中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

天皇賞・春(GI)徹底研究!

2011-04-27 00:02:20 | Weblog

トゥザグローリー
前走の日経賞1着は、1番枠から馬任せでジワッとした出方。緩い流れとインのコーナーワークを利して1角では4番手のインをキープする。向こう正面では抑えるのに苦労するほどの行きっぷりでもの凄い手応え。3角でも制御するのに苦労していたが、外のミヤビが仕掛けて行ったことでレース流れが速くなった。ここで手綱をグッと抑えて脚をタメる。4角手前で少し手綱を緩めてインから進出開始。4角で先頭から1馬身圏内まで進出すると、直線入口で馬なりのまま先頭へ。レースのラップが10秒8のところだから、すごい脚力だ。直後に外のローズキングダムに迫られたが、坂上で左手前に替えるとグンともうひと伸び。最後は手綱を抑えてフィニッシュした。抜け出した時にフワッとするし、まだ頭の位置も高い。道中も行きたがるところがあり、気性はまだ若い。逆にいえば、それでこの強さ。前々走の京都記念1着は、8㌔増もそれほど太く見せず、厳寒期にしては毛ヅヤも良かった。レースでは好発からスーッと馬任せで3番手のインを取りに行く。逃げ馬不在でテンからゆったりした流れにも折り合いを欠くことなくスムーズな追走。終始、インの経済コースを通る。3角で外からシャドウが動いても慌てず。坂の頂上で少しづつ馬場の良い外めに進路を求めるも、スローで馬群がギュツと凝縮しているため出せない。4角から直線にかけても前5頭がびっしりと壁になってしまう。仕方なく直線は大外へ持ち出す。かなり仕掛けが遅れたが、そこからグングン加速。前のヒルノダムールをお交わすと、右手前に替えてもうひと伸び。追えばどこまでも伸びる感じで差し切った。昨秋のマイルCS7着で、マイルGIの激流を経験し急激に力を付けてきた印象がある。とにかく四肢の脚力が半端なく強い。レースが速くなる勝負どころの3,4角を馬なりでポディションを上げられるのが、その証拠だ。今回は距離が延びて前半の折り合いがポイントになるが、前走は流れが緩んだ1,2角で我慢できていたし、気性も使うごとに改善されている。最初の下り坂をクリアできれば、むしろ距離が延びることでレースがしやすくなる。長距離戦特有の勝負どころで緩急の激しい流れは、同馬が得意するもの。鞍上は四位に決まった。

マイネルキッツ
前走の日経賞4着は、例によって発馬で行き脚がつかず、道中は後方からの競馬。久々の一戦となるが、道中は首を水平に使い大きなフットワークで集中力を感じさせた。流れが落ち着いた向こう正面中盤でインからジワッとポディションを上げる。3角手前では勝ち馬から2馬身圏内までに迫る。3角で一気にペースアップする流れに戸惑いを見せ、4角では手綱が動く。直線入口ではステッキが入るなど反応が鈍い。それでも、最後まで集中した走りで一完歩毎に粘り強く伸びてきた。ズブくて瞬発力勝負には対応が難しいタイプで、まして超久々。12㌔増で余裕もあった。それを考えれば及第点の内容だ。鞍上も本番を見据えた騎乗をしていた。昨年のこのレースは2着。発馬後から手綱をしごいて2番手から積極的な競馬。この仕掛けだとガツンと掛ってしまうタイプもいるが、同馬は全く折り合いに不安がない。これは鞍上が一番よく理解している。レースは中距離タイプのミッキーペトラがガンガン飛ばしたために1角手前までの1200㍍が72秒6と淀みない流れ。1角から向こう正面中盤まで流れが緩んだことで脚をタメる。4角の下り坂から早めに動いて行き、4角では早くも単独先頭に躍り出る強気の競馬。直線で一旦は後続を突き放し、圧勝かと思われたが、勝ち馬が最後にすごい脚で追い込んできて差されてしまった。それでも、テンから積極的に追走し、4角早め先頭の正攻法の競馬でラスト1ハロンを11秒5(推定)で踏ん張っているのだから強い。一昨年のこのレースで初GI制覇。2番枠からテンは無理することなく後方のインでジッと我慢する。終始、インの経済コースを立ち回る。レースは掛ったシルクフェイマスが途中からハナを奪う入れ替わりの激しい流れになるが、とにかく我慢。3角手前の坂の上りからジワーッと馬群のなかを通ってスパート開始。馬なりでどんどんとポディションを上げて行き、4角の下り坂では抑えるのに苦労するほどの手応えで4番のインに取り付く。直線はインを突き、渋太く伸びる。ラスト100㍍で2着馬と馬体を併せたところでもうひと伸び。折り合いに不安がなく、とにかくスタミナが豊富。中距離ではズブくて伸び切れないが、3000㍍以上なら前から後ろからでも競馬ができるし、長く脚を使える。理想は一昨年のように後ろから行って、勝負どころから早めに動いて押し切るパターンだ。鞍上は前走で手応えを掴んでいる。8歳馬だが、前走の内容から衰えは皆無だし、一週前追い切りもトモの蹴りが力強くてパワフルな動きだった。昨年の雪辱へ。

ヒルノダムール
前走の大阪杯1着は、この中間はいつものコース追いではなく、坂路主体の調教で瞬発力を鍛えた。直前の攻め馬では、前に馬を置きゴール前は迫力の動きを見せていた。レースでは、発馬で右にヨレて他馬と接触するアクシデントが。ここで馬にスイッチが入って掛ってもおかしくなかったが、意に介せずスーッと中団で折り合う。レースは向こう正面から流れが締まり底力を要求される展開。3角で少し気合いを付けるものの、インでジッと我慢し、脚を温存。4角で手綱をしごいてスパートを開始させると、直線は馬場の3分どころへ持ち出す。前で粘るキャプテントゥーレを目標に一瞬の切れ味を使い、グイッと馬体を併せる。坂上で交わしたところでフワッとして例によって頭が高くなる。そこを後続に迫られたが、首の上げ下げで何とか振り切った。レコードV。2,3,4着馬は後方待機組。この厳しい流れを自ら勝ちに行って掴んだものだから価値が大きい。前々走の京都記念3着は、大外枠発走から発馬を決めて前を狙う。しかし、1角までに行ききることができずに中団の外めへ控える。その後は前のビッグウィークを見ながらの競馬。4角の下り坂からジッと進出。4角で気合い付けてポディションを上げる。その時にビッグウイークと接触するアクシデントはあったが、ライバルより先に抜け出すことに成功。一旦は馬場の良い大外から単独先頭に立つも、あっさりと捕まってしまった。3走前の日経新春杯2着は、道中、中団馬群の外めを追走し、横のローズ、前のルーラーを見ながらの競馬。3角でジワッと加速したルーラーをマークするようにジワッと進出開始。4角で接触する不利はあったものの、直線入口でグンと突き放されてしまう。そこから懸命に脚を伸ばして2着は確保したものの、決め手の差を見せられてしまった。前々走の鳴尾記念2着は、シルポートの作る淀みない流れを後方の外めから前のリルダヴァルを見ながらの追走。ジワッと3角から少しづつポディションを上げて行き4角で馬体を併せに行くも、内へモタれてモタつく。直線でスッと引き離され、その後も左手綱と右ステッキで立て直しながらアクションでまともに追えない。ゴール前で何とかリルダヴァルを差し切れたが、勿体ないレースだった。昨秋の菊花賞7着は、道中は1番枠から中団のインをロスなく立ち回れたが、勝負どころから馬込みに包まれ動くに動けず。直線も前がびっしりと壁になり、左手綱を引いて立て直して外めへ持ち出すロスが。まともに追えたのはラスト1ハロンからだったし、手前も替えず脚を余してしまった。距離はこなせていた。追って頭が高いし、内へモタれる癖はあるが、タメれば一瞬の脚力はかなりのもの。3200㍍でも楽しみ。早くも今年4戦目を迎えるが、一週前は7ハロンからびっしり追われるなど元気いっぱい。これがこの馬の良さだ。

