

ヒルノダムール
道中、中団馬群の外めを追走し、横のローズ、前のルーラーを見ながらの競馬。3角でジワッと加速したルーラーをマークするようにジワッと進出開始。4角で接触する不利はあったものの、直線入口でグンと突き放されてしまう。そこから懸命に脚を伸ばして2着は確保したものの、決め手の差を見せられてしまった。前々走の鳴尾記念2着は、シルポートの作る淀みない流れを後方の外めから前のリルダヴァルを見ながらの追走。ジワッと3角から少しづつポディションを上げて行き4角で馬体を併せに行くも、内へモタれてモタつく。直線でスッと引き離され、その後も左手綱と右ステッキで立て直しながらアクションでまともに追えない。ゴール前で何とかリルダヴァルを差し切れたが、勿体ないレースだった。一線級相手では追ってから重心が高くなるためにあと一歩決め手が足りないが、GⅡのここなら力は上位。


ビッグウィーク
前走の菊花賞1着は、ポンと好発を決めて先団へ。直後の下り坂でグッと手綱を抑え行きたがるのを懸命になだめる。スタンド前で平静を取り戻し、3番手で折り合いに専念する。前のコスモラピュタが飛ばして差を広げても、自分のペースを守る。4角手前の坂の下りからジワッとスパートを開始させると、4角から直線にかけて一気に脚を使う。残り100㍍で単独先頭に立つと、そのまま押し切った。頭が高く、追い比べだと分が悪かったが、下り坂を利用して一瞬の脚をフルに使って早めに動いた鞍上の好騎乗が光った。前々走の神戸新聞杯3着は、先手は奪えたものの、三分三厘で包まれて動くに動けなかった。一瞬の脚で早め先頭で押し切るスタイルが合っている。この中間は脚元の不安と裂蹄でひと息入った。攻め馬では、相変わらず追われてから頭が高いが、トモの蹴っぱりはしっかりしていた。一応の態勢は整ったか。