中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

感謝の一言です。

2008-03-23 19:23:02 | Weblog
 今日のスプリングS(GⅡ)。昨日のフラワーCで得た軍資金を全て投入し、勝負を賭けた。結果は本命のアサクサダンディが末脚届かず4着。動きたい時に動けない感じで消化不良だった。1,2,4着の3連単(38万相当)とワイドを千円づつ持っていただけに悔しい。これが競馬で私の人生か(笑)
 さて、このブログを続けて3年という歳月が過ぎた。最初の文書に比べれば、調教もある程度見られるようになったし、個々の特徴を見抜く力も養われたと自負している。ただ、如何せん結論への導きが甘く、強引な狙いが目立ったのは人間の欲だろう。オッズに惑わされない冷静さこそ一番必要なものかもしれない。
 このブログを通じていろいろな方々と出会えた。一昨年のゴールデンウィーク。地元のかきつばた記念では打ち上げ花火の管理人・Jr.さんとお会いした。同級生であり、よきライバルであったと勝手に思っている(笑)ラップをもとに個々の特徴を見抜き、最適な条件と見れば積極果敢に狙うスタイルは勉強になったし、刺激を受けた。とにかく競馬に対して貪欲で向上が凄い。これからもよろしくお願いします!
 その年の6月の安田記念当日、中京競馬場でうまー日記のいれぶんさんとお会いした。元競馬予想会社にお勤めされていた元プロ。仕事をしつつ競馬について深く関わられている姿は理想的で、聞く事聞く事のレベルが高く、刺激を受けた。就職活動では競馬関係のみならず、先輩していろいろとアドバイスを頂いた。お世話になりました。また東京遠征の際はいろいろとお願いします(笑)
 いれぶんさんのご友人で競馬予想家の大谷内泰久さんとは中京競馬場でお会いした後、昨年の2月に東京で再開した。当時は就職活動中の身で競馬新聞会社への就職を真剣に考えていた。予想業界の良いところや悪いところまで包み隠さず教えていただいたし、ご尽力頂いた。ご迷惑をおかけしたし、感謝の言葉でいっぱいです。大谷内さんを知ったきっかけは中日スポーツの広告欄に最強の男の競馬サイトが掲載されていたのがきっかけ。競馬の知識が浅かった当時、他にはない斬新で違った視点からの予想は衝撃的だった。展開の重要性とレースを見ることの大切さを教えられたのはその時。以来、毎週無料で更新される重賞レース回顧を自分の見解と照らし合わせながら勉強していった。ここまで競馬を好きになれて深く付き合うことができたのは間違いなく大谷内さんのおかげ。本当にありがとうございます。
 そして何より、毎日ブログを訪問して頂いた皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。「参考にしています」や「いつも見ています」といったコメントは最高の励ましになりましたし、やる気が沸きました。このブログを抜きに学生生活は語れません。
 今日で一旦ブログに一区切りつけますが、必ず再開します。いつになるかは分かりませんが、会社に入って気持ちにゆとりが出てきたら再開したいと思います。中途半端な予想はしたくありませんので。その時、またご覧いただけたらこんなに嬉しいことはありません。毎回のチェックお願いします(笑)
 

 最後に調教を見られる方に一言。このブログで何回も紹介しているように、JRAレーシングビュアーが断然にオススメです。月額525円で過去のレースが見放題で、調教も重賞レースのほか当日に映像が配信さえ、過去も見られるために比較も容易です。パソコンさえあればどこからでも見られます。それに加えて競馬ファンの今週の調教タイムベスト20を合わせてご覧頂くのがオススメです。当日に栗東の全コースと坂路のタイムと美浦の坂路も更新されます。これによってその週の時計の目安が確認できます。現在で言えば栗東の坂路は時計が出やすいっと言った感じです。中間の攻め量に関しては毎週月曜日に発売される週刊競馬ブックで確認できます。
映像チェック+今週の調教ベスト20で時計比較+週刊競馬ブックで攻め量、過程チェック
これが理想です。是非、お試しください。

 では、いつの日か再会しましょう!!

スプリングS(GⅡ)徹底研究!最終結論版

2008-03-23 11:05:22 | 最終結論
 2年半続いたこのブログに区切りをつける時がやってきました。というのも、明日から就職先の研修が始まり、今までのような時間にゆとりのある生活から一変するのです。まずは仕事に慣れるのが先決ですし、このブログをやってこれたのは徹底研究できる時間があったからこそです。後ほど挨拶をさせて頂きますが、今まで懲りずにお付き合いくださった皆さん、本当にありがとうごさいました。楽しい時間を過ごせましたし、皆さんから頂いたコメントは何より励みになりました。まずはスプリングSで皆さんとガッポリいきましょう(笑)久しぶりに徹底研究できました。


中山11R スプリングS(GⅡ 芝・1800㍍)
◎アサクサダンディ
○ショウナンアルバ
▲フローテーション
△ドリームシグナル
×アルカザン
×サダムイダテン
【見解】
 アサクサダンディに夢を託す。前走の500万クラス1着は、ブーケフレグランスの作る緩みない流れを離れた中団の外め追走。流れが緩んだ3,4角で前との差を縮める。4角から直線にかけては持ったままの痺れる手応え。坂上でスパートを開始させ、上り切ったところで左ステッキ一発。この時に外へ膨れるロスが。立て直しゴール前で左手前に替えてからはグンと伸びて差し切った。前々走の若竹賞2着は、縦長の速い流れを離れた中団追走。流れの緩んだ3,4角で外めを通りながら差を詰める。4角ではかなりの大外を通らされるロスが。馬なり絶好の手応えで直線を向くと、一気に差し切ろうかの勢い。追い出されてからは一完歩毎にジワジワと詰め寄ってきた。負けて強の内容だ。4角での手応えは物凄いあるのに追い出されると、フットワークが小さく思ったほど伸びきれないのはネックだが、安定感は随一だ。崩れたのは折り合いを欠いて超Hペースに巻き込まれた3走前だけ。ここは外枠を引き、スロー必至だけに外々を回らされるのだけが怖い。デキは絶好だ。

 ショウナンアルバの底力はメンバーNO.1だ。テンにモロに掛かりながら速い流れを押し切った前走、冬の洋芝をテンから果敢に飛ばしながらラスト1Fを急坂込みで12秒2にまとめた前々走。ともに着差以上の強さだ。力通りならあっさりなのだが、今回は如何せん逃げ馬不在。外枠のレッツゴーキリシマは折り合いに専念したいだけに好位追走が明白。行くとすれば横山典騎手のフローテーションだろうが、スローペースは免れない。前走後、賞金的には十分足りているために本番直行という選択肢がありながら、このレースに出走してきたのは控える競馬を覚えさせるため。その経緯から考えてもガンガン飛ばすことは考えにくく、無理にでも控えてくるだろう。いくら力上位とはいえ、テンに喧嘩してスタミナを消耗させると、バテる危険性はある。

 フローテーションは権利獲りに懸命だ。前走のすみれS7着は、スタンド前でリズムを崩し、勝負どころから外々を通らされるロスが響いたし、陣営によれば急遽の出走で仕上がり切っていなかったとのこと。当初からここが目標で鞍上には横山典騎手を確保。逃げ馬不在だけに積極策が期待できる。ひと叩きされ、今週の坂路では、水分を含んだ不良馬場に屈することなくキビキビとした身のこなしで、余裕残しのまま併走馬を突き放した。時計の速い決着だと厳しいが、今の中山は時計が掛かっているし、淀みない流れを好位から押し切ったように底力も十分。内へモタれる癖を出さなければ。