ナムラクレセント
前走の阪神大賞典1着は、下見どころでは落ち着き十分で懸念された煩さを見せなかった。3番枠から少し気合いを付けて2番手を取りに行く。道中で少し行きたがる仕草は見せていたが、許容範囲で何とか我慢する。頭の高い走法だが、大きなフットワークでの追走。流れの緩んだ正面スタンド前から2角までも折り合いが付いた。向こう正面で逃げ馬がペースアップして引き離しに行くが、深追いすることなく我慢。3角でスパートを開始させると、4角では逃げ馬から1馬身後方まで迫る。しかし、手応えは決していいものではないし、外2頭のほうが勢いがある。直線を向いて飲み込まれるかと思ったが、鞍上の左ステッキが入るとグングン加速。力強いフットワークで後続を突き放してしまった。自ら勝ちに行く実に強い競馬だった。昨年のこのレースは3着。7番枠から好発を決め、馬任せでポディションを取りに行く。最初の上り坂から下り坂にかけて行きたがって折り合いを欠いたが、4角でインに潜り込み折り合いを付けることに成功した。4角の下り坂で馬群の外めに持ち出すが、ゴチャついて手綱を引っ張るシーンが。直線で外めに持ち出し一完歩毎にジワジワと伸びたが、1,2着馬にはかなり引き離された。追って頭が高い分、切れ味勝負では分が悪い。トビが大きく、スタミナが豊富のため距離は延びるほど歓迎。以前ほどムキになって行く面も解消しているのも何より。ここは先行馬不在のメンバー構成となった。同じ位置からの追い比べでは分が悪いので、引き離してセーフティリードを取りたい。

コスモメドウ
前走の阪神大賞典2着は、中間に茨城県の美浦トレーニングセンターで被災し、余震が続く中で不安な日々を送った。調教も順調さを欠いた面があったろう。レースでは、2番枠から少しずつ気合いを付けて行って前々のポディションを取りに行く。その分、勢いのついた最初の3角で若干行きたがったが、その後は3番手でしっかりと折り合う。終始、前のナムラクレセントをマークする形。3角から手綱をしごいて早めにスパートを開始させる。だが、4角でステッキが入るなど思ったほど手応えが良くない。直線で勝ち馬に並びかけるところまで行ったが、そこから苦しくなって内へモタれて突き放されてしまった。最後はジリジリと伸びて2着が精一杯だった。力負け。ここでは相手が強い。

ペルーサ
課題の発馬では、やはりトモに重心が掛りフワッとした。それでも、昨秋に比べればかなり前進している。レースがスローで流れたこともあり、置かれることなく道中は中団から前の有力どころを見ながらの競馬。ペースが落ち着いて馬群がギュッと凝縮した向こう正面中盤では先頭から4馬身圏内まで迫る。3角で一気にペースアップするも、ここでは無理せず。4角で少しずつ気合いを入れてスパートを開始すると、直線は大外へ。スッと左手前に替えたものの、前のトゥザとローズとは加速力の違いを見せ付けられ、ズブくて置かれてしまう。坂下で再び右手前に替えて内へモタれながらも、ジワジワと追い上げる。坂上で三度、左手前に替えるとエンジンが掛りローズキングダムを差し切った。休養前の有馬記念4着は、発馬を決め手綱をしごいて5番手の外めを追走。道中の折り合いは付き、脚をタメることができた。向こう正面でルーラーシップが動いたことでレースの流れが一気に速くなったが、鞍上は慌てることなく我慢させる。3角手前から少しずつ気合いを付けてスパートを開始させるが、三分三厘の勝負どころではズブさを見せて置かれてしまう。4角では何とか盛り返し、直線もジリジリと伸びてはいるものの、上位3頭とは決め手の差が出た。500㌔を越す大型馬でトモが緩く、どうしても発馬が速くない。昨秋の天皇賞、ジャパンCでは直線だけの競馬で差してきたが、有馬記念のように自ら勝ちに行く競馬だとトモが付いてこずにズブさを見せる。まだ、正攻法で勝ち切れるほどトモに力が付いていない。その点、4角で下り坂のある京都外回りならその弱点をカバーできる。3200㍍も問題ない。

メイショウベルーガ
厳寒期というで元々が絞りにくい体質。6㌔増は若干の余裕があった。発馬で両隣と接触するアクシデントはあったが、気合いを付けて馬群に取り付き、1角で中団のインを確保。そこからはジッと脚をタメる。3角の上り坂でも我慢。下り坂で鞍上がゴーサインを出す。だが、前のトゥザの動きが挙動で一旦手綱を止める。そこから外めに進路を見つけて再スパート。直線は馬場の良い大外から良い脚を使っているものの、勝ち馬の決め手が一枚上だった。昨年のこのレースは10着。好発を決めるも、無理せず道中は例によって後方からの競馬。終始、折り合いはスムーズ。いつものように4角の下り坂を利してスパートを開始させるが、そこでゴチャついて手綱を引っ張る大きな不利が。ここで戦意を喪失しまい、伸び切れなかった。4勝2着2回の京都外回りは絶好の舞台だ。ズブさを4角の下り坂でカバーでき、自慢の長くいい脚を使えるのだ。しかし、今回は3200㍍では末が鈍る危険性は大いにある。距離に不安を抱える分、慎重なレース運びになるだろうし、スタミナに自信を持つステイヤーを捉え切れずに終わる可能性がある。

オウケンブルースリ
スランプを脱しきれない。攻めでは格下に煽られ、本調子にはなかった。レースでは例によって発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。それも道中から少し気合いを付けながらの追走。3角から手綱をしごいて懸命にポディションを上げて行くも、フワッと頭が高くなって推進力に欠ける。直線もステッキが入っても反応が鈍く、ジリ脚だった。発馬で行き脚がつかず、追って頭が高くなるあたり、トモが弱くなっている可能性が高い。菊花賞馬で、底力勝負の09年ジャパンCでウオッカとハナ差の名勝負を演じた歴戦の古馬。瞬発力勝負では分が悪いが、京都外回りで下り坂を利して長く脚を使えれば。一週前追い切りは久々に動いたし、最終追い切りに注目したい。

ゲシュタルト
攻めで四肢を目一杯伸ばした力強いストライドでようやく昨春のいい頃のデキに戻った。レースでは内の先行馬の出方を見ながら馬任せで前々へ。前走で3400㍍を使った効果もあり、道中の折り合いはスムーズ。ペースの上がった向こう正面でも深追いすることなく我慢。前とは随分離れたが、3角でスパートを開始させると大きなフットワークで先団に襲いかかる。4角ではスピードに乗って直線入り口では一気に差し切るかの勢い。だが、直線で脚が止まり、頭が上がって苦しくなった。3200㍍は長い印象で、理想は上がりの掛る中距離だろう。

エイシンフラッシュ
前走の大阪杯3着は、大外枠発走で好発を決めたものの、内の先行馬を行かせて後方馬群に潜り込む。向こう正面から一気にペースが速くなる流れで課題の折り合いはクリア。59㌔を背負っていることもあり、3角では大外から早めにスパートする形。4角手前で中団まで押し上げたところで一旦手綱を抑える。4角で再び加速し直線へ。大きなフットワークで一完毎歩毎に詰め寄ったが、2馬の脚色が勝り、競り負けた。休み明けで59㌔を背負っていたし、外々を通らされる苦しい形。格好はつけた。前々走の有馬記念7着は、発馬で手綱を引いて控える形に。これはジャパンCで出脚が良過ぎて押し出されるように先行したため。すぐにインに潜り込み、前に壁を作る。その甲斐あって道中は後方のインで折り合うことに成功。3角手前までは理想的に追走することができたが、そこは多頭数のトリッキーな中山コース。3角では馬込みに包まれ、手綱を引っ張るロスが。そこから再び加速したいが、前がびっしりと壁になって動けない。直線で左手綱を引いてブエナの外めに進路を求める。そこからジリジリと追い上げるも届かず。一瞬の切れ味では劣るため、三分三厘でスパートできないのは痛かった。また、鞍上によれば春のいい頃のデキにはなかったとのこと。前々走のジャパンC8着は、予定していた菊花賞を筋肉痛で回避し、順調さを欠いた中での参戦。レースでは、好発を決めるが逃げ馬不在で押し出されるように2番手へ。2角で4番手までポディションを抑えたが、道中はかなり行きたがっていた。なし崩しに脚を使わされた分、直線で追い出すとフワッと重心が高くなり、苦しくなって内へモタれてしまった。タメが利かなかった。GI初制覇となった東京優駿では、1番枠から好発を決めるも、直後から手綱をがっちりと抑えて後方に控える。歴史的な超スローということもあり、道中は引っ張り切りの物凄い手応え。4角までは馬込みで我慢させ、直線は馬場の5分どころへ。坂上でスパートを開始させると、大きなフットワークで一完歩毎に伸びる。長くいい脚を使って叩き合いを制した。昨秋のジャパンCでなし崩しに脚を使わされたように、折り合いに課題を残す。前走は折り合いがついたとはいえ、一貫した流れの2000㍍。3200㍍の今回は必ずどこかで流れが緩む。そこは癖を熟知した鞍上の手綱捌きに期待したい。トビが大きく、ズブくて加速に時間が掛るタイプだけに、勝負どころで下り坂のある京都外回り舞台は絶好だ。そうすれば自慢の長くいい脚が使える。ひと叩きして確実にデキも良化。

ローズキングダム
前走の日経新春杯3着は、攻め駆けするタイプとしては直前の坂路の動きが不満の残るもので、デキは今ひとつだったか。ポンと好発を決めると、馬任せで先団へ。1角からはインのトゥザグローリーをマークする形。流れの落ち着いた向こう正面中盤では引っ張り切りの痺れる手応え。3角で外から少しずつポディションを上げて行き、インのトゥザを被せに行こうとするが、相手がスッと動いたために閉じ込めることができず。4角では例によって内へモタれていたが、京都コースほどひどくはなかった。直線でも少し内へモタれて鞍上の武豊騎手が右ステッキで矯正しながらの追い。前のトゥザを目標に懸命に追い掛けるが、坂上で末が鈍り後ろのペルーサにも差されてしまった。デキが今ひとつで、59㌔を考えれば仕方ないか。前々走の日経新春杯3着は、菊花賞同様に内へモタれてしまった。道中は中団のインを理想的に追走できていたが、3角の下り坂で早くもステッキが抜かれて手応えが悪い。鞍上も右手綱を引きながらの誘導でスムーズに加速できない。直線を向いても同じような感じで、進路を何度も替える。しかも、内へモタれるのを矯正しながらの追い出し。これでは満足に伸びない。折り合いに不安のないタイプで、距離自体はこなせるが、京都外回りだとどうしても勝負どころで内へモタれてしまう。その分、加速するのに時間が掛り、伸び切れずに終わるケースが多い。本質的には左回り巧者か。このところ攻め駆けしなくなっているのも気になる。

皐月賞(GI)最終結論

2011-04-23 20:32:12 | 最終結論
被災馬支援基金にご協力ください
 We are the oneプロジェクト

東京11R 皐月賞(GI 東京・芝2000㍍)
◎カフナ
○トーセンラー
▲ダノンミル
△ベルシャザール
×サダムパテック
×ステラロッサ

 東北太平洋沖地震の影響で当初予定していた中山ではなく、1週スライドして東京競馬場で開催することとなった今年の皐月賞(GI)。関東競馬も今週から再開し、いよいよ春競馬が盛り上がってきた。その皐月賞だが、本命はカフナを推す。前走の若葉S2着は、発馬後に気合いを付けて先団へ。2ハロン目は10秒9と厳しい流れだったし、1000㍍通過が59秒5の締まった流れ。この時期の3歳戦としてはかなりのもの。三分三厘で逃げ馬に早めに並びかける強気の競馬で、直線入口では早くも単独先頭に踊り出る。抜け出すのが早かった分、坂上で末が鈍って勝ち馬に並びかけられるが、そこっから粘りに粘って大きくはバテなかった。流れを考えれば正攻法で負けて強しの競馬だった。勝ち馬以上に評価できる。テンに前へ行ける脚力があり、底力があってスピードの持続性を持ち味とする。舞台は開幕週のパンパン馬場。Aコース使用で先行有利は明白だ。ここはエイシンオスマンがスッとハナへ立ち、2番手から粘り込みを図る。思えば父キングカメハメハも3歳冬までは伸び悩んでいたが、京成杯で超ハイペースを経験したことで急激に力を付け、その春に変則2冠を達成した。まずは皐月賞で偉大なる父へ近づく。

 相手筆頭にはトーセンラーを推す。前走のきさらぎ賞1着は、リキサンマックスがガンガン飛ばし、離れた2番手以下はスローの流れ。これを道中は後方から馬任せで追走し、前のオルフェーヴルを見ながらの競馬。残り1000㍍標識を通過した3角手前から外めを通ってジワッと進出開始。3角の下り坂からは少し手綱を動かして決して手応えは良くなかったが、5番手までポディションを上げられたし、下り坂を利して加速することはできた。直線を向き、しばらくは右手前のままで反応は今ひとつ。残り300㍍地点で左手前に替えると、鞍上の懸命な手綱捌きと左右のステッキでグンと重心を沈めて伸びる。馬場を強く叩きつける大きなフットワークで一完歩毎に凄い脚を使った。追えばどこまでも伸びる感じで差し切ってしまった。一瞬の切れ味よりは長く良い脚を使うタイプで、府中の直線の長いコースは歓迎材料だ。久々の一戦となるが、この中間は3週続けて長めから熱心に乗られ、最終追い切りは内田を背にCWで豪快な動きを披露。仕上がりは万全だ。府中の2000㍍はスタートしてすぐにコーナーを迎えるため、外枠はかなり脚を使わされる。しかも、開幕週だけに内の先行馬有利は明白。条件は厳しくなったが、底力でカバーできるとみる。

皐月賞(GI)調教診断はこちら! 
皐月賞(GI)徹底研究!はこちら

師匠・大谷内泰久さんの無料動画予想(You Tube)はこちら

皐月賞(GI)調教診断!

2011-04-21 23:34:28 | Weblog
被災馬支援基金にご協力ください
 We are the oneプロジェクト

エイシンオスマン】○ 疲れなし
中1週続きのため坂路を単走で終いサーッと。道中は首をグッと下げる独特のフォームでモタれていたが、キャンター程度なので問題ない。ゴール前で少し気合いを付けられると、首を上手く使いシャープな脚捌きでフィニッシュ。中1週でも疲れはなさそう。

オールアズワン】▲ 上積み疑問
ジョッキー騎乗で坂路を2頭併せでビッシリと。ラスト1ハロンからハミをかけ直され、最後は苦しくなって頭が上がってしまったが、何とか先着した。いつもはコースでびっしり追ってくるが、この中間は坂路のみでの調整。これは久々の前走で、長距離輸送によって馬体が減ってしまったことを考慮してのものか。久々を叩いた上積みは今ひとつ。

オルフェーヴル】○ 気性成長
池添騎乗で坂路を2頭併せで強め程度。ゴール前で気合いを付けられると、首を上手く使い回転が速く、力強いフットワークで貫録の先着。手応えにはまだまだ余裕があったし、モタれずに真っすぐ走れたのは何より。一戦毎に気性面で成長している。

カフナ】○ いいデキキープ
坂路で古馬オープンのメテオロロジスト(アンタレスS出走)と併せ馬。最後は頭が上がって苦しくなり、手応えで完全に見劣ったが、馬場の影響もあるだろう。1週前は余裕の手応えで先着し、抜け出してからもフワッとすることなく真面目に走っていた。いいデキを保っている。

サダムパテック】○ デキ良さそう
岩田騎乗で坂路を単走で。頭の位置が高いために時計ほどの見栄えはしないが、ゴール前で気合いを付けられると、前脚をピンと張り出したスナップの利いた走りで、ラスト1ハロンを12秒3でまとめた。不良馬場を考えればかなり優秀だ。この中間は中6週とやや間隔が開いたが、この動きならデキは良さそうだ。

ステラロッサ】○ 迫力満点
川田騎乗でCWを3頭併せの内で6ハロンから追走。首をリズミカルに使い、大きなフットワークで迫力満点の動きを披露。首と前脚の捌きはGIを獲れる資格を有する。まだトモが付いてこない分、実践に行ってエンジンの掛りが遅い。これでトモがパンとすれば凄い馬になる。かなりデキはいい。

ダノンバラード】○ 時計ほどの迫力なし
武豊騎乗で坂路を2頭併せでビッシリと。ゴール前で手綱をしごかれ、目一杯に追われて何とか先着。トモが緩く追って頭が高いために、時計ほどの迫力はなかった。強調できる動きではなかった。

ダノンミル】○ 推進力に溢れる
内田騎乗でCWを2頭併せの内で6ハロンから追走。道中は抑え切れないほどのもの凄い行きっぷり。ラスト1ハロンから楽な手応えのまま抜け出すと、ノメったりフワッとしたり若さを覗かせたが、馬場の影響もあったろう。もう少し首を柔らかく使えるといいのだが、トモの踏み込みが力強く推進力に溢れている。ブックのフォトパドックを見る限り、馬体の迫力は文句なし。

デボネア】○ 3週続けてびっしりと
佐藤哲騎乗で坂路を単走で。最後はステッキが入り、ビッシリ追われるも脚が上がり気味になり迫力に欠けた。元々攻め駆けするタイプではないので、3週続けてびっしりやれているので問題ない。

トーセンラー】◎ デキ絶好
蛯名騎乗で2頭併せの内を6ハロンから追走。終始、馬任せで鞍上の手綱は微動だにしない。右手前のままグングン加速し、四肢を目一杯に伸ばした迫力のストライドで豪快に先着した。全身を柔らかくしなやかに使え、スピード感に溢れていた。文句なしの動き。この中間は放牧先の山元トレーニングセンターで被災したが、無事に栗東へ帰厩。3週続けて長めから熱心に乗られ、17日にもCWで5ハロンから時計を出している。デキ絶好。

ナカヤマナイト】▲ 追って案外の動き
南Wで2頭併せの内を5ハロンから追走。3,4角は首をグンと沈め、スピード感に溢れた動き。直線でスッと左手前に替えて一旦は抜け出すも、前脚の出が硬く追ってからの迫力は案外だった。この中間は久々になるが4週続けてコースで長めから乗られて攻め量は豊富なのだが。

ノーザンリバー】▲ 気性の難しさ見せ
四位を背に坂路で2頭併せ。口向きが悪く何度も頭を上げて気性の難しさを覗かせる。先着はしたものの、前脚の出が硬く迫力は案外だった。

ビッグロマンス】▲ 素軽さに欠け
南Wで2頭併せの大外を5ハロンからびっしりと。引っ張り切りの手応えのままゴール前で気合いを付けられるも、追ってからの反応は案外で素軽さに欠けた。それでも大外を通って5ハロン81秒8は上々。

フェイトフルウォー】○ 仕上がり上々
最終追い切りは坂路を2頭併せでサーッと。首を上手く使いシャープな脚捌きで併入。この中間は2週、1週前をコースで長めから乗られ、直前は坂路で息を整えた。久々の一戦になるが、上々の仕上がり。

プレイ】○ 仕上がり万全
松岡騎乗で南Wを2頭併せで終い重点。四肢を気持ちよく伸ばしたストライド。抜け出す時にフワッとしたが、良い動きだった。この中間は2週続けてコースでびっしり追われ、中6週でも仕上がりは万全だ。


ベルシャザール】○ 力強い脚捌きで先着
安藤勝騎乗で坂路を2頭併せでびっしりと。追って頭が高いし、最後は苦しくなって内へモタれたが、力強い脚捌きで先着した。2週続けてビッシリと追われ、本番へ向けて仕上がりに抜かりはない。

リベルタス】○ 熱心に乗り込まれ
前走時は疲れが抜け切らず、坂路主体の軽めの調整に終始。この中間は30日にコースで長めから追われると、17日に51秒8-12秒8。直前はCWで3頭併せの中をサッと流す程度だったが、首を上手く使った動きで先着を果たした。叩かれた上積みが見込める。

ロッカヴェラーノ】○ 3週続けてびっしりと
坂路を単走でビッシリと。前脚を横に伸ばす独特のストライド。小気味いい走りでスピード感十分だった。不良馬場で半マイル52秒4-13秒0なら及第点。3週続けて坂路でびっしりと追われ、仕上がりは良い。

皐月賞(GI)徹底研究!

2011-04-17 21:57:12 | 見解
被災馬支援基金にご協力ください
 We are the oneプロジェクト

3月11日起きた東北太平洋沖地震の影響で予定していた17日の中山競馬場から1週スライドして24日に東京競馬場で開催されることになった今年の皐月賞。開幕週で馬場状態が未知数で読みづらい部分はあるが、例年以上に混戦で馬券的妙味は多い。

カフナ
前走の若葉S2着は、発馬後に気合いを付けて先団へ。2ハロン目は10秒9と厳しい流れだったし、1000㍍通過が59秒5の締まった流れ。この時期の3歳戦としてはかなりのもの。三分三厘で逃げ馬に早めに並びかける強気の競馬で、直線入口では早くも単独先頭に踊り出る。抜け出すのが早かった分、坂上で末が鈍って勝ち馬に並びかけられるが、そこっから粘りに粘って大きくはバテなかった。流れを考えれば正攻法で負けて強しの競馬だった。前々走のあすなろ賞1着は、スローの緩い流れをスーッと3番手のインを取りに行く。終始、首を上手く使った柔らかい走りで経済コースを立ち回る。三分三厘で後続が動いても慌てることなくインでじっくりと我慢。4角で一気に仕掛けると、直線で一気に弾けて差し切ってしまった。攻めの動きを見る限り、かなりの大物感が漂い長い距離で活躍しそうな雰囲気を持っている。一週前追い切りでは坂路で併走馬を子供扱いし、抜け出してからもフワッとすることなく最後までしっかりとした脚取りだった。スッと先手を奪える脚力があり、追ってからも長く脚を使える。開幕週の高速決着も望むところ。不気味。

ダノンンミル
前走の若葉S1着は、一貫した平均ペースの流れをスーッと馬任せの位置取り。1角でゴチャついて頭を上げて嫌がる仕草を見せたが、2角からは5,6番手で馬群の中から追走。1000㍍通過が59秒5の締まった流れで三分三厘からも11秒9-11秒6の厳しい流れを早めに追い掛ける正攻法の競馬。直線で前を射程圏内に入れると、手前を何度も替えたり抜け出すと外に膨れるなど若さを覗かせたが、何とか押し切った。1分59秒1の走破時計はかなり優秀だし、横綱相撲で強い競馬だった。前々走の未勝利戦1着は、道中は緩い流れの中、掛り気味に好位のインを取りに行く。三分三厘では手綱を押したり引っ張ったりのチグハグな誘導だったが、直線で前がぽっかりと開き、そこからグーンと凄い脚。余力十分のまま後続を突き放した。強い競馬だった。全身を柔らかく使えて底力のある末脚が武器。GIの激流は歓迎だし、テンにある程度の位置を取れるので開幕週のパンパン馬場は望むところ。前走は絶対にフロックではない。一戦毎に馬体が減っているだけに、1週開催が延びたのは歓迎材料だろう。当日、プラス体重なら。

トーセンラー
前走のきさらぎ賞1着はリキサンマックスがガンガン飛ばし、離れた2番手以下はスローの流れ。これを道中は後方から馬任せで追走し、前のオルフェーヴルを見ながらの競馬。残り1000㍍標識を通過した3角手前から外めを通ってジワッと進出開始。3角の下り坂からは少し手綱を動かして決して手応えは良くなかったが、5番手までポディションを上げられたし、下り坂を利して加速することはできた。直線を向き、しばらくは右手前のままで反応は今ひとつ。残り300㍍地点で左手前に替えると、鞍上の懸命な手綱捌きと左右のステッキでグンと重心を沈めて伸びる。馬場を強く叩きつける大きなフットワークで一完歩毎に凄い脚を使った。追えばどこまでも伸びる感じで差し切ってしまった。オルフェーヴルを上回る決め手だった。前々走の福寿草特別3着は、中弛みの流れを道中は馬任せで中団の外めを追走。終始、折り合いもスムーズでペースの上がった三分三厘では外めを通ってジワッと加速。直線入口では早くも先頭に並び、一気に差し切ろうかの勢い。だが、追ってからの伸びが案外で、追い比べで見劣り後ろからも差されてしまった。前々走のエリカ賞3着は、超スローの流れの中でテンは行きたがる仕草を見せたが、ペースの遅さを考えれば仕方ないもの。道中は3番手のインで我慢させる。少頭数の割に三分三厘で馬込みに包まれてスパートすることができなかったし、直線も前が詰まって追えなかった。消化不良のレースだった。一瞬の加速力よりは、追って長く脚を使うタイプで、グンと重心を沈めてフットワークが大きい点にも好感が持てる。馬場を叩きつけるタイプだけに開幕週のパンパン馬場は合うだろうし、直線の長い府中向きだ。条件は申し分ない。あとは久々で初の長距離輸送と左回りを克服できるかだろう。

オルフェーヴル
前走のスプリングS1着は、5番枠からいつもより少しだけ出して行く。気を許せばガツンと行ってしまう気性だけに慎重に運ぶ。道中は馬群から取り残されることなく、中団馬群の直後に取り付き、前のリベルタスをマークする。3角から外を通って少しずつポディションを押し上げる。4角では早めに先団に並びかける。かなり馬群の大外を通らされた。直線で左ステッキが入ると一気に先頭に並びかけたものの、急に内側に切れ込んでしまう。坂上からは鞍上が懸命に手綱をしごき後続の追撃を何とか振り切った。前々走のきさらぎ賞3着は、発馬を決めて道中は縦長のスローの流れを中団の外め追走。終始、引っ張り切りの手応えで気を許せばガツンと掛ってしまう雰囲気。3角手前で勝ち馬が動いた時も手綱をガッチリと抑えて我慢させる。4角でスパートを開始させると、手綱をしごいて慌ててスパート。直線を向き、前との差はまだ10馬身以上。一完歩毎にグイグイと伸びてきたものの、明らかに仕掛け遅れだった。3走前のシンザン記念2着は、1番枠から発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。3角手前では掛り気味に中団のインまでポディションを押し上げる。4角ではハミを掛け直され、馬場の脚を取られてバランスを崩すなど、決して手応えは良くない。それでも、直線でエンジンが掛るとグンと重心を沈めて鋭い脚で追い込んできた。4走前の京王杯2歳S10着は、発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。3角手前で掛ってポディションを上げると、3角では頭を上げてモロに掛ってしまう。その分、直線は追って伸びが案外だった。一戦毎に折り合い面には心境が見受けられる。だが、気を許せば持って行かれてしまうだけに、道中で下手に動けない分、2走、3走前のように仕掛け遅れのリスクは常につきまとう。デビュー戦では急に内側に切れ込んでいるし、兄同様に左回りにも不安がある。一瞬の切れ味を武器とするタイプだけに、直線の長い府中では仕掛けどころが難しい。

サダムパテック
前走の弥生賞1着の10㌔増は、本番を意識しての仕上げもあってのもの。レースでは課題の発馬をクリアはできたものの、直後に両サイドと接触し、更には内へ切れ込んできたターゲットマシンに進路をカットされる不利があった。ここで馬にスイッチが入ってもおかしくなかったが、鞍上の岩田Jが手綱を抑えて懸命になだめる。ゴール版前で左手前に替えた時にスピードが乗ってポディションを押し上げたが、掛るほどではなかった。1角からは5番手の外めで折り合いに専念する。鞍上との呼吸はピッタリで、スムーズな誘導。向こう正面中盤では外から掛ったオールアズワンに被されても動じない。三分三厘でも手応え十分で慌てない。直線入口でスパートを開始させると、坂上で右ステッキが2発。ここで内へモタれて右手綱で矯正しながらの追いになったものの、首を水平に使った推進力ある走りで差し切った。まだ他馬に比べると出脚は鈍いが、その後に落ち着いて誘導ができれば距離はこなせることが分かった。前々走の朝日杯FS4着は、発馬で行き脚がつかず最後方からの競馬。直後に鞍上が手綱を押してポディションを取りに行ったことで馬にスイッチが入ってしまい、中団の直後まで押し上げられたもののモロに掛ってしまう。しかも、三分三厘では馬群の大外を通って早めに仕掛ける強気の競馬。直線で一旦は先頭に躍り出ようかの勢いだったが、坂上で脚色が鈍ってしまった。3走前の東京スポーツ杯1着は、例によって発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。朝日杯と同様に直後に手綱を押して行った分、向こう正面から3角にかけて頭を上げて行きたがってしまう。それでも、4角手前からは馬込みのなかで我慢をさせ、直線は馬場の5分どころへ持ち出す。左手前でグングンと先団へ取り付き、残り200㍍地点で早くも先頭に躍り出る。そこで右手前に替え、もうひと伸びして後続をちぎってしまった。トモが甘いためにまだ発馬で行き脚がつかないことが多いが、その後に急がさなければ折り合いが付くことが分かったのは収穫。モタれる癖や追って頭の高い点に課題を残すが、決め手はかなりのもの。発馬が安定しないだけに外枠だけは避けたい。

ナカヤマナイト
前走の共同通信杯1着は、発馬直後から無理することなく、馬任せで後方に控える。終始、馬群にインをロスなく立ち回る。流れが緩いだけに道中は痺れる手応え。3~4角でも馬群はギュッとひとひと塊。鞍上の柴田善Jは大外ではなく、最内に進路を求める。しばらく進路がなかったが、坂上で逃げたディープサウンドが外へ膨れてできた最内を見逃さなかった。一気にスパートしてインに突っ込む。スローで各馬も脚をタメているためになかなか渋太い。それでも、一完歩毎に力強く伸びてゴール前でギリギリ差し切った。流れを考えれば経済コースを通った恩恵と坂上での一瞬の好判断が功を奏した。狭いところ割ってきた勝負根性は高く評価できる。前々走のホープフルS2着は、中弛みの流れを道中は離れた4番手で折り合いに専念。向こう正面まではインに潜り込んで脚をタメ、流れが落ち着いて馬群がギュッと凝縮した3角から外めを通ってジワッと進出開始。4角で一気に先団の直後まで取りつき、直線は大外へ。直線入口の脚色では一気に差し切ろうかのものだったが、並んでから相手に食い下がられ、最後は追い比べで見劣ってしまった。3走前のベゴニア賞1着は、逃げ馬不在で果敢にハナを主張。3ハロン目からは単独先頭に立ち、3,4角はマイペースの逃げで息を入れる。たっぷりタメて直線で二の脚で後続を突き放す。首を水平に使った柔らかい走りで余裕のフィニッシュ。折り合いに不安がなく、鞍上の指示に従順。首を上手く使えて切れ味が鋭い。現時点での完成度はかなり高いのでは。

ベルシャザール
前走のスプリングS2着は、前走ほどではないにしろ、発馬はそれほどよくなかった。直後に手綱を押して前へ。しかし、手綱を押したことで馬にスイッチが入ってしまい、折り合いを欠く。懸命に鞍上がなだめて3角からは3番手のインに潜り込む。4角では馬群に揉まれて嫌がる仕草を見せる。その分、直線入口ではハミを掛け直されるなど、手応えが悪い。直後にステッキが入り加速し始めたところで今度は外からオルフェーブルに寄られて怯んでしまう。並の馬なら馬群に沈んでしまうケースだが、立て直して渋太く伸びてきた。決して切れる脚はないが、バテずに渋太い脚を見せてくれた。揉まれた経験は本番に生きる。前々走の共同通信杯4着は、発馬でトモを落として出脚がつかず。そこからジワーッと馬群の外を通ってポディションを上げて行く。ここで脚を使わされたのは否めない。3角手前からは4番手の外めで我慢。だが、スローの流れで終始、馬群の外めを通らされてロスの多い競馬。直線でハミを掛け直されるも、反応は案外だった。前半のロスも合わせて勿体ないレースだった。大型馬で決して切れる脚はないタイプ。平均ペースの緩みない流れで底力勝負を得意とする。追って頭が高いが、並ばれてからは渋太い。高速決着にも対応でき、開幕週のパンパン馬場は味方する。あとはスッと先行したいだけに内枠がほしい。

デボネア
前走の弥生賞3着は、4番枠から好発を決め、馬任せで中団のインに潜り込む。首を上手く使った迫力あるフォームは大物感を漂わせる。終始、インの経済コースを立ち回りロスのない誘導。三分三厘で前がゴチャつき、手綱は抑えたまま。4角で前のルーズベルトが外へ膨れてできた僅かな隙間を見逃さず、インに突っ込む。直線を向くと、前のアッパーイーストまでもが外へ膨れてインがぽっかりと開く。そこからスルスルと脚を伸ばしてきたが、僅かに劣った。初めて経験する瞬発力勝負の流れに対応できたのは大きな収穫だ。前々走の京成杯2着は、好発を決め、大きなフットワークで中団馬群を追走。首を水平に使った無駄のないフットワークでスムーズな折り合い。底力が要求される流れを、しっかりと力強い脚を使って伸びた。前走で瞬発力勝負にも対応できたが、本来はハイペースの差し馬。開幕週のパンパン馬場で上がりの速い決着になるのは辛い。一貫した流れで底力勝負になれば出番。

ステラロッサ
前走のスプリングS3着は、道中は後方の外めを追走。トビの大きなタイプで終始、気合いを付けながら。ペースアップした勝負どころではズブさを見せて反応が悪い。直線入口でも後方のままだったが、阪神外回りの直線の長さを存分に生かし、一完歩毎に大きなフットワークで伸びてきた。前々走のアルメリア賞2着は、少頭数の超スローの競馬。道中は中団で折り合いに専念する。少頭数だったが、直線で勝ち馬に早めに抜け出され、仕掛けが遅れたエンジンの掛りの遅いタイプだけに余計に響いた。最後は全身を大きく使って一完歩毎に詰め寄ってきただけに勿体なかった。ズブくて一瞬の加速力では見劣るが、長く良い脚を使えるタイプ。それだけに、直線が長い府中に替わるのは歓迎だし、1ハロンの距離延長も望むところ。むしろ、もっと距離は延びた方がいい。上がりの掛るレースがベストだけに開幕週で上がりの速い決着になった場合に差し切れるか不安が残る。首差しが長く、フットワークも大きい。いずれは大きいところを獲れる器だ。追える川田J騎乗は心強い。

桜花賞(GI)回顧

2011-04-12 22:40:13 | 回顧
12.1 - 11.0 - 11.5 - 12.1 - 11.8 - 11.3 - 12.0 - 12.1=1:33.9
(34.6-23.9-35.4)

ディープ産駒マルセリーナが父に初のGIタイトルをプレゼントした。この中間は予想以上に馬体が回復せず、予定していたチューリップ賞を回避。一定期間は時計を出さずに馬体回復に専念してきた。決して順風満帆とはいえなかったが、この日は4㌔増で馬体をふっくらと見せた。陣営の懸命な努力が実った。レースでは、例によって発馬で行き脚がつかず。直後に少しずつ気合いを付けて2ハロン目から行き脚がつくと、今度は掛ってしまう。頭を上げてかなり行きたがっていたし、3角でも抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。鞍上と呼吸が合っていない。前に壁を作り、後方のインで我慢させる。4角から直線入口にかけては前がびっしりと壁になり、まだ手綱を抑えたまま最後方。万事休したかと思われたが、残り400㍍地点でエイシンハーバーの左側に進路を見出すと、一気に手綱をシェイクさせて突っ込む。その進路はラテアートも狙っていたが、一瞬の脚力の違いで奪い取る。坂上からは鞍上の左ステッキに応え、大きなフットワークでグングンと伸びる。前で粘るフォーエバーマークを捕え、悠々とフィニッシュ。追えばどこまでも伸びる手応えだった。父を彷彿とさせるフットワークだった。テンに鞍上が無理やり我慢させたのが実った。次走のオークスでは距離が伸び、道中は13秒台のラップも予想される。今回はマイルの淀みない流れで結果を出せたが…。この時期の牝馬限定戦なら能力で何とかなる場合はある。

 ホエールキャプチャは早めに栗東入りし、渾身の仕上げで本番へ挑んだ。6㌔減でも決して細くはなかった。レースでは17番枠から馬任せでポディションを取りに行く。だが、内枠各馬とのコース取りの差はかなりあり、3角では自然と後方まで下がってしまう。4角までは勝ち馬と併走する形だったが、4角で馬群はびっしりと密集し、突っ込めるスペースがない。人気を背負っていることもあり、鞍上としても冒険はできない。4角から直線は必然的に大外ブン回しに。直線でピッチの利いた回転の速いフットワークで右手前のままグーンと伸びる。坂下からは左手前に替えて懸命に脚を伸ばす。ゴール前で外に膨れるロスもあり、僅かに届かなかった。4角から直線入口にかけての距離ロスは相当あったし、負けて強しの内容だ。完歩の小さい走法だけに距離延長は歓迎できないが、折り合いの不安がない分、レースはしやすい。能力で距離はカバーできる。

 トレンドハンターは中1週ながら最終追い切りでは、馬なりで併走馬を子供扱いする圧巻の走りを披露。デキは良かった。レースでは発馬は決めたものの、手綱を押しても前に進んで行かず。道中は終始、手綱を押しっぱなしでアクションに余裕がない。この手応えなので馬群に突っ込めず、直線は大外へ。左手綱を引いて立て直すロスもあったし、残り400㍍地点でもまだ最後方。そこからエンジンが掛り、頭の高い走法ながら脚力で追い込んでくる。坂上では、前のホエールが外にヨレた影響で手綱を引っ張り立て直すロスが。そこで逆手前になって追い込むも届かなかった。4角までは追走に脚を使わされて、かなりの距離ロスがありながら3着まで来たのは立派。今回の内容なら明らかに距離が延びて良いタイプ。しかし、追って頭の高い点は改善の余地がある。

 メデタシは発馬を決めて中団あたりまでポディションを取れそうだったが、ゴチャついて手綱を引っ張り、後方2番手までポディションを落としてしまう。4角で馬群のなかに突っ込んで行き、少しずつ加速させる。直線で大外へ持ち出すと、左手前に替え、一完歩毎に伸びる。だが、坂上で苦しくなったライステラスと接触するアクシデントが。小柄ば馬体だけに不利は小さくなかったが、最後まで伸び続けた根性は立派だった。上位3頭とは決め手の差が出たが、オークスで楽しみな一頭だ。

 フォーエバーマークは1番枠からポンと好発を決め、悠々とハナを奪う。3ハロン目からマルモセーラが手綱を抑えたために3馬身ほど引き離しての逃げ。3角で12秒1と少し息を入れたものの、後続が早めに追い上げてきた4角から11秒8と少しペースアップさせると、直線で二の脚を使い、一旦は後続を引き離してあわやのシーンを演出する。さすがに坂上で苦しくなって止まってしまったが、見せ場十分だった。マイル以下でハナを奪えればかなりやれる。

 ハブルバブルはゲートにてこずり精神面で課題を見せた。レースではまずまずの行き脚で道中は中団馬群のなかを追走。三分三厘では馬込みに包まれて手綱が動いて手応えが怪しくなる。直線を向き、何度か手綱を抑えるシーンがあったし、最後は鞍上も無理せずあまり追っていなかった。それでも、ここまで追い上げる脚力は立派。

 ダンスファンタジアは前脚の出が硬く、完歩が小さいために手応えほど追って伸びないのが現状。超ハイペースのフェアリーSを三分三厘で馬なりのまま早め先頭で押し切った脚力から、将来的には短距離で能力を発揮するタイプだろう。

 

日経賞(GⅡ)回顧

2011-04-05 00:13:57 | 回顧
12.6 - 11.4 - 13.4 - 12.9 - 12.4 - 12.5 - 12.3 - 11.9 - 11.5 - 10.8 - 11.4 - 12.3=2:25.4

超良血馬トゥザグローリーが完全な本格化を成し遂げた。レースでは1番枠から馬任せでジワッとした出方。緩い流れとインのコーナーワークを利して1角では4番手のインをキープする。向こう正面では抑えるのに苦労するほどの行きっぷりでもの凄い手応え。3角でも制御するのに苦労していたが、外のミヤビが仕掛けて行ったことでレース流れが速くなった。ここで手綱をグッと抑えて脚をタメる。4角手前で少し手綱を緩めてインから進出開始。4角で先頭から1馬身圏内まで進出すると、直線入口で馬なりのまま先頭へ。レースのラップが10秒8のところだから、すごい脚力だ。直後に外のローズキングダムに迫られたが、坂上で左手前に替えるとグンともうひと伸び。最後は手綱を抑えてフィニッシュした。抜け出した時にフワッとするし、まだ頭の位置も高い。道中も行きたがるところがあり、気性はまだ若い。逆にいえば、それでこの強さ。とにかく四肢の脚力が半端なく強い。レースが速くなる勝負どころの3,4角を馬なりでポディションを上げられるのが、その証拠。

 素質馬ペルーサが今年緒戦で上々のスタートを切った。課題の発馬では、やはりトモに重心が掛りフワッとした。それでも、昨秋に比べればかなり前進してる。レースがスローで流れたこともあり、置かれることなく道中は中団から前の有力どころを見ながらの競馬。ペースが落ち着いて馬群がギュッと凝縮した向こう正面中盤では先頭から4馬身圏内まで迫る。3角で一気にペースアップするも、ここでは無理せず。4角で少しずつ気合いを入れてスパートを開始すると、直線は大外へ。スッと左手前に替えたものの、前のトゥザとローズとは加速力の違いを見せ付けられ、ズブくて置かれてしまう。坂下で再び右手前に替えて内へモタれながらも、ジワジワと追い上げる。坂上で三度、左手前に替えるとエンジンが掛りローズキングダムを差し切った。まだトモが頼りなくズブいし、どうしても置かれてしまう。現時点では、直線の長いコースで長く脚を使う競馬が合ってる。

 ローズキングダムは攻め駆けするタイプとしては直前の坂路の動きが不満の残るもので、デキは今ひとつだったか。ポンと好発を決めると、馬任せで先団へ。1角からはインのトゥザグローリーをマークする形。流れの落ち着いた向こう正面中盤では引っ張り切りの痺れる手応え。3角で外から少しずつポディションを上げて行き、インのトゥザを被せに行こうとするが、相手がスッと動いたために閉じ込めることができず。4角では例によって内へモタれていたが、京都コースほどひどくはなかった。直線でも少し内へモタれて鞍上の武豊騎手が右ステッキで矯正しながらの追い。前のトゥザを目標に懸命に追い掛けるが、坂上で末が鈍り後ろのペルーサにも差されてしまった。デキが今ひとつで、59㌔を考えれば仕方ないか。右回りはどうしても内へモタれる。

 天皇賞へ向け、マイネルキッツが最高の形で今年緒戦をスタートさせた。例によって発馬で行き脚がつかず、道中は後方からの競馬。久々の一戦となるが、道中は首を水平に使い大きなフットワークで集中力を感じさせた。流れが落ち着いた向こう正面中盤でインからジワッとポディションを上げる。3角手前では勝ち馬から2馬身圏内までに迫る。3角で一気にペースアップする流れに戸惑いを見せ、4角では手綱が動く。直線入口ではステッキが入るなど反応が鈍い。それでも、最後まで集中した走りで一完歩毎に粘り強く伸びてきた。ズブくて瞬発力勝負には対応が難しいタイプで、まして超久々。12㌔増で余裕もあった。それを考えれば及第点の内容だ。本番で距離が延びるのは勿論歓迎だし、ひと叩きされ上積みも見込める。明け8歳馬だが、今回の集中した走りならまだまだやれる。

 昨年の菊花賞馬ビックウィークはチグハグな競馬になってしまった。発馬で気合いを付けて先団へ。外のミヤビの出方を見てハナを主張しに行くが、内のエーシンジーラインが引かずに主張してきたため慌てて手綱を抑える。だが、一度気合いを付けたことで馬が気負ってしまい、道中は2番手で力みながら走っていた。3角からは外のミヤビランベリが早めに競りかけてきてラスト1000㍍から11秒9-11秒5-10秒8とかなり厳しいラップに。4角手前では早々と手応え怪しくなり、直線は馬群に沈んでしまった。どうも復帰後はリズムが悪い。追って切る脚がないので早め早めの競馬をするしかない。

 

大阪杯(GⅡ)回顧

2011-04-05 00:11:48 | 回顧
12.5 - 11.0 - 12.3 - 12.1 - 11.4 - 11.6 - 11.6 - 11.3 - 11.8 - 12.2=1:57.8

まさに執念で掴んだ勝利だった。昨年の皐月賞では、世界一に輝いたヴィクトワールピサの2着の実績がありながら、未だに重賞には手が届いていなかったヒルノダムール。この中間はいつものコース追いではなく、坂路主体の調教で瞬発力を鍛えた。直前の攻め馬では、前に馬を置きゴール前は迫力の動きを見せていた。レースでは、発馬で右にヨレて他馬と接触するアクシデントが。ここで馬にスイッチが入って掛ってもおかしくなかったが、意に介せずスーッと中団で折り合う。レースは向こう正面から流れが締まり底力を要求される展開。3角で少し気合いを付けるものの、インでジッと我慢し、脚を温存。4角で手綱をしごいてスパートを開始させると、直線は馬場の3分どころへ持ち出す。前で粘るキャプテントゥーレを目標に一瞬の切れ味を使い、グイッと馬体を併せる。坂上で交わしたところでフワッとして例によって頭が高くなる。そこを後続に迫られたが、首の上げ下げで何とか振り切った。レコードV。2,3,4着馬は後方待機組。この厳しい流れを自ら勝ちに行って掴んだものだから価値が大きい。強い内容だった。

 昇り馬ダークメッセージが2着に入った。13番枠からフワッとした発馬ですぐにインへ潜り込む。道中は縦長の緊迫した流れを後方のインを追走する形。長い首差しを上手く使い、折り合いもスムーズ。3角で外めにポディションを移し、少しずつ加速していく。外のドリームジャーニーに被される形になり、脚がなければ怯むケース。だが、4角の脚力は明らかに同馬が上回り、直線は大外から一完歩毎に鋭い脚で追い込んできた。最後は首の上げ下げで屈したが、ほぼ勝ちに等しい内容だった。この厳しい流れに対応で33秒台の脚を使えたのは底力の証だし、4角で一昨年の年度代表馬を脚力で圧倒したのには驚いた。明け4歳馬。急激に力を付けている。フロックではない。

 昨年のダービー馬エイシンフラッシュは、大外枠発走で好発を決めたものの、内の先行馬を行かせて後方馬群に潜り込む。向こう正面から一気にペースが速くなる流れで課題の折り合いはクリア。59㌔を背負っていることもあり、3角では大外から早めにスパートする形。4角手前で中団まで押し上げたところで一旦手綱を抑える。4角で再び加速し直線へ。大きなフットワークで一完毎歩毎に詰め寄ったが、2着馬の脚色が勝り、競り負けた。休み明けで59㌔を背負っていたし、外々を通らされる苦しい形。格好はつけた。基本的に大トビで長く脚を使うタイプ。もう少し上がりが掛ってほしいクチだ。馬場が荒れる初夏の宝塚記念は面白いかも。

 4着のダノンシャンティは例によって最後方からの競馬。向こう正面から一気にペースが上がり、マイル寄りのレースになったこともあり、道中は頭を上げることなく何とか折り合えた。しかし、一歩気を許せばガツンと行ってしまうそうな凄い手応え。ペースが上がって他馬の手綱が動いた4角手前でも少しずつ手綱を緩めてポディションを上げて行くほど。直線は大外から一完歩毎に迫ったが、届かなかった。59㌔を考えると強い競馬だ。今回のような締まった流れなら2000㍍もこなせるが、常に折り合いの不安があるため道中で下手に動くことができず、追いこみ一辺倒になる。そうなれば道中のロスは覚悟しなければならないし、他力本願になる。やはり、底力ある末脚を生かすには府中のマイルがベスト。叩かれて本来の動きを取り戻している最中だ。

 キャプテントゥーレはデキの良さで5着に粘れた。ピッチの利いた小刻みな走りでスーッとハナへ立つ。2角までは上手くペースを落とせたが、向こう正面からは外のトーホウアランが競りかけてきたこともあり、11秒4-11秒6-11秒6とかなり緊迫した流れになる。3角で2,3番手が早々と脱落したのは良かったが、それでも流れを緩めない。4角で再びピッチを上げ、後続を突き放す。直線入口は後続とかなり差があったが、さすがに坂上で末が鈍ってしまった。先行馬不利の流れのなか、よく頑張った。もう少し道中で息を入れられれば逃げ切っていた。

リディルは馬任せで1角へ出して行ったが、鞍上が制御できずモロに掛ってしまった。鞍上との喧嘩は2角まで続いた。向こう正面でレースの流れが一気に速くなってからは折り合いが付いたが、今度は速い流れを追走する悪循環。流れの速い三分三厘を馬なりでポディションを上げて行く脚力を見せたし、直線も一瞬は抜け出すシーンを見せた。さすがに、テンに掛ったこともあり最後は失速してが、能力の一旦は見せてくれた。マイルが合っている。馬体はもっと増えないと。

ドリームジャーニーは深刻な状況だ。右前脚の状態を見ながらの調教で、坂路のみの調整。これでは見た目の動きは良くても、攻め量が不足気味になり中身ができない。発馬で接触するアクシデントはあったが、これは勝ち馬も同じ。三分三厘で条件馬の2着馬に脚力で見劣ったのは頂けないし、直線は手前を替えながらも伸びなかった。 

長期休養明けのトーホウアランは発馬で出ムチが入るなど、徹底先行策。しかし、気合いを付けたことで馬にスイッチが入り掛ってしまった。結果として向こう正面から11秒4-11秒6-11秒6の流れを誘発してしまった。3角で手応えがなくなったのは仕方ない。大きなフットワークで長距離適性を感じさせる。行きっぷりを見ると衰えは感じさせない。今後に要注目。



大阪杯(GⅡ)予想

2011-04-03 08:51:21 | Weblog
阪神11R 大阪杯(GⅡ)

◎キャプテントゥーレ

 単騎逃げ確実のキャプテントゥーレを狙う。前走の中山記念2着は、久々でも仕上がっていたし、12㌔減でも、馬体の張りはしっかりしていた。ポンと好発を決め、手綱を押してハナを主張する。外からミッキードリームにも迫られたが、すぐに迎える1角でコーワーワークを利してハナへ立つ。そこからは上手くペースを落としての逃げ。2角まではたっぷりと息を入れることができた。向こう正面から少しずつペースアップすると、3角手前から痺れを切らしたレッドシューターが早めに競りかけてくる。仕方なくペースアップし、残り5ハロンからは11秒6-11秒4。開幕週のパンパン馬場でテンに脚を温存できたとはいえ、三分三厘の攻防はかなりきつかった。直線で勝ち馬にはあっさり子供扱いされたが、二の脚で3着馬を振り切ったのは立派だった。久々のハナでの競馬で渋太さを見せた。休養前の天皇賞・秋13着は、シルポートが引っ張る淀みない流れを道中は外めの3番手追走。向こう正面中盤からは2番手までポディションを押し上げる。折り合いも付いていたし、4角では息を入れることもできたが、直線は抵抗することなく馬群に沈んだ。GIで実績のない直線の長い府中では厳しかった。3走前の朝日CC1着は、好発を決めると直後に小牧が手綱をシェイクする仕草を見せ他馬を牽制。外のプロヴィナージュがすんなりと2番手に控えたため単騎逃げを打つ。鞍上の好騎乗も見事だが、仕掛けても掛らない気性も見事だ。3角手前でドリームフライトに競られたことでペースアップしたが、テンの貯金は十分で4角でも手応え十分。直線でピッチの利いた回転の速いフットワークで後続を突き放し、圧勝した。完歩が小さく出脚が速いため、ハナへ行ける脚力を持っている。ここは単騎逃げを打てるメンバー構成で、鞍上もハナへこだわることを示唆してる。有力どころのヒルノダムール、ドリームジャーニー、エイシンフラッシュはすべて後方脚質。ヒルノの前走は早めに動いて末が甘くなっているだけに今回は簡単には動けない。ドリーム、エイシンも行きたがるところがあり、道中はタメる競馬になるだろう。阪神内回りでこのアドバンテージは大きい。自身もひと叩きされ攻めの動きがグンと良化。かなりデキは良い。桜花賞へ向け、単勝で軍資金を稼ぐ。