 ドリームシグナルは展開に恵まれたとはいえ、前走の直線での末脚は際立っていた。まだ、テンに掛かったり、ラストで左右に蛇行するなど若さ満点だが、6月の遅生まれで一戦毎に上昇している。ここは距離延長とスロー必至だけに折り合いが鍵を握る。馬体充実、攻め爆走で状態はかなり良い。

 アルカザンの四肢の捌きは惚れ惚れする。とにかく後肢の蹴りが力強く、推進力がある。その反面、頭の位置が高く、フワフワしているのがネック。それがなければ凄い馬になるのだが。スブいし距離はもっとあっていいが、休み明けで馬場の悪いところを通らされた前走でも差のないところまで詰めている。力はある。中山コース適性は微妙も、ひと叩きされて確実に状態はアップ。

 サダムイダテンにとっては馬体維持が最大の課題。最終追い切りはセーブされたが、腹回りはギリギリ。環境の変化に敏感なタイプだけに、初の中山というのも割り引き。とはいえ、手先の軽いフットワークから繰り出す一瞬の爆発力は魅力。長続きしないのは前走で判明したが、中山ならごまかせる。発馬も課題。

 あとは展開次第で鋭い決め手を発揮するベンチャーナイン。最終追い切りは気負うことなくリラックスした走りだったし、トモの丸みも十分だった。不気味。

 レッツゴーキリシマの取捨が微妙だ。前走のきさらぎ賞4着は、テンにモロに掛かり他馬よりも1㌔思い57㌔で荒れ馬場を先行し、手前を替えて懸命に踏ん張った。巻き返し濃厚といきたいが、この中間は攻めが不足気味で、攻め駆けするタイプにしては最終追い切りでの末の粘りが一息だった。気になる。

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フラワーC(GⅢ)予想

2008-03-22 09:43:43 | 最終結論
中山11R フラワーC(GⅢ 芝・1800㍍)
◎ブラックエンブレム
○シングライクバード
▲プティマカロン
△アロマキャンドル
×カレイジャスミン
×マイネウインク
☆マイネフルーレ
【見解】
 数少ないウォーエンブレム産駒の勢いが止まらない。今週の若葉Sのキングスエンブレム、スプリングSのショウナンアルバはいずれも本命馬で1番人気が確実視されている。そして、フラワーCのブラックエンブレムもまた同じだ。前走のきんせんか賞1着は、1番枠から好発を決めるも速い流れに無理することなく中団までポディションを落とす。前傾ラップの厳しい流れを考えれば好判断だった。そして、流れの緩んだ3,4角で抑え切れない感じで先団へ。直線で他馬と次元の違う脚色でグンと加速。後続を突き放した。ロスなく流れに乗れたとはいえ、厳しい流れを押し切ったのだから評価は高い。今回も引き続き1番枠を引きロスなく立ち回れる。東の大器が桜戦線に開花をもたらす。
 穴はプティマカロンだろう。前走の500万クラスは直線で何度も前が詰まり、まともに追えていなかった。最後の脚色を見ても脚を余していたのは明白だ。その前のエルフィンSもスローで大外を回し、中京2歳Sでは勝負どころでズブさを見せながら最後は差のないところまで詰めている。不完全燃焼の競馬が続いている。今回は横山典騎手を起用し、前進が期待できる。


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若葉S予想

2008-03-22 07:57:51 | 最終結論
阪神10R 若葉S
◎モンテクリスエス
○キングスエンブレム
【見解】
 ここは上記2頭の争いと見て大丈夫だろう。逆転を狙うモンテクリスエス。この中間は集中力向上のためにBを着用。その効果か、最終追い切りでは内へモタれたり外へ膨れたりする若さを覗かせたものの、グンと重心を沈め力強い脚捌きが印象的だった。間違いなく能力は高い。その前走のすみれSでは、キングスエンブレムに後塵を拝したが、ゴール前でソラを使ったのが原因。B効果で集中力が増せば差し切れる。
 キングスエンブレムにとっては先行する形がマッチしている。追ってそれほど切れるタイプでもなく、控えるとどうしても詰めが甘い。ここも先行馬にとっては楽な展開が望める。折り合いに難がなく、素直な気性。大崩れは考えられない。

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スプリングS(GⅡ)調教診断

2008-03-20 16:49:09 | 調教診断
アルカザン四肢の伸び豪快

【アイティトップ】▲ 動き重苦しく
丹内騎手を背に南Wで馬場の3分どころを5ハロンから。直線で鞍上の指示に対して素直に左手前へ替える。四肢を気持ちよく伸ばしたストライドだったが、ゴール前の動きは重苦しく、素軽さに欠けた。先行していたとはいえ、馬なりの併走馬に軽く煽られてしまった。一頓挫あって弥生賞を回避。2週間、速い時計を出せない時期があったのは大きな割引材料だ。まだ重そう。

【アサクサダンディ】○ 乗り込み順調
南Pを2頭併せで5ハロンから。4角で抑え切れない感じのまま馬体を併せ、軽く気合いを付けられると併走馬を大きく突き放した。完歩が小さく、ストライドに迫力はない。レースで4角の手応えほど追って伸び切れないのはこのためか。それくらい勝負どころの迫力は凄い。この中間も順調に乗り込まれている。

【アポロドルチェ】▲ 動き柔らかい
中2週で1週前にも5ハロンからやられているだけに、直前は南Wで4ハロンからサッと。相変わらず四肢を気持ちよく伸ばした柔らかいストライド。馬体の成長は案外で、ビシビシやれていないが、完成度は高い。大幅な上昇は見込めない。

アルカザン】○ 上積み望める
池添騎手を背にCWの大外を2頭併せで終い重点。相変わらず頭の高い走りで、抜け出してからフワフワしていた。それでも、バネのあるフットワークでグイグイ加速。ラスト1Fは11秒9と目を見張る。後肢の蹴りが半端なく強い。これがこの馬の売りだ。首をグンと沈めて走れれば相当出世できるだろう。この中間は1週前に自己べストをマークするなど、意欲的。ひと叩きされた上積みを望める。

オーロマイスター】○ 好仕上がり
吉田豊騎手を背に南Wで馬場の3分どころを2頭併せで5ハロンから。4角で持ったまま並びかけ、直線でスッと左手前に替える。首を上手く使い、掻き込みの強いフットワークで楽々先着。抜け出してもソラを使うことはなかった。久々でも2週連続で長めから追われ、走れる態勢にある。

【キングスエンブレム】○ 順調
坂路で2頭併せをビッシリと。前捌きは硬めだが、キビキビとして回転の速いフットワーク。最後は筒一杯になりながらも、きっちりと先着。そう攻め駆けするタイプでない。順調だ。土曜阪神の若葉Sを武豊騎手で予定。

【サダムイダテン】○ 動き絶好も
安藤勝騎手を背にDWで2頭併せの内。終始、引っ張り切りの手応えで一杯の相手に対して楽に先着。相変わらず手先の軽いフットワークで柔らかい。絶好の動き。前走に比べれば首を上手く使えていた。ただ、中5週で中間にそれほどハートにやられていないのに腹回りは牝馬のようにスッキリしている。相変わらず馬体が増えてこない。この後に長距離輸送が控えているだけに気になる。

【サブジェクト】○ 素軽い
DWで2頭併せの外を6ハロンから。小柄な馬体を目一杯に使ったストライドで、重心が低く脚捌きはシャープ。首を水平に使って先着した。素軽い。これで2週連続してコースでビッシリやられてきた。来週の土曜阪神の毎日杯を藤岡佑騎手で予定。

ショウナンアルバ】◎ 伸びやか
南Pで2頭併せの外。手先が長くて伸びやかなストライド。馬なりのまま並走馬を子ども扱い。さすがの動きだ。頭が高いのはいつものことで、この馬なりに上手く使えていた。心配された気負いも見られない。

【スマイルジャック】○ 迫力満点
南Wで2頭併せの外。道中から顎をグッと下げ、ハミにモタれた走りで持って行かれ気味。直線も引っ張り切りのまま同入。5ハロンから66秒1-13秒4。迫力満点の動きで、素質は相当なもの。ただ、実践と同様にハミに頼り過ぎている点は気掛かりだ。

ドリームシグナル】◎ 絶好調!!
吉田隼騎手を背に坂路で単走。四肢の機敏なアクションでチップを高く蹴り上げる。抜群のスピード感とシャープな脚捌き。とにかく弾んでいた。手応えに余裕を残したまま半マイル50秒9-12秒3。時計の出やすい馬場とはいえ、破格だ。絶好調!!

【フローテーション】○ キビキビとした身のこなし
不良馬場の坂路を2頭併せ。時計自体は平凡だが、キビキビとした身のこなしで楽な手応えのまま併走馬を煽った。ゴール前で少しモタれたが、立て直して真っ直ぐ伸びた。


【ベンチャーナイン】○ 不気味
中1週のため、南Wでキャンターに毛が生えた程度。気負うことなく気持ちよさそうな走りでトモの踏み込みも十分。不気味さが漂う。

【モンテクリスエス】○ 若いも迫力満点
ジョッキー騎乗でCWを単走でビッシリと。直線で手前を替えた時に内へモタれ、今度は外へ外へと膨れていくなど全体的に若い。それでも、グンと重心を沈めて四肢を力強く伸ばしたストライドは迫力満点だった。中2週でもコースで2週連続ビッシリやられ、権利獲りに懸命だ。土曜阪神の若葉Sを安藤勝騎手で予定。

【レインボーペガサス】○ 順調
ジョッキー騎乗で坂路を2頭併せの外。舌がハミを越していたし、併走遅れになったが、横幅のあるストライドでゴール前のスピード感もなかなかだった。見た目ほど動きは悪くない。この中間も実に熱心で順調だ。

【レッツゴーキリシマ】▲ 末の粘り一息
幸騎手を背に坂路で単走。キビキビとした身のこなしだったが、ゴール前はステッキが入って筒一杯。顎が上がり気味で末の粘りは今一息だった。半マイル52秒4-13秒2。攻め駆けするタイプにしては時計の出やすい馬場を加味して時計も平凡。この中間は間隔が開いた割に攻めが不足気味。

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スプリングS(GⅡ)徹底研究!

2008-03-18 18:42:31 | 見解
ショウナンアルバ
前走の共同通信杯1着は、降雪による一日延期。荒削りな3歳馬にとっては余計に応える悪条件。11番枠から好発を決めるも、手綱をグッと抑えて好位の外目に控える。2ハロン目あたりからは口を割って行きたがる。これは前のレースでビューッと行かせた影響もあったろう。向こう上面中盤からは何とかなだめられる。我慢した甲斐があり、4角では絶好の手応え。終始、馬場の良い3分どころを通り、直線入り口の坂上では持ったまま先頭に並びかける。先頭に立つのが少し早い形になったが、残り300㍍地点から追い出し、一統になってもしっかり駆け抜ける。後続に迫られても抜かれる雰囲気はなかった。かなりの淀みない流れをテンにスタミナをロスして早め先頭の形で押し切ってしまった。着差以上の強さだ。前々走の若竹賞1着は、大外枠から四肢を気持ちよく伸ばしたストライドで先団へ。本来なら流れが落ち着きやすい1角でハナを奪うと2角の下り坂で11秒4と加速し、縦長のHペースを作る。向こう正面終盤で一度ピッチを上げたものの、3,4角で12秒7-12秒7とゆったり息を入れる。直線で再びスパートを開始させると、スッと左手前に替えグイグイ加速。後続を寄せ付けなかった。冬の洋芝開催を考えると、1000㍍通過59秒0はかなり速いし、いくら3,4角で息を入れられたとはいえ、急坂のゴール前を12秒2で踏ん張ったのは立派。とにかく強さが際立ったレースだった。手先が長く、柔らかいストライドをしている。スピード、瞬発力、ともに一流だ。あとは、鋭い目つきをしていて実践に行って行きたがる気性が課題。精神面さえクリアすればクラシックがグッと近づいてくる。

レインボーペガサス
前走のきさらぎ賞1着は、15番枠から道中は中団の外め。だが、口を割って行きたがり、折り合いを欠く。何とか前に馬を置いてなだめられる。終始、馬場のマシな外めを通る。3角の上り坂でも押さえるのに苦労するほどの行きっぷり。下り坂を慎重に下り、4角で2着馬が動いたのに連れて進出開始。直線で馬場の大外へ持ち出し、右ステッキが数発。始めは反応が鈍かったが、ラスト1F地点からようやくエンジンが掛かる。そこからは渋太く伸びた。勝ち時計は平凡も馬場の影響もある。競馬場でテンションの上がりやすい傾向にあり、初の長距離輸送となった前々走の全日本2歳優駿ではパドックからイレ込んだ。前走は下見どころで、ハミで遊んでいた。まだ若いが、トモの厚みは雄大。当日の気配に注意。

スマイルジャック
前走のきさらぎ賞2着は、中2週でも時計は直前に南Pでサッと流した一本だけ。攻め不足だった。12番枠からスッと好位の外めに取り付くも、持って行かれるような感じ。十分に脚をタメられているとは言えない。3角の下り坂でガツンとハミを取ってしまい、一気に進出。直線で早めに先頭へ立つ形となり、残り300㍍地点ではレッツゴーキリシマに内から突進される不利が。残り150㍍付近で勝ち馬に並ばれる。アッサリ交わされてもおかしくなかったが、そこから粘りを見せ、3着馬には差されなかった。ハミにモタれる若さがあり、距離延長は有利とはいえない。エッグハミ着用。前々走の若竹賞3着は、久々でまずまずの仕上がり。スタンド前発走でハミに頼った走り。縦長の速い流れの分、離れた5番手で何とか折り合う。流れが緩んだ向こう正面序盤で前との差を詰める。逃げ馬が11秒9と速い脚を使った終盤でも同じ差。自身も追走に脚を使った。3,4角で外めを抑え切れない感じで進出。だが、直線で追い出されてからの反応は案外で、伸びずバテずだった。まだトモがパンとしていない分、前傾姿勢となりハミに頼ってしまう。それが力みに繋がり、道中の手応えは絶好に見えても知らず知らずに体力を消耗している分、最後のひと押しが利かない。攻めもビシビシやれていない現状だけに、本格化はまだ先だ。裏を返せば、それでこの成績。能力は計り知れない。陣営によると「ズルい面がある」と。

ドリームシグナル
前走のスプリングS1着は、中間の坂路での攻めの動きが良く、デキは朝日杯FS4着時よりも上向いていた。発馬で行き脚がつかず、テンは中団より後方のポディション。3角手前の上り坂で馬群の外めに持ち出そうとするも、武豊に被されて失敗。仕方なく、手綱をグッと引いて後方2番手まで下げる。他馬よりもワンテンポ以上遅く4角でスパートさせると、直線入り口にかけてグーンと加速。一気に中団まで取り付く。だが、そこから左ステッキが入ると内へモタれる。左手綱を引きながら右ステッキが入ると、今度は外へ膨れる。それでも、他馬と違う脚色でグングン加速して圧勝した。先行馬総崩れの流れが向いたのは確かだが、4角から直線入り口にかけての脚は本物と見ていい。蛇行運転するなど、若さが抜けない現状。前々走の朝日杯FS4着は、自身としてはまずまずの発馬だったが、全体的に見ればそれほど良くない。4番枠から好位の直後を追走。3角までは手応え良く運べたが、4角から直線にかけては手綱が激しく動き、直線はジリジリ。前のキャプテントゥーレに突き放されてしまったのは不満。疑問の残る4着だ。6月の遅生まれ。昨年末は攻めで終いバタバタというケースが目立ったが、この中間は1週前に坂路でラスト1F11秒9という文句ない伸びを見せている。一戦毎に成長している。テンから一貫した流れになりやすい中山1800㍍で前走と同様に脚をタメられれば。

サダムイダテン
10㌔減。厳寒期でそれほどハードに追われていないのにこの数字は減点材料だ。前走とは違い、好発を決める。道中は手綱をグッと抑えて後方までポディションを落とす。馬場の悪いインを避け、馬場の3分どころを通る。3,4角で馬群のなかに突っ込むのではなく、距離ロス覚悟で大外へ持ち出す。鞍上としては、外を回っても勝てるだけの力があると自信を持っていたのだろう。ジャパンCのメイショウサムソンと同じだ。直線を向き、持ったままの痺れる手応えで坂を上る。先頭までおよそ3馬身弱。坂を上った残り300㍍地点から手綱をしごいてスパートを開始させる。右ステッキが数発入り、一瞬は伸びかける。だが、そこからの持続力がない。調教と同様、頭が高く最後は脚色にもお釣りがなかった。柔らかい前脚の捌きで推進力に満ち溢れる反面、追ってからの重心が高く、完歩が小さいために脚が長続きしない感じ。4角から直線の坂上までの脚力は間違いなく一級品だが、府中の長い直線で大外を回して勝てるほどの持続力はなかった。前々走のラジオNIKKEI賞2歳S1着は、かなりの降雨で道悪。おまけに発馬で煽り、最後方からの競馬。しかも、戦前から逃げ馬不在に加えこの馬場。超ドスローの流れ。道中はタメるだけタメて直線だけの競馬。大外から後肢をバネのように伸ばしてグイグイ加速。僅かに届かなかったが、内容は悪くなかった。追って頭が高く、小手先だけで走っている感じ。一瞬の脚は本物だが。今回はロスなく馬群の中から乗られるだろうし、一瞬の脚を生かせる中山コース。言い訳はできない。牝馬のように繊細な面があり、調整が緩かった前走でも馬体が減っていた。暖かくなり、再び長距離輸送の今回、体調の維持が難しい。この中間は距離の短い坂路での調整。

アサクサダンディ
前走の東京500万戦1着は、豪華メンバーが集まった。ブーケがテンから飛ばす緩みない流れを、離れた好位の外めを抑え切れない感じで追走。流れの緩んだ3,4角で除々に先団との差を詰める。4角から直線にかけて大外を回るも、手綱はピタリとも動かず絶好の手応え。坂上で追い出しを開始させ、上り切ったところで左ステッキが一発。とここで、過敏に反応し過ぎて外へ膨れてしまう。その後は右ステッキと手綱で修正し、懸命に追う。ゴール前で左手前に替え、グンと伸びる。ゴール前できっちりと差し切った。前々走の若竹賞2着は、縦長の速い流れを離れた中団追走。流れの緩んだ3,4角で外めを通りながら差を詰める。4角ではかなりの大外を通らされるロスが。馬なり絶好の手応えで直線を向くと、一気に差し切ろうかの勢い。追い出されてからは一完歩毎にジワジワと詰め寄ってきた。負けて強の内容だ。3走前のジュニアC7着は、超Hペースの流れを掛かり気味に追走。直線で一旦は先頭に躍り出るも、自身もかなり追走に脚を使っていたために息が持たなかった。完歩の小さいピッチ走法で追って豪快に伸びるタイプではないが、バネのある走りで確実に差してくる。ロスなく立ち回れれば、ショウナンアルバと好勝負できる


レッツゴーキリシマ
前走のきさらぎ賞4着は、11番枠からスッと先行策。スピードの違いで3番手に取り付くも、口を割って頭を上げてモロに掛かる。向こう正面はずっとこんな感じで相当なスタミナをロス。3角の下り坂でも鞍上との呼吸が取れない。4角で手応えは良くなかったし、直線の残り300㍍地点で苦しくなって外へ膨れる。そこで右手前の替えて懸命の粘りを見せる。厳寒期の荒れ馬場で他馬より1㌔重い57㌔を背負い、テンにスタミナをロスし、最後は苦しくなりながらも勝ち馬からコンマ2秒差なら高く評価できる。前々走の朝日杯FS2着は、直前の坂路追いで抜群の動きを披露。デキは良かった。前走で折り合いを欠いているだけに、3番枠から無理することなく道中は好位のイン追走。終始、インの経済コースを通るロスのない競馬。三分三厘での手応えも十分で直線も最内へ。直線も粘り強い脚でバテることなく2着を確保した。折り合いに難のあるタイプだが、それ次第では1800㍍もこなせる。内枠が絶対条件になる。速い流れになればなるほど折り合いは苦労しないが、代わりに自身が苦しい競馬になる。

アイティトップ
前走の京成杯3着は、15番枠からスッと最後方に下げる。だが、2角の下り坂でハミを取ってしまい、少しポディションを上げる。その後は直前のチャールズをマークする形で、前に馬を置いて折り合いに専念。だが、向こう正面から3角にかけて流れが極端に緩んだために馬群がギュッと固まり、内へ突っ込めない。仕方なく、4角から右ステッキ数発で大外を捲る形。内のチャールズに被せて行く。正攻法の攻めの競馬。直線でステルスが寄られる煽りを受けたが、坂上で筒一杯。最後は止まってしまった。この中間は一頓挫あって予定していた弥生賞を回避。2週間時計を出せなかった。1週前は何とか追えたものの、順調さを欠いたうえに相手強化は楽ではない。

アルカザン
前走のきさらぎ賞6着は、久々で中間の追い日がすべて道悪。よほど運がなく、調整に苦労していた。道中は中団馬群の中からの追走だったが、フワフワして集中力を欠く。ペースの上がった4角ではズブさを見せて手綱のアクションに余裕がない。こうなると進路が限定されてしまう。スローなら尚更。狙っていた大外の進路はレインボーに被されて消滅。仕方なく、直線は馬場の真ん中に出し、バテ馬を捌くのに苦労するシーンもあり、頭の高い走法でジリジリ伸びるも届かず。勝ち馬からはコンマ2秒差。休養前の京都2歳S1着は、緩い流れを後方から追走。向こう正面中盤から少しポディションを上げる。ペースの上がった4角でフワフワして手応えが悪い。しかも、前が詰まり追い出せない。ようやく残り250㍍地点で外めに持ち出し、一完歩毎にグイグイと伸びる。一気に差し切った。集中力に欠く面があり、ズブくて追って頭が高い。まだまだ発展途上だが、全身をゴム毬のように伸びるストライドは魅力。ひと叩きされた上積みも望める。正念場。

アポロドルチェ
前走のアーリントンC9着は、中間に一頓挫あって時計を出せない時期があったし、攻めをビシビシできていない現状。レースではテンから行きたがり、力んでいた。中団追走から3角で掛かったポルトを追いかける形。直線で寄られる不利があったものの、脚自体も残っていなかった。休養前の朝日杯FS11着は、14番枠から終始、外めを通らされロスの多い形。加えて三分三厘から早めに動く形で末をなくした。一頓挫明けを叩かれて上積みは望めそうだが、1ハロンの距離延長で折り合いが更に難しくなるし、元々歓迎ともいえず。ここは相手も強い。直線の追い切り待ち。

フローテーション
前走のすみれS7着は、発馬後のホームストレッチを左手前でリズム良く追走できていたものの、坂下で寄られた時に左手前に替えた途端、リズムを崩す感じになった。向こう正面からは折り合っていたものの、ずっと外を通らされる形。馬群がギュッと凝縮した3角で大外を回って押し上げる。4角での手応えは今一つで、直線入り口では内へモタれてゴチャつく。最後は大きくバテることはなかったものの、馬群に沈んでしまった。休養前のラジオNIKKEI杯2歳S8着は、後方から直線勝負に徹するも、内へモタれて満足に追えず。消化不良の内容だった。3走前の萩S1着時でも平均ペースの流れを好位から追走し、直線で内へモタれながらも武豊騎手の見事な手綱捌きで差し切っている。相手は強くなるが、ひと叩きされた上積みと時計の掛かる中山コース。鞍上は横山典騎手。巻き返す要素を残す。内へモタれる癖は鞍上の腕でカバーできないか。

ベンチャーナイン
前走の弥生賞9着は、テンから緩い流れだけに最後方の同馬には辛い流れ。しかも、折り合いに難のあるタイプで、案の定、1角でモロに掛かりゴチャついた。向こう正面でもハミにモタれた走りで力んでいた。その分、追ってからの伸び脚が今一つだったし、展開自体も向かなかった。勿論、1ハロンの距離短縮は歓迎材料だし、鞍上も強化。追い込み一手で他力本願だが、流れ次第では。

サブジェクト
前走の共同通信杯9着は、勝ち馬が手綱を引っ張った向こう正面で煽りを受け、手綱を押しては引き、押しては引きを繰り返し、リズムが悪かった。消化不良。前々走のラジオNIKKEI賞1着は、道悪で超ドスローの流れ。これを好位から上手く流れに乗り、早めに抜け出して押し切った。鞍上のファインプレー。掛かり癖があって乗り難しく、一瞬しか脚を使えない。

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スプリングS(GⅡ)徹底研究!

2008-03-18 18:42:23 | 見解
ショウナンアルバ
前走の共同通信杯1着は、降雪による一日延期。荒削りな3歳馬にとっては余計に応える悪条件。11番枠から好発を決めるも、手綱をグッと抑えて好位の外目に控える。2ハロン目あたりからは口を割って行きたがる。これは前のレースでビューッと行かせた影響もあったろう。向こう上面中盤からは何とかなだめられる。我慢した甲斐があり、4角では絶好の手応え。終始、馬場の良い3分どころを通り、直線入り口の坂上では持ったまま先頭に並びかける。先頭に立つのが少し早い形になったが、残り300㍍地点から追い出し、一統になってもしっかり駆け抜ける。後続に迫られても抜かれる雰囲気はなかった。かなりの淀みない流れをテンにスタミナをロスして早め先頭の形で押し切ってしまった。着差以上の強さだ。前々走の若竹賞1着は、大外枠から四肢を気持ちよく伸ばしたストライドで先団へ。本来なら流れが落ち着きやすい1角でハナを奪うと2角の下り坂で11秒4と加速し、縦長のHペースを作る。向こう正面終盤で一度ピッチを上げたものの、3,4角で12秒7-12秒7とゆったり息を入れる。直線で再びスパートを開始させると、スッと左手前に替えグイグイ加速。後続を寄せ付けなかった。冬の洋芝開催を考えると、1000㍍通過59秒0はかなり速いし、いくら3,4角で息を入れられたとはいえ、急坂のゴール前を12秒2で踏ん張ったのは立派。とにかく強さが際立ったレースだった。手先が長く、柔らかいストライドをしている。スピード、瞬発力、ともに一流だ。あとは、鋭い目つきをしていて実践に行って行きたがる気性が課題。精神面さえクリアすればクラシックがグッと近づいてくる。

レインボーペガサス
前走のきさらぎ賞1着は、15番枠から道中は中団の外め。だが、口を割って行きたがり、折り合いを欠く。何とか前に馬を置いてなだめられる。終始、馬場のマシな外めを通る。3角の上り坂でも押さえるのに苦労するほどの行きっぷり。下り坂を慎重に下り、4角で2着馬が動いたのに連れて進出開始。直線で馬場の大外へ持ち出し、右ステッキが数発。始めは反応が鈍かったが、ラスト1F地点からようやくエンジンが掛かる。そこからは渋太く伸びた。勝ち時計は平凡も馬場の影響もある。競馬場でテンションの上がりやすい傾向にあり、初の長距離輸送となった前々走の全日本2歳優駿ではパドックからイレ込んだ。前走は下見どころで、ハミで遊んでいた。まだ若いが、トモの厚みは雄大。当日の気配に注意。

スマイルジャック
前走のきさらぎ賞2着は、中2週でも時計は直前に南Pでサッと流した一本だけ。攻め不足だった。12番枠からスッと好位の外めに取り付くも、持って行かれるような感じ。十分に脚をタメられているとは言えない。3角の下り坂でガツンとハミを取ってしまい、一気に進出。直線で早めに先頭へ立つ形となり、残り300㍍地点ではレッツゴーキリシマに内から突進される不利が。残り150㍍付近で勝ち馬に並ばれる。アッサリ交わされてもおかしくなかったが、そこから粘りを見せ、3着馬には差されなかった。ハミにモタれる若さがあり、距離延長は有利とはいえない。エッグハミ着用。前々走の若竹賞3着は、久々でまずまずの仕上がり。スタンド前発走でハミに頼った走り。縦長の速い流れの分、離れた5番手で何とか折り合う。流れが緩んだ向こう正面序盤で前との差を詰める。逃げ馬が11秒9と速い脚を使った終盤でも同じ差。自身も追走に脚を使った。3,4角で外めを抑え切れない感じで進出。だが、直線で追い出されてからの反応は案外で、伸びずバテずだった。まだトモがパンとしていない分、前傾姿勢となりハミに頼ってしまう。それが力みに繋がり、道中の手応えは絶好に見えても知らず知らずに体力を消耗している分、最後のひと押しが利かない。攻めもビシビシやれていない現状だけに、本格化はまだ先だ。裏を返せば、それでこの成績。能力は計り知れない。陣営によると「ズルい面がある」と。

ドリームシグナル
前走のスプリングS1着は、中間の坂路での攻めの動きが良く、デキは朝日杯FS4着時よりも上向いていた。発馬で行き脚がつかず、テンは中団より後方のポディション。3角手前の上り坂で馬群の外めに持ち出そうとするも、武豊に被されて失敗。仕方なく、手綱をグッと引いて後方2番手まで下げる。他馬よりもワンテンポ以上遅く4角でスパートさせると、直線入り口にかけてグーンと加速。一気に中団まで取り付く。だが、そこから左ステッキが入ると内へモタれる。左手綱を引きながら右ステッキが入ると、今度は外へ膨れる。それでも、他馬と違う脚色でグングン加速して圧勝した。先行馬総崩れの流れが向いたのは確かだが、4角から直線入り口にかけての脚は本物と見ていい。蛇行運転するなど、若さが抜けない現状。前々走の朝日杯FS4着は、自身としてはまずまずの発馬だったが、全体的に見ればそれほど良くない。4番枠から好位の直後を追走。3角までは手応え良く運べたが、4角から直線にかけては手綱が激しく動き、直線はジリジリ。前のキャプテントゥーレに突き放されてしまったのは不満。疑問の残る4着だ。6月の遅生まれ。昨年末は攻めで終いバタバタというケースが目立ったが、この中間は1週前に坂路でラスト1F11秒9という文句ない伸びを見せている。一戦毎に成長している。テンから一貫した流れになりやすい中山1800㍍で前走と同様に脚をタメられれば。

サダムイダテン
10㌔減。厳寒期でそれほどハードに追われていないのにこの数字は減点材料だ。前走とは違い、好発を決める。道中は手綱をグッと抑えて後方までポディションを落とす。馬場の悪いインを避け、馬場の3分どころを通る。3,4角で馬群のなかに突っ込むのではなく、距離ロス覚悟で大外へ持ち出す。鞍上としては、外を回っても勝てるだけの力があると自信を持っていたのだろう。ジャパンCのメイショウサムソンと同じだ。直線を向き、持ったままの痺れる手応えで坂を上る。先頭までおよそ3馬身弱。坂を上った残り300㍍地点から手綱をしごいてスパートを開始させる。右ステッキが数発入り、一瞬は伸びかける。だが、そこからの持続力がない。調教と同様、頭が高く最後は脚色にもお釣りがなかった。柔らかい前脚の捌きで推進力に満ち溢れる反面、追ってからの重心が高く、完歩が小さいために脚が長続きしない感じ。4角から直線の坂上までの脚力は間違いなく一級品だが、府中の長い直線で大外を回して勝てるほどの持続力はなかった。前々走のラジオNIKKEI賞2歳S1着は、かなりの降雨で道悪。おまけに発馬で煽り、最後方からの競馬。しかも、戦前から逃げ馬不在に加えこの馬場。超ドスローの流れ。道中はタメるだけタメて直線だけの競馬。大外から後肢をバネのように伸ばしてグイグイ加速。僅かに届かなかったが、内容は悪くなかった。追って頭が高く、小手先だけで走っている感じ。一瞬の脚は本物だが。今回はロスなく馬群の中から乗られるだろうし、一瞬の脚を生かせる中山コース。言い訳はできない。牝馬のように繊細な面があり、調整が緩かった前走でも馬体が減っていた。暖かくなり、再び長距離輸送の今回、体調の維持が難しい。この中間は距離の短い坂路での調整。

アサクサダンディ
前走の東京500万戦1着は、豪華メンバーが集まった。ブーケがテンから飛ばす緩みない流れを、離れた好位の外めを抑え切れない感じで追走。流れの緩んだ3,4角で除々に先団との差を詰める。4角から直線にかけて大外を回るも、手綱はピタリとも動かず絶好の手応え。坂上で追い出しを開始させ、上り切ったところで左ステッキが一発。とここで、過敏に反応し過ぎて外へ膨れてしまう。その後は右ステッキと手綱で修正し、懸命に追う。ゴール前で左手前に替え、グンと伸びる。ゴール前できっちりと差し切った。前々走の若竹賞2着は、縦長の速い流れを離れた中団追走。流れの緩んだ3,4角で外めを通りながら差を詰める。4角ではかなりの大外を通らされるロスが。馬なり絶好の手応えで直線を向くと、一気に差し切ろうかの勢い。追い出されてからは一完歩毎にジワジワと詰め寄ってきた。負けて強の内容だ。3走前のジュニアC7着は、超Hペースの流れを掛かり気味に追走。直線で一旦は先頭に躍り出るも、自身もかなり追走に脚を使っていたために息が持たなかった。完歩の小さいピッチ走法で追って豪快に伸びるタイプではないが、バネのある走りで確実に差してくる。ロスなく立ち回れれば、ショウナンアルバと好勝負できる


レッツゴーキリシマ
前走のきさらぎ賞4着は、11番枠からスッと先行策。スピードの違いで3番手に取り付くも、口を割って頭を上げてモロに掛かる。向こう正面はずっとこんな感じで相当なスタミナをロス。3角の下り坂でも鞍上との呼吸が取れない。4角で手応えは良くなかったし、直線の残り300㍍地点で苦しくなって外へ膨れる。そこで右手前の替えて懸命の粘りを見せる。厳寒期の荒れ馬場で他馬より1㌔重い57㌔を背負い、テンにスタミナをロスし、最後は苦しくなりながらも勝ち馬からコンマ2秒差なら高く評価できる。前々走の朝日杯FS2着は、直前の坂路追いで抜群の動きを披露。デキは良かった。前走で折り合いを欠いているだけに、3番枠から無理することなく道中は好位のイン追走。終始、インの経済コースを通るロスのない競馬。三分三厘での手応えも十分で直線も最内へ。直線も粘り強い脚でバテることなく2着を確保した。折り合いに難のあるタイプだが、それ次第では1800㍍もこなせる。内枠が絶対条件になる。速い流れになればなるほど折り合いは苦労しないが、代わりに自身が苦しい競馬になる。

アイティトップ
前走の京成杯3着は、15番枠からスッと最後方に下げる。だが、2角の下り坂でハミを取ってしまい、少しポディションを上げる。その後は直前のチャールズをマークする形で、前に馬を置いて折り合いに専念。だが、向こう正面から3角にかけて流れが極端に緩んだために馬群がギュッと固まり、内へ突っ込めない。仕方なく、4角から右ステッキ数発で大外を捲る形。内のチャールズに被せて行く。正攻法の攻めの競馬。直線でステルスが寄られる煽りを受けたが、坂上で筒一杯。最後は止まってしまった。この中間は一頓挫あって予定していた弥生賞を回避。2週間時計を出せなかった。1週前は何とか追えたものの、順調さを欠いたうえに相手強化は楽ではない。

アルカザン
前走のきさらぎ賞6着は、久々で中間の追い日がすべて道悪。よほど運がなく、調整に苦労していた。道中は中団馬群の中からの追走だったが、フワフワして集中力を欠く。ペースの上がった4角ではズブさを見せて手綱のアクションに余裕がない。こうなると進路が限定されてしまう。スローなら尚更。狙っていた大外の進路はレインボーに被されて消滅。仕方なく、直線は馬場の真ん中に出し、バテ馬を捌くのに苦労するシーンもあり、頭の高い走法でジリジリ伸びるも届かず。勝ち馬からはコンマ2秒差。休養前の京都2歳S1着は、緩い流れを後方から追走。向こう正面中盤から少しポディションを上げる。ペースの上がった4角でフワフワして手応えが悪い。しかも、前が詰まり追い出せない。ようやく残り250㍍地点で外めに持ち出し、一完歩毎にグイグイと伸びる。一気に差し切った。集中力に欠く面があり、ズブくて追って頭が高い。まだまだ発展途上だが、全身をゴム毬のように伸びるストライドは魅力。ひと叩きされた上積みも望める。正念場。

アポロドルチェ
前走のアーリントンC9着は、中間に一頓挫あって時計を出せない時期があったし、攻めをビシビシできていない現状。レースではテンから行きたがり、力んでいた。中団追走から3角で掛かったポルトを追いかける形。直線で寄られる不利があったものの、脚自体も残っていなかった。休養前の朝日杯FS11着は、14番枠から終始、外めを通らされロスの多い形。加えて三分三厘から早めに動く形で末をなくした。一頓挫明けを叩かれて上積みは望めそうだが、1ハロンの距離延長で折り合いが更に難しくなるし、元々歓迎ともいえず。ここは相手も強い。直線の追い切り待ち。

フローテーション
前走のすみれS7着は、発馬後のホームストレッチを左手前でリズム良く追走できていたものの、坂下で寄られた時に左手前に替えた途端、リズムを崩す感じになった。向こう正面からは折り合っていたものの、ずっと外を通らされる形。馬群がギュッと凝縮した3角で大外を回って押し上げる。4角での手応えは今一つで、直線入り口では内へモタれてゴチャつく。最後は大きくバテることはなかったものの、馬群に沈んでしまった。休養前のラジオNIKKEI杯2歳S8着は、後方から直線勝負に徹するも、内へモタれて満足に追えず。消化不良の内容だった。3走前の萩S1着時でも平均ペースの流れを好位から追走し、直線で内へモタれながらも武豊騎手の見事な手綱捌きで差し切っている。相手は強くなるが、ひと叩きされた上積みと時計の掛かる中山コース。鞍上は横山典騎手。巻き返す要素を残す。内へモタれる癖は鞍上の腕でカバーできないか。

ベンチャーナイン
前走の弥生賞9着は、テンから緩い流れだけに最後方の同馬には辛い流れ。しかも、折り合いに難のあるタイプで、案の定、1角でモロに掛かりゴチャついた。向こう正面でもハミにモタれた走りで力んでいた。その分、追ってからの伸び脚が今一つだったし、展開自体も向かなかった。勿論、1ハロンの距離短縮は歓迎材料だし、鞍上も強化。追い込み一手で他力本願だが、流れ次第では。

サブジェクト
前走の共同通信杯9着は、勝ち馬が手綱を引っ張った向こう正面で煽りを受け、手綱を押しては引き、押しては引きを繰り返し、リズムが悪かった。消化不良。前々走のラジオNIKKEI賞1着は、道悪で超ドスローの流れ。これを好位から上手く流れに乗り、早めに抜け出して押し切った。鞍上のファインプレー。掛かり癖があって乗り難しく、一瞬しか脚を使えない。

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フィリーズレビュー(GⅡ)調教診断

2008-03-13 19:59:49 | 調教診断
ベストオブミー抜群の行きっぷり

【エイシンパンサー】○ 好調キープ
既に年明けから3戦を使われ、中3週の今回は軽めの調整。最終追い切りも、坂路を単走でサッと流す程度。頭は高いが、相変わらずピッチの利いた回転の速いフットワークでスピード感に溢れる。全くの馬なりでラスト1Fが12秒2。上積みは望めないも、好調をキープしている。

エイムアットビップ】◎ 動き絶好も
福永騎手を背にDWで2頭併せの内を6Fから追走。抑え切れない手応えのまま4角で並びかけ、直線でゴーサインが出される。ゴール前でフワッとしたが、卓越した後肢から繰り出されるパワフルな走りで一気に併走馬を突き放した。ラスト1Fは圧巻の11秒8前後。格の違いを見せつける絶好の動きだった。しかし、2月23日に帰厩して熱発の影響で1週前追い切りができなかった。普段は坂路で追われる馬が、レースに間に合わせるためにコースで長めから追われた。調教の動きからも能力の高さは誰しもが認めるところだが、急仕上げは否めないし、いつもと違う調教パターンでイレ込みも心配だ。当日のテンションには注意。

【エーソングフォー】○ リズミカル
1週前に坂路で半マイルから51秒2を出しているので、最終追い切りは坂路でサッと流す。キビキビとした身のこなしで、ゴール前で右手前に替えて余裕残しのままフィニッシュ。気負うことなく、上手く首を使えてリズミカルな走り。

【パッションローズ】○ グイグイ加速も
北村友騎手を背に坂路で単走。ピッチの利いた回転の速いフットワークでグイグイ加速。ただ、ゴール前で左手前に替えてからは、右前脚が斜め前に出る感じで左へモタれた。元々硬いところがあるのだが、前走以上だった。それは気になる材料。

【ビーチアイドル】○ グイッと先着
岩田騎手を背に坂路で2頭併せ。直線で馬体を併せ、ラスト1Fを追われる。実践と同様に頭の位置が高くて見た目は平凡も、脚捌き自体は力強く併走馬をグイッと突き放した。坂路では地味なタイプ。順調。

ベストオブミー】◎ 脚力示す
安藤勝騎手を背に坂路を単走で。道中からハミ噛んでグッと顎を下げ、抜群の行きっぷり。最後まで鞍上は抑えるのに苦労していた。楽に半マイルから51秒4-13秒1。掻き込みが強く、完歩の小さいピッチ走法。ダート向きであることは確かも、絶好の動き。

【ペプチドルビー】○ 動きシャープ
藤田騎手を背にBで単走。ラスト1Fからビッシリ追われると、重心は高いが四肢を力強く伸ばしたシャープな動きを披露。決して一本調子のスピードタイプではない。久々の実戦だが、毎週Bで追われており馬体は太め感なく仕上がっている。

【マイネブリッツ】○ 動き機敏
DWで2頭併せの外を先行する形で5ハロンから。直線で一旦は先頭を譲るも、ラスト1Fでビッシリ追われて先着。手先の軽いフットワークで機敏な動きだった。トモの送りも上々。首をもう少し柔らかく使えるといいが。

【マイネレーツェル】△ 動き地味
坂路で単走。ラストで少し気合いを付けられた程度で52秒2なら優秀だが、完歩が小さく前捌きが硬めで見た目は地味。強調材料は見当たらなかった。

【マチカネハヤテ】○ 滑らか
CWで単走。掛かり気味で鞍上との呼吸が悪い。ゴール前はフワフワしていた。時計も地味。それでも、前脚をピンと張り出して滑らかなフットワークは目に付いた。

【リマレックス】○ リラックス
中1週のためCWで2頭併せをキャンターに毛が生えた程度。とくに気負うことなくリラックスした走り。

【ラベ】○ 巻き返す
前走は10㌔減の410㌔。この中間は馬体回復を主眼に置かれ、馬なり調教ばかり。これは不満が残るが、一週前はチューリップ賞3着のオディールを手応えで圧倒。最終追い切りは、坂路で2頭併せ。右手前で左へモタれ、立て直してラスト1F手前で左手前に替えた時に再び左へモタれた。若さを覗かせたものの、大きなトビで見た目以上の時計。走りが軽やか。ゴール前はグイッと並走馬を突き放した。馬場のいい阪神で巻き返す。

レジネッタ】◎ 柔らかい身のこなし
坂路を単走でサッと流す。左手前の時に少しモタれていたが、ゴール前で右手前に替えてからは真っすぐ走っていた。首を上手く使い、シャープな脚捌きでリズミカル。気負うことなくリラックスして柔らかい身のこなしだった。

【ワンモアグリッター】△ 機敏さに欠け
坂路で単走。口向きが悪く、ゴール前は左へモタれていた。フットワークも緩慢な感じで機敏さに欠けた。元々、派手な時計を出すタイプではないが、推せない。

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弥生賞(GⅡ)回顧

2008-03-12 22:02:01 | 回顧
【馬場】野芝約4~6cm、洋芝約10~14cm。Aコース。馬場ボコボコ。

12.2 - 11.5 - 12.4 - 12.8 - 12.9 - 12.5 - 12.3 - 11.7 - 11.3 - 12.2=2:01.8

【展開】逃げ馬不在、押し出されるようにホッカイカンティがハナ。2番手にシングン、マイネルですんなりと隊列が決まる。向こう正面でもペースは上がら動いたのは三分三厘。2番手から早めに抜け出すマイネルに外からブラックが進出。直線は各馬が余力を残した状態での追い比べ。先行有利。

 常に前向きな闘争心、ソツのない先行力と他馬に動じない根性でマイネルチャールズが戦国クラシックの主役に躍り出た。この中間、放牧先からガレて帰厩したために最終追い切りをセーブ。この日は暖かい気候も重なって4キロ減。男馬にしては線が細く、カイ食いが良くないようだ。レースでは、逃げ馬不在で最初の1Fで各馬が出方を伺うなか、慎重に先行する。だが、1角進入時に口向きの悪さを見せ、そこから折り合いを欠く。何とかなだめられて2番手で我慢。3角からジワッと逃げ馬に馬体を併せて行く。手応えは抑え切れないほど抜群。4角の残り2F地点でゴーサインを出すと、スッと反応する。直線で内へモタれ気味になるも、立て直して坂下で先頭に立つ。一頭になってもソラを使うことなくしっかりと駆け抜けた。1角から行きたがったものの、全体的にはスローで2番手から流れに乗れた。それほど苦しい競馬ではなかった。まだ、時計勝負の舞台を経験していないので不安説が囁かれているが、4角の反応を見る限りは対応できそうだ。今後の課題はカイ食いの改善と馬体増。これができなければ攻めをビシビシ積めないし、残り1ヶ月半で他馬に成長される。

 武豊騎手がリベンジを期したブラックシェル。本番への出走権と収得賞金を加算できたという点では仕事は果たせた。この中間は中2週で長距離輸送が控えていながら、1週前に坂路で半マイルから、最終追い切りはCWで6ハロンからビッシリと追われて攻め強化。目イチの仕上げだった。その甲斐あってこの日は6キロ減。下見どころでも落ち着き払っていたし、すべての面で上積みがあった。課題だったゲートもクリアし、テンから気合いを付けて中団の外めへ。他馬と接触したことと、仕掛けた分だけ行きたがる。道中は手綱を引っ張り通し。4角入り口から馬群の外めを通り、ジワッと進出開始。だが、手応えの割に4角から直線入り口にかけての加速力がなく、ズブい。坂下でも反応は今ひとつ。ゴール前でようやくエンジンが掛かる。そこからはグンと重心を沈め、全身を使った迫力のあるフォームで迫るも、届かなかった。530㌔を越す大型馬で、機敏さに欠ける。この日も4角で外めに持ち出す時がぎこちなかった。傾斜のきつい中山コースは不向きだ。フットワークにもう少し柔らか味がほしい。時計勝負には疑問が残る。目イチ勝負だったため、本番までにケアできるか。

 カケミカヅチは2番枠からジワッと先行し、好位のインをキープ。しかし、1角からは緩い流れに対応できず行きたがってしまう。向こう正面で何とかなだめられる。3角からジワッと進出も、4角で手綱を目一杯しごかれ置かれてしまう。直線で外から4着馬に被され、激しい追い比べに。坂上で突き放したものの、勝ち馬には追いつけず、2着馬にも差されてしまった。テンに折り合いを欠いた分、伸び切れなかった。先行できたのは収穫。流れを考えれば位置取りはベストだった。

 キャプテントゥーレは久々でも坂路で入念に乗り込まれ、万全に近い仕上げ。15番枠からテンは無理することなく好位の外め追走。初めての2000㍍だけに慎重な運び。その甲斐あって折り合いは完璧で、至極順調の道中。4角手前から大外へ持ち出し、仕掛ける。3着馬に馬体を併せて行き、追い比べに持ち込むも、坂上で突き放されてしまった。この緩い流れで最後に脚が止まってしまったのを見ると、やはり距離に壁がある。完歩の小さいピッチ走法だけにどうしても長い距離は厳しい。4角で外に持ち出すロスがあったので、本番では内枠が絶対条件になる。

 キャリア1戦のテラノファントム。発馬で右に寄れて他馬と接触するアクシデントはあったが、動じることなく大きくと力強いフットワークで中団馬群からの追走。ちょうど外の2着馬と馬体を併せる形。4角入り口で他馬がアクションを開始させた時に一緒に動くも、ズブさを見せて置かれる。しかも、4角から直線入り口にかけて激しく内へモタれ、満足に追えない状況。坂上でも藤田騎手は左手綱を引いて矯正している。それでも、鋭く追い込んできた脚力は凄い。一気の相手強化でも善戦。将来が楽しみだし、フットワークが雄大。

 スズジュピターは急仕上げ気味。発馬直後に両サイドの馬と接触し、前へ行けなかった。中団のインに入れる。4角でインから馬2頭分外めに持ち出し、理想的に加速する。直線でチョロッと脚を使ったものの、上位馬との脚色は歴然としていた。インパクトに欠ける走り。案外な成長。

 アインラクスはテンに無理することなく後方で折り合いに専念。前に馬を置き、向こう正面では手応え十分。3角から大外へ持ち出し、4角から直線にかけてロスの多い誘導になったものの、追われてから首が硬く、手先だけで走っている感じだった。

 オリエンタルロックは久々でも最終追い切りは動き、チグハグだった前走時は雲泥の差だった。道中は2着馬を見ながら後方に控える。課題の折り合いはスムーズ。だが、ペースの上がった勝負どころでズブさを見せ、直線は顎が上がって推進力に欠けた。

 フサイチアソートは発馬直後に他馬と接触し、道中は無理することなく後方に下げる。最後方のイン追走。3角で本来なら進出を開始させるところだが、馬場がボコボコしていて砂煙が上がる。ジョッキーはそれほど強く負うことはなかった。何ら見せ場のないレースではあったが、本番を見据えたものだったし、無理はしなかった。中間の気配に注意。

チューリップ賞(GⅢ)回顧

2008-03-12 22:00:51 | 回顧
【馬場】野芝約4~6cm、洋芝約10~14cm。Aコース。馬場良し。

12.6 - 11.2 - 12.3 - 12.6 - 12.6 - 12.0 - 10.7 - 11.8=1:35.8
(36.1-25.2-34.5)

【展開】逃げ馬不在、エアパスカルが2ハロン目からジワッと先行し、3ハロン目から単独先頭。道中は目立った動きもなく一団。3,4角でもペースは上がらず。4角から直線入り口でも12秒0と遅い。直線で10秒7-11秒8というように、実質2ハロンの競馬。それでいて33秒台の脚を使ったのがオディールのみ。脚を余した。

 中1週で巻き返しを狙ったエアパスカルが見事に重賞初制覇を飾った。10番枠からハミを取り、前向きな走りで先行策。鞍上は折り合いに不安のあるタイプだけに慎重に運び、3ハロン目からハナに立つ。そこからは番手馬が手綱をグッと抑えたために12秒3-12秒6-12秒6と緩い流れに持ち込めた。4角から直線にかけてもペースは上がらず余裕十分のまま直線へ。4角で左手前に替えていたためにそのまま手先が軽く弾むようなフットワークでグーンと加速。直線半ばで右手前に替え、もうひと伸び。最後は詰め寄られたものの、何とか振り切った。超スローペースをインピッタリに回って逃げたのだから突き放してほしかった。気持ちで走るタイプだけに、馬体はギリギリのほうがいい。

 2歳女王トールポピーは久々でも入念に併せ馬を消化し、好仕上がりだった2番枠から好発を決めると、道中は抑え切れない感じで好位を追走。緩いペースを大きなフットワークで追走しているために走りづらそう。4角で馬4頭分外めに持ち出し、引っ張りきりの手応えのまま直線へ。スッと左手前に替え、迫力ある前捌きで鋭く追い込む。ただ、追われてから頭が高く、大きなトビでトモの蹴りが弱いために一気に加速できない。差し切れそうで差し切れず、首の上げ下げで僅かに届かなかった。初めて経験する瞬発力勝負が勝敗を分けた。やはり、自身が35秒台半ばの脚で差し切れる展開がいい。兄同様、ハミを噛む癖がきつくなっているのは気になる材料。

 オディールは久々で攻めの動きが案外。馬体も8㌔減っており、万全の状態とはいえなかった。意識的に発馬を遅らせ、後方に控える競馬。前に馬を置き、徹底して脚をタメる。4角から直線にかえても慎重に運び、直線は大外へ。他馬を避けるロスがあり、加速が遅れる。ようやく残り2Fからスパートを開始させると、鞍上の左ステッキに応え重心をグンと下げて弾ける。ゴール前で右手前に替え急追。首の上げ下げで届かなかったものの、流れを考えれば一番強い競馬だった。控える競馬をできたのは収穫。あとは馬体を回復させることと、鞍上が「外へ逃げるところがあった」というように、精神面。阪神JFでカレイジャスミンと接触した後遺症が残っているか。

 スペルバインドは追ってからの重心が高く、瞬発力勝負では分が悪かった。

 メイショウジェイは道中、抑え切れない感じで好位のインを追走。直線でいざ追い出されると、内へモタれたりして伸び切れなかったが、現時点では力不足だった。中間にソエを気にしていたとのこと。攻めの動きから必ず走ってくる。経験を積めば